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「着床前診断で初の公開討論会、障害者団体から懸念の声」


last update: 20151221


19980314

朝日 3/14 22:57 ◇着床前診断で初の公開討論会、障害者団体から懸念の声

 生まれてくる子供に重い遺伝病があるかどうかを体外受精させた受精卵で
調べる着床前診断をめぐり、日本産科婦人科学会は十四日、東京・新宿で公
開討論会を開いた。生殖医療について同学会が公開討論をしたのは初めてで
約百八十人が参加。青野敏博・学会倫理委員長が、学会の承認を得た施設が
十分な説明と夫婦の同意にもとづいて実施するという方針案を説明したのに
対し、日本ダウン症協会などから「病気や障害の有無で生命を選別するもの
だ」と懸念する声が出た。議論は平行線をたどり、学会は今後も討論会を開
くことにした。
 着床前診断は欧米で実施されており、国内では鹿児島大などが実施を準備
している。学会は昨年五月、実施の方針案をまとめたが、「障害者を排除す
るものだ」との批判が強く、幅広く意見を聞くことにした。

毎日 03/14 20:39 <着床前診断>公開討論会で「技術の独り歩き」への懸
念相次ぐ
 受精卵の段階で先天的な遺伝性疾患を調べる着床前診断に関する公開討論
会が14日、東京都内で開かれた。障害者・女性団体の求めに応じて日本産
科婦人科学会が主催した初の試みで、市民団体のメンバーや医師約80人が
参加した。
 着床前診断は体外受精した受精卵を診断する技術で、正常と診断された卵
を子宮に戻す。中絶しなくて済むなどの利点を挙げる意見がある一方、障害
者差別につながるとの批判や安全性を疑問視する声がある。同学会倫理委員
会が条件付きで承認する方向を打ち出しているが、学会としてはまだ承認し
ておらず、適用する疾患の範囲、希望者への情報提供のあり方などをさらに
検討している。
 討論会では同学会倫理委員長の青野敏博・徳島大教授らが医学的な説明を
した後、女性団体、障害者団体の代表者が意見を述べた。「障害者を異端視
する今の社会のままでは、どんな倫理規定をつくっても技術の存在が個人に
圧力として作用する」「特定の疾患を適用対象とすることで新たな差別が生
じないか」など、技術が独り歩きすることへの懸念が相次いだ。【松村由利
子】

共同 03/14 18:50 受精卵診断で公開討論会  社会的合意の難しさ示す
 重い遺伝病の子供の誕生を防ぐ目的で臨床応用が検討されている「受精卵
遺伝子診断」の是非について、日本産科婦人科学会が主催する初の公開討論
会が十四日、東京都内で開かれた。      
 学会倫理委員長の青野敏博・徳島大教授らが、受精卵遺伝子診断を実施す
る際の条件などについて、現在倫理委で検討中の案を説明し「何とか軟着陸
させたい」と述べたが、参加者からはこの技術が社会に及ぼす影響を心配す
る声や、議論不足を指摘する意見が相次ぎ、社会的な合意づくりの難しさを
浮き彫りにした。      
 同学会は討論会の議論を踏まえ、三月末に開く倫理委員会で今後の対応を
検討する。                     
 討論会では、障害者や家族の立場から「障害児を産むことへの偏見が広が
るのではないか」(玉井邦夫・日本ダウン症協会理事長)など、受精卵遺伝
子診断の「負」の影響を指摘する意見が続いた。
 一方、受精卵遺伝子診断を計画している永田行博・鹿児島大教授は、診断
を希望する夫婦の実例を基に「倫理的に間違った方法とは思わない」と発言、
理解を求めたが、議論が煮詰まらないまま時間切れとなった。      
 受精卵遺伝子診断は、初期の体外受精卵から細胞を、一、二個取り出して
遺伝子を調べ、異常がない場合は母親の子宮に戻して出産させる方法。同学
会によると、世界ではこの方法で既に百六十六人の赤ちゃんが生まれている。



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