HOME > 全文掲載 >

「はじめに」

玉井 真理子・中澤 英之・阿部 史子 19970901 『遺伝医療と倫理』(バイオエシックス資料集 第1集),
信州大学医療技術短期大学部心理学研究室

last update: 20131126

はじめに

 遺伝医療は、単一遺伝子病といわれるような狭い意味での遺伝性疾患のみを対象とするものではもはやなく、common diseaseをも対象として広がりつつあります。また、そうした現状を射程内に入れた社会的ルール作りが、欧米諸国ではすすめられています。情報を公開した上できちんと研究や診療を進めていく誠実さが求められているのだ、という印象をもって、いくつかの文献を読みました。専門職集団が“甘い”ルールではなくむしろ現状においては“厳しい”という印象を持たれるくらいのルールを自らに課すことが、専門職集団としての見識であり、社会的な信用にもつながっていくのだということがいくつかの文献から伝わってきました。少なくとも、「まあこの程度でよかろう」というような“甘い”ルールですすめてしまった結果として社会問題が起きている現実もあります。それは、長期的に見れば人類の福祉に貢献するかもしれない研究の進展に歯止めをかけるかもしれない、そのような事態は決して好ましいとは思えません。
 この資料集は、家族性腫瘍研究会の倫理ガイドライン作成小委員会にかかわり、とくに参考資料としての「遺伝カウンセリング」の部分の執筆を主に担当しながら1997年4月までに読んだ欧米の文献を中心に、一部、拙論を含んで構成されています。翻訳は主に、中澤英之(信州大学医学部3年在学中)と阿部史子が担当しました。収録されている文献の選定に関しても、また内容や翻訳の形式に関しても、若干統一性を欠いておりますが、遺伝医療をめぐる倫理的問題についての議論のひとつの重要な側面、すなわち“社会的ルール作りのあり方”ということに関して参考にしていただければ幸いです。
 なお、一部の論文の翻訳は、雫淳一さんの手によるものです。立岩真也氏には、一部の翻訳だけでなく編集に関しても貴重なご意見をいただきました。また、編集作業の過程で大木島寿美さん、小松貴子さん、長戸理江子さん、上村井文さん、和泉美紀さんにも大変お世話になりました。ここに記して感謝いたします。
 甚だ不十分な内容ではありますが、「試み」として、皆様からのご意見・ご批判をいただけることを切に願っています。

1997年9月1日 

編集代表 玉井真理子(信州大学医療技術短期大学部心理学研究室)

〒390松本市旭3-1-1 信州大学医療技術短期大学部心理学研究室
電話:0263-37-2396 ファクス:0263-37-2370 E-mail :mtamai@gipac.shinshu-u.ac.jp

<本冊子は信州大学医療技術短期大学部の講義資料として作成されたものであり「非売品」として扱われます>

      [資料集p.0]

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
バイオエシックス資料集 第1集
[遺伝医療と倫理]
発行 信州大学医療技術短期大学部心理学研究室
編集 玉井真理子・中澤英之・阿部史子
1997年9月1日
〒390 松本市旭3-1-1
TEL:0263-37-2396 FAX:0263-37-2370
E-mail:mtamai@gipac.shinshu-u.ac.jp
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *


      [資料集 奥付]



*作成:小川 浩史
REV: 20131126
遺伝子治療  ◇遺伝子…  ◇全文掲載 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)