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「医療事故市民オンブズマン(メディオ) 設立趣意書」


last update: 20151221


医療事故市民オンブズマン(メディオ) 設立趣意書

 21世紀を目前にした今日、「高齢化社会の到来」、「量から質の医療へ」、「臓
器移植をはじめとする高度先進医療の現実化」など、医療を取り巻く様々な環境が
急速に変化しています。

 そのような中で、患者が医療事故により被害に遭うケースが、後を絶ちません。
しかも、患者や遺族が事実の解明や被害の救済を求めても、責任を回避し真実を明
らかにしようとしない医師や医療機関が数多く存在します。結局、事故の多くは真
実が明らかにされず、救済もされない、というのが現状です。

 事実、事故や過誤を積極的に究明しようという公的機関は存在せず、被害者がで
きることは「裁判」という手段で、真実を追求するという方法しかありません。し
かし裁判は事故との因果関係を医療に無知な被害者側が立証しなければならないと
いう、被害者にとって過酷なものです。被害者の経済的・精神的負担は、想像を絶
するものがあります。「被害を教訓として生かしたい」という、医療事故再発防止
の望みすらかなえられません。

 身体を傷つけられ、場合によっては生命を奪われた被害者は、二重・三重の悲し
みを味わい、挫折を余儀なくされています。

 私たちは、このような現状を危惧し、『被害者の支援と市民(患者)のための医療
制度の確立』を目指して、「医療事故市民オンブズマン (メディオ)」を設立致しま
す。
 以下に当会設立の目的と活動の概要を説明致します。

◆医療事故を監視することにより、医療の質の向上を図る。
・医療事故例を収集し、整理・分析する。
・医療に関する市民団体と連携し、医療事故情報を交換する。
・医療事故の実態を公表する。
・医療事故再発防止のための提言をする。
・医療事故を繰り返す医療機関を公表する。
・医療行政を監視し、改善に向けて提言する。
◆医療事故の被害者を支援する。
・医療被害の相談にのり、被害救済の指針を示す。
・医療事故被害者救済に取り組む弁護士を紹介する。
・医療事故に関して意見書を作成する協力医を紹介する。
・医療事故裁判に関する知識を提供する。

◆医療情報の開示/公開を推進する。
・レセプトやカルテの開示についての運用を監視する。
・医療機関評価情報の公開を求める。
・患者の権利を確立させる。
・患者にとってのインフォームドコンセントを根づかせる。

 当会は、患者としての市民にとどまらず、現代の医療をよくしたいと願う医療関
係者や医療事故被害者の救済を支援する弁護士等の方々に広く参加を呼びかけてお
ります。
 多くの方々の御参加をよろしくお願いいたします。

   1997年 8月吉日

          「医療事故市民オンブズマン (メディオ)」設立賛同者一同

医療事故市民オンブズマン設立事務局
東京都新宿区西新宿6−21−1
アイタウンレピア808号
TEL/FAX 03−5323−5260
        QYJ02705



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