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処遇困難者専門病棟について

全国精神障害者団体連合会役員会 1997/01/26


処遇困難者専門病棟について
一九九七年一月二十六日
全国精神障害者団体連合会役員会

 全国精神障害者団体連合会は、「処遇困難者専門病棟」について、以下のことを確認する。
@「処遇困難者」の概念について
 われわれは、「処遇困難者」などとされる病者は存在しないと考える。つまり、「処遇困難者」とは、病者が圧倒的に不利な立場におかれている状況の中で、医療者によって一方的で恣意的な判断でなされる概念である。その概念には、多くの入院患者が、医療者、家族などによって、病気や病者に対する差別について配慮されず、どのように傷つけられてきたのかという視点はまったくない。
 いつ、どのような病者でも一方的に「処遇困難者」と烙印され、さらにつらい状況へと追い込まれることが十分ありうる。またこの概念は、社会にある「精神病者は何をするか分からない」という偏見をさらに助長する概念である。したがって、この概念は、病者に対する差別的な概念である。
A「処遇困難者専門病棟」について
 @の見解に基づき、われわれは、「処遇困難者専門病棟」について全面的に反対する。
 そして以下のことを確認する。
1 「マンパワーが充分に整い、医療技術、看護技術の水準を高める努力がなされたら、当事者、医療者、行政官による専門委員会の設置をすべき」とした「『処遇困難者病棟』新設についての意見書」(一九九四年三月二十九日役員会での確認、THEぜんせいれん七号掲載)を白紙撤回する。
2 専門委員会を設置することを提案したこと(「処遇困難者病棟反対の厚生省精神保健課との話し合い」、THEぜんせいれん九号掲載)は誤りであった。今後は「処遇困難者専門病棟」と「専門委員会」設置には全面的に反対する。
以上


*再録:桐原 尚之
UP: 20110818 REV:
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