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「優生保護法改正、母体保護法に関する声明文」


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last update: 20151221


優生保護法改正、母体保護法に関する声明文   1996年 6月20日

 1、「母体保護法」の名称に抗議します
 母体保護法という名称は、女性は子供を産んで一人前、子供を産むことでのみ女
を評価するという、古い時代の思想を継承したことを意味します。このため、障害
をもった女性や不妊の女性、産むことを選ばない女性は、相変わらず産むことを期
待されない女性として、差別され続けます。母体保護法は女性の多様な生き方を認
めない名称なのです。
 母体になること(=妊娠を継続し出産すること)を避けるために人工妊娠中絶を
選ぶ女性が、あるいは不妊手術を受ける男女が、「母体保護法」によって中絶や不
妊手術することの不条理、グロテスクさに、私たちは強い憤りを感じます。

 2、優生保護法から優生思想を削除したことは当然です。謝罪を求めます
 優生思想は障害者の心と身体に大きな痛手を与え、障害のあるなしにかかわらず
女性の性と生殖にも介入して、人権を侵してきました。にもかかわらず、今回の改
正はまったくの審議がないままに国会で成立しました。政府・厚生省が何の見解も
示していないことに私たちは怒りを禁じえません。
 政府・厚生省は、戦前の国民優生法の精神を受け継いだ長年の優生政策を、国民
の前で反省し、きちんと謝罪するべきです。今後、優生思想をなくすために、どの
ような具体的な政策、キャンペ−ン等をとるのか、明らかにするべきです。

 3、優生条項の削除だけでは問題は解決しません
 女性が性と生殖を自分で決めることができなければ、国はいつでも優生思想を復
活することができます。障害をもつ女性の健康な子宮が「社会的利益」を理由に摘
出されるといった、女性の体に加えられる暴力をなくすためには、優生条項の削除
だけでなく、堕胎罪をなくし、女性が自分の体について決定できる自己決定権の確
立が必要です。そして障害があってもなくても、同じように自分の人生を選べる状
況が必要です。

 4、堕胎罪をなくし、母体保護法にかわる女性のための政策、法律を要望します
 以上の観点から、政府・厚生省は、今回の優生保護法改正案の附帯決議に基づき、
女性の性と生殖の権利を尊重した政策を整備、措置するよう求めます。明治時代か
ら一度も手をつけられていない時代錯誤な刑法・堕胎罪をなくし、母体保護法に代
わる、人工妊娠中絶を保障する法律の制定を、政府、国会、そして与党の法制度検
討プロジェクトチ−ム等に要求します。

       女(わたし)のからだから82優生保護法改悪阻止連絡会
          東京都新宿区荒木町23 中沢ビル3階ジョキ内
            TEL&FAX 03(3353)4474

       DPI女性障害者ネットワ−ク
          東京都町田市根岸町174−3 樋口方
            TEL  0427(91)0132
            FAX  0427(91)6862

REV: 20151221
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