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「子宮摘出女性の両親「夫婦で相談した」」


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last update: 20151221


子宮摘出女性の両親
「夫婦で相談した」

『毎日新聞』1993-6-13

 ※「子宮摘出女性の両親」は横書き・ゴシック体で
  「「夫婦で相談した」」は縦書き,より大きな字・明朝体で

 国立大学附属病院で知
的障害のある女性の健全
な子宮が摘出されていた
問題で、うち一人の女性
の両親に会うことができ
た。
  ×  ×  ×
 日焼けした父(63)と母
(61)は農作業ので手を休
め、記者を迎えた。父が
話し始めた。その間、母
はうつむいて草をむしっ
ていた。
 ──娘はお産の時に酸
欠で、知的障害になった。
四歳ごろから、施設に入
った。そこは年齢制限が
あり、退所後の施設を探
したが、なかなか見つか
らなんだ。ようやく身体
障害者施設がみつかり、
入所条件からははずれる
が、頼んで入れてもろう
た。
 十六、七歳で生理が始
まった。施設に面会に行
ったら、人のおる前でナ
プキンを取り出してしま
う。血のついたまま、食
堂でもどこでもお構いな
しで見せたりするもん
で、世話する人もええ顔
はしない。施設に迷惑が
かかる。
 (子宮摘出以外)他に
方法はなかった。本人は
言語障害だからしゃべれ
ん。(摘出を)言っても
理解できん。我々を親だ
とわかっとるかも怪しい
もんじゃ。
 手術後は精神的にも異
常はなく、健康状態もい
い。やってもらってよか
った。他の親にも、こう
いう方法があると言って
やりたい。
 <子宮摘出をだれから
教えてもらったかと聞く
と、父はためらい、「二
人で相談した。なっ、そ
うだったな」と母に同意
を求めた。終始
無言だった母も
「そうです」と
答えた>
  ×  ×  ×
 障害者の権利に詳しい
大谷強・川崎医療福祉大
学教授は、難しい問題で
一概には言えないとしな
がらも、子宮摘出につい
て「実は親や施設の都合
に合わせて体を作り変え
ることでしかない」とみ
る。「今の社会は、障害
者を排除し、施設や家族
に介助を押しつけてい
る。生理の処理ができな
くても、社会が受け入れ
ないと、子宮を取っても
解決にならない」と話す。
 ◇情報やご意見を手紙
かファックス(06・346
・8228)でお寄せ下
さい。〒530−01 大
阪市北区梅田3の4の
5、毎日新聞特別報道部。

 以上,『全障連』120(19930805)p.12に掲載されたコピーより
 以下の記事とともに掲載されている。

 女性障害者の子宮摘出

 すでにお届けてしている「全国事務局ニュース」でも報告しましたが、女性障害
者の正常な子宮が摘出されていたことが明らかになり、文部省の調査でも二大学が
事実を認めています。
 こうした差別実態の背景には,特に医師や施設管理者の優生思想に基づく差別的
な障害者観があります。また、障害者にとっても管理者にとっても劣悪な管理実態
が、障害者の施設での生活を抑圧しているのです。子宮摘出は、「医療」の名のも
とに障害者の性と存在を否定するものであり、断じて許すことはできません。


REV: 20151221
不妊手術,断種(手術,法)  ◇優生学  ◇女性障害者の子宮摘出問題・関連文献  ◇障害者と性・関連文献  ◇全国障害者解放運動連絡会議(全障連)  ◇全文掲載
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