HOME > 全文掲載 >

『京都市立松原中学校・辻範子教諭支援に関する要望書II(衆議院議員・石毛えい子宛 1998年1月21日)』

大葉 利夫 1998

Tweet
last update: 20200320


大葉利夫,1998b,『京都市立松原中学校・辻範子教諭支援に関する要望書II(衆議院議員・石毛えい子宛 1998年1月21日)』.

1998年1月21日

衆議院議員
石毛金英子 先生
              「差無生」運動推進協議会会長
              「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会代表
                大葉利夫

      京都市立松原中学校・
      辻範子教諭支援に関する
            要望書 II

 私は、当該に関わる芳しくない情報を聞きました。動けぬ私にとって、その入って来る情報は、石毛先生、私がどのように感じ、どのように思っているか、おわかり頂けますか。先生の議員バッチを外して一人の人間として、障碍を持つ子供達の差別の解放運動を続けて来た多くの仲間の一人として、差別からの解放運動の中から議員になった一人として、先生の心をよく見つめて下さい。私や当該の感情と思いが先生の心と一致していると私はそう信じたい。今回のように見事に強い立場の者により、地位と権力を持った者により、弱い立場の者を入らせない現行制度に則って、まさに正当な立場で正当な行為を行なっているかのようにして、見事に弱い立場の者を差別し、排斥してしまう恐ろしくて、しかもあまりにも汚い行ないの歴史は、先生ならば一番おわかり頂けると私は願っておりました。その悪しき歴史を変えるために先生が議員バッチを付けられたと私は思っていました。その悪しき歴史を変えるために先生が一体どのように行動されて行こうとしているのか、私には理解出来ません。今回の私達の切実な先生への依頼は、私達の立場を理解して頂けると信じ、行なわれました。12月の段階では、本当に当該も含めて私達は先生に今回の問題の依頼が出来た事を心より喜び合いました。更に、山元勉先生と滋賀の事務所でお会いした時も、やはり石毛先生を通じて、今回の問題の解決を依頼した事と、その問題の解決がすぐそこまで来たと私達と当該や当該の両親も期待と希望に歓喜したものでありました。それが今動けぬ私に入って来る情報では、全く正反対で最悪の情報ではありませんか。この先、私の感情は今書かない方が当該のためと止めます。最終決着した段階で、思い出話として先生方に語る事が出来る事と今は望む道を選びます。
 先に述べた先生がどのように障碍を持つ者の差別からの解放のため、バッチを付けられ、バッチを付けられた立場でやっていかれるか、これは是非お聞きしたいと現時点でも考えております。近日中に、お会いして頂く事をお願い致します。
 さて、今回先生に、私達が依頼したポイントは次の通りであったはずです。
 1.現行システムの上で仕事をしている京都教育委員会には、障碍を持つ教師に対して制度上の財源が無い事を理由に、他の都道府県のように講師配当をして、当該の持ち時間を減らす事を、文部省の事例集を示しても、3年余の私達の執拗な働きかけがあっても実現しようとしない。
 2.そのため、当該が倒れてから、お金のかからない方法でしか対応せず、当該や生徒や現場をあまりにも多く混乱させ、犠牲にしている。
 3.薮田課長レベルではらちがあかない。薮田課長は既に実感を失っている。従って、薮田課長以上の実権を持っている者でなければ解決つかない。
 4.97年12月段階でも京都市教委との話し合いのテーブルは私達は持っていた。その後の話し合いの継続も可能であった。
 5.ただ時間がかかり過ぎる事と既に当該の給与が97年8月より停止、免職の危険もある。
 6.既に文部省の事例を含め財源を含めたやれる方法は確保している。府教委も異論はない。
 7.市教委と府教委との関係は、対立的な面が多い。
 8.従って、私達や薮田氏を超えた超法規的な見地で、当該の不利益と持ち時間を減らしての職場復帰を実現して頂きたい。
でありました。
 ところが、あれだけ薮田氏では無理だという情報説明をさせて頂いたはずなのに、なぜか石毛先生も山元先生も、薮田氏を超えたレベルの実権を持つ者と折衝はして頂けなかった。逆に石毛先生が1月14日に私達に言われたように、京都の中の反発を大きくしてしまった。更に、山元先生が教育委員会の中で審議もしないで給与停止等が出来るのかに反応した市教委は正式な会議を開催して、今回のとんでもない結論を正式に出してしまった。更に先生方の懸命な働きかけの妨害を引き起こさないために、私達は私達や薮田氏を超える者との決着のために、先生方が動いて頂ける中では、12月まであった市教委との話し合いの出来るテーブルと他への働きかけの運動を一か月間凍結した。それなのに、この結末と共に入って来たのは、現行システムに私達や当該は従えという事と、この段階に至ってはバッチを付けた者は口を出せないという、全く考えられないような提言でありました。超法規的な決着を望んでいた私達は、この一か月間を無駄にしたばかりか、当該のために市教委とのねばり強い話し合いの継続の機会を失ってしまった。一体誰が当該に対して謝罪をするのでしょうか。誰かが謝罪をする必要が絶対にあります。今一度私達より地位と権力を持ち、私達のためにバッチを付けておられる石毛先生をはじめとする一人一人の民の主権を守る立場の先生方に京都教育委員会の許されない結論の博士撤回と8月からの給与の保障と働ける条件を付けての当該の職場復帰のためのご努力を、ここに強く心よりのお願いを致すばかりであります。
 尚、本件に関しましては、民主党の菅直人代表にもお願いを致す所存であります。幸い菅代表はバッチを付けた厚生大臣の立場で官僚やバッチを付けた前任者の不始末を民の主権のために過去の責任を自らの責任と考え、そこまでされなくてもと思う土下座までして謝罪され、官を正し、民のために行動された勇気と決断力のある方であります。形式に捕らわれず、正しい事は正しいと言い切れる方でありますので、結論が出ているのでやれないとは今回の件に関しては言われないと私達はその人望に更なる期待を抱いております。諦めず、最後の最後まで正しくないのは京都教育委員会であり、弱い当該を守り抜く事への更なるご協力を石毛先生にも山元先生にも小林あきろう先生にも改めて文面ではありますがお願いするのみであります。




*作成:安田 智博
UP: 20200320 REV:
障害学 全文掲載
TOP HOME (http://www.arsvi.com)