HOME > 全文掲載 >

「署名ビラ決定版 1997年11月」

「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会 199709

Tweet
last update: 20200320


「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会,1997b,「署名ビラ決定版 1997年11月」.

(署名ビラ決定版)
1997年11月


心臓に障碍を持つ京都市立松原中学校・辻範子教諭を支援します!!
「京都の障碍を持つ教師に対する不当な教育委員会の処分を撤回させ、労働条件を他の都道府県と同レベルにし、当該の職務の継続の保障を求めていく要望書」
の署名活動へのご理解とご協力をお願いします!!
カンパもよろしくお願いします!!

     あらゆる差別を無くし生きる!「差無生」運動推進協議会
     「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会
     社会運動を考える会
     心臓に障碍を持つ京都市立松原中学校・辻範子教諭を支援する会
       以上総代 古賀皓生(熊本学園大学教授、障碍:視覚)

 私達は、京都市立松原中学校で心臓に障碍を持ちながら、勤務の継続を訴えている辻範子教諭を支援する者であります。
 辻範子教諭は現在、職場での勤務や自宅での生活が安心して送れない状況に1997年7月2日以降追い込まれています。給与は1997年8・9・10・11の4か月間、既に停止されてしまい、更には当該が危険を避けるため職場での勤務を行なえない立場を、一方的に公務員の服務上の問題と行政側は決めつけ、職場放棄と見なし、懲戒免職を断行する危険が高まっております。弱い立場の者を、地位と権威を持った者が差別・排斥する典型的なパターンであります。特に障碍を持つ者は、無理を強いられても無理をする事は障碍の重度化につながり、また今回のように心臓に障碍を持つ場合は「生命の危険」に到る事になりかねません。1994年8月に、心臓の手術を5年前にした後、ようやく職業身分の期限切れの中で職場に当該は復帰しました。私達のビラを読まれるならば、様々な問題を知って頂く事が出来ると思います。出来る限り読んで下さい。
 本論に戻ります。ノーマライゼーションが世界的に国連の努力の中で1981年以降世界では実現してきています。日本でも、その言葉は知られ、それがあたかも実現していっているかのようにマスコミ等によって報じられているようです。しかし、日本の教育現場においては、全く障持者(障碍を持つ者)が、その障碍に応じて働くための労働条件が制度上整備されていません。そのため、ほとんどの障持者は教育現場に入る事も出来ず、ただ去っていく事のみであります。遅れる日本の中で文部省は現行の他の制度を流用してでもよいから(違法行為→文部省通達→合法行為)とまで、障持者の教育現場での勤務継続の可能性を通達・指導しています。しかし、京都の教育委員会の場合は、当該や私達の訴えに対して、その当該の仕事を同僚に負担転嫁させてしまったり、当該の持ち時間を減らす事は「財源がない、制度にない。」として行なわないため、結果的に当該の精神的・肉体的負担の増大を引き起こさせてしまいました。また、当該の有給休暇による授業への影響を引き起こしてしまいました。文部省の通達・指導通りに他の都道府県並みに、私達や当該の訴えを組み入れて実行していれば、今回の混乱は回避出来たはずです。それをせず、ただ同僚や生徒への負担転嫁から来る不満を当該のせいにしてしまいました。そのため、当該は同僚からも、保護者からも、行政からも圧力を受けざるを得なくなりました。従って、7月2日以降は自宅にも職場にも居る事が出来なくなりました。市教委は、その原因と理由を考えようとせず、職場放棄と見なし、服務違反として処分行動に一方的に入ってしまいました。その一連の危険が今日の危険であります。私達は、京都の教育委員会への署名での主旨文の通り、辻範子教諭を正常な立場に戻すために支援活動を署名を集めようという形で行なう事にしました。一人でも多くの方の署名によって障持者を守り、「共生共労」の出来る教育現場でのノーマライゼーションを実現させましょう。
 尚、先に述べた文部省の指導による流用に関しては、私達はそれが決してよいやり方とは考えていませんが、障持者が働く事が出来る権利を保障する制度が確立するまでの暫定期間中は、やむを得ぬものとして捉える事にしています。様々な問題を抱え続ける障持者は、全国にたくさんいます。今回の事と併せて今後もよろしくお願いします。

  [連絡先]
 あらゆる差別を無くし生きる!「差無生」運動推進協議会
 「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会
   事務局長 栗川治(新潟県立西川竹園高校教諭、障碍:視覚)
    自宅 〒950−21 新潟市内野町621番地
       TEL&FAX025−262−3678
    職場 〒959−04 新潟県西蒲原郡西川町鱸2−1
       電話0256−88−3131





*作成:安田 智博
UP: 20200320 REV:
障害学 全文掲載
TOP HOME (http://www.arsvi.com)