「要望書(京都府教育委員長 森田嘉一宛 1995年3月20日)」
障教連 1995
last update: 20200320
「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会,1995b,「要望書(京都府教育委員長 森田嘉一宛 1995年3月20日)」.
1995年3月20日
京都府教育委員長
森田 嘉一 殿
「障碍」を持つ教師と共に・連絡協議会
代表 大葉 利夫
要望書
本会は、障碍があっても働き続けるために必要な労働条件の改善、す
なわち障碍保障を制度化することを目指して活動を行なっております。
1991年に障碍保障要綱を東京都教育委員会に提出して以来、定期的
な話合いを継続する中で、視覚障害者に対する持ち時間の軽減と人工透
析をする人に対する勤務時間内の透析通院を認めさせて来ました。昨
年、9月には10万余の署名を集めて文部省に提出するなどの活動を行
なっています。
さて、今回は、昨年の10月に続いて、京都市立滋野中に勤務する
辻範子教諭の件について再度の要望をさせて頂きます。
辻教諭は、昨年の8月に心臓疾患による4年間の休職を終えて復職し
ました。手術の後遺症のため心室性期外収縮により、無理をすれば不整
脈が生じて、放置すれば危険な状態に陥りかねない程です。本会では、
貴教委との話合いを持って、辻教諭の状況を説明して5時間の時間軽減
の対応措置を取ることを申し入れましたが、制度に無いからと全く受け
入れられずに、健康な人と同様な20時間を担当して、勤務に奮闘努力
をしておりました。しかしながら、2月23日、労作性狭心症と急性膵
臓炎を併発して、緊急入院に追い込まれ、2ヶ月間の再度の休職を余儀
なくされました。
このような事態は、本会が心配していた事であり、そのことが現実と
なってしまったことに怒りを禁じ得ません。その責任は貴教委にあるこ
とをしっかりと認識して、早急な対応措置を取ることをお願いします。
(校正者注:「その責任〜お願いします。」下線)
心臓に障碍がある辻教諭にとって、健康な人達と同様に持ち時間をこ
なすことは、ひじょうに負担であり、不整脈の発作を押えるために薬を飲みながら勤務をする状況でした。意欲と情熱を持って子供達と接して
いる辻教諭は、表面的には元気そうに見えているのですが、日々の疲労
の蓄積が極限に達して今度の事態を招いたのです。復職後の当然在るべ
き「軽減」すら無い状況の中で、持ち時間5時間の軽減(持ち時間15
時間)要求を無視してきた貴教委の対応のもたらした結果であり、障碍
を持つ教師を退職に追い込む以外の何物でもありません。
障碍を持つ者が働く為の特別の労働条件の整備は、国連におけるIL
O159号条約において明記されており、また、昨年12月に成立した
障害者基本法でも管理者の責任において行なうべきことが示されており
ます。昨年11月には、文部省が雇用促進法の雇用率を達成するよう
に、各教育委員会を集めて指導していると聞いております。東京におい
ては、本会と都教委の話合いの中で、障碍保障の制度が出来るまでの緊
急の対応を要する問題について上記の様な具体的な対応措置を実現させ
ております。大阪府や新潟県等においても常勤講師の配置などが行なわ
れております。このような流れの中で、障碍があっても働き続けられる
かどうかということは貴教委の姿勢いかんにかかっているのです。
去る3月13日の京都市教委の薮田労務係長との話合いの中で、辻教
諭の来年度の異動は考えているが、持ち時間の軽減が制度には無く府教
委の管轄になるとたらい回し的な発言があり・全く誠意の無いものでし
た。
本会としては、辻教諭が心臓疾患があっても働き続けられるために、
下記の2点を貴教委に要望致します。ぜひ、ご理解と充分な配慮をお願
い申し上げます
(1)現在、休職中ですが、95年度の異動については、通勤の負担の
少ない学校(電車利用のみで可能な所)に異動をさせて頂きたい。
(2)持ち時間を15時間以下に軽減して頂きたい。(特別に、講師の
配置等の対応措置を行って頂きたい)
尚、以上2点について3月27日迄に文書による回答をお願い致しま
す。
*作成:安田 智博