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死亡した胎児・新生児の臓器を研究に用いることの是非や許容範囲についての見解

 日本産科婦人科学会 1987

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last update: 20151218


 流産・早産などにより死亡した胎児・新生児の臓器等を研究に用いることの是非や許容範囲を,本委員会では,慎重に協議したが,問題の対社会的・道義的責任の重大さにかんがみ,本会会員が,次の諸事項を守られるよう要望する。
1)妊娠期間の如何に拘らず,死亡した胎児・新生児の取扱いは,死体解剖保存法が既に定めているところに従う。
2)死亡した胎児・新生児の臓器等を研究に用いることは,それ以外には研究の方法がなく,かつ期待される研究成果が,極めて大きいと思われる場合に限られるべきである。
3)死亡した胎児・新生児の臓器等を用いて研究を行うものは,原則として医師でなければならない。また,その研究協力者も,すべて,研究の特殊性や対社会的重要性などを,十分に認識したものでなければならない。
4)死亡した胎児・新生児の臓器等を研究に用いようとするものは,予めその目的を母親及び父親(親権者)によく説明の上,その許可を得ておく必要がある。
 また胎児・新生児及び両親等のプライバシーは十分に尊重されなければならない。
 なお,生存中の胎児・新生児に関しては,明らかにその予後を好転させると考えられる研究的処置に限り,母親及び父親(親権者)の同意が得られた場合に行うことができる。


REV: 20151218
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