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精神衛生法撤廃厚生省交渉報告NO.1

精神衛生法撤廃全国連絡会議(準) 1986/06/20

last update:201108015

  六月十七日午後二時わたしたちは精神衛生法撤廃・「改正」阻止のため会見をもとめ厚生省を訪れました。
  しぶしぶ対応にでた精神保健課内藤係長は「突然こられても今日は私しかいないし交渉はもてない。仕事が忙しい。おひきとり下さい。」と不当にも私たちの要求を頭からはねつけ、門前払い同然においかえそうとする態度です。しかし前回五月十六日の会見の際にその継続を約束しておきながらわたしたちが次回期日を三つの候補をあげて提起したにもかかわらず「六月十六日までは来年度予算の編成で忙しい」と拒否しつづけてきたのは厚生省です。それ自体全く許せないことですが、まして十七日に訪れたわたしたちを拒否する理由などどこにもないはずです。
  そのなかで内藤はなんと言ったのでしょうか。

  「『精神障害者』との会見は実りがない」(厚生省)!?
  「テーマを決めて話し合うというのであればよいが前回のような討論では実りがない」
  なんという差別的な暴言でしょうか。
  そもそも厚生省はすでに精神衛生法「改正」案の来春国会上程をうちだし、二十四団体に意見を求めるとともに評論家や精神医療関係者ら十一名のいわゆる「有職者」で構成する「精神保健の基本問題に関する懇談会」を設置し、これまで二回の会合を開くなど、一方的に準備をすすめてきています。そこにおいて当事者である「精神病者」の声は全く聞こうとしていません。「『精神病者』の人権を守るため」とうたいながら当の「精神病者」の意見をきこうともせず、逆に人権をふみにじってきた側の「有職者」の意見のみを聞いてすすめられる精神衛生法「改正」とは何か。この怒りの追及に対して、五月十六日、貝谷課長補佐は「意見を聞こうとしていないのではない。『病者』の方々の意見もこういう場でうかがおうとしている。」「今日は大変勉強になった」と言いました。全くの詭弁であるにせよわずか一ヶ月前にそう言ったのは厚生省自身ではなかったのでしょうか。その舌の根もかわかぬうちに「前回の討論は実りがなかった」と言うのです。テーマを決めろ、そうでなければ交渉はもたない、というのです。こうした態度のいったいどこに「精神病者」の人権を守ろうとする姿勢があると言えるのでしょうか。

厚生省は自己批判せよ!
  「厚生省はその設立以来『病者』に対していったい何をしてきたのか。精神衛生行政のもとで、宇都宮病院事件をはじめ何人の『病者』が殺されてきたのか。そのことへの厚生省の自己批判が問われているのだ。」「テーマをうんぬんする前にその前提が問題なのだ。厚生省は自己批判せよ」と「病者」を先頭にはげしい糾弾がおこなわれました。
  責任のがれのために「メッセンジャーボーイ」を自称する内藤係長はおいつめられて言葉につまり、私たちは七月八日の「基本墾」第三回会合以前に次回交渉をもつことを約束させ、この日の行動を終了させました。
  今回の厚生省の態度のなかにこそ「精神障害者」を人間としてみなさず強制入院によって社会から排外しようとする精神衛生法とその「改正」攻撃の本質が示されています。
  私たちは精神衛生法撤廃・「改正」阻止にむかってさらに厚生省を糾弾してゆかなければなりません。
  すべての皆さん。厚生委交渉に結集しましょう。一人でも多くの参加をよびかけます。

―一九八六年 六月二十日―
精神衛生法撤廃全国連絡会議(準)
東京都港区新橋2−8−16石田ビル
  救援連絡センター
   (〇三)五九一−一三〇一


*再録:桐原 尚之
UP: 20110818 REV:
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