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「抗議と要求書に対する回答について」

栃木県衛生環境部長 鈴木忠義 19841106

last update:20150505
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昭和59年11月6日
宇都宮病院を糾弾する栃木県連絡会議 殿
栃木県衛生環境部長 鈴木忠義

抗議と要求書に対する回答について

 昭和59年10月24日付けをもって貴連絡会からありました抗議と要求について、次のとおり回答いたします。
 今回の県内精神病院における一連の不祥事件については、これまでの行政指導が有効に作用しなかったことの責任を十分に反省し、このような不承事件(ママ)が再び繰り返されることのないよう今後の指導監督等に万全を期してまいります。
 また精神衛生実態調査については厚生省からの委託により実施したもので、患者のプライバシーの保護には、慎重な配慮を払うよう十分に指導して実施したものであるが、この手続きに配慮を欠いた病院も含め厚生省あて報告しているところであります。
 次に、全ての精神病院施設における「病者」の人権の保障に関して面会、通信の自由については、医療保護に欠くことのできない限度においてのみ制限が行なわれろ(ママ)こととされており、その運用に当たっては、通信、面会の自由が保障されるよう指導してまいります。
 また、全ての病棟への公衆電話の設置については、設置条件、目的等から難しいが、患者の利用出来る電話を可能な限り増設するよう指導します。
 次に、弁護士依頼権の保障については、国の制度上の問題であります。
 次に、入退院の自由については、医学上の問題であり、また病院施設の開放化についても同様であります。
 次に宇都宮病院の理事会再編問題については、先般法人側から新役員構成の人選案が提示されたが、事件の反省に立って病院の適正な管理運営が担保されると思われるので、これを了承したところであります。また武村医師については、具体的に提示がないので一般的にふさわしいかどうかを表現することは法的に疑問があると考えます。
 最後に、宇都宮病院の精神衛生法による指定を取り消せとのことについては、現在入院中の措置患者の処遇が何より重要であることから、今後の推移をみながら対処したいと考えております。
 以上、回答申し上げましたが、事情御賢察のうえ御了承の程お願いいたします。


*作成:桐原 尚之
UP:20150430 REV: 20150505
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