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「7・18 これで「宇都宮病院」はなくなるか!?全国集会 集会決議(案)」

7・18 これで「宇都宮病院」はなくなるか!?全国集会参加者一同 19840718

last update:20150505
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 政府は、1984年の宇都宮病院事件をきっかけとして、我が国の精神病院―精神医療の実態を改めるものという名目で、今春精神衛生法改「正」法案=精神保健法案等を国会に提出した。しかし、この法案作成過程が極めて強権的かつ官僚的で、精神医療に関わる人々、「精神障害者」や、その家族の声を十分に反映したものとはとうてい言う事ができない。精神医療改革運動をになう者たちを敵視するのみならず、関連諸団体の意見聴取も、聞き置く態度で終始した。特に昨年12月の中間メモ発表以来、殆ど問答無用の強圧的態度で、日本精神病院協会の一部の幹部との談合的協議で法の骨格を定め強行しようとしている。
 このような法案作成過程からの、いわば当然の帰結として法案内容にはきわめて重大な問題がある。政府は、何のために、どのような改革の理念によって、この改「正」法案を提出したのか。現在の我が国の精神病院の実態と、それを導きだしてきた政府自らの精神医療政策の徹底的な再検討が迫られていたはずである。しかし政府は、我が国の「精神障害者」の差別された悲惨な実態を、むしろ現状追認的に合法化しようとしている。例えばそこでは、措置入院の解除の際も指定医の診断を要件とするなど、強制収容システムの効率化、合理化が際立っている。それに対比して、入院患者の防衛権は極めてわずかしか与えられていない。精神保健指定医制導入は、国が定める判断基準に従い厚生大臣が指定する精神保健指定医の責任において、「精神障害者」を、拘禁、管理してゆく方向性をもっていると考えられる。
 私達は、この改「正」法案についてとうてい、このまま見過ごすことができない。従って、以下の項目を中心に改「正」作業の全面的見直しを求める。

 @政府厚生省の現状追認的な精神衛生法改「正」案に反対する。
 A指定医制度導入による精神衛生行政の欺まん的合理化を許さない。
 B措置入院の治安的強化を始めとする強制収容主義の合理化、強化に反対する。
 C精神障害を理由とした資格制度、排除諸法規を撤廃せよ。
 D医療法特例を撤廃し、精神病院の質を向上し、開放医療を推進せよ。
 E精神病院の個別資料を公開せよ。
 F入院者の防御権(弁護人依頼権、通信面会の自由等)を確立せよ。
 G精神障害者に対する差別を許さず、生活の場における医療と生活(住居、所得、仕事)を充実せよ。
 H精神外科を廃絶せよ。
 I保安処分新設を許さない。
以上を決議する。

  1987年7月18日
7・18これで「宇都宮病院」はなくなるか!?
全国集会参加者一同

*作成:桐原 尚之
UP:20150430 REV: 20150505
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