「新運動方針」
日本安楽死協会 1981年12月
一、自発的消極的安楽死に重点を置く
この思想の普及と、実践のためにその法制化をめざし、リビング・ウィルを強力に推進する。
これは今まで最も力をそそいできたもので、無益な延命の停止は、意義ある生の権利と共に、死ぬ権利が認められる厳粛な道である。
二、積極的安楽死は原則として認めない
法制化も計画しない。その主なる原因の苦痛は、軽減できる段階に達したからである。
三、自殺をすすめたり助けたりしない
自殺の自由は認める。罪悪視したりしない。健全な精神の持主は見苦しい死を避けたい、ボケてなお生きたいとは思わないのだが、自殺は自ら行うことで、第三者の手による積極的安楽死と混同してはならない。従って『自殺の手引き』は発行しないことに決定した。
四、進歩しつつある医療技術の普及
とくにガン治療について一般医師の知識水準の向上をはかる。
五、鎮痛医療の促進
六、医師と患者の疎通をはかる
両者の反省と理解を深めないと、人権尊重の正しい医療はない。
七、死に対する医の倫理、理念、姿勢の改革
医師の独善性や延命論、医療の密室主義、専門のセクト主義、営利主義などを改めるように努力する。