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請願書

精神衛生法撤廃全国連絡会議 1978/09/05


請願書

参議院議長 藤田正明殿

        紹介議員

        請願者 精神衛生法撤廃全国連絡会議

請願趣旨
 いま、精神衛生法の改正作業として精神保健法案が国会上程されていますが、これは国連人権小委員会でも問題になった内容を十分に勘案したものとは考えられません。改正作業そのものについて、抜本的に見直しをされるようにお願いをするものです。


請願理由
 七月一六日の衆議院本会議で、斎藤厚生大臣は、精神衛生法等の一部を改正する法律案について、「国民の精神保健の向上を図るとともに、精神障害者の人権に配意しつつ適正な精神医療を確保し、かつ、その社会復帰の促進を図るため」提出したと、趣旨説明されました。
 しかし、精神保健法案の内容は、大きな問題点がいくつもあり、「精神障害者の人権に配意」したものとは考えられません。
 第一に、今回の精神保健法が立案される過程は、当事者である「精神障害者」の声を排除したまますすめられてきましたが、そのこと自体がICJ(国際法律家委員会)の次の指摘にも反しています。
 「全国『病者』集団は、・・・・・諸計画や法制の改革の発展、及び精神保健サービスの監視への参加について、より強い発言権を与えられるべきである」(国際法律家委員会報告書『日本における人権と精神病患者』)
 このことは、今回の精神衛生法改正作業が、その過程からしても、国連人権小委員会の指摘にも応えきっていないことを証明していると思われます。
 第二に、精神保健法案には、応急入院や指定医制度など新しく導入されようとしていますが、これらは、いずれも国連人権小委員会で指摘され、日本政府が同委員会の席上で約束したことに反する内容です。応急入院は、戦前の保護検束にあたるものであり、指定医制度は、患者と主治医の治療関係を破壊するものであります。
 今月一八日にも、NGOから日本政府に対し、精神保健法案が問題であるとの趣旨の公開質問状が出されているとのことですが、そのことは、内容的にも、精神保健法案が問題であることを証明するものであろうかと思われます。
 第三に、このように、過程からしても、内容的にも問題である今回の精神衛生法改正作業は、それによって、内外から非難を浴びた宇都宮病院のようなスキャンダルをなくすものではありません。
 「精神障害者」の人権に配意するために、今回の改正作業そのものを、抜本的に見直されるよう、要請する次第であります。

一九八七年九月五日


*再録:桐原 尚之
UP: 20120527 REV:
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