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緊急アピール 関西ゴリラ連合会に集うすべての兄弟・姉妹へ

1977年11月7日
自立障害者集団友人組織関西グループ・ゴリラ連合会役員会

再録:定藤 邦子



 我らが共にはためかすはずであった、「関ゴリ」の旗は、どこに行ってしまったのか!
 障害者差別を許さない健全者集団=友人組織運動のうねりは、どこへひいてしまったのか!
 関西青い芝の会よりつき出された「緊急アピール」に対してそれに批判される一つ一つの事例よりも、青い芝の会より批判を受けるまで例え「緊急アピール」の中味の一端なりとも関西ゴリラ・地区ゴリラで点検し相互批判されたことがなかった我々のデタラメサを、それこそ我々の運動の危機的情況として痛感せざるを得ない。

(緊急アピールによって明らかにされた、関西ゴリラ連合会の運動実体)
◎地区の実体
 イ.実際、地区の日常性は苛酷である。日々の行動保障に追われ、それのくり返しである。しかし、果たしてそれら日々の展開は、運動たり得ているだろうか、いな、悪循環でしかないだろう。単に忙しいことを活動の充実にはきちがえる傾向が目立つ。 
 ロ.地区の悪循環は、われわれの運動の基本路線である「それぞれが組織者たり続けること」を無自覚にし、介護のアナウメ的発想から、おるぐ。取り組みの開拓が不徹底に行われる。
 ハ.地区の活動で消耗し、介護を一種の忌み嫌う「仕事」の様にとらえ合理的に対応し、介護のシンドサのみでへたばり、そこからは関係の創造性など考えることもできない。結果、今動いている障害者(青い芝の会の自立生活障害者等)との関係でしか、障害者を視られなくなっている。
 ニ.スケジュール調整に追いまくられ、又健全者同士の団結・交流を求めるあまり、在宅障害者と我々がほとんど無関係に存在している。結果、障害者との緊張関係は見えず、けんぜnン者同士の関係しか見あたらない。
 ホ.ゴリラ総体の動きのハアクが出来ていない故、己れのシンドサのみを見、発想は親と同じになり、緊急アピールに批判されるように、施設職員以下の我々の運動の室を生みだしている。
◎個々のゴリラの中に「関西」のイメージがほとんどなく、自分の所属する地区の域を出ないし出ようとしない。
 イ.総体の動きがハアクされないこと・地区に固執するあまり、それら閉鎖的関係は、地区間の分断の状態を生みだしている。結果、横のレベルであるはずの各層の活動が個々の地区に閉じこめられ、機能しなくなっている。
 ロ.地区のゴリラは、地区からあまり出ない為(特に大阪以外の地区)、他地区の話を受けてもヨソゴトとしかうつらない。又、層・課題等より出される話は、大阪の情況がほとんどである。
 ハ.地区において全体的情況がつかめていないことの裏返しとして、地区から関西へといった回路がない。地区から関西全体を・全国をといった発想が出てこず、地区の費力を補う介護人派遣センターの場として関ゴリがおちてしまっている。
◎関西ゴリラ役員会と各地区ゴリラとのつながりがない。
 イ.役員会への参加役員の顔ぶれがいつも決まっており、とりわけ専従者部分で占められ、会議内容が専従者会議的になっている。極めて悪い役員会への参加状態が続いている。
 ロ.専従者会議的運営は、他の役員に対し敷居を高くし、地区を融離した討議になっている。
 ハ.専従者による構成は、ナレアイ的関係を生みだし、役員会において批判しあうことがほとんどない。
ニ.問題が提起(報告的にしか出されていないが)されても、それに対して関ゴリ役員会として関ゴリとしての統一がなされず、関係地区・層へまかせっきりである。緊急アピールにしても関西青い芝の会より出されたにもかかわらず、受け取ったのは各地区ゴリラで、役員会は単なる素通り回路でしかなかった。
 ホ.役員気の会議の場だけで何とかすまそうとしている。地区・層の情報交換を十分にする、地区大・学習会の開催、新聞の発行は怠っている。
◎ゴリラ全体の中で、専従者の立場が不明確になっている。
 イ.専従者としてリボン社の実務に携わることもあり、現場=地区に関わることが不充分になり、地区から浮き上がった考え方(地区の基盤のない者もいる)が、関ゴリを運営するにあたってのカベになっている。
 ロ.「運動の名人」が、他者の納得もなしに「方針」をおしつけ、ひいては失敗もおし隠し、イイカゲンサもごまかし、旧態依然として「支配」をつくり出してしまっているのではないだろうか。
 ハ.専従者が、運動の前線にあまりに登場している。結果、地区での摩擦が多くなっている。
◎連合会組織の実体
 イ.非常に小さな個々の誤りも運動の誤りも指摘・点検する場でなかったし、あったとしてもその場が相互批判になり得ず、相互に浸透していくものも見いだせない組織のあり方になっている。
 ロ.大阪が関ゴリみたいになり、他府県を切り捨てる傾向がある。
 ハ.個々の領域で消耗し、一層の関西規模での結果、一枚岩としての団結であるはずの連合会組織が、歯止めのないバラバラな「集団指導体制」になっている。
 ニ.青い芝の会に対する、ゴリラ側の窓口・組織的対応が保障されていない。個別障害者と個別ゴリラの間の問題は、常に現場でのみ処理される。

 我々は、今や「緊急アピール」そのものを受け応える体制を失っていることを、実感せねばならない。「緊急アピール」によって指摘された問題は、障害者差別を許さない闘いとは何か、障害者と共に生きる中身とは何か、ということのゴリラ総体が不明に陥っていることである。
 そのことはまず、ひとつにはやはり各地区・層、そして、総体として点検の場を充分にもっていなかったことがおおきなこととしてある。しかし単にそれだけでは、今回の問題に対する充分な対応とはなり得ないだろう。振り返って見れば、我々の組織活動は、原則として一人一人が実際に障害者との関わりを通して運動を創り上げていくものであり、決してだれかに言われたり、指示されたりしてやっていくものではあり得ない。そのことを我々は、障害者自らの闘いに依拠する中で、「事務所拠点体制」を軸にした地区活動として担ってきたと思う。そして障害社の組織の拡大と共に、我々ゴリラの活動基盤として、確立した地区活動といったものをつくろうとしてきた。
 しかしながら、その事が現在の様に、忙しいことを活動の充実とはきちがえたり、それによって関西ゴリラとしての結束が不要のものであることは決してなり得ないはずである。一体、地区の活動によって我々は何を視てきたのだろうか。障害者差別の現実はまだまだ苛酷のものであり、むしろ一層強化されるということであり、障害者の解放運動が様々に論じられる程熱していないということである。まして、私達が、各地区の個別の活動の中で自由に対応できるものなどではあろうはずがない。
 我々が事務所を拠点とした自立した地区活動へ向けた取り組みの中で認識しなければならなかったことは、実は一層の関西規模での結束、一枚岩としての団結であったはずだ。我々は決して、個々が活動を担い、創意・工夫で闘いを展開していくことを、歯止めのないバラバラな「集団指導体制」といったものとはきちがえてはならない。
 早急に我々は、地区・層・課題を通じた組織的指導体制を全員が一丸となって構築していこう。そして、数々のゴリラのかたい関係を、障害者との熱い関係を、取り戻していこう!

(克服していく行動提起)
◎克服への基本姿勢
 イ.我々は、明かにされる運動実体を極めて危機的情況であると実感し、問題点克服の為のあらゆる努力をおしまない。
 ロ.問題点を徹底的にサラケダスことによって、各地区を通して一人一人に問題を問い、ゴリラ総体としてキッチリとして対応していく。
 ハ.相互に不始末を黙認し合うことなく、相互批判を徹して行う。
ニ.単に、不始末を回復していくことが、克服されることにならない。熱く未来をもとめる我々の主体を貫いていこう。
 ホ.役員会として、今までの怠慢責任を不透明にしない。スミズミからの討議を受け、役員会機能の買いたい・再編も辞さぬ決意である。
◎行動提起
 イ.以上の基本姿勢に基づき、まず、友人組織運動の内実の全体化に努め、各地区ゴリラ会議の充実を徹していく。それに基づき組織体制を整備していく。
 ロ.当面のプログラムとして、11月3〜4日、関西ゴリラ第4回定期大会を設定する。
 ハ.大会には、各地区討議を経て、議案書が作成・用意され、大会での全員討議をもって関西ゴリラの今後を決定する。
 ニ.各地区討議は、この「関西ゴリ役員緊急アピール」をもって、役員参加(原則として代表・教宣局は必ず参加)を含めて、大会へ向けて確実に行う。(ただし、討議集約・議案書作成の機関を考慮し、役員会アピールに基づく大会へ向けた各地区討議は、11月20日までに終えること)
 ホ.連絡紙の発行、地区代会議を開催し、その間の情報交換・全体討議を保障していく。

                           以上
              1977年11月7日
              自立障害者集団友人組織関西グループ・ゴリラ連合会
              役員会         代表  三矢 博司


UP:20050520 http://www.arsvi.com/1900/771107.htm
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