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「全国「精神病」者集団・全国センター再建のためのカンパ要請文」

全国「精神病」者集団 197704
 
 協力:精神科医全国共闘会議書記局

last update:20110530



私達の同胞は、「精神病」者差別の長い歴史の中で文字通り、非人間として扱われてきました。私達の仲間は、自分達の心からの声を決して人間の声として聞かれず、また行動も了解不能と決めつけられ、嘲笑され、さげすまれ、殴る、蹴るの扱いを受けながら、人間社会から、切り捨てられてきました。どれだけ多くの同胞がこのいわれなき差別、切り捨ての中で、悲しい生と死をくり返してきたことでしょう。
私達は、こうした差別、抑圧の歴史に終止符を打ち、抜け道の無い深い孤独からはいあがろうと、同胞と声をかけ合いました。初めは、声にならない声が、うめき声になり、やっと私達も人間なのだ、という叫びになり、私達は様々な障害と闘いながら、一九七四年、全国「精神病」者集団に結集しました。
結成以来、私達は様々な形で迫ってくる「精神病」者圧殺(隔離、収容、抹殺攻撃)の動きに対して抗議し、闘ってきましたが、基本的には、孤立することが場合によっては死に連なる保安処分体制下では、まず結集することに意味があるという認識に立って、その結集の拠点として、全国「精神病」者集団事務局を維持してきました。
しかし、二年間の活動の中で、中心的メンバーの献身的な努力があったにもかかわらず、解放運動も、さまざまな矛盾と問題が、蓄積されてきました。押しよせる保安処分攻撃と、助長され、「合理化」される社会の差別意識に対して闘う私達の運動の内部にも、路線や戦術上の混乱と、支援団体との結合の中でのくすぶった関係があったのです。
この矛盾は、昨年の二月、鈴木君がA君に対して暴力をふるうという形で現出しました。私達はこの事件を決して鈴木君の個人的資質にかかわる問題として総括してはいません。それは、「精神病」者解放運動の歴史的限界として把握されており、この限界を打ち破ることは、私達自身の任務であると同時に、国家権力の差別分断支配を拒否するという意味において、それは全人民的課題であるはずです。したがって、二・一事件が起き、鈴木君が、逮捕後、拘置所内で看守の暴行とコントミンの乱射などによって虐殺された時点で、一層の運動の発展が必要であったのです。
しかし、私達は、その後の運動を全国センター(事務室)の撤去という困難な状況の中で進めなければなりませんでした。
この困難な中で、私達が臨時事務局を設定し、連絡網を断ち切らず、ニュースを発行し続け代表者会議を継続し得たのは、全国センターの再建、再結束という夢あってのことなのです。解放の歴史を切り開き、ここを歩み抜くことこそが、私達の決して消すことのできない信念なのです。
私達は、保安処分新設策動、赤堀裁判再審請求却下という状勢下で、これら国家の強権的弾圧に抗して闘うためにも、第二、第三の鈴木君や赤堀さんを出さないためにも、そして、仲間を求め、対話を求めている「散らばっている」同胞の結束のためにも、全国センターの再建が緊急の課題になっています。協力を要望します。
なお、私たちは第一回全国集会(於東京)、第二回全国集会(於京都)を開催して、各地域、病院の患者会での活動の交流とともに、赤堀差別裁判や鈴木君虐殺の糾弾行動、心身障害者(児)実態調査阻止などの行政闘争、病院闘争、学会闘争、地域保安処分体制粉砕闘争などを、全国的な課題として担ってきました。これらの運動の、一層の発展のために現在第三回全国集会を準備しています。
目標額七〇万円、月間定期カンパ一〇万円
カンパ送付先は全国センター事務所が設置されるまでは暫定的に次の郵便為替をご利用下さい。
振替番号 名古屋「七〇四八八」 大野萌子宛


全国「精神病」者集団の全国センター
設立運動を支持し、広く呼びかける!
刑法改「正」―保安処分新設粉砕、「障害者」解放の旗の下、日夜苦闘しておられるみなさん!
赤堀差別裁判裁判糾弾(第四次再審棄却決定弾劾)・五四年養護学校義務化阻止の闘かいに取り組んでおられる「障害者」・家族・労働者・学生・市民のみなさん!
私達は「精神障害者」解放闘争の先頭に立ち、一貫して権力支配階級の「精神病」差別にもとづく労働者階級・人民への分断支配に抗して闘かってきた全国「精神病」者集団の歴史的・階級的意義を正しく評価し、彼らの提起する『全国センター設立宣言』に賛同の意を表明する者であります。
全国「精神病」者集団の闘かいは、文字どおり、獄中二十四年不屈の苦闘をつづける赤堀さんとともにあったといって良いでしょう。それは「精神薄弱」差別なるがゆえに市民社会の中で住む家も働く場所も保障されず、切り捨てられ、一切の要求・告発が無効化され「社会外社会」をてんてんと浮浪せざるをえなかった赤堀さんの身の上に自らの今日の姿を発見し、この無辜の青年に権力支配階級が冤罪を被せ、やってもいない事件の犯人に容易にでっちあげた権力の差別犯罪の実態の中に、明日のわが身を予見し、まさに自己の生存権・生活権を賭けた闘かいとして決起したものにほかならないと思います。
私達は、かかる「精神障害者」差別を基底とする国家権力の階級支配を許さず、真向うから闘かう労働者階級・人民と結合し、「障害者」解放の立場に立った医療を具体的に追求してきました。
その闘かいの過程で、去る七五年二月一六日私達とともに闘かってきた鈴木国男君に対する大阪拘置所権力の不当きわまりない虐殺の暴挙を許してしまったことは、私達の闘かいがいまだ未熟であり、「精神病」差別糾弾の具体的実践的課題において、日和見主義的傾向を克服しきれなかった限界を痛苦に自己批判せざるをえないとともに、かかる虐殺の暴挙を行なうことで「精神障害者」解放闘争への直接的暴力的圧殺を図った大拘―国家権力に満身の憤りを覚えるものであります。
自立と解放を求め闘かう「精神障害者」の日常的な活動と交流の場として、そして又、全国「精神病」者集団の政治的組織的拠点として提起された全国センターの設立運動は、それ自体が「精神障害者」解放を私達が実現していく第一歩としてあるのだということを確認し、この運動への参加を広く呼びかけたいと思います。
 一九七七年四月
精神科医全国共闘会議書記局



*作成:桐原 尚之
UP:2010528 REV:
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