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「全国理事会資料1 Y問題調査報告のとりあげ方の経過」

日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会 19741116


資料1
Y問題調査報告のとりあげ方の経過

 大会終了直後の理事会において、大会後のY問題についての協会のとりくみについて、常任理事会に対し、@Y問題に関する協会のうけとめ方を整理して明確にする。A議論を建設的にかみ合わせる。B今井氏が大会決議書等についてどううけとっているか聴取する。C常任理事以外の理事も加えて問題の検討をすすめる等について、要望がなされた。
 常任理事会では5月31日、6月22日、調査報告に関する協会としての意見の作成の仕方を検討したが、調査報告を含むY問題を深くうけとめるには、常任理事全員による自由な討論をとおして見解をまとめていく必要があり、その結果を新潟大会に反映させ、今井氏には事情を聴取するという点が確認された。
 今井氏に関しては6月26日、理事長と早川理事が今井氏を訪ねて事情を聴取したが、その結果今井氏自身が直接常任理事会に出て意見を述べることとなり、7月6日の常任理事会において今井氏から意見を聴取した。席上今井氏より調査報告に関し、今井氏がすべて入院先行に結びつけてとりあげられていることは事実に反している。同報告を実質的に今井氏ぬきに近い形で作成したことは不当である。精神衛生行政の問題点を整理して出してくれれば議論がかみあうだろうといった趣旨の見解が述べられた。
 第一回の拡大常任理事会は7月27日に開かれたが、そこではY問題に関し常任理事会として検討課題を整理して提出すべきである。常任理事会が今井氏より意見を聴取した意図が不明確である等の意見が出た。こうした問題に関し、7月30日、8月9日、8月27日の常任理事会において検討を行ない、@調査報告が総会で承認され、決議がなされたその趣旨にそって常任理事会は活動をすすめる。A調査委員会と同様常任理事会は、調査報告が今井氏個人を糾弾しようとするものでないことを確認するといった基本的立場についての見解をまとめ、次に記すような検討課題、ならびに事実確認について今井氏との間のつめの必要性等とともにこれを第2回拡大常任理事会(8月31日)に報告し、おおむねの同意をえた。
 調査報告に関する検討課題は次のとおりである。
@ Y問題をもたらした背景となった現行精神衛生法の諸制度についての問題(具体的には同意入院、行政上の問題、センター保健所、病院の問題、措置入院の問題)
A このような中での「本人」の立場にたったソーシャル・ワークに関する基本的姿勢の問題(「本人」の立場にたつとはどういうことかという問題、インテーク、訪問記録に関する問題)
B そのような業務が保障されるワーカーの身分の問題
 その後9月13日、17日の常任理奉会において、上記課題に関し、調査報告の内容を検討してその結果を拡大常任理事会に提出しようとしたが、その作業を果たしえず、結局第3回の拡大常任理事会以降、拡大常任理事会において検討をすすめることとなり、第3回(9月21日)第4回(10月12日)第5回(10月26日)第6回(11月2日)の4回の拡大常任理事会において、上記課題のAについての検討を、調査報告に基づいて行ってきた。
 検討の実際の作業としては、原資料をも参考にしながら、調査報告にある「原告の主張、および行政の主張、病院の主張」と対比させつつ「論評」の部分の内容の検討を
@ 昭和44年10月4日(土)の市センターにおける同センターのワーカーのインテーク
A 同10月6日(月)の保健所ワーカーの家庭訪問とその記録
B 同10月11日(土)の入院当日の保健所職員の介入。
C 入院以降、退院相談
の4つに分けて順次とりあげ、論評の内容表現等について検討を加えて別紙のようにこれを改めた。


*作成:桐原 尚之
UP:20120707
Y事件(Y問題)  ◇精神医学医療批判・改革  ◇精神障害/精神医療   
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