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結成宣言

日本患者・家族団体協議会(JPC)

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 1986年6月15日、我が国において、初めて患者運動の全国統一組織が発足したことを宣言し、この日を記念し、より大きく発展することを願い、私たちの運動の理念と、課題を明らかにします。
 私たちは、原因不明・治療法未解決のいわゆる「難病」や長期慢性の病気、進行性の病気、公害や医療災害・薬害、また労働災害・交通事故による後遺症などの、患者・障害者とその家族の団体の連帯組織です。
 私たちは、それらの病気や障害の原因究明と、治療法の早期確立を求め、患者・障害者と家族が、希望をもって、明るい生活、より人間的な生涯をおくることができる社会が実現するために、医療と福祉、すなわち社会保障の基本的な変革と発展を求めています。私たちは、どのように重い障害を持ち、どのように重篤な状態にあろうとも、生命の最後の一瞬にいたるまで、人間としての尊厳を有するものであることを主張し、より人間らしくあろうとする願いが第一義的に尊重され、それが社会の全ての基本とされるように心から願うものです。
 人間の尊厳そして生命の尊厳が全てにわたり、何よりも大切にされる社会を、と願う私たちの運動は、まさに現在における人間性復権の闘いであることを宣言します。
 私たちの、この運動は、私たち人間の生き方としての、価値観の転換を求める運動であり、人類の平和と未来を創造する運動の一環でもあると信じます。
 今、私たちが期待する新しい医・医療の発展とは、単に苦痛をとりのぞき、延命を図るだけのものではなく、人間の尊厳をより高め、より高度な精神的・質的・間的豊かさへの希望を満たすものでなければなりません。私たちの、これからの願いと目的を達成するためには、社会保障の充実と民主主義の発達が不可欠であり、そして何よりも平和が必要であることは、歴史的に明らかになっています。
 私たちは、私たち自身もふくめ、全ての国民が、いつでもどこでも必要な医療が受けられ、病気や障害による苦しみや国難、差別や偏見を克服し、未来に展望を持つことができ、生涯を通じて明るく豊かな生活が保障され、人間としての尊厳が何よりも大切にされる社会が実現するように願い、お互いの励ましと助けあいを基本とし、自らの体験と努力によって連帯の輪を大きくし、団結を一層固め、この第一歩を力強く踏み出します。

       1986年6月15日 日本患者・家族団体協議会(JPC)


UP:20180530 REV:
日本患者・家族団体協議会(JPC)  ◇病者障害者運動史研究  ◇「難病」  ◇「難病」歴史  ◇Archive
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