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厚生省衛発第581号
昭和55年6月12日
一部改正衛発第541号
昭和56年7月8日
第1 精神衛生社会適応施設の目的
精神衛生社会適応施設(以下、「当該施設」という。)は、入院医療の必要はないが、精神に障害があるため独立して日常生活を営むことができない者に対して、生活の場を提供し、あわせて社会適応に必要な生活指導等を行うことを目的とする。
第2 運営の基本方針
当該施設の運営についてはその目的にかんがみ、入所者の社会適応能力を向上させ、精神障害者の円滑な社会復帰を図るために適切な処遇が行われるよう特に留意するものとする。
第3 運営主体
当該施設の運営主体は都道府県とする。ただし、市町村又は厚生大臣が適当と認めた民法法人若しくはその他の法人に運営を委託できるものとする。
第4 入所対象
入所対象者は、入院医療の必要はないが精神に障害があるため独立して日常生活を営むことができない者であって、共同生活を営める程度のものとする。
第5 入所定員
入所定員は、30人以上50人以下とする。
第6 入所者の決定等
1 入所の申請
当該施設への入所を希望する精神障害者は、保護義務者の同意を得て、申請書に医師意見書を添え、居住地を管轄する保健所長を経由し、都道府県知事に行うものとする。
2 入所の審査
入所の申請を受けた都道府県知事は、専門家の意見を聞き、入所の適否を審査するものとする。
3 入所の決定
都道府県知事は、審査の結果当該施設へ入所させることが適当であると認められる精神障害者を、当該施設へ入所させるものとする。
4 退所命令
都道府県知事は、当該施設に入所(委託入所を含む。)させていることが適当でないと認めたときは、入所者に対し退所を命ずることができるものとする。
第7 職 員
1 職員の配置基準
(1)当該施設には、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。
ア 当該施設の長(以下「施設長」という。)
イ 指導員
ウ 事務員
エ 栄養士
オ 調理員
カ 用務員
(2)指導員は、入所者おおむね4.2人につき1人以上置かなければならない。
2 職員の専従
当該施設の職員は、専ら当該施設の職務に従事することができる者をもって充てなければならない。ただし、指導員以外の職員については入所者の処遇に支障がない場合には、この限りではない。
3 職員の資格要件
(1)施設長は、精神衛生に関する業務に5年以上従事した者であって、当該施設を運営するに適切であると認められる者、又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
(2)指導員は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
ア 学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学でおいて、心理学、教育学又は社会福祉学を修めて卒業した者
イ 学校教育法第56年6条第1項に規定する者であって、2年以上精神衛生に関する業務に従事した者
ウ 前2号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者
第8 給食
1 給食は食品の種類及び調理方法について栄養並びに入所者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。
2 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければならない。
3 調理及び配膳は、衛生的に行わなければならない。
4 食品の保存に当たっては、腐敗又は変質しないよう適当な措置を講じなければならない。
第9 生活指導
1 当該施設は、入所者に対し、独立して日常生活を営むために必要な指導を行うほか、社会適応に必要な指導を行わなければならない。
2 当該施設は、生活指導に当っては、入所者に対し行動制限を行わはないことはもとより、いたずらに入所者を強制し、自由を拘束することとならないよう留意しなければならない。
第10 健康管理
1 入所者については、その入所時及び毎年定期に2回以上健康診断を行わなければならない。
2 職員については、その採用時及び毎年1回以上健康診断を行わなければならない。
3 調理員については、定期に検便を行わなければならない。
第11 衛生管理
1 入所者の被服及び寝具は、常に清潔に保たれなければならない。
2 一週間に2回以上入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。
3 居室、被服、寝具、食器等で伝染の危険のある病毒に汚染し、又は汚染の疑いがあるものは、消毒した後でなければ入所者の利用に供してはならない。
第12 精神障害の医学的管理
1 入所者については、病状に応じ精神障害の医療を受けさせるようにしなければならない。
2 施設長は、精神病院等の医療機関と連絡を密にし、
入所者に対する精神障害の医療が円滑かつ効果的に実施させるよう努めるものとする。
第13 災害対策
当該施設は、非常災害に対する具体的計画を立てるとともに、定期的に避難、救出、その他必要な訓練を行わなければならない。
第14 管理規定の整備
1 当該施設は、入所者に対する処遇方法、入所者が守るべき規律、その他施設の管理についての重要事項に関する規定を定めておかなければならない。
2 当該施設は、設備、職員、会計及び入所者の処遇の状況に関する記録及び帳簿を整備しておかなければならない。
第15 費用の支弁及び徴収
1 費用の支弁
都道府県は、当該施設の運営に要する費用を支弁するものとする。
2 費用の徴収
都道府県知事は、前項の運営に要する費用の全部又は一部を別に定めるところにより、入所者又はその扶養義務者から徴収するものとする。
第16 国の助成措置
国は都道府県が第15の1により支弁した費用について、別に定めるところにより補助するものとする。
なお、補助職員は次のとおりである。
施 設 長 1人
事 務 員 1人
指 導 員 12人
栄 養 士 1人
調 理 員 等 3人
計 18人
*作成:松本 彩見