老計第101号
平成9年7月25日




  都道府県

各 指定都市 民生主管部(局)長 殿




        厚生省大臣官房障害保健福祉部
          障害福祉課長


  厚生省保健医療局
          エイズ疾病対策課長


     厚生省老人保健福祉局
          老人福祉計画課長






   訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の事業費
    補助方式の取扱いについて




標記については、要介護者の要望にあったきめ細かなサービスを効率的に提供する体制を整備するとともに、介護保険制度への移行を展望し、現行の「人件費補助方式」に加え、「事業費補助方式」を導入することとしているが、その取扱いについて別紙のとおり「訪問介護(ホームヘルプサービス)事業費補助方式取扱要領」を定めたので、貴管下市町村に対して本補助方式の取扱いの徹底を図るとともに、本補助方式の円滑な実施について十分配慮願いたい。












(別紙)

ホームヘルプサービス事業費補助方式取扱要領


1 趣旨
 要介護者の要望にあったきめ細かなサービスを効率的に提供する体制を整備するとともに、介護保険制度への移行を展望し、サービスの提供量に応じた補助方式への移行を図るものである。

 なお、平成9年度については、従来の人件費補助方式と事業費補助方式を選択実施できるものとする。

2 補助方式選択方法
 事業実施主体である市町村単位での選択とする。ただし、平成9年度については、経過的な措置として、次のとおり取り扱うことができるものとする。
@ 事業費補助方式を少なくとも1か月以上実施しようとする場合には、現行補助

方式から事業費補助方式への変更に限り、時期を問わず可能とする。

A 年度中に事業費補助方式を実施しようとする市町村において、事業費補助方式

に変更するに当たって特別に経費を要する場合には、在宅福祉サービス推進等事業の1010の補助率の対象とするので、別途協議されたい。なお、事業内容については、5に定めるところによる。

B 事業費補助方式の実施時期及び在宅福祉サービス推進等事業の協議については、

都道府県で取りまとめ、本年10月までに本職あて別に定める様式により報告すること。


3 補助基準額の算定

(1)補助基準額の算定に当たっては、次により取り扱うものとする。
滞在型 身体介護中心業務 2,860円×延べ活動単位数

(早朝夜間等通常の勤務時間以外の場合の基準額は3,570円)
家事援助中心業務 2,100円×延べ活動単位数 

(早朝夜間等通常の勤務時間以外の場合の基準額は2,620円)
巡回型 昼間帯 1,430円×延べ派遣回数
早朝夜間 1,790円×延べ派遣回数
深夜帯 2,860円×延べ派遣回数






(2)活動単位等の考え方は、滞在型、巡回型それぞれ次のとおりとする。
@ 滞在型
 滞在型における1単位は、1時間程度とする。
 なお、1時間を超えた場合、30分ごとに0.5単位を加算する。

A 巡回型
 巡回型における1回は、30分程度とする。ただし、深夜帯については、20分程度とする。



(3)移動時間の取扱いは、滞在型、巡回型それぞれ次のとおりとする。
@ 滞在型
 訪問先から次の派遣までの移動時間が30分を超える場合には、1派遣につき1時間を上限に移動時間を補助対象とする。
30分未満      補助対象外

30分以上1時間未満 0.5単位

1時間以上 1単位

 なお、その場合、家事援助中心業務の2,100円の単価を適用する。

A 巡回型
 巡回型については、本来派遣活動に移動が伴う形態であること、短時間の派遣を効率的に実施するためには近距離での派遣活動が想定されることから、移動時間については、補助対象外とする。


4 派遣の考え方






5 在宅福祉サービス推進等事業の取扱い

 在宅福祉サービス推進等事業のうち、10/10の補助率の対象となる事業は、平成9年度にホームヘルプサービスの補助方式を事業費補助方式に変更する市町村の事業のうち、次の事業とする。

@ 業務の効率化・適正化を図るための事業。

A 事業費補助方式への準備切替えに必要な事業。
(例示)次のような効率的で適正なサービス提供に寄与するような事業等。

a 個別援助計画を作成していない市町村が個別援助計画を作成する事業。

b 不十分な個別援助計画であるために計画を見直す事業。




6 派遣時間の集計方法












事 務 連 絡
平成9年7月25日


  都道府県
各 指定都市 在宅福祉担当係長 殿

   


厚生省大臣官房障害保健福祉部

障害福祉課身体障害者福祉係長
身体障害児福祉係長


厚生省保健医療局

エイズ疾病対策課難病調査係長


厚生省老人保健福祉局

老人福祉計画課在宅福祉係長







ホームヘルプサービス事業実務問答集の送付について





 標記について、別紙のとおりホームヘルプサービス事業実務問答集を取りまとめましたので、管下市町村における事業費補助方式の取扱いの徹底及び事業費補助方式への円滑な移行を図ることから、参考として貴管下市町村に配布願います。

 なお、このホームヘルプサービス事業実務問答集については、当方から関係団体に対しても配布する予定であることを、念のため申し添えます。







(別紙)













ホームヘルプサービス


事 業 実 務 問 答 集

























厚生省 老 人 福 祉 計画課

障 害 福 祉 課

エイズ疾病対策課





《事業費補助方式》



1 補助方式の選択方法について―――――――――――――――――――――――

 実施市町村・事業形態(直営分・委託分)・雇用形態(常勤・非常勤)・事業内容(身体介護・家事援助)のいずれかの単位で選択できるのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 実施市町村単位での選択とします。


2 補助方式の選択時期について―――――――――――――――――――――――

 実施時期については、平成9年7月からとなっているがそれ以降に変更できないのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 全国主管課長会議等においては、実施時期を平成9年7月からとしていましたが、平成9年度は変更初年度であることから、経過的な措置として人件費補助方式から事業費補助方式についてのみ平成9年度内であればいつでも変更できることとしますが、最低1月は実施することとします


3 派遣活動の取扱いについて――――――――――――――――――――――――

 派遣活動の取扱いについて。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ホームヘルパーの派遣にあたっては、事業の実施主体である市町村が責任を持って、利用者の心身の状況や世帯の状況等を十分考慮し、事前に1回の派遣ごとのサービス内容と所要時間及び派遣日程を定めた個別援助計画を作成することが必要となります。サービス提供は、基本的には個別援助計画に基づいて行われることになりますが、急な利用者の状態の変化によって、急遽サービス提供内容を変更せざるを得ないような場合もあるので、利用者本意の柔軟な対応が望まれます。




(1)個別援助計画の作成

 個別援助計画の作成にあたっては、高齢者サービス調整チームや地域高齢者の状況を把握している在宅介護支援センターの機能を活用することが望まれます。

 また、その際にはサービス提供を担当するホームヘルパーや高齢者・障害者のサービス提供を担当する事業者の意見も取り入れていくことが必要です。

 また、個別援助計画作成後には、あらかじめ利用者及びその家族に個別援助計画の内容等について、説明をする必要があります。

 なお、個別援助計画の作成にあたって、市町村における個別援助計画作成事務を社会福祉協議会、在宅介護支援センター等の適切な機関に委託することは可能ですが、委託費は補助対象とはなりません。

 また、個別援助計画の作成事務は、本来市町村が行うべき事務であることに鑑み、市町村において責任を持って対応してください。


(2)巡回型と滞在型の区分

 巡回型と滞在型の区分については、サービス提供の必要性に応じて個別援助計画の中であらかじめ定めておく必要があります。

 巡回型は、30分程度の訪問を1回の派遣としていますので、個別援助計画で巡回型に適したサービス提供内容を設定して下さい。

 って、滞在型として派遣決定したものの、結果として短時間で終了したからといって巡回型の派遣であるという判断はできません。


(3)身体介護と家事援助を併せて実施する場合

 1回の派遣の中で、身体介護と家事援助の両方を併せて実施する場合には、個別援助計画の中でどちらの業務を主としているかによって、その派遣がどちらの区分となるか判断します。



(4)滞在型の活動単位の算定について

 活動単位の判断については、実際のサービス提供において、多少の時間の差異が生じたとしても、当初の個別援助計画で定めたサービス提供内容とその所要時間に基づき決定することになります。

 当初の援助計画に対して、サービス内容や所要時間の変更が必要な場合には、早急に個別援助計画の見直し・変更を行い、それにしたがって、サービス提供内容を変更するようになります。

 なお、急遽サービス提供内容を変更された場合には、やむを得ず実際のサービス提供内容と所要時間によって活動単位を算定し直すことになりますが、変更が継続したり、頻繁に生じたりする場合には、個別援助計画の変更を行わなければなりません。

 サービス提供内容と活動単位の設定については、次のようなものが想定されますが、実際の個別援助計画の中では利用者ごとに援助の必要性や困難性を考慮し、サービス提供内容や所要時間等を決めてください。

 また、他の在宅保健福祉サービスも含めた総合的なサービス提供の観点からホームヘルプサービスに関する個別援助計画も作成されることが望まれます。


(5)サービスの種類

 サービスの種類には以下のようなものが考えられます。すべてを網羅するものではありませんが、高齢者、障害者・児、難病患者等それぞれの個別援助計画を作成する際の参考として下さい。






《参考》

@巡回型の事例

(事例1:巡回型で寝たきり状態のおむつ交換をする場合)

サービス種類 サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備


相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
体位変換 褥瘡予防のための臥位姿勢交換
簡単な排泄介助 おむつ交換



(事例2:巡回型でトイレでの排泄を介助する場合)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
排泄介助

 
衣服の着脱、トイレへの移動(一部介助で移動可能)、排尿・排便の介助、陰部の清潔





A滞在型の事例

(事例1:1単位の身体介護中心業務)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
全身入浴 浴槽の清掃・湯張り・使用後の清掃、衣服の着脱、浴室までの移動、入浴(浴槽内での安楽・洗髪を含む)、身体状態の確認・髪の乾燥等・入浴後の必要な介護
※健康チェック等については、湯張りの時間等を活用して効率的に実施。




(事例2:1単位の家事援助中心業務)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
洗濯 洗濯機による、乾燥、取り入れと収納
 掃除 居室内清掃・台所清掃・ゴミ出し等
※健康チェック等・掃除については、洗濯の合間等を活用して効率的に実施。




(事例3:1.5単位(90分)の家事援助中心業務)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
買い物 買い物内容の確認・金銭の預かり票の発行、買い物(複数店での値段の比較等を含む)、品物と釣り銭の確認等
調理と片づけ 夕食程度(ご飯・味噌汁・複数品)の調理と後片づけ
※健康チェック等は、調理の合間をを活用して効率的に実施。




(事例4:1.5単位(90分)の身体介護中心業務)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
体位変換 褥瘡予防のための臥位姿勢交換
排泄介助 衣服の着脱、トイレへの移動(一部介助で移動可能)、排尿・排便の介助、陰部の清潔
清拭 湯の用意、衣服の着脱、清拭、身体状況の確認等・清拭後の必要な介護、タオル等の後始末
身体整容 手足の爪切り、耳掃除、髪の手入れ




(事例5:2単位の身体介護中心業務)

身体介護と家事援助が混合しているが、身体介護を中心としている。
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


安否確認、顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓等

利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
掃除 簡単な寝室の掃除
調理・後かたづけ 昼食程度(ごはん、味噌汁、一品)の調理と後かたづけ
食事介助 全介助が必要な利用者への食事介助

食事姿勢の確保、配膳、エプロンの着用、おしぼりの用意等の準備、食事の進行にしたがってのおかずをきざむ等の介助、本人のペースを重視した摂食介助、終了後の利用者の清潔の確保、利用者の身体状況の確認
排泄介助 トイレへの移動による排尿・排便の介助




○障害者が対象の場合には、障害者の種類や周囲の環境などによって以下のような事例も想定できます。



(事例1:1.5単位(90分)の家事援助中心業務)

重度の視覚障害のある母親の事例(家族構成:夫、乳児)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック

環境整備

相談援助・情報収集


顔色・全体状態等についてのチェック等

家屋内の安全確認、整頓、清潔等

生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
代読・代筆 郵便物・請求書・回覧板・チラシ等の読み上げ、手紙・アンケート等の代筆
買い物同行 スーパー等での鮮度・賞味期間・価格等の確認
洗濯補助 本人が普段行っている洗濯の仕上がりの確認
掃除補助 本人が普段行っている掃除の出来具合の確認、刃の付いた電気器具等危険を伴うものの掃除
育児支援 哺乳・乳児浴・乳児の健康把握の補助等
その他 紛失物発見






(事例2:2単位の家事援助中心業務)

聴覚障害と知的障害のある母親に対する事例(家族構成:夫、学齢児、幼児)
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック

環境整備

相談援助・情報収集


家族の健康面の確認

家屋内の安全確認、整頓、清潔等

手話等による生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
買い物同行 買い物についての助言、金銭の確認、コミュニケーション介助、連れてきている幼児の安全確認
調理補助 家族の健康面を考慮した調理の指導、助言、補助
育児支援 児童の健康な発達、特に言語発達を促進する視点からの支援、保育園・学校等からの連絡帳の手話代読、助言、保育園・学校への連絡援助







(事例3:2単位の身体介護中心業務)

日常生活のほとんどに介助が必要な頸髄損傷者の事例

身体介護と家事援助が混同しているが、身体介護を中心としている。
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック



環境整備



相談援助・情報収集


顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

換気・室温・日当たりの調整、ベットまわりの簡単な整頓、姿勢のずれの修正等

生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
車いす等への移乗介助 車いすやベットに移乗する
食事介助(昼食) 食事姿勢の確保、配膳、エプロンの着用、おしぼりの準備、スプーン等の付いた自助具の装着、食事の進行にともない、本人の要望により食物をその都度、食べやすい位置に置く、食後に利用者の清潔等
食後のかたづけ 食器等の洗浄・かたづけ
排泄介助 衣服の脱着、車いす等への移乗、トイレへの移動、姿勢保持のためのクッション等の配置、陰部(肛門)の清潔等






4 複数人派遣の取扱いについて  ―――――――――――――――――――――

 数人1組で派遣を実施した場合でも、1時間であれば1単位と考えるのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 事業費補助方式においては、補助単位の判断基準はあくまでもサービス利用者側から見た活動時間であり、何人で行ったかは関係ありません。

 なお、利用者の状況、サービスの内容等から、複数人派遣する必要性があると思われる場合の取扱いについては、あらかじめ都道府県と十分協議して下さい。

 また、巡回型の深夜帯については、2人1組の派遣を想定して1回の単価を設定してありますので、2人で行っても単価が2倍にはなりません。




5 巡回型の実施について――――――――――――――――――――――――――

 24時間対応ヘルパー(巡回型)事業を実施していなければ巡回型はできないのか。また、24時間対応ヘルパー(巡回型)事業費加算は、事業費補助方式においても適用となると解していいのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 24時間対応ヘルパー(巡回型)事業を未実施でも巡回型を実施できます。

 また、24時間対応ヘルパー(巡回型)事業費加算についても、従来どおりの要件を満たせば適用となります。




6 時間帯をまたがる派遣の実施について―――――――――――――――――――

 昼間帯、早朝・夜間、深夜帯の複数の時間帯にまたがって派遣を実施した場合、どの基準を適用するのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 派遣の開始時間が、どちらの時間帯に属するかで判断します。

 なお、派遣時間帯の定義については、「老人ホームヘルプサービス事業における24時間ヘルパー(巡回型)事業の実施について」(平成7年6月21日老計第94号)に基づく規定が適用されます。




7 派遣時間の集計方法について―――――――――――――――――――――――

 集計については、派遣ごと、1日ごと、1週間ごと、1月ごと、1年ごとのいずれの単位で集計するのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 基本的には、派遣対象者ごと、1派遣ごとに活動単位・回数を算定し月単位で集計します。

 また、移動時間については、次のとおり取り扱うこととし、派遣時間とは区別して集計して下さい。

 また、給与・委託費等の支払いのため、ヘルパーごとの活動日誌等を別途作成する必要があると思われますが、対象者ごとの集計との突合は、必ず実施して下さい。





(1)「滞在型」

 移動時間については、訪問先から次の派遣先までの時間のうち1派遣1時間を上限に認めることとし、それを派遣対象者ごと、1派遣ごとに活動単位を算定し月単位で集計します。

 なお、この場合移動時間数については、次のように考えます。

0分以上30分未満 … 対象外

30分以上1時間未満 … 0.5単位

1時間以上 … 1単位



 なお、その場合家事中心業務の2,100円の単価を適用して下さい。


(2)「巡回型」

 巡回型については、そもそも派遣活動に移動が伴う形態であること、短時間の派遣を効率的に実施するためには、近距離での派遣活動が想定されることから、移動時間については、認めないこととします。




8 時間外単価の取扱いについて―――――――――――――――――――――――

 土曜・日曜・祝日派遣を実施した場合、通常勤務時間外単価を適用していいか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 通常勤務時間外の基準単価を適用します。




9 補助対象について――――――――――――――――――――――――――――

 ケース会議、ヘルパー会議、研修等の時間については、事業費補助方式において補助対象となるのか

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 事業費補助方式の補助単価の中に上記勤務に要する経費がおり込んであるので、これらの時間は直接補助対象となりません。






10 活動時間について―――――――――――――――――――――――――――

 訪問不在、安否確認について、活動時間に含んでいいのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 訪問不在については、活動時間ではなく移動時間に含みます。

 安否確認に付いては、他のサービスと組み合わせることなく安否確認のみをサービス提供内容とする派遣活動は、事業費補助方式においては、補助対象としません。

 ただし、利用者の体調不良等により、結果として安否確認のみの派遣となった場合は、移動時間に含めます。

 なお、現行補助方式においては、非常勤ヘルパーの家事援助中心型の時間給単価を適用して下さい。




11 利用者の費用負担額の決定について―――――――――――――――――――

 利用者の費用負担額の決定について、どのように取り扱うのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 原則としてホームヘルプサービス利用者の費用負担額は、当初の個別援助計画に基づく時間数を月単位で集計し決定するようになります。

 なお、当初の個別援助計画に対して、サービス内容や所要時間の変更が必要な場合には、早急に個別援助計画の見直し・変更を行い、新たな個別援助計画にしたがって費用負担額を決定して下さい。

 ただし、移動時間数については、利用料算定の対象時間には当然なりません。


《現行補助方式》



12 事業委託基準の提供時間の取扱い――――――――――――――――――――

 事業委託基準の1件当たりの提供時間の取扱いについて整理してほしい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「老人ホームヘルプサービス事業運営要綱」において、市町村は派遣回数、時間数、内容等について、利用者の身体的状況・世帯の状況等を十分検討したうえで派遣決定する旨記載があり、現行補助方式においてもサービス提供にあたっては、基本的には個別援助計画を作成し、それに基づきサービス提供を行うべきものであります。

 従って、事業委託基準においても、利用者の心身の状況・世帯の状況等を十分検討し、個別援助計画に基づき適切な・ニーズに応じたサービス提供を心掛けて下さい。




13 100時間の判断基準について―――――――――――――――――――――

 常勤単価と事業委託基準単価の適用基準となる100時間には、どのようなものが含まれるのか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 次の表のとおりです。

  業    務    内    容       適  否
家事援助中心業務の一環としての訪問前の買い物等のサービス時間
サービス提供のための移動時間。(合理的・妥当な範囲内)
派遣申請後決定のために福祉担当者と同行調査する時間及び移動時間
派遣申請前の安否確認やニーズ把握を含む評価訪問(実際に家事、介護サービスは行わない)及び移動時間 ×
活動記録を記入する時間 ×
サービス調整チーム等に参加する時間 ×(主任ヘルパーのみ○)
ソーシャルワーカー及び看護婦等との連絡調整時間 ×(主任ヘルパーのみ○)
サービス提供スケジュール等の作成、担当ヘルパーの選定等ホームヘルプサービス運営に関する時間 ×(主任ヘルパーのみ○)
ヘルパー養成研修中の研修実時間
都道府県・社協等が主催する研修のうち、ホームヘルパーの資質の向上に係る研修に要する時間

(1)都道府県、社会福祉協議会等が主催する研修のうち、ホームヘルパーの資質の向上に係る研修に要する時間については、次の理由から、月10時間以内、年間40時間以内に限り、研修時間を常勤単価の適用基準である100時間の中に含まれることとします。


@ホームヘルプサービス事業実施要綱では、年1回以上の定期研修を義務付けており、常勤職員が研修に参加する機会を確保する必要があること。


Aホームヘルパーの資質の向上は、介護保険制度導入に向けての基盤整備を進める観点からも必要であること。


(2)ここで否となっている業務については、本来市町村が調整等すべきものであることから、ヘルパーの業務の中には含めません。













(別紙)











ガイドヘルパー関係


事業実務問答集






















厚生省障害福祉課





《ガイドヘルパー関係》



1 ガイドヘルパーの取扱いについて―――――――――――――――――――――

 ガイドヘルパーの取扱いはどうなるか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 基本的には、ホームヘルパーの取扱いと同様ですが、ガイドヘルパー特有のものとしては、次のような取扱いになりますので留意することが必要です。




(1)派遣活動の取扱いについて

 ガイドヘルパーの派遣は、重度の視覚障害者及び脳性まひ者等全身性障害者であって、市町村、福祉事務所等公的機関、医療機関に赴く等社会生活上外出が必要不可欠なとき及び社会参加促進の観点から実施主体が特に認める外出をするときにおいて、適当な付き添いを必要とする場合に対象となります。

 ガイドヘルパーの派遣にあたっては、ガイドヘルパー派遣希望者からの電話等の方法による申し出に基づき、事業の実施主体である市町村が決定することになりますが、派遣活動を円滑に行うため、原則としてガイドヘルパー派遣申出書に基づき、月を単位として、派遣対象者、申し出のあった派遣日、派遣予定時間等を整理した個別派遣計画を作成して計画的に対応することが必要になります。

 したがって、継続的な外出(通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通学等の通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上本制度を適用することが適当ではない外出を除く。)に係る派遣の申し出に対しては、派遣日を月を単位として決定することになりますが、急な事情の変更により、派遣日を変更せざるを得ないような場合には、利用者本意の柔軟な対応が望まれます。

 また、臨時的な派遣の申し出があった場合にも適切に対応できるようにしておくことが必要です。



(2)巡回型と滞在型の区分について

 ガイドヘルパーは、滞在型の区分によることになります。





(3)活動単位の算定等について

 ガイドヘルパーの活動単位は、派遣希望者から申し出のあった外出先とその用務、所要時間などを考慮して決定することになりますが、原則として1日の範囲内で用務を終えることが可能な場合に限られます。

 また、ガイドヘルパーは、個別派遣計画により定められた時間数でサービスの提供を行うこととされ、派遣活動中に利用者から時間延長等の申し出があった場合には、原則として実施主体の指示を受けることとなっていますので、注意が必要です。

 サービス提供内容と活動単位の設定については、次のような事例が想定されますが、利用者ごとの援助の必要性を考慮し、サービス提供内容や所要時間等を決める必要があります。

 なお、利用者の費用負担額は、利用した時間数に基づき、月単位で集計し決定するようになります。



(4)サービスの種類

 サービスの種類には以下のようなものが考えられます。すべてを網羅するものではありませんが、個別派遣計画を作成する際の参考としてください。




《参考》


(事例1:4単位のガイドヘルプ業務)

重度の視覚障害者のデパートへの買い物事例
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック

外出準備確認



移動介助


顔色・全体状態等についてのチェック等

雨具・医薬品などの携行品の点検、白杖などの補装具・福祉機器の点検、戸締まり、火気などの安全確認

安全な移動介助
買い物支援 服の色のコーディネート、材質等の説明、値段表の代読等の援助
食事・喫茶介助 メニューの代読、食事時のテーブルオリエンテーション
トイレ介助 トイレ内のオリエンテーション
街並み等の紹介 目的地及び移動中の街並み等を紹介




(事例2:5単位のガイドヘルプ業務)

重度の脳性まひ者の映画鑑賞事例
 サービス種類   サ ー ビ ス 内 容
基本サービス

健康チェック

外出準備確認







移動介助


顔色・全体状態・発汗・体温等についてのチェック等

雨具・医薬品などの携行品の点検、介護用車いすなどの補装具、福祉機器の点検、戸締まり、火気などの安全確認、飲食に必要なストロー、スプーン、おしぼり、エプロン等の介助用具の確認

安全な移動介助
姿勢の修正介助 移動中の坐位姿勢の修正介助
映画鑑賞時の介助 入場券の購入介助、鑑賞に適した場所への移動介助、坐位姿勢の修正介助
更衣介助 外出中の上着等の更衣介助
食事・喫茶介助 エプロンの着用、おしぼりの準備、飲み物のとろみ付け*や食物をきざむ等の介助、ストローやスプーン等を使った食事の介助食事後の清潔の確保
排泄介助(尿) 使用可能なトイレの確認、衣服の脱着、便座への移乗、排泄姿勢の確保、陰部の清潔
*:飲み物のとろみ付けとは、水やジュースなどの飲み物をうまく嚥下できない重度の脳性まひ者等に対し、市販されている「とろみ付け用の粉末」を用いて、水状のものを嚥下しやすい形状にすること。