■97/01/20 96/07/25 第6回准看護婦問題調査検討会議事要旨 ※NIFTY-Serve:GO MHWBUL(厚生省行政情報)より  ここには厚生省関連の行政がたくさん掲載されています。  アクセスしてみてください。           第6回准看護婦問題調査検討会議事要旨  会議の日時及び場所  ・日時:平成8年7月25日(木)14:00−16:15  ・場所:KKR HOTEL TOKYO(竹橋会館) 11階「白鳥の間」  委員の出欠   出席委員…香西委員、金上委員、神尾委員、清川委員、工藤委員、佐川委員、        佐藤委員、下村委員、高木委員、高梨委員、竹中委員、中島委員、        似田貝委員、羽田委員、秀嶋委員、水巻委員、南委員、望月委員   欠席委員…河崎委員、諸橋委員(代理人が出席)  議事開始前に佐藤委員より高等学校衛生看護科及び専攻科に関する調査結果の報告  ・衛生看護科志望理由ではあ他のコースより早く看護婦になれるから」が64%である   。  ・98.4%が全日制なので医療機関に勤務しながら学ぶ生徒は殆どいないのでそれに伴   う問題も存在しない。  ・奨学金の貸与・返済についての問題もない。  ・生活指導上の問題について90%以上の学校で「なし」と回答している。 1.似田貝小委員長の報告  ・資料4「養成所の収入と支出の平均額の結果」について   それぞれの項目についての回答数は異なっている。それぞれについて平均値を記載   しているため、合計しても総額となるわけではない。また決算書からの各項目への   配分については、当方が妥当と考えて配分したものもあるため参考程度にしてほし   い。  ・オープンアンサーについての簡単な集計及び質的分析については、間に合えば次回   に報告したい。 2.諸橋委員の意見  本日欠席の諸橋委員より、これからの議論は6月27日に発表されたデータに基づき すすめるべきではないかという意見が出されている旨、座長より報告された。 3.論点整理メモ(案)について、事務局より説明 4.審議の概要  ○「働きながらでないと進学できない」という人と学歴とのクロス集計   大学等において働きながらでないと進学できない人の割合及び経済的な問題がわか   る資料があれば論点に追加していただきたい。また、需給見通しについて、可能な   らば昨年度の実績を加えていただきたい。できれば設置主体者別に看護婦の定着率   がどのように変化してきているかも出していただきたい。   ○准看護婦生徒が収入として得る金額と、大学生がアルバイトその他で得る金額との   比較が可能であれば加えていただきたい。  ○「働きながらでないと進学できない」という人には、地域差があると思うので、そ   の点も踏まえて割合を出していただきたい。  ○准看護婦の養成の在り方について、他の参考になる資料も加えて論点整理メモを作   っていただきたい。例えば、この問題について過去に検討会で議論した報告書、信   頼すべき調査で参考になるもの、外国の資料等も加えて論点整理メモを作ったほう   が、適切・適正な結論が出していけると思う。  ○いずれ介護保険制度が導入されるとして、それを踏まえた需給見通しを現時点で出   せるのか。  事務局:現状では、まだ無理だと思う。  ○准看護婦が一般の地域医療の第一線の中で、どのような需要供給の関係があるかも   含めて議論してほしい。  ○看護職員等の役割分担を考える中で、それぞれがどう役割を果たすかについて看護   の専門のサイドから見た資料を次回出させていただきたい。  ○データからは医療機関も養成所も生徒が働くことを相互に原則として いることが   高く出ているが、何故か。  ○戦後、准看護婦の発足当時には、まず医療機関に勤務し、奨学金により学校に通学   し、働いた分については報酬は出すということが社会的に容認されており、それが 今日まで継続されてきた。看護婦不足もあり、需要と供給の利益が一致していた。   そういう意味で国の医療政策の一端を担ってきたことは評価してほしい。時代が変   化し権利意識なども変わってきているため、改革しなければいけないことは認識し   ている。また、「お礼奉公」という言葉は医師会の奨学金制度にしか使われていな   いが、奨学金制度はどこにでもあるのではないか。豊かな時代になったといっても   准看護婦養成所を志望する生徒の中には、家庭の事情等で経済的な問題を抱えてい   る人も依然としていることも事実であり准看護婦制度は、ある意味では役割を果た   している。  ○2番目の問題として、奨学金の意味が分からなかった、教えられていないという准   看護婦生徒が50%以上いるが、これが事実であるならば明確にしたほうがいいと   思う。  ○奨学金問題は、理解度が低いということも原因である。社会的にも肉体的にも未成   熟なので、説明をしても分からない生徒が多い。このデータがそのまま医療側の経   営者の責任と考えることはできない。  ○「養成所の収入と支出の平均額」でどの部分が医師会が関与しているのか。  ○医師会が負担しているものは、ほとんどが建物、設備や生徒の環境の整備である。  ○養成所の収入と支出についての全体的なデータがあったと思うので、次回出してほ   しい。  ○准看護婦が勤務する中で「卒後研修が少ない」「昇進が認められない」「給料に差   がある」という点を論点の中に加えてしていただきたい。  ○准看護婦養成所で3年課程等に変更したいと考えていても医師会の負担が大きく、   変えられないのではないか。診療所に看護婦が就職しないのは卒後の研修が確保で   きないからではないか。訪問看護を手掛けている診療所には看護婦の就職が多い。  ○2年課程と准看護婦養成所長のオープンアンサーについて、クロス表を作成したの   で次回報告する。養成所を「継続する」か「廃止する」かということについていろ いろな条件等が書かれている。単に「継続」や「廃止」といっても様々な意味があ   るということを読み取っていただきたい。  ○准看護婦養成所の入学の際、医療機関での勤務を原則としている場合であっても、   生徒の希望を聞いて決めている。奨学金についても、あくまで金銭の貸借というこ   とで、自由に返済期間を決めている。就労を義務づけることについても労働基準法 に抵触することのないように配慮している。学校と勤務を両立させることの問題が   強く言われているが、勤務は収入を得てやることなので、相当な自由時間の制約が   あることは十分承知していないとだめである。ただし、医療機関側としては生徒が   過労にならないよう気をつけなければならない。  ○准看護婦教育の評価について、現行の指定規則のカリキュラムも関係があるので、   それを踏まえた議論をしていただきたい。  ○日本医師会において、平成8年2月に委員会での検討結果が出されている。准看護   婦養成所の入学資格は高卒以上にすべき、カリキュラムは2,000時間以上にす   べき、名称も考えるべきという提言がなされており、また、国家試験問題について   も言及している。冊子にしてあるので、希望があれば次回お持ちしたい。調査結果   に基づいて、会内通達を出したので、本日はそれを配らせてもらう。問題は改善し   ていくべきであり、 建設的な方向で検討願いたい。  ○中卒から高卒に、また2,000時間にというと高卒2年の養成になる。1年の差   で同じような職種で指示権を持つ看護婦がいるのに、別の国家資格を与えるという   ことは、可能なのか。厚生省はどう考えるのか。  事務局:一般的な資格制度という意味では高卒2年で国家資格を与えるものはある。  ○准看護婦養成をしていくことの意味がどれだけあるのか疑問である。准看護婦の採   用は診療所中心になっていくと思われるが、診療所でも看護婦の採用が増加してい   る。診療所で採用する3,000 人〜4,000人を確保するために、30,000人の養成が必要   だろうか。将来、就職が困難と見通されている職種に対して教育を継続していく必   要があるのか。准看護婦生徒の多くが看護婦希望である。経済的な面からみても、   直接3年課程で看護婦になるほうがコストはかからない。准看養成を継続するなら   、老朽化した校舎を建て替えたり、看護教員の資格も考慮しなければならず、それ   だけの投資をする意味があるかという議論が必要になると思う。  ○アンケート調査の結果のみでは議論できない問題もあるので、看護の現場で看護婦   が統一された資格の下で運営されていく方がよいのか、今のままがよいかを検討し   、また、諸外国のデータも収集して議論する必要がある。また、地域医療の第一線   では、准看護婦でも十分に役割を果たしていけると考えている。無床診療所におけ   る看護婦の需給についても考えていただきたい。第一線の医療を誰が支えていくの   かも考えるべきだ。  ○現在の准看護婦生徒にとって准看護婦課程は看護婦になるための通過点に過ぎない   。それでも准看護婦養成は今の時代に本当に意味があるか。診療所で准看護婦を必   要としているというが、「准看護婦でもよい」という言い方になっている。看護婦   優先の職場の中で教育時間の少なかった准看護婦は今日の医療、看護についていく   ため、大変な努力をしている。その結果として、准看護婦でもよいという評価にな   っていることを理解してもらいたい。これからの看護職に求められる看護は非常に   高度なものであり、劣悪な条件のもとで教育を受けるという事態は現代の看護教育   としては適切ではない。根本的に変えていかなければならない。  ○論点整理メモに、看護婦と同じ仕事をしていることについてどう考えるか、勤務時   間や給与についてどう考えるかという項目を追加していただきたい。また、勤務時   間や給与は業務ではなく労働条件なので、別の区分けにしていただきたい。 問い合わせ先 厚生省健康政策局看護課      担 当 田村(内2594) 電 話 (代)03-3503-1711