■97/01/20 96/12/11 第10回准看護婦問題調査検討会議事要旨 ※NIFTY-Serve:GO MHWBUL(厚生省行政情報)より  ここには厚生省関連の行政がたくさん掲載されています。  アクセスしてみてください。 第10回准看護婦問題調査検討会議事要旨 ・日時:平成8年12月11日(水)14:00−16:20 ・場所:通産省別館834会議室 ・委員の出欠  出席委員…香西委員、金上委員、神尾委員、河崎委員、清川委員、工藤委員、       佐川委員、佐藤委員、下村委員、高木委員、高梨委員、中島委員、       似田貝委員、秀島委員、水巻委員、南委員、望月委員、諸橋委員  欠席委員…(日程調整の段階で出席できなかった委員) 羽田委員 1 事務局より資料2「看護職員の需給予測(粗い予測)」 資料3「准看護婦問題調査検討会報告(素案)」 資料4「准看護婦養成の「改善継続案」と「停止案」」について説明 2 香西委員より「准看護婦問題の日医の対応策(案)」について説明  1 准看護婦の養成制度は存続する。  2 准看護婦問題調査検討会で行ったアンケート調査結果に基づき改善を行う。 1)養成所の入学資格は高校卒業とする。 2)カリキュラムの必要時間数を検討の上、適正な時間数に増やす。 3)准看護婦資格を国家資格とする。 4)少子・高齢時代に即したカリキュラムを策定する。  3 アンケート調査結果で指摘された、准看護婦養成所の運営上の不適切な点に関し て、これを全面的に改善する。  4 関係団体による小委員会を設置することを提案する。現場に関係した専門団体が 検討し、結論を出す必要のある問題が多くある。1年ないし2年の必要な日時を費 やして違反事実も含め、看護教育の向上のみならず看護制度のあり方について検討 すべきである。  5 看護婦の需給見通しについては数字的な推計のみでは、早急な方針を決定するこ とは極めて危険と考える。特に我が国の経済見通しは不透明であり、これに加えて 人口の推計、高学歴志向、職業選択志向等の変化の推測は、見通しを付け難い。さ らに、地方における地域医療では、准看護婦に対する需要は極めて高いものがあり 、また高齢化社会での看護婦の需給見通しも不透明な面があり、准看護婦養成停止 を前提とした議論は行われるべきではない。 3 南委員より日本看護協会の考え方をまとめた資料について説明 ・今後は高い能力を持った看護婦が求められるので、教育水準を高め、専門教育の拡充 を図ることが必須である。 ・現状の養成制度のままで今後も准看護婦養成を継続することは、医療と教育の場にさ らに矛盾を生じさせるため、准看護婦養成は停止するべき。 ・養成停止に伴い、准看護婦から看護婦への移行措置が緊急の課題となる。看護婦資格 を目指す者に対しては、国は早急に具体的な移行措置を示し、同時に移行のための教 育を受ける者への支援体制を整える必要がある。 4 意見交換 ○医師会に3点質問したい。資料3で、「准看護婦は医療現場で十分に対応しており、 不必要とする見解は明確な理由がない」と断定する根拠は何か。  医師会の行ったアンケート調査の数字について、総数と各回答肢の合計が合わないが 、どのような処置をしているのか。質問肢のキャリーオーバーではないか。  資料4について、看護制度のあり方について検討するということは、准看護婦制度の 問題も入るのか。今回の検討会とは別に、養成継続や養成停止という問題を今後の検 討会にゆだねるということか。 ○准看護婦制度のあり方については、看護婦制度全体を見ながら検討したい。准看護婦 養成制度は存続する前提で考えおり、今回の検討会だけでは問題を処理し切れない。 ○医師会の資料に、「地方における地域医療での准看護婦に対する需要は極めて高い」 と書かれているが、その主体は何か。 ○地域医師会の准看護婦に対する需要が非常に高く、また、養成所長の希望においても 非常に強いということだ。 医師会資料の合計が総数と合わなことについては、複数回答であるため。無回答がゼ ロとなっているが、無回答でも回答でもないものがあった。 ○それらも全部含めて表現しないと信頼性をなくすので、訂正していただきたい。 ○資料3の就労の状況について、養成所生徒と大学生のアルバイトとの関係の後に「い ずれにせよ、このことを持って、医療機関で働くことを准看護婦養成所の入学条件と することを正当化することはできない。」とあるが、つながりがないのではないか。 「教育の効果を上げるためには、教育と就労とは原則として分離されるべきである」 との指摘については、教育の側だけではなく、働く人の側に立った見方もあると思う 。  「看護婦と同じ仕事を行っていても、待遇における差別により」の「差別」は何を指 しているのか。待遇の差の問題と、差別とは全く違うものである。  「労働法規に従い雇用契約は1年単位とする」と書いてあるが、雇用契約は有期のも のと期間の定めのないものとがあり、有期の場合でも1年より短い単位で決められる こともある。  就労と雇用との関係についても検討すべきではないか。働きながらでないと進学でき ない人に、養成継続の場合と停止の場合とでどのような対応をするかは大事な問題だ と思う。 ○准看護婦の場合には昇進の道がなく、スタッフとしてしか働けない。たとえ給与が多 くても、地位の面での差がある。  医師会の意見で、医療の専門家でない委員が論議を進めるのは公平ではなく、医療関 係団体の委員による小委員会で十分に討議すべきという意見があるが、医療サービス を受けるのは国民であり、国民がどう判断するかがいちばん大事ではないか。国民の 声を代表している意見は大事だと思う。武見元会長が「素人は黙れ」と言ったが、広 くいろいろな立場の人の話を聞くほうがいいと思う。 ○専門の委員で議論すべきというのは、非常に細部にわたる問題が出されており、残り 2回の検討会では解決できない問題が多いため、1年ないし2年をかけて検討し解決 すべきだということである。 ○臨床の場では、准看護婦が気の毒なくらい遠慮し自分を非難している。医学・医術、 薬学、看護学等はあらゆる点で進歩している。准看護婦制度は50年近く経過し疲労 している。将来の医師会の医師、診療医、働く人のためにも、何らかの結論を出すの がよいのではないだろうか。 ○実態調査の結果、医療の中での看護婦職の位置付け、どのような改善・改革が必要な のか等を考えると、4つの視点があると思う。  1点は准看護婦養成所生徒及び准看護婦の考え方で最も大きな問題は、被害者意識が あること。  2点は看護婦職の質の向上はどうすべきなのか。  3点は少子・高齢化社会の中で、21世紀を見据えた医療はどのようにすべきか。在 宅看護システムの構築化やナース事業の充実が必要なのではないか。  4点は、医療は医師や看護婦のためではなく患者のためにあるので、患者本位の医療 のための改革はどうすべきか。  結論としては、制度疲労もあり准看護婦養成所は停止すべきである。関係者の不安や 混乱のないように考えていただきたい。 ○医師会が専門団体だけでの議論を提案しているが、専門団体以外の人が入って議論す るのが本来のやり方と思う。1〜2年かけて検討すべきという意見についても、この 検討会は長期間にわたっており、そろそろ結論を出すべきである。  日本医師会の准看護婦養成を改善・存続するという意見の中身は、准看護婦教育が看 護婦教育に近くなり、看護婦の指示の下に准看護婦が仕事をするという保健婦助産婦 看護婦法の差が適当ではなくなる。法改正を行わなければ法律として構成できなくな る。むしろ一本化したほうがいいのではないか。 ○3点ほど意見がある。第1点は、関連団体による小委員会の提案については、今回こ の検討会で折角調査をし議論してきたので、大きな方向性をきちんと示さなければ委 ねるべきではない。  第2点は、日本医師会の見解で、看護婦、准看護婦、看護補助者のバランスのとれた 組み合わせで大きな力を発揮しているとされているが、有床診療所や開業医の言う准 看護婦問題とは次元が違う。全国の病院では質を重視して看護婦を多く採用している が、病院関係者が看護婦、准看護婦、看護補助者の組み合わせで看護を考え、これが 准看護婦を存続させる理由になっているのかどうか、病院関係者から意見を聞きたい 。  3点は、需給予測が出たからこそ、結論を早くすべきだと思う。この需給予測は、社 会の波に准看護婦が消される話だと思うので、結論を速めて養成所や准看護婦をどう していくのかということを話し合うべきだ。 ○報告書(素案)に「それ以上に専門職としての教育をしていない教育機関」とあるが 、教育機関そのものより専門職としての教育をしていない教育のあり方に問題がある と思う。 ○良質な医療についてどう考えているのか疑問を感じる。良質は本来「グッドクォリテ ィ」であるが、「ハイクォリティ」を基準にして議論しているのではないか。患者の 意向調査では、看護婦には第1に優しく接してほしい、第2に「患者さん」ではなく 名前で呼んでほしい、第3にナースコールを押したら、すぐに来てほしいとなってい た。現在の患者のニーズを認識すべきと思う。基本的に医療に携わる人たちの基本的 な要素として必要なのは、思いやりや優しさである。  アメリカでは、病院や診療所はホスピタリティ・インダストリーという概念に含まれ 、思いやり、優しさ、親切さの企業としてとらえている。このような点から看護婦、 准看護婦ということを考えると、残り1回の検討会で廃止か改善・継続かを決めるの は、乱暴なやり方と思う。医療を提供する側が無理に准看護婦を作つているわけでは ないことも理解する必要がある。 ○働き続けている准看護婦の生の声を聞いてほしい。  准看護婦は大学病院から診療所までのすべての分野や山村、離島などの僻地で、業務 と待遇の矛盾に甘んじながら働いてきた。もう放置できないところにきている。現代 の医療についていくために自己研鑽を重ねてきたが、職場では看護婦と准看護婦は牽 制し合うほうが一般的であり、両者の持てる力を有効に発揮できないような状況だ。 その結果は患者に跳ね返っていく。お互いに良い看護を望んでいてもできない現実が ある。縮こまり働いている准看護婦が意欲をなくして、諦めの境地に陥っている。過 去何回か准看護婦問題が論議され、今度こそ結論が出ると思いながら働いてきた。  准看護婦は准看護婦になりたいと自分で選んだから今日がある、という話には、必ず しもそうではないと強調したい。受皿があるため准看護婦になった部分もある。38 年の医療制度調査会で准看護婦制度が廃止になっていたら、現在ほど准看護婦はいな い。進学コースは門戸が狭く、高校衛生看護科から進学する人たちが入ってしまうと 、働いている准看護婦や准看護婦養成所の生徒の進学は非常に困難である。1日も待 てない状況であり、准看護婦養成の停止をしてほしい。結論を出すことを目的として この検討会は始まった。過去の論議の経過から、養成停止の結論を出さなければ、こ の会は何のためにあったのかということで、国民からの期待を裏切ることになると考 えている。是非養成停止の結論を12月20日の検討会で出していただきたいと思う 。 ○報告書(素案)の「差別」は「格差」だと思う。格差があることにより、差別意識が 准看護婦の中に形成されている。その人たちが今後も医療活動を続けていくわけであ るから、この検討会では何らかの回答を出さざるを得ない。  看護婦不足のため准看護婦を雇用している状況があるが、看護職の需給見通しがある 程度ついているとすれば、質の問題がでてくる。日本医師会は准看養成所の生徒につ いての対応は議論したようだが、准看護婦の地位向上等については問題が残されてい る。  人のケアをすることはハイクオリティなことだと思う。専門職でなければならない。 これからは看護職の質の高さは避けて通れない問題である。具体的には准看護婦養成 所を廃止する。准看護婦を看護婦に移行させる政策については専門家の委員会で議論 すべきことと考える。 ○准看護婦問題は昭和62年の看護制度検討会報告書で検討され、意見の一致に至らな  かったが、94年の12月に少子・高齢社会看護問題検討会でも検討し、その経過を  受け本検討会ができて、1年ほど検討をしてきたので、ここで結論の是非を国民に問  うべき。  資料3の7頁のまとめが白紙だが、なぜ今日の検討会で白紙になったかを国民に明ら かにすべき。医師会や護婦協会の意見も併せて国民に語ることが大事だと思う。  「特に准看護婦と仕事をともにする医師の方々が、その養成に大きく貢献してこられ たことに敬意を表したい」と書かれていることのバランスから「准看護婦の皆さんに も敬意を表したい」と書き込むべき。  今の資格制度は問題があるのではないかという声が、当事者から出ている現実をきち んと明記しておくべき。  医師会を代表している委員の方にお願いしたい。時代の変化に対して指導性を発揮し て良識ある決断をいただきたい。時間はかかるかもしれないが養成はやめる方向にも っていこうというところに、見識を発揮していただきたい。 ○日本医師会から入学資格を高校卒業とし、国家試験にし、カリキュラムも適正な時間 に増やす等の改善意見が出ているが、もう少し話を詰めれば、ほとんど現在の看護婦 養成所と変わらないと思う。ここまできて、万場一致を見ないとなれば、いままでの 努力はむなしく感じるので、准看護婦養成について一挙に来年からするか、数年先に するのかは日本医師会の事情も十分に考慮に入れて、もう少し話合いを持ってほしい 。 ○調査結果から、准看護婦の養成、准看護婦制度の維持は中期的には難しいといえるの ではないか。総論的な方向はある程度はっきりしているので、その場合の新しい看護 制度は一本化した制度になると思う。准看護婦養成を続けるか否かは、養成所の経営 判断が入ってくるものだ。いまの段階で制度的に決着を付けなければならないことが よくわからない。また一方では、そのような制度であっても准看護婦制度でなければ と、無理をして手直しし、存続させたいという医師会の主張も全くよくわからない。  准看護婦養成をやめた場合のメリットが具体的に示されていない。現在の准看護婦の 仕事も含め看護婦がやるということだけではないか。具体的な将来像は明らかになっ たとは言えない。本当は具体的な詰めが要るのではないかと思う。現在の保険制度に おける看護基準2:1は暫定的なもので、看護料の支払い体系は検討すべき問題があ る。そのために准看護婦を雇用しないというのは、絶対的な理由にならない。 ○中小病院はある程度准看護婦を必要としているが、週40時間も働きながら2ぐ00時間の 授業はできない。看護体制の整備、看護婦を高学歴化することで平均在院数が短くな り、医療費も安くなり、医療の質も上がるという論文もある。  医学、医術は進歩しているのに、女子の高校進学率が36%の頃の緊急避難的に作った 制度が50年も続き、さらにそのまま残していいものか。 ○医師会の養成制度の改善・存続について、展望を見ればこのままでは無理なことがは っきりしているのに存続するというのはよくわからない。一方、すぐに廃止でもない のに、なぜ今ここで廃止を決めたいのかわからない。 ○廃止する場合、厚生省も考え方があると思うが、それを全然言わずに廃止したらどう かということはおかしい。 ○日本の医療は大病院だけでなく、地域医療の第一線の診療所までレベルがいろいろあ る。医療も看護も拡大してきている。役割分担は非常に大切で、地域医療の第一線で は、准看護婦のいままでの役割は是非必要と思う。多岐にわたる看護婦のいろいろな 形が必要ではないか。准看にこだわるわけではないが、看護婦の役割はきちんとする べきということをもう少し検討していただきたい。その結果、国民に対する良質の医 療を提供するためにはどうすべきかが自ずと出てくると思う。 ○座長 極力年内に取りまとめを行いたいと考えているが、まだ意見の一致に至ってい ないので、次回までに意見の隔たりのある先生方に話を伺い、意見の集約をしたい。 (異議なしの声あり) ○医師会に対しての意見がでているが、具体的な改革案は示したとおりであり、4番の 項のようなところをやりたいと考えている。細かいいろいろな条件を踏まえて議論を してほしい。  全国の医師会員でやっている組織なので、この場で廃止が決まったから廃止しろとい うことは絶対にできないことを理解いただきたい。全国の医師会員のコンセンサスが 必要であり、現時点ではみんな存続を希望しているという事実を理解願いたい。 ○資料2の看護職員の需要予測で新卒就業者数の学校、養成所別の人員の数が、高等学 校のほうは平成17年から22年にかけて900人の減という数字が出ている。18 歳人口の総枠から、大学、短期大学、看護婦養成所の定員を差し引いた数はわかるが 、高等学校の場合は中学生が対象なので、大学、短大、3年課程の養成所枠を横断的 に横並びには比較できないと思われる。 (事務局)次回は12月20日(金曜日)午後3時から午後5時までを予定しています 。会場は厚生省の26階共用第9会議室です。 問い合わせ先 厚生省健康政策局看護課      担 当 田村(内2594) 電 話 (代)03-3503-1711