■96/09/20 96/04/23 4回PSW及びCPの業務及び資格化に関する研究議事録NO3 ※NIFTY-Serve:GO MHWBUL(厚生省行政情報)より  ここには厚生省関連の行政がたくさん掲載されています。  アクセスしてみてください。 門屋 そうすると、職業人として寄って立つところの場というのは、どうなってくるん でしょうか。要するに、さまざまな制約のなかで医療というものが法的にも、社会的に も縛られた状況のなかにある医療社会のなかに、われわれは専門職業として入りこんで 、現実に仕事をしているという立場性は、いったいどうなるわけですか。ソーシャルワ ーカーとして独立して業務をやっているんであって、いまの医業というのを理解してい ただいていると思いますけれども、すでにさまざまな制約のなかにあるわけですね。こ の制約があるがゆえに、いま、これが議論になっているわけですけれども、その制約の なかで、なおかつ外のソーシャルワーカーとして医療のなかに入ってやり続けることが 可能であるということを、ずっと言っていらっしゃるわけですね。 吉田 医療機関の組織のなかでという──── 門屋 医療機関でも、保健機関、どこでもいいんですけれども、われわれが職業として 寄って立つべき場があるわけですね。ソーシャルワーカーというのは、他にもたくさん いるわけですね。司法にもいらっしゃるし、公的扶助ワーカーもいるし、これは、こん なことを言う必要はないんで、それら全部を皆さんは言っているわけですね。皆さん、 ソーシャルワークの立場でというふうにおっしゃっているわけですね。そういうことで すよね、いま言っているのは。いま主張しているのは、そういうことですよ。 吉田 病院のなかに入っているソーシャルワーカーということですね。 門屋 それはいいわけですね。 吉田 はい。 門屋 そうだとすると、そういうさまざまなソーシャルワーカーがいるにもかかわらず 、寄って立つべきところに制約された専門職というものがあるだろうと私は思うんです 。司法なら司法のソーシャルワーカーは、司法の枠のなかで、当然、寄って立つべきと ころですから、制約がありますね。 じゃあ、われわれは医療の世界のなかでの制約というのは、どんな制約を受けて仕事 をするのかということが、まさに医師の指示の下にという部分を持たざるを得ないんだ ということを主張しているだけなんです、私は。ソーシャルワーク一般論を議論しよう と言っているんではないんですね。それは、もう何十年もかかるよと谷野先生がおっし ゃるように、それをやってもしょうがないんですね、実は。その返事が欲しいんです。 返事と言いますか、実態に即してどんなお考えを持っていらっしゃるのか知りたいんで す。 言い換えれば、医療社会事業協会は、もともと資格を欲しいというふうに運動体とし て日本のなかでは、かなりの力を持っている。厚生省にずっと働きかけてきたんですね 。 そういう歴史があるわけです。それは何故か。それは、医療の制約の下に医療の社会の なかで働けるソーシャルワーク専門職として、自分達を規定してきたからですね。それ は、大前提、そこに医療ソーシャルワーカーの発展と歴史があったはずなんです。 資格が出来たからと言って、専門性が同時に身につくということではないということ を片一方でちゃんとおっしゃりながら、私達もそう思っています、いま。専門性という のは、これからも高められるべきことですから。そういう議論があったにもかかわらず 、突然、実はどこかで方針変換が起こったわけですけれども、その方針変換は、本当に いままで長いこと主張してきた考え方を根底から覆した上でのことなのか、それとも、 いまの医師法制上の問題点があまりにも大き過ぎるから、いまの医師法制上の医療社会 には、とりあえず入らないんだと。それが変わらない限りは専門職として入っていかな いんだと。だから、先にそっちのほうを問題にしろという大議論を、いまやろうとして いるのか。まあ、いまやっているみたいですけれども、そこのところ、ちょっとはっき りしてほしいんですよ。 吉田 流れからいきますと、昭和28年に日本医療社会事業協会が出来ましたので、最 初の時点では、身分法という形でしたけれども、それが資格法という形で運動しましょ うという形で、確かに運動してきた経緯があります。 ただ、過程のなかで、社会福祉士法ができて、その時点では入らなかったと。 社会福祉士が、ソーシャルワーカーということであれば、1つの国家資格として現実 に出来たということで、われわれはソーシャルワーカーとしてのアイデンティティーに ついて、かなりの議論をしまして、何年間かかけて、結局、もう国家資格として社会福 祉士が出来ているんだから、そこがソーシャルワーカーとしての共通の基盤ではないか ということになったわけです。それで、先程、門屋さんがおっしゃったように、司法の 部分とか、教育、スクール・ソーシャルワーカーとかいうのがありますけれども、それ ぞれの分野でワーカーが働いている場所というのはあるわけですから、それはそこでの 分野の特殊性ということでは、またそれにプラスするものは出てくると思うんですけれ ども、国家資格のレベルというところでは、もうすでに社会福祉士があるので、結局は 、違う、もし別のものをつくるとしたら、それとはかなり違うものでないと出来ないで あろうというふうに、こちらとしては考えているわけです。それで、社会福祉士にわれ われも入れてほしいという運動になっているということです。 荒田 ですから、それをこの間も議論したことなんですが、社会福祉士そのものは、医 療は省いた形で障害者を対象にするとか、医療機関、傷病者を対象にしないという形で やってきている社会福祉士がアイデンティティーの根幹にあるということであっても、 それは現実に、いまもう出来ている国家資格ですね。 ただ、社会福祉士であっても、医療に入るには、どうやって医療のなかに入っていく かということについての法的な根拠が要るんですよ。それは何にも示されてないんです よ。あなた達は、ずっとそのことについては、何年も前から主張なさっていますけれど も、いまの日本の医療制度のなかでどういうふうに入っていくんだと、社会福祉士がど ういうふうに法律を変えて、どういうふうにするのかとか、いまの医療制度のなかでど うするんだということについては、いまの門屋の質問にも答えていらっしゃらない。い まの日本の医療制度を根底から覆す形で、それぞれが専門職として独立したものだとい うふうにおっしゃっているのか、そうではないですね。医師の判断を聞くんだというこ ともおっしゃっていますよね。 だから、そのことで言うと、アイデンティティーが社会福祉士にあるということを言 われるのも、われわれも否定はしていないわけです。そのとおりだと思うんです。 ただ、何度も門屋が言っているように、いまの医師法制上のなかで入らないと判断し ているのか、入ろうと判断しているのか。入るんであれば、いまの社会福祉士であって も、入るための法制上、変更しなければいけない部分もあるわけですよね。それが、わ れわれとしては、何度もさっきから説明しているように、いちぶん医行為がかかるんだ というなかで位置づけない限りにおいては、日本の医療制度のなかでは医療職としては 位置づけられない。もう最後まで医療職じゃないんだと、医行為はしないから、福祉職 なんだと、医療の外にいるんだとおっしゃるんであれば、この間の事例も、今日の事例 も、非常に矛盾したことをお話なさっていることに、僕はなると思うんですね。 だから、それにあえて矛盾点についてはさておいても、門屋の質問には、ちゃんと答 えてください。 門屋 いまの吉田さんの答えは、僕の質問の答えになっていないんです。 荒田 社会福祉士でも同じなんですよ。そこはクリアしなければ、われわれは医療のな かでソーシャルワーク活動は出来ないんですよ。それはMSW協会は社会福祉を求める んであってもいいけれども、どうクリアしようとされているのか。 堀内 例えば医療のなかでソーシャルワーカーの資格をつくろうとすると、どうしても 、例えば保助看法を解除して、医行為を行わなければならない。まあ現実に医行為とい う問題と養成という問題が、私達にとってはいちばん大きな問題なんです。特に養成。 これは、医行為よりもと言いますか、大学でどのような教育を受けてソーシャルワーカ ーになっていくかというところを大事にしたいと思ってきました。 この間、計画課と話し合い、それから平成2年度の仮称案のとき、それから平成6年 でしたか、精神保健福祉法のとき、養成のことについて、ずっと話し合ってきて、私ど もがいま判断している点は、社会福祉を大学でじゅうぶん学んでくるという、そこが守 られそうにないというのが、いちばんの心配です。 何故そうかというと、すでにある国家資格、社会福祉士法という国家資格があるので 、新しい資格をつくるときは、それとは違う独立した学問的な領域がなければいけない と。似たようなものをつくることは出来ないという説明を、ずっと受けております。 具体的には、医療と福祉の科目が、最低半々。できれば医療が7で福祉が3という説 明を受けております。いまの社会福祉士が養成されている科目だけでも十分だと思って おりませんけれども、あれは最低限守らなければいけないと思っています。 そうしますと、大学の4年間の養成カリキュラムのなかで、それが精一杯です。社会 事業学校連盟がおっしゃっていますけれども、医療福祉総論を加えるぐらいでしょうか 。あと4単位ぐらい入れるのが精一杯かもしれないと私達は思っているんです。 そうすると、三村先生が心理のときに、保健医療科目についてはコモンセンスでは困 ると。もっとしっかりと医療保健に関する科目を勉強してきてもらわなければならない とおっしゃっていましたが、そうなると、大学の教育そのものが変わってきますよね。 そのことを心配していることが1つです。 それからもう1つは、いま議論になっている、ソーシャルワーカーの業務を保助看法 を解除して診療の補助として行う、その必要は21世紀に向けた資格法をつくるときに 、果たして必要なんだろうかと。現時点では必要ないのではないかというのが、当協会 の判断なわけです。 そして、いまある医事法制上の問題というのは、簡単にクリアで きることではないわけですから、非常に難しい、そこを変えていくことは大変難しいこ とだと考えておりまして──── 門屋 同じ現状認識です。 堀内 そこが違うんですね。大変な状態だということは同じだけども、だから入ろうと いうのと、だから入るのを躊躇しているという私達と、たぶんそこが違うんではないか と思います。 門屋 ちょっとカリキュラムの問題までいっちゃうと拡散しちゃうので──── 堀内 また別のときに。それはわかります。 門屋 それはちょっと横に置いておいて、いずれやらないといけない問題なんですが。 前半の部分ですね、僕が質問した部分について、いまいみじくも、認識は一緒だと思 うんです。医事法制上の問題をクリアすることは非常に難しいと。そこまでを、ちょっ と確認させていただいて、さっきの谷野先生のご質問が途中で、実はどんどんこっちが 勝手に申し上げて中断させてしまって申し訳ないんですが、先程のご質問からこの問題 が派生したものですから。看護協会のほうでは、新しい職種が、私達も入れていただき たいということで、実はこういう形をお願いしているわけですけれども、他にも、きっ と新しい職種は、これからも出てくるであろうと思うんですね。そうなると、CP・P SWに限らず、看護協会として新しい職種を迎えるにあたっての基本的な考え方がある んだろうと思うんです。それと私達を迎え入れてくれることとは非常に関連があるんだ ろうと思っています。われわれだけは駄目で、それ以外はいいよとは僕はならないと思 うので、そのへんの基本的なことを確認させてください。 岡谷 その前に、先程、谷野先生がおっしゃった保助看法は身体モデルから来ていると おっしゃったんですが、保助看法が出来たときは、医学モデルに基づいてつくられてい ますから、そうかもしれないですが、看護が身体モデルだけでやっていると理解される のは心外です。むしろ看護は、保助看法は身体モデルがベースになっているがために、 非常にそのことで困っている部分があるわけです。 いままで保助看法が昭和23年に出来てから、もう何十年もたつのに、保助看法の内 容について看護の専門性とかそういうことを踏まえて、それを改正するなり、そのこと についてきちんと話し合いをするという場は、一切持たせてもらっていないわけですよ ね。 だから、救急救命士のときもそうでしたし、いつも保助看法で看護の独占業務のとこ ろを解除して、いろんな職種が出来てきたということがあります。だけど、そのことに ついて当事者である看護というのは、一度も話し合いはされていない。それは非常にお かしいんじゃないかというのが、一つのスタンスなんです。 それで、他職種の人達が医療のなかに入ってくることに対しては、看護協会はウエル カムなんです。それは、別に排除するものでもありませんし、私は、もうこれからは、 もう医学モデルだけで患者さんを診ていくことは不可能になると思いますし、それぞれ の職種がそれぞれの専門的な知識、技術に基づいて、本当にチーム医療がきちんと出来 ていくことが、すごく大事なことだと思っています。 それは、患者さんとか、いわゆる医療の対象者とか、福祉の対象の人から見れば、そ ういういろいろな人が入ってきて、その患者さん自身が、私はこのことについてはケー スワーカーに相談したいんだと、このことについては医者じゃなくて、ケースワーカー の判断を仰ぎたいと、そういうことが、患者さんの選択肢が広がっていくことは、私は とてもいいことだと思っているので、私自身は、他職種の人と本当にいい意味で連携し て、いい医療を目指していきたいと思っているんです。だから、そういう意味ではいい んです。 ただ、いまの制度のなかでは、医療の現場に入るときに、確かに医療職で入らないと 、すべてのことがうまくいかないというのは現実としては事実だと思うんです。だから 、それは、もうそのことを優先させるために、いろいろなことを、まあ理屈はいろいろ あっても、でも、それはもうとにかく入ることが肝心なんだということで、なり振り構 わず、やっぱりそれは入るというふうにおっしゃれば、まだそれは理解が出来るんです ね。 ただ、それが、医師の指示を仰ぐことが医行為だとか何だとか、そういうふうに言わ れると、いやぁ、医師の指示を仰ぐことが医行為だというと、じゃあ、私達がいままで やっていることは、とてもそんなことで整合性がつかなくなってくる。 いま、心のケアというか、精神の領域だけじゃなくて、本当に看護婦は、例えば癌の 末期の患者さんを家庭に帰したいと。患者さんもそれを希望していると。看護婦は患者 さんとか家族とかいろいろ話し合って、なんとか訪問看護にもつなげたいと、在宅医療 の方法も考えたいと思っても、医者が、いや、これは帰せないと考えれば、この帰せな いという医師の指示を覆していくのは、大変なことなんです。 だから、そういう意味で、本当に現実的には、いろいろなところで指示権の問題でぶ つかっていることはたくさんあるわけで、そういう問題を棚上げにしたままで、他の職 種を新しくつくる、しかも、それもかなり看護の業務と関連するところが非常に出てき ますよね。それはいいと思うんです。いろんな立場で見た目には同じようなことをして いても、基盤が違えば活用は違うわけですから。だけど、法制上、そういうことも全部 医師の指示の下にと位置づけられると、私達は、それを医師の指示は必要ないと解除し ようとしているのに、逆の方向になっていくということで、とてもそのことが困るんで す。 だから、私は、やっぱりどこかで看護はそういう意味できちんと医者と話し合いを持 つということを早急にしないといけないと思う。でないと、ずっとこの問題は、介護福 祉士の問題にも関わってきますし、いろいろな意味で、もういろんな職種の人が医療の 現場に入ってくるというのは、国民のニーズでもあると思うんです。だから、それを阻 止することは、私はいいことだとは思わないので、そういう意味では、もっと前向きな 話し合いをしたいというのが、看護婦協会の、医師との間で前向きの協議をしたいと思 っているわけです。 三村座長 岡谷さんには、私達の代弁で応援演説をしていただいたような気がするんで すが、ともかく僕らも、医師の立場から、チーム医療の必要性というのは、いつも、そ の実践を主張しているわけで、そのチーム医療の有力なスタッフであるPSWとかCP が、国家資格がなされてないというのが非常に僕らとしては不満なんです。それが1つ 。 ただ、岡谷さんが言われるように、現行の保助看法に対する不満と言いますか、苛立 たしさというのも、私はじゅうぶん理解できるわけです。 ちょっと吉田課長のほうからコメントがあるそうです。 吉田精神保健課長 コメントというほとではないんですけれども、聞いておりまして、 結局、MSW協会とPSW協会で、医行為のなかの診療の補助行為の範囲の考え方が、 だいぶ違うんじゃないかと思うんですね。とくに、今日、資料を提出されましたMSW 協会のほうからは、診療の補助行為を保助看法の37条と限定されていますね。これは 、私は大きな問題があるんじゃないかと思います。 というのは、皆さんご案内と思いますけれども、保助看法の37条は、「保健婦・助 産婦・看護婦または准看護婦は主治医の医師または歯科医師の指示があった場合の他、 診療機器を使用し、医薬品を授与し、または医薬品について指示をなし、その他医師も しくは歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずる恐れのある行為をしてはならな い」と、こういうふうに規定してあるんです。これを診療の補助行為とMSW協会の方 はおっしゃっているわけですね。 ですが、保助看法上の看護婦業務は、「傷病看護婦とは厚生大臣の免許を受けて、傷 病者もしくはじょく婦に対し療養上の世話または診療の補助を成すことを業とする女子 をいう」となっています。すわなち看護婦業務は、療養上の世話と診療の補助と、この 2つ、業務があるわけですね。そのうちの診療の補助の業務を、MSW協会は37条の 行為に非常に限定されている。ですが、逆にPSWの方は、診療の補助行為は、37条 の行為をもっと広く範囲にとらえているから、先程から、医行為について概念、関係が 違うんだろうと思うんですね。 これについて、まず日看協なり精神科看護技術協会あたりは、皆さん方自身の問題と して、いわゆる皆さん方がやっておられる診療の補助行為というのは、この37条の行 為だけと判断されているのか。そこは、おそらく違うんじゃないかと私は思うんです。 もっと広いんじゃないかと、診療の補助行為という業務は。37条の業務だけじゃなく て、と私は見ているんですが、そこをもう少し日看協、看護の立場の方々のご意見をは っきりしてやれば、MSWの方々の意見との違いも出てくるだろうと思います。 まず 当事者としてのナースの立場からお話を聞きたいし、おそらくこの問題は、看護協会と してどう考えているか。さらには、この保助看法を所管している厚生省の看護課がどう 思っているか。そこについて、看護協会なり日精看は、どういうふうにお考えですか。 桜井 日精看では、いま言った37条はいわば一つの行為を起こすときの1つの限度と いう形で見ていますが、診療の補助と療養上の世話というのが非常に抽象的です。これ は現実の生活の場面で患者さんが入院してから退院するまでの間に関わってくるなかで は、どういうことをやっているのが、療養上の世話に相当するのか、どういうことが診 療の補助に相当するのか  を明確にしていこうということで、いま取り組んできてい ます。 今日は時間がなくて、おそらくその点まで話がいかないと思いますが、いままで取り 組んできたなかで、診療の補助行為に関しても病院のなかにいても、医師から細かい指 示がいちいち出されているとは限りません。この人は作業やレクに出せないけども、そ の他の形で身辺の世話などを中心にしなくてはならない場合,カンファレンスなどで大 要的に話をされたことであっても、看護は個別的に見て、その人が現在保持している能 力が、どのようなものか、1つ1つの対象にあてこんで細かく方向づけていくことにな ります。これらは、療養上の世話に相当するものだろうと解釈をしている訳です。ただ 、いままでこういうテーマで論議をしたことがありません。今回はある程度、具体的に そこまで話がつめていければよいと思っているんですが。 37条については、行動を規定する1つあると解釈をしています。だから、それ以外 は出来ないんだという解釈ではなくて、療養上の世話というものは非常に拡大する要素 がありますが、各病院の実態のなかでは、医療者がどれだけ揃っているかによって、非 常にマチマチでもあります。いままで論議したなかにも、本来は療養上の世話だと思わ れている業務をPSWの人にお願いしている病院もあるという実態が、結構調べるとあ ります。今回の機会は療養上の世話に関して中心的役割を看護が果たしていることと、 その業務内容を明らかにするとともに、ある部分は、PSWの方にお願いするという展 開までが、よく議論されるであろうという期待を持っています。 岡谷 これは私自身の見解ですが、私は診療の補助というのは、診療の補助のなかには 、代行する医行為もあると思うんですけれども、もっと広くとらえているんです。だか ら診療の補助のなかにも医師の指示を初めから必要とするものもありますし、そうじゃ ないものもあると思うんです。 例えば回診に付いて行くんですけれども、それは、そういう回診業務、付いて行くこ とを、医師の指示の下に回診に付いて行くと。だから、それは診療の補助業務で医行為 であると解釈する人もいるわけです。 だけど、私自身は、それは、もし看護婦が回診に付いて行くと決める場合には、看護 の視点から、この患者さんは看護婦が付いて行ったほうがいいと。それはある根拠があ って看護婦がちゃんと付いて行くんだということを判断して、患者のサイドから、患者 にとって必要なこととして、ケアの一環として付いて行くと判断する。だけど、回診に 付くというか、回診業務というのは、そういうふうに言ってしまえば、それは医行為と いうか、診療の補助業務じゃないかとなるんだけれども、同じ行為をするにしても違う と思うんです。 だから、そういうことというのが、おそらく現実のなかにはたくさんあって、それが 、きっとPSWの人達も、実際には同じようなことになるのかなと。 吉田精神保健課長 資料の2枚目の4行目、「口頭で受けています」と書いてあります ね。これは、そのように日看協も解釈されていますか。非常に限定されていますね。 生田 37条の問題は、私どもは医行為というふうに解釈しております。そして、その 医行為については、絶対的に医師の指示を受けなければいけないと解釈しております。 そして今度、業務のなかでも、診療の補助、それから療養上の世話がありますけれど も、本会の解釈では、いま岡谷が申したことを抽象的に申しますけれども、やはり診療 の補助のところにも医行為が含まれますので、そこについては、絶対的な指示はいただ かなければいけない。 そして、グレーゾーンとホワイトゾーンがあると思っております。グレーゾーンにつ いては、やはり医師との関わりが非常にありますので、そこには、医師の指示を受ける ものと、判断できるものとがあるんじゃないかと考えていて、そして診療の補助のホワ イトゾーンと、療養上の世話のところにつきましては、医師の指示じゃなくて、医師の 持っている専門性、医学的な判断、知識、そういったものとの連携を持ちながら、看護 婦が判断して出来る業務ということで考えております。 ただ、さっきも岡谷が申したとおり、この私どもの解釈と、それからお医者さん達の 解釈とでは、かなりズレがありますので、一度この辺について、医師・ナースの間の、 あるいは厚生省の関係者も含めて議論をしないといけないのではないかということで、 この問題が起こったとき、そのへんは厚生省のほうにも申し上げていましたんですけれ ども、いまだにそれが実現していないということで、やはり私どもとしては、それをど こかで議論していただきたいと思っているんです。 それでないと、皆さんが診断の補助というと、丸ごと診療の補助を全部医師の指示と いう解釈になってきますと、私どもが、出来るだけこのホワイトゾーンを多くしたいと 考えているところが、すべて塞がれてしまうと考えておりますし、療養上の世話につい ても同じようなことが起こりますので、そのへんをご理解いただきたいと思っておりま す。 NO4に続く   問い合わせ先 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課      担 当 三宅(内3055) 電 話 (代)3503-1711 (直)3501-4864 E-mail kmiyake@info.ncc.go.jp