■96/09/20 96/05/21 5回PSW及びCPの業務及び資格化に関する研究議事録NO1 ※NIFTY-Serve:GO MHWBUL(厚生省行政情報)より  ここには厚生省関連の行政がたくさん掲載されています。  アクセスしてみてください。 第 5 回 精神科ソーシャルワーカー及び臨床心理技術者の業務及び資格化に関する研究班    平成8年5月21日               於 日本看護協会 第1部 精神科ソーシャルワーカーについて 三村座長 ただいまから第5回目の精神科ソーシャルワーカー及び臨床心理技術者の業 務と資格化に関する研究班を開会いたしたいと思います。 まず初めに、この立派な会議場をお貸しいただきました日本看護協会に厚く御礼申し 上げます。ありがとうございました。 今日は、まず初めに、吉田課長のほうから、議事録の問題等を含めてお話をいただき たいと思います。 吉田精神保健課長 前回の会合の際に、これまでの会合におきます議事録をお渡しいた しまして、皆さん方に見ていただこうとしておったわけですが、今日、つい1時間ほど 前になりまして手続きミスをやりまして、原本が、まだ三村座長の熊本のほうにあると いうことで、間に合いませんでしたので、大変申し訳ございませんが、いちおうこれは 早速郵送で各班員のほうにお送りさせていただきます。 いま4回目のだけのは、原本が速記のほうからもらっておりますが、例えばこれをご らんいただきますと、すべてきちっと速記を取ってございます。したがいまして、言葉 のやり取りがそのまま入っておりますために、非常にその時、その場におれば、じゅう ぶん理解が出来る言葉づかいでしゃべったものが、実際にこういう文章になりますと、 必ずしもじゅうぶん理解しにくい点が出てまいります。あるいは感嘆詞も出てきていま すが、要らないこともだいぶ含まれています。 したがいまして、この議事録を対外的に公表するにあたっては、そのような不必要な 言葉は削除してもいいだろうと思いますし、一方、短い単語でしゃべったものについて も、やはりこれはバックグラウンドを少し説明したほうがいいという言葉があれば、加 筆訂正していただいたほうがいいのではないかと思います。 そういう意味で、これを訂正するにしましても、1回分、だいたい4時間の会合でご ざいますから、皆さん方に読んでいただくだけでも4時間かかるわけです。それを前後 のつながりを見ながら、大幅に変更がないように自分のところを適切に直すだけでも、 そうとう時間がかかりますので、これを、この会議の場で訂正をやっていたのでは、と っても時間がかかって、1回の会合の分を1回のこの会合で潰してしまうような形にな ってしまいます。 したがいまして、早急にこれを皆さんにお送りして、その結果、皆さん方でそれぞれ 自分の発言の趣旨がきちっと書いてあるかどうか見直して、必要な部分は訂正をし、修 正を入れて、次回の6月8日にお持ちいただくと。そしてどうしてもこれは前後のつな がりで、大幅にこの発言は削除したいということがあるような場合、あるいは、そうと う大幅にここには説明を入れたいというときは、そのへんは、6月8日の会合の場にお いて、皆さんにご披露して、ご了解を得た上でやろうと思っております。そうしないと 、細かい修正は、それぞれにお任せいたしますが、大きな修正と言いますか、加筆修正 をしますと、前後のつながりが変わってまいりますので、そこは、いちおう皆さんの了 解が得られれば、そこを直すという形で、いずれにしても、この議事録は将来オープン にいたしますので、第三者の方々が、あとできちっと中身が理解できるようにしておき たいと、こういうふうに思っておりますので、そのようにさせていただきたいと思いま す。いちおう、取り扱いの仕方については、そういうふうにさせていただきます。 そこで、早速お送りいたしますのは、1回目、2回目、3回目の部分、これはすぐ早 急にお送りいたします。4回目、そして今日の5回目については、もう少し、6月にな ってからぐらいでお送りするということになるかと思います。そういうことで、議事録 の修正については、取り扱わせていただきたいと思いますので、ご了承いただきたいと 思います。 三村座長 私のほうから1つおはかりしたいことは、この厚生科学研究班の報告書を、 実は5月の末日ぐらいまでに出してほしいということを、主任研究者のほうから言われ ております。ただ、非常に日にちが切迫しておりまして、とうていそれには間に合わな いと思いますので、今日の議論を踏まえて、私どものほうで一応の問題点などについて 書きまして、皆さま方のお手元に5日ごろに差し上げるようにして、それを吟味してい ただいて、次回の6月8日の第6回目の研究班でお持ちいただいて、その最終報告書に ついてご意見をいただきたいと思います。いちおうコンセンサスが得られましたらば、 6月10日ぐらいに精神保健課に提出したいと思っておりますので、よろしくご協力の ほどをお願いしたいと思います。 それでは、ただいまから始めたいと思いますが、まず今日は、お3方、ご欠席であり ます。日本看護協会の稲岡さん、それから日精看の桜井さん、PSW協会の門屋さんが 所用でご欠席であります。後の方々は全部ご出席になっております。 今回もPSWから始めたいと思います。第4回の研究班におきましては、PSWの問 題につきましては、MSW協会のご意見もいろいろお聞きいたしましたし、日看協から のご意見もお聞きしまして、かなり総論的な論議のなかで詰めが行われたのではないか と私は理解しております。 とくに看護業務の診療の補助と療養上の世話、この2つのものに対して、医師の指示 がどのへんまでかかるのか、そういうものが大きな問題点として浮かび上がったような 気がいたします。 これについては、やはり各団体のご意見は、少しずつ違いがあったような感じがいた します。例えばMSW協会では、診療の補助、いわゆるこれは相対的な医行為と私ども は考えておりますけれども、これをわりあい狭くとらえておられるような感じかいたし ましたし、例えば医師の指示を仰ぐということについては、これは医行為ではないとい うお考えだったように思っております。 日本看護協会は、もう少しそれを幅広く捉えておられたような感じがします。ただ、 診療の補助という問題については、医師の指示を必要とするものもあるし、なかには、 あまり必要としないものがあると。それから、全く必要としないものがあるという、吉 田課長の言葉を借りますと、ホワイトゾーン、グレーゾーン、ブラックゾーンというと ころがあるというご主張ではなかったかと思います。 PSW協会は、日看協に近いご意見だったと思いますけれども、それよりもう少し幅 広く、融通性を持ったご主張ではなかったかと思います。 それともう1つは、療養上の世話については、日看協は、医師の指示ではなくて、医 師とのリンケージ、連携であるというお話であったと解釈しております。 今日は、そういうふうな総論的な問題は、いちおうこの前で一区切り付けまして、各 論的に、PSWの業務と看護業務、これはかなり重複、オーバーラップする部分がある と私どもも認識しておりますので、その面についてご意見をいただきたいと思います。 今日は『精神科等領域における看護業務のあり方と新たな国家資格の制度化との関係 』という、日看協の委託研究報告、立派な資料が出ておりますので、これについて、日 看協のほうから、ちょっとご説明を簡単にしていただいて、その後、質疑に移りたいと 思いますので、よろしくお願いいたします。 岡谷 この報告書は、いちおう3つの視点から検討しておりまして、1つは、実際に精 神病院で行われております看護婦の業務と、PSWの方達の仕事というのを、事例を通 して見ているのと、それから、その違いが、専門性がどこにあるのかということを少し 明確にしようということで、事例をあげていることと、それから実際に精神病院で主に 看護婦が現在行っている業務の領域はどういうものがあるかを、本当に簡単なアンケー ト調査なんですが、行っております。それからもう1つ、看護の精神病院のなかでの1 つの専門性としてのクリニカル・ナース・スペシャリストの役割を論じているわけです 。それが1つの大きな部分で、とくにPSWの方達との関連のなかで見ている部分が、 それにあたります。 2つ目は、主に、これはおそらく一般病院でのリエゾンナースの役割を論じていると ころですけれども、現在、日本でリエゾンナースが誕生していまして、一般病院での体 の病気を持った方達に対する精神的な心理的な問題への援助ということで、このリエゾ ンナースが関わっている病院もあるわけです。そういうリエゾンナースの役割を論じる ことによって、看護は患者さんの心理的な問題、精神的な問題に、どのように関わって いるかということを明らかにしているわけです。 そのへんは、一般病院で働くソーシャルワーカーの方とか、あるいは心理士、臨床心 理士の方との業務の重なりということにもなるのではないかなというふうに思います。 3番目は、主に教育という視点から、ひとつ論じていまして、看護は、もともと3年 制の教育でやっているわけですけれども、看護学を学んでいく上で、医学の知識等もか なりカリキュラムのなかには入ってきています。それからソーシャルワーカーや心理士 の方々が、4年制あるいは3年制で、もっと医学の勉強を加えて教育するということを 主張なさっていますが、それぞれの職種の人が主張なさっている教育年限で本当に可能 かどうかを論じているのと、それからカリキュラムの内容を、福祉系の大学と看護系の 大学と、心理のほうの大学のカリキュラムの内容を比較することによって、それぞれの 専門性というのがどこにあるのかということを、少し明確にしようということで、3番 目は教育的な観点から論じているものです。 この3つの視点からの研究調査を行ってまとめたのが、この報告書です。主にPSW の、あるいはMSWの人達との関わりで言えば、とくに精神病院での精神科病棟、ある いは精神病院での看護ケアの実態と、実際の事例を通して、看護婦はこういうことをす る、PSWはこういう視点で同じ患者さんのケアを行っているんだということを例示し ているというところが、この報告書のなかで主に関係するところかなと思います。 19ページ以降から結果が書かれているんですが、これは一般的に精神病院で看護婦 が行っていると思われる業務を予め挙げていきまして、それに対して、どのくらい、そ の業務をやっているかということに回答してもらったものです。その調査票は、12ペ ージ、13ページにありますが、それを頻度で、「頻繁にしている」ところから、「ま ったくしない」ところまで回答していただいたものの結果が、19ページ以降に書いて あるわけです。 主には、入院に関わるケア、退院に関わるケア、それから時間を設けて行う看護の相 談・面接、患者さんの教育とか指導、あるいは患者さんの観察とアセスメント、話を聞 いたり訴えを聞いたりすること、不安だとか緊張だとか、あるいは精神症状の緩和に関 わるケア、患者さんの行動を指示していくという、具体的に行動を教えていくケア、現 実感を持たせるためのケア、外出・外泊に関わるケア、家族のケア、食事のケア、排泄 のケアというふうにずっと、日常生活、いわゆる療養上の世話ということと、診療の補 助業務に関係するケアを挙げて回答していただいております。 その結果、ごらんになってわかるように、いまのところ、かなりの、ここに挙げまし た日常生活上、療養上の世話という部分は、まさに看護の独自の機能ですので、そうい う意味では、非常に頻繁に行われているケアが多かったわけです。患者さんの訴えとか 話を聞くということが、いちばん多いという結果が出ていますし、その次に多かったの が、患者さんの観察とかアセスメントというところです。ですから、看護婦としては、 患者さんの日々の状態を非常に医学的な視点からも観察をしていって、いま患者さんが どういう問題を抱えているか、あるいはどういう状態にあるかということをアセスメン トしていくということが、非常に日常的には重要なケアとして位置づけられているとい うことだと思います。 あまりしていなかった項目というのは、各種の集団療法というのは非常に少なかった ですし、訪問看護も、まだ新しい領域なので、非常に少なかったという結果でした。 ただ、集団療法としては頻度はそれほど高くはないんですけれども、時間を設けて、 患者さんの生活上のいろいろなこと、あるいは悩み、あるいは患者さんの気持ち等につ いて相談を受けたり、面接をするというようなことは、約7割の看護者がよくやってい るというふうに答えているわけです。 食事の世話だとか、排泄の世話だとか、清潔に関する世話ということは、かなり高い 頻度で行われているわけです。 これを見ますと、PSWの方達が主張なさっている業務と、看護婦がやっている業務 というのは、かなり重複をしているのではないかということが伺えるのではないかと思 います。そういう意味で、非常に境界が曖昧な業務なんですけれども、そういう同じよ うな業務をする人を、同じ医療職のなかに、また新たに国家資格をつくっていくことに ついては、問題があるのではないかということを主張しているわけです。 14ページからあります質問2は、看護婦はその状況のなかで、いろいろなことを一 度に患者さんに対してケアを提供していくことがあるので、それがどのくらい、1つの 状況のなかで、多様な視点から業務を行うかということを明らかにするために調査した ものです。 その結果も、一度にだいたい4つか5つぐらいのケアを同時にこなしていくという結 果が出ておりまして、1つの状況のなかでも、非常に多様にさまざまなケアを行うとい うことがわかっております。 27ページから、精神科病棟における看護婦とソーシャルワーカーの役割ということ を、1つの事例を紹介して述べています。ここでは、この事例を見てもおわかりいただ けますように、この病院では、ソーシャルワーカーの方は、退院に向けての関わりのな かで非常に社会福祉の考え方を基盤として患者さんの退院後の生活の支援というような ところから、アパート探しのノウハウを教えることとか、あるいは保証人のこと、ある いは退院をして生活をしていくと、どういう問題が起こってくるのか、そのなかでどう いうふうに生活を整えていけばいいのかということについての支援が、非常に専門的な 視点から行われていまして、そういう意味合いで、かなりここのソーシャルワーカーと 看護婦との役割が、うまく分担されて、1人の患者さんに対してケアが出来ているとい うことが伺えます。ここでのソーシャルワーカーは、主に経済的な援助、あるいは種々 の社会資源の提供とか、家族の調整、地域で生活していくための基盤づくり、あるいは 患者さんの人権の擁護の視点といったようなことを中心に行われておりまして、まさに こういうところが、社会福祉を基盤にした専門職の働きなのではないかなと私達は考え ているわけです。 谷野 だいたい、三村座長から話は聞いておるんですけれども、ちょっと初めに確認し ておきたいのは、この報告書の責任者は稲岡先生が責任編集者というふうに受け止めて おるわけですけれども、今日、わざわざこの日を設定したのは、稲岡先生が来られると いうので、この日を設定したと思うんですけれども、今日もお出でにならないというこ とはどういうことなんでしょうか。 生田 たいへん申し訳ございません。新年度に入りまして、稲岡教授の職務が非常に広 がってしまって、どうしてもこの21日は出られないということで、会長のほうに連絡 が入っておりました。そういったことで、たいへんご迷惑をおかけしておるところなん ですけれども、この報告書につきましては、確かに研究の責任ということでは、稲岡教 授を中心に進めていただいて、私ども、見藤会長のほうに報告をいただいたわけです。 この報告書の内容について、常務理事会、そして理事会にも報告いたしまして、まっ たくこの研究の内容は、日本看護協会が考えている内容ということで受け止めておりま すので、そのようにご理解いただければと思っております。 ただ、班員である稲岡教授がご出席出来なかったことについては、お詫び申し上げた いと思っております。 今日は、岡谷と私が代わりにお応えしたいと考えております、とくに岡谷のほうは、 この研究班のメンバーでもございましたので、お答えできるような状態にしてまいりま した。 谷野 別にクドクド言うつもりはないんですけれども、ましてお2人を責めるつもりは ないんですけれども、ただ、このコンセプトと言っていいのかどうかわからんですけれ ども、総論的な入口と、まとめの出口のほうの論調は、稲岡先生がたぶん書いておられ るんだろうと思うんですね。それについて、われわれ民間病院を預かる者としては、こ こに文章として書いてあって、これが、かなり全国に流れているように僕は聞いておる んで、やはり黙っておれないというか、稲岡先生に聞いておきたいというか、その真意 は、どうしてこういう表現になったのか聞いておきたいことが何点かあるわけです。だ から、どういうことなんですか。この次からは、稲岡先生は来られるということなんで しょうか。この研究班を抜けられたということですか。 生田 今日も含めて、無理でも出席できないかということについては、連絡をとってお るところなんですけれども、昨日、今日と、なかなか連絡がつかない状況にありまして 、次回は必ず出席可能なのかどうかという確認はしておりません。ただ、私どものほう でも、できるだけ6月8日にはお出でいただくような形で、また、再度お願いしていき たいとは考えておりますが。 谷野 できるだけというか、絶対に出るようにしてもらってください。本当に是非言っ ておきたいことがあるんですね。本当に僕らとしては耐え難い文章がありますので。ち ょっとこれだけは僕は言っておきたいので、是非出るように言ってもらってください。 生田 そのようにさせていただきます。 三村座長 私は、この本は、しっかり読ませていただきました。非常によく書けた部分 と、非常にお粗末な部分と、2つあるわけですね。お粗末な部分を、まずちょっと代表 的に1例だけ申し上げますと、1ページ目の上から2行目に、「治療は薬物療法と生活 療法が主であり、その薬物療法も医師(多くの場合、非常勤の医師)が処方するのみで あり、薬効や副作用の観察・判定は看護婦に任されていた」と。ここは、何を根拠にし てこういうのを書かれたのか。結局、これから見ますと、日本の精神科の病院には、ほ とんど常勤の精神科医はいないということになります。だから、どういうことを根拠に して、これを書かれたのか。 それから薬効とか副作用の観察というのは、医師のデューティーであるのに、これは 看護婦に全部任されていたと、こういうふうに極言される根拠は何かということです。 その下の下には、「わが国の病院精神医療は看護者ぬきにしては展開できなかったの である」と。これは非常にあたりまえの話で、医者ばかりで精神科医療が出来るはずは ないわけで、看護婦さんと共に二人三脚でやって、それにいろいろなコメディカルスタ ッフを加えてチーム医療を展開すべきであるということが、われわれの主張であります ので。 それから、先程、岡谷さんのほうから、いろいろ、縷々ご説明いただきました。ただ 、いまのは、各論のなかの総論的なご説明というふうに受け止めたわけで、もう少し、 例えばPSWの業務の10項目、これがどんなふうに看護業務とオーバーラップするの か。そこらへんについて、何ならPSW協会のほうから、いちいち質問の形で日看協の ほうに出していただいてもいいと思うんですが、28ページに、精神病棟での看護婦と ソーシャルワーカーの役割についてというのは、これは非常にきちんと書かれていると 思います。 ただ、上から5行目のところに、「昨今の社会復帰促進の動きに伴い、その援助内容 も拡大し、援助の場も病院内から病院外へと広がってきている。また訪問看護も活発に 行われてきており、今後ますます発展していくものと思われる」と。ここは非常に僕は いい文言だと思うんですが、その次が、「このような状況の中であえて医療法を一部解 除してまでソーシャルワーカーが療養生活上の援助などを行う必要があるとは思えない 」というのは、非常に乖離した文章みたいな感じがするんです。こういうふうに、ます ます場が広がってきているから、看護婦だけでは対応できないので、どうぞこれから医 療法を解除して、ソーシャルワーカーを資格化すべきであるという文言に読み換えられ ることも、僕は非常に出来るのではないかという印象を受けました。 そういうことで、それではPSW協会、今日は門屋さんがご欠席ですが、1つ1つ、 PSW業務を出していただいて、これについて、日本看護協会のご意見を、各論的に伺 ったほうがいいと思いますので、よろしくお願いします。 柏木 各論的に検討することについては、これから荒田のほうから説明および質問を含 めた形で言っていただきたいと思います。 いま岡谷さんのほうから、業務が重なり合う部分が多い。だから、PSWを新たに医 療職として参入する必要を認めないというか、あるいは不必要ではないかというご意見 が、主張のポイントの1つだったと思いますけれども、その重複するということあたり を中心に、各論に入る前に、ちょっといままでの議論を総括する形で、私どもPSW協 会のスタンスについて、ちょっとここで急いで申し上げて、各論に移りたいと思います 。そもそも、いまの論議、岡谷さんのほうから出されたことを含めて考えているわけで すけれども、PSWとCPの国家資格化というのは、あくまでも精神保健福祉のユーザ ーのためというのが目的でありまして、言いかえれば、日本の精神医療をよくするとい うのが、1つの大きな目的であると思います。 そういう前提を確認しながら、われわれは国家資格化というものに取り組んできてい るわけであります。 しかし、国家資格という以上は、やはり業務の内容を明らかにしなければなりません し、それから、その業務によって立つところの基盤と言いますか、そういったようなも のも論議する必要がある。それから教育的な背景についても論議する必要があるという 姿勢で臨んでおります。 しかし、これは、すでに精神保健法を、あるいは創始し、あるいは改正するなかで、 何度か国会の付帯決議というものがあったわけだし、それからまた公衆衛生審議会の答 申も得ておりますし、すでに国会のほうから、立法機関府から行政のほうへボールが投 げこまれているという状況にあるということが、この研究会を開いていく出発点だろう というふうに私は思っております。 それに応えて、行政当局である精神保健課が非常に誠実にこの研究会を立ち上げ、こ の論議を継続しているということについて、私は評価しているわけでございますけれど も、そういう前提のなかで論議を進めているというわけでございます。その前提を、こ の研究班の班員が、それぞれ認識して、この論議を進めていただきたいということが、 私どもの強い願いでございます。 それから、いま岡谷さんのほうからご報告いただきました、この報告書の内容に、ち ょっとかかるわけでございますけれども、チーム医療あるいは、もう少し広げてチーム ワークでもいいんですけれども、いかなるチームメンバーも、その遂行する業務という のは、必ず重なり合います。だからといって、重なるから、すでにやっているんだから 、要らないではないかという、そういうことではなくて、やはりそれぞれが重なり合い ながらも、やっていることの重なり合う意味があると思いますので、そのへんはポジテ ィブルにと言いますか、積極的な面をとらえていくべきだと私は思っております。 NO2に続く   問い合わせ先 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課      担 当 三宅(内3055) 電 話 (代)3503-1711 (直)3501-4864 E-mail kmiyake@info.ncc.go.jp