(厚生省)ホームヘルプ事業運営の手引き
■(厚生省)ホームヘルプ事業運営の手引き
〔全国老人保健主管課長会議(平成4年3月6日)において配布〕
1 はじめに
○ この手引きは、ホームヘルプ事業の適切な運営の普及を図るために作成したも
のである。
○ 事業運営要綱、疑義解釈回答等ホームヘルプ事業に関する従来の指針、解釈等
をまとめるとともに、平成4年度の執行方針等について明らかにしたものである。
○ この手引きについては、今後、関係者の意見を踏まえた上、事例等の充実を図
り、より適切なものに改訂していく方針である。
2 ホームヘルプ事業の当面する課題について
○ 高齢者保健福祉推進10か年戦略において、ホームヘルプ事業は、緊急に整備
すべき在宅福祉対策の一つとして充実が急務とされている。
○ 平成2年6月に改正された老人福祉法において、在宅福祉の措置として明確に
位置付けられている。
○ 平成5年から策定される市町村老人保健福祉計画においても、ホームヘルプ事
業は、法定事項として明記することが求められている。
○ 平成4年度においては、保健医療、福祉マンパワー確保対策の一環として、ホ
ームヘルパー手当の大幅な改善を実施することとしているところであり、今後の
ホームヘルプ事業の充実のためには、円滑な運用を行うことが最大の課題となって
いる。
○ ホームヘルパーについては、これまで国民の間に十分その機能が定着していな
い憾みがあるので、ホームヘルパーのより効果的な活動についての研究を進める
とともに、優良事例については、積極的に評価し、普及を図る。
○ 平成5年度から、老人保健福祉に関し、市町村における在宅福祉、訪問指導、
機能訓練等の在宅ケアと施設福祉とを総合的に推進する体制が確立するので、ホ
ームヘルプ事業については、その中で訪問看護等との連携も含めて、十分機能す
るよう市町村における運営体制の一層の充実を図る必要がある。
3 ホームヘルプ事業の実施について
(1)実施主体
ホームヘルプ事業の実施主体は市町村である(老人福祉法第10条の3第1項第
1号)。
○ 事業の実施主体が市町村であるということは、住民に対し適切な水準のホーム
ヘルプサービスを提供することについて市町村に責任があるということであるが、
それは必ずしもホームヘルプサービスの提供を市町村が直接行うことを意味する
ものではない。
○ ホームヘルプ事業については、「地域の実績に応じ…………この事業」を外部
に委託できることとされている(事業運営要綱 2)。
○ 委託先として認められているものは、次のとおりである。
・ 市町村社会福祉協議会
・ 特別養護老人ホーム等を経営する社会福祉法人
・ 「在宅介護サービスガイドライン」の内容を満たす民間事業者等(いわゆるシ
ルバーマークを取得しているシルバーサービス事業者)
・ 行政関与型有償福祉サービスの提供を行う公益法人(いわゆる福祉公社)
・ 在宅介護支援センターを併設する特別養護老人ホーム、老人保健施設、病院等
(平成成3年2月全国老人保健福祉関係主管課長会議において指示)
○ 上記以外の者に対して地域の実績から委託することが適当と考えられる場合に
は、都道府県を通じて厚生省に協議いただければ、その可否について検討するこ
ととする。
要は、市町村の責任の下に、適正なホームヘルプ事業が住民に提供されること
が可能になる体制を構築することが制度の眼目であり、いたずらに実施主体を規
制することは本旨ではない。
○ ホームヘルパーの供給の体制として、一市町村が複数の形態(直営と委託の併
用、委託の中でのいくつかの形態の併用)を持つことは、当然可能である。
(2)派遣対象者
○ ホームヘルパーの派遣対象者は、心身の障害等により日常生活を営むのに支障
があるおおむね65歳以上の者のいる家庭であって、老人又はその家族が老人の
介護サービスを必要とする場合である。
○ 所得はホームヘルパーの派遣対象者の要件ではないことから、派遣対象を低所
得者に限ることは認められない。
○ ホームヘルプ事業の目的は、日常生活を営むのに支障のある高齢者本人に対す
る支援であるとともに、家族に対する支援でもある。ホームヘルパーの派遣対象
者を一人世帯に限ることは適当ではない。また、同居家族がいることをもって、
派遣を行わなかったり、派遣の優先順位を下げることがあってはならない。従っ
て、現在、要綱等によりこうした制度を設けている市町村は、これを早急に撤廃
する必要がある。
○ おおむね65歳以上とあるが、65歳未満であっても必要な者についての派遣
は可能である。
特に初老痴呆者については、60歳未満であってもホームヘルパーの派遣の対
象となることはいうまでもない(参考:平成3年3月8日老福第47号老人保健
福祉部長通知では、老人ホームの入所措置等についてのこの旨明記してあり、こ
のことはホームヘルプ事業についても当てはまる。)。
○ 「老人保健福祉計画策定指針の骨子について」(地方老人保健福祉計画研究班
ガイドライン検討部会)においては、ホームヘルプサービスは、要介護老人(ね
たきり老人及び介護の必要な痴呆性老人)及び虚弱老人に対して派遣されるもの
としている。一人暮らし老人については、「一人暮らしであることをもって直ち
に要援護老人ととらえる必要はない」とされている(この策定指針の骨子は、現
在、関係者から意見??取中であり、公式に決定されたものではない。また、ね
たきり老人等の要介護老人について、??の定義についても示されているので参
考とされたい。)。
(3)派遣の決定
○ 派遣の決定に当たっては、申請から派遣までに時間の要することのないよう、
迅速に決定を行う必要がある(平成3年8月総務庁「高齢者対策に関する行政監
察結果報告書」において、派遣の申請から派遣までに1か月以上要している事例
が指摘されている。)。
○ ねたきり老人の減少をもたらしたことで有名な広島県御調町のように、入院中
の高齢者の退院と同時にホームヘルパーの派遣もできるよう、入院中からホーム
ヘルパー派遣の検討を行う等、市町村の工夫によって高齢者が必要なときに適切
にホームヘルパーが派遣される体制を作ることは可能であり、かつ、そうした体
制をとる必要がある。
○ 迅速なホームヘルパーの派遣を行うためには、日頃から在宅の要介護老人の把
握を行っておくことが重要であり、このためにはデイサービスやショートステイ
を行っている特別養護老人ホームや常時在宅介護の相談を受けている在宅介護支
援センター等の協力が不可欠であって、これらの主体とホームヘルプ事業が一元
的に行われれば、更によい効果が生まれるものである。
○ また、緊急時の場合には、ホームヘルパーの派遣を行った上、手続きについて
は、事後的でも許容される等の工夫を行うべきである。
○ ホームヘルパーの派遣決定等に際して、民生委員の意見等を求めることは要件
とされていない。民生委員の意見を求めることを義務づけ、それが派遣決定の妨
げになってはならない。民生委員の機能は、住民に対し、ホームヘルプサービス
が届くように助けるものであるべきである。
○ 初回訪問時には、担当となるホームヘルパーに主任ヘルパーが同行訪問し、ニ
ーズの的確な把握、評価等を行い、サービス量等を判断する必要がある。
○ ホームヘルプサービスを受けている者について、引き続きホームヘルプサービ
スが必要であるか否かについての評価を定期的に行い、過剰な派遣や不必要なサ
ービスの適用が生ずることのないよう適切な事業の管理を行う必要がある。
(4)ホームヘルパーの派遣回数等
○ ホームヘルパーの活動状況については、福祉マップ等の現時点のデータによる
と、利用者1人当たり全国平均では、週1回、2〜3時間のサービス提供となっ
ており、対象者のニーズに必ずしも十分応えたものとなっていない。特に平成元
年度において、介護型ホームヘルプについて充実することを期したが、在宅ねた
きり老人に対するホームヘルパーの派遣について、極めて低調な地域がみられる。
○ このような結果となっている主要な原因の一つとしては、市町村がサービスの
提供に際し、サービスの回数、時間を対象者や家族の状態にかかわらず一律に定
めているなど、ニーズがあるにも関わらず制限を行っていることである。いたず
らに画一的なサービスの決定を行うことは、適当ではない。このような要綱等を
定めている市町村は、早急に改正する必要がある。
○ 派遣回数等サービス量の決定に当たって、昭和57年社老第99号「家庭奉仕
員派遣事業運営の改正点及び実施手続き等の留意事項について」において、派遣
体制の整備の指針として示している「家庭奉仕員の派遣は、原則として、1日4
時間、1週当たり6日間、1週当たり述べ18時間を上限としてサービス量を調
整し、これに対応できる派遣体制の整備を行うようにすること。」の規定をもっ
て、対象者に対するサービスの上限、あるいは、ホームヘルパーの活動時間の上
限として理解されている向きがあるが、この規定はあくまで派遣体制の整備の目
安であり、高齢者個々人に対するホームヘルプサービス量を定めたものではない。
繰り返すが、ヘルパーの活動時間の上限でもなく、また、対象者に対するサービ
ス量を規定したものでもない。
○ サービス量の決定に当たっては、当該老人の身体状況、世帯の状況等を十分検
討した上、必要に応じて高齢者サービス調整チーム等において、他のサービスと
の調整を図った上で、適切に決定されるべきである。いずれにしても画一的にサ
ービス時間を決定すべきではなく、例えば15分や20分という短時間でも、逆
に長時間でも、ニーズに応じてサービス時間を決定すべきである。
○ サービス量の決定については、担当者、相談を受けた機関、派遣主体等により
不公平が生じないよう、サービスの適用の仕方について、高齢者サービス調整チ
ーム等関係者間での合意づくりに努め、極力、標準化を図らなければならない。
○ 参考までに、「老人保健福祉計画策定指針の骨子について」においては、ホー
ムヘルプ事業の目標水準として、将来的には、要介護老人(ねたきり老人及び介
護の必要な痴呆性老人)については週3〜6回、虚弱老人については週1〜2回
という水準を掲げている。
この目標水準は標準であり、要介護老人については、地域の要介護老人の障害
の程度及び家庭内の介護力の状況を踏まえて適切な増減調整を図ること、虚弱老
人については、ニーズの幅も広く、一部のサービスのみを必要とする場合も少な
くないので、上記の目標水準は一応の目安とし、かなりの増減があり得ることと
されている。
また、ホームヘルプサービスとデイサービス等の間のように、相互補完性のあ
るサービスについて、一方を増加させ、他方を減少させることは差し支えないこ
ととされている。
(5)サービスの内容
○ ホームヘルパーのサービスの内容については、従来から身体介護、家事援助が
掲げられているところであるが、寝たきり老人に対するホームヘルプサービスの
実施状況は、在宅寝たきり老人数の8.8%に過ぎないという実態にある(平成
3年2月全国老人保健福祉関係主管課長会議資料)。
ホームヘルプサービスの内容は、派遣先の高齢者のニーズによるべきことは当
然であるが、このような派遣の実態からみると、身体介護に一層の重点を置くこ
とが必要である。
○ パートヘルパー及び委託のケースについて、実際に家事、介護サービスを行わ
ず、安否確認やニーズ把握を含む評価訪問等を行う場合が国庫補助の対象となる
か否かについては、従来からホームヘルプ事業のサービス内容で相談助言に関す
ることが含まれているところから、これに類する業務として国庫補助の対象とな
るものである(安否確認及びニーズ把握の場合の補助基準額については、非常勤
ヘルパーの家事中心型の時間給を考えている。)。
(6)ホームヘルプ事業と他の事業との関係
○ 従来のホームヘルプ事業の問題として、ホームヘルパーが単独で他の事業の支
援がないなかで在宅の高齢者と一対一で対応しなければならず、このためホーム
ヘルパーが孤立した状況の下で仕事を進めなければならなかった点が挙げられる。
再三述べているところであるが、今後のホームヘルプ事業は、在宅ケアと施設
福祉の連携のなかで位置付けるべきものである。
したがって、ホームヘルパーが他のサービス資源を活用できること??迎すべ
きことである。老人訪問看護、入浴サービス、移送サービス等をホームヘルプ事
業と組み合わせて行うことは望ましい。
○ ホームヘルパーが入浴サービスの付添等を行うことについては、基本的には、
入浴サービス等の事業が国の補助金の対象ではない場合には、その事業の支援を
行っても差し支えない。
例えば、市町村の単独事業で入浴サービスを実施している場合、それが老人の
在宅福祉の一環であれば、その事業の支援を行っても差し支えない(この場合、
ホームヘルパーについては、国庫補助の対象とする。)。食事サービス、移送サ
ービスについても同様である。その際、複数のホームヘルパーがサービスを行う
ことも妨げるものではない(複数のホームヘルパーについて、国庫補助の対象と
なる。)。
しかしながら、デイサービスは、国庫補助の対象であり、ホームヘルパーがデ
イサービスを支援した場合は、国庫の対象とはならないので留意されたい。ただ
し、必要な場合における協力自体を妨げるものではない(参考:デイサービス事
業の訪問入浴については、次のような解釈が既に示されている。「対象者の状況、
介護者の状況、その世帯の入浴設備の状況等を勘案したうえで、訪問入浴サービ
スと連携して実施しなければ対応できない場合は差し支えありません。なお、こ
の場合、ホームヘルパーの派遣決定ならびにデイサービス事業の訪問入浴サービ
スの利用決定をそれぞれ行う必要があります。」平成2年3月老人福祉関係実務
問答集)。
更に、平成4年度は、配食サービス、訪問入浴サービス、寝具乾燥消毒サービ
スを国庫補助の対象とすることとしており、これらに係る人件費をホームヘルプ
事業と二重の請求はできないものである。
○ 要は、国費を二重に請求はできないものであるので、既に国費の補助対象事業
となっているものにホームヘルパーが従事した場合、ホームヘルパーの国庫補助
の対象にはできないということである。しかし、このことをもってホームヘルパ
ーが国庫補助の対象となっている他の事業に協力したり、参加したりすること自
体を禁止するものではないので参加することは差し支えない。この場合、ホーム
ヘルパーは国庫補助の対象にはならない。
○ ケアハウスやシルバーハウジングについては、「住宅+福祉サービス」の事業
と考えており、入居者は在宅の者ととらえるべきである。介護サービスが必要な
場合は、ホームヘルプサービスの対象となるものである。ケアハウス等について
のホームヘルパーの活用を進める必要がある。
(7)ホームヘルプ事業の拡大
○ 従来のホームヘルプ事業の実施状況をみると、早朝、夜間、休日等のニーズに
対応したものとなっていない。在宅福祉では、高齢者の多様なニーズに対応して
いくことは必要不可欠のことである。
○ このため、今後は、これらサービスを行っていない時間帯、休日等のサービス
提供が必要であり、このために、国としてもこの場合の手当の割増等の施策を講
じていきたいと考えている。
(8)管理者とホームヘルパーとの意志疎通について
○ 管理者とホームヘルパーとの間に十分な理解と意志疎通が図られることが、ホ
ームヘルプ事業の発展の前提である。
○ 管理者が、ホームヘルパーから少なくとも週一回程度定期的に業務報告を受け、
必要な指示を与えることのできる機会を持つことは、この事業を適切に運営して
いくための重要な事項である。
(9)広報
○ ホームヘルプ事業が普及、定着していくためには、積極的な広報活動が必要で
あり、地域住民に対し、広報紙等を通じて、ホームヘルプ事業について周知を図
る必要がある。
○ 神奈川県、和歌山県、山口県等においては、総合利用券方式の導入等を図り、
ホームヘルパーの定着の促進を図っている。このような試みは積極的に進められ
るべきである。
(10)施設福祉との連携
○ 市町村は、在宅福祉と施設福祉の総合的推進に努めなければならない(平成5
年4月施行後の老人福祉法第10条の3)。
○ 従来は、在宅福祉の基盤が弱かったため、安易に施設入所をさせる傾向があっ
たが、在宅福祉と施設福祉の総合的推進の立場から施設入所の要件として在宅福
祉サービス事業の利用実績等を審査するという運用を強化していく必要があると
考えている。
したがって、例えば特別養護老人ホーム入所希望者に対して、ホームヘルプ事
業の適用の有無を審査し、適用されていない場合には、その理由を明らかにし、
在宅福祉サービス適用の検討を行うことが必要である。
○ ケアハウスについては、「車いす等を使用しなくてはならなくなっても住み続
けられる施設」という趣旨でその整備を進めているが、介護が必要となった人に
は外部からのホームヘルパーのサービスが必要となる。このため、ケアハウスに
ホームヘルパーの配置を、具体的には特別養護老人ホームにホームヘルパーを委
託するのと同様に、ホームヘルプ事業を委託する形で推進していきたい((6)
参照)。この場合、ケアハウスに配置されたホームヘルパーは在宅としてとらえ
られるケアハウスの利用者の介護を行うとともに、地域の在宅のホームヘルプ対
象者に派遣されることにもなる。
4 ホームヘルパーの採用、研修及びチーム運営方式について
(1)ホームヘルパーの採用、研修等
本格的な高齢社会において、ホームヘルプ事業を在宅福祉の中核としてふさわ
しいものとして行くためには、優れた技術と老人福祉に対する理解と熱意を有す
る質の高いホームヘルパーの確保が重要である。近年、介護福祉士の資格を取得
しているホームヘルパーが急速に増加していることは、この観点から極めて有意
義である。ホームヘルプ事業の向上のため、介護福祉士資格取得者をホームヘル
プ事業の中核的な担い手として位置付け、積極的に機能し、活動してもらうべきである。
ア 採用について
○ ホームヘルパーの採用に当たっては、常勤、非常勤を問わず、地域の実績に応
じ、幅を持った勤務時間、体制を整えることが必要である。
イ 研修について
○ ホームヘルパーの資質の向上を図るために採用時等に研修を行っているところ
である。ホームヘルパーの養成研修事業については、養成研修事業実施要綱によ
り行われているので詳細は実施要綱を参照されたい。
○ ホームヘルパー養成研修事業は三段階に分かれ、40時間研修(3級課程)、
90時間研修(2級課程)、360時間研修(1級課程)により編成されている。
この三課程については、3級課程から1級課程まで順次研修できるようになって
いる。
○ 少なくとも、初めてホームヘルパーとして採用する場合には、事前に、それが
できない場合はできる限り早急に40時間研修(3級課程)を受講させなければ
ならない。
○ 90時間研修(2級課程)は、シルバーサービス事業者が、シルバーマークを
取得する場合に要件とされる研修に相当しており、修了すれば、主に身体介護に
必要な知識、技術等が修得できるものである。
○ 常勤のホームヘルパーについては、360時間研修(1級課程)を受講するこ
とが望ましい。
○ 研修の実施主体は、都道府県及び政令指定都市とされており、都道府県及び政
令指定都市は、研修に必要な体制を組むことが必要である。
○ 研修会修了者には修了証書が交付されるが、この修了証書は全国共通の取扱い
となっており受講地以外の地域においても修了証書は有効である。
ウ 研修中の手当について
○ この養成研修に参加中の手当は、支給される。(「ホームヘルパーとして採用
された者又は内定している者に対する研修受講期間中の手当等については、在宅
福祉事業費補助金交付要綱による一般基準の家事援助中心業務の手当及び活動費
の国庫補助対象経費とする。なお、事業委託基準により委託している社会福祉協
議会、特別養護老人ホーム等のホームヘルパーについても、研修受講期間中の手
当額は一般基準を適用して差し支えない。」平成3年6月27日老人福祉課長通
知)。
○ また、ホームヘルパーとして採用された者又は内定している者に係る教材費等
の実費相当分については、在宅福祉事業費補助金交付要綱による市町村運営事務
費の国庫補助の対象として差し支えないこととされている(平成3年6月27日
老人福祉課長通知)。
エ 現任研修について
○ ホームヘルパーとして就業している者についても、資質の向上を図るために定
期的な研修が必要であることから、ホームヘルパーに対して研修を積極的に受講
させることが必要である。
○ 全国的な規模の研修についても一層充実したものとするため、現在、現任研修
の見直しを検討中である。現任研修についての情報は、全国社会福祉協議会高年
福祉部より公表するので活用されたい。
(2)事業の効率的運用とチーム運営方式
ア 事業の運営のあり方について
○ ホームヘルプ事業の実施に当たっては、他の在宅福祉事業(ショートステイ事
業、デイサービス事業、日常生活用具給付等事業、住宅改造相談、融資事業等)
との連携に十分配慮するとともに、他の在宅ケア事業(保健婦等の訪問指導、機
能訓練等のいわゆるヘルス事業、老人訪問看護)等との連携を図らなければなら
ない。市町村は、在宅の高齢者の多様なニーズに最も適切に応えられるようメニ
ューを調整し、ホームヘルプ事業をその中に位置付ける必要がある。
○ このため、ホームヘルプ事業の実施に当たっては、ホームヘルパー相互間の連
携の確保はもとより、他の福祉関係者、保健医療関係者との連携が必要であるこ
とから、市町村は、高齢者サービス調整チームや在宅介護支援センターを活用し、
そのなかでホームヘルパーの適切な活用等について配慮して行く必要がある。
○ 市町村は、福祉事務所、保健所、民生委員等との連携を進めるとともに、ホー
ムヘルプ事業の受託者との連携を図り、円滑な実施に努める必要があることはい
うまでもない。
イ チーム運営方式について
○ 上記のようなホームヘルプ事業の取組みを一層進めようとするのがチーム運営
方式である。
○ チーム運営方式は、高齢者の多様なニーズに応じ、ホームヘルプサービスを適
切に提供するため、主任ヘルパーとソーシャルワーカー、看護婦等がチームを構
成してホームヘルプサービスを実施するものである。
○ また、ホームヘルパー自体についていえば、主任ヘルパーの下にホームヘルパ
ー(パートヘルパーを含む。)がチームを構成して業務運営を行うものであり、
二重の意味でチームによる運営の方式である。
○ チーム運営方式は、このような要件を満たしている事業者について、認定して
いくこととしている。
○ チーム運営方式について、チームの規模が問題になるが、設置市町村の人口等
にばらつきがあるので一律に定めることはしない方針である。当面できるだけ多
くの市町村にチーム運営方式を普及することに重点を置くが、一市町村に複数の
チームを置くことも可能である。
○ チーム運営方式の例は次の通りである。
ア 在宅介護支援センターを設置しているところへ委託する場合
・支援センター職員(ソーシャルワーカー(保健婦))
・同上 (看護婦(介護福祉士))
・主任ヘルパー
・ホームヘルパー(パートヘルパーを含む。)
イ 特別養護老人ホームに委託する場合
・特別養護老人ホーム指導員(兼務)
・特別養護老人ホーム看護婦(兼務)
・主任ヘルパー
・ホームヘルパー(パートヘルパーを含む。)
ウ 市町村直営の場合
・ケースワーカー(老人担当事務系職員)(兼務)
・市町村保健婦(兼務)
・主任ヘルパー
・ホームヘルパー(パートヘルパーを含む。)
エ 社会福祉協議会委託の場合
直営の場合と同様のスタイルで、ケースワーカーと保健婦は、市町村職員でチー
ムを構成
オ シルバーサービス事業者に委託する場合
シルバーサービス事業者については、シルバーマーク取得要件において、看護婦
及びソーシャルワーカーの設置が義務付けられており、ヘルパーについても「介護
福祉士等高齢者等の介護を行う者」を配置することとされており、主任ヘルパーと
パートヘルパーが配置されているものと認められる。
○ 以上のとおりであるので、在宅介護支援センター、特別養護老人ホーム及びシ
ルバーサービス事業者においてホームヘルプ事業を行う場合は、ただちにチーム
方式が組める体制ができている訳であり、チーム運営方式として認めていくこと
としている。
主任ヘルパーの要件については、当面、必ずしも要件に合致しなくてもチーム運
営方式のねらいが確保されている場合には、認めていく方針である。
○ チーム運営奉仕については、3年度より実施しているところであるが、チーム
の事例、モデルについては、早急にとりまとめ参考に供したい。
ウ 主任ヘルパーについて
○ 主任ヘルパーについては、介護福祉士の資格を有する者又はヘルパー養成研修
1級課程を修了した者等、介護業務に十分な能力、知識、技術を有する者をあて
るものである(平成4年1月30日老人保健福祉部長、社会局長、児童家庭局長
連名通知参照)。
○ 主任ヘルパーの役割は、次のとおりである。
・利用者のニーズを評価し、これに対応したホームヘルプサービスの組み立てを行
うこと(サービス継続の適否の判断も当然含まれる。)。
・ソーシャルワーカー及び看護婦等との連絡調整及び他のサービスとの連携に関す
ること。
・チームのホームヘルパーの指導に関すること。
・その他、ホームヘルプ事業の適切かつ円滑な実施に必要な業務。
5 ホームヘルプ事業に要する費用について
(1)ホームヘルパー手当
○ 平成4年度においては、ホームヘルパー手当について大幅な改善を行った。
(別添図参照)
○ 常勤ホームヘルパーについては、家事中心、介護中心の単価を一本化した。
単価は、318万円であるが、これを中心に幅を持って対応できるものとし、賞
与等の諸手当、社会保険料事業主負担金等についても補助対象とする考えである。
○ 補助対象額の考え方については、常勤ヘルパーの補助対象額の平均を318万
円とする方針であり、勤務年数等により318万円を越えるものがあっても対象
となりうるものであるし、むしろ勤務年数に応じて増額できるようにするため、
今回の手当制度の改正を図ったところである。
○ チーム運営方式の主任ヘルパーについてはさらに年額63万円の加算を行う。
○ 市町村が社会福祉協議会以外に委託する場合の取扱いは次のとおりとする考え
である。
・特別養護老人ホーム、シルバーマーク取得のシルバーサービス事業者が常勤ヘ
ルパーを雇用している場合には、常勤ヘルパー3人まで常勤単価を適用すること
とし、4人目以降については、常勤単価を適用するか委託基準を適用するかにつ
いては市町村の決定によるものとする。なお、特別の事情がある場合には、市町
村は1人目から委託基準を適用できることとするので厚生省に協議されたい。
・パートヘルパー、非常勤ヘルパーについては委託基準を適用する。
・したがって、特別養護老人ホームに常勤ヘルパーが3人いる場合は、318万
円×3人+63万円が補助基準額となる。
○ 市町村直営及び社会福祉協議会に委託している場合
市町村が社会福祉協議会に委託する場合については、原則として一般基準を適
用して差し支えない。なお、特別の事情がある場合には、市町村は委託基準を適
用することができる。
また、市町村直営及び一般基準の適用されている社会福祉協議会については、
常勤ヘルパーの訪問回数が著しく低い場合には、常勤の基準によることなく委託
基準を適用する方針である。
○ 平成4年度の事業委託基準額は次のとおりとする。(予定;一回あたり。安否
確認、ニーズ把握の場合の取扱いについては、3の(5)参照)。
3年度 4年度案
介護中心 5,670円→ 5,890円
家事中心 2,550円→ 2,650円
(2)研修期間中の手当の取扱い
○ 4の(1)で示したように研修期間中の手当等については国庫補助対象となっ
ているが、改めて示すと次のとおりである。
受講料
テキスト代等の実費
研修参加期間中の手当
採用時研修
(採用者及び内定者)
○
○
○
採用後の現任研修
×
×
○
(3)活動費等の取扱い
○ 通勤に必要な経費については、「職員手当等」として手当の対象となる。
○ パートヘルパーの手当については、訪問から辞去までの実質サービス時間数と
されているが、訪問先から次の訪問先までの移動時間についても、移動時間とし
て合理的・妥当な範囲内でホームヘルパー手当の対象となる(ホームヘルプサー
ビス利用者との関係としては、利用料算定の対象時間とならないことは当然であ
る。)。
○ パートヘルパーについて、管理者が指示又は報告等のため市庁舎等への立寄り
を命じた場合は、その時間については手当の対象とされているので、意思の疎通
を十分図られたい(3の(8)参照。)
6 その他
○ この手引きの改訂に関し、具体例やマニュアルにのせる事項については、でき
るかぎり早急に作業を行い、第2版として示したい。
○ 平成4年度の事業に関する通知については、予算成立後直ちに発出したい。
○ 「ホームヘルパー業務の手引き」については、別途とりまとめる予定。
ホームヘルパー手当の改善について(常勤)
(図省略)
改善点
@家事型、介護型の一本化
{現場の要望}
A水準の大幅改善
従来ベースより100万円以上のアップ
B勤務の実情に応じた助成
手当基準額318万円を中心に幅を持って補助
Cチーム方式の推進
1,000チーム
主任ヘルパー業務加算63万円
Dその他
・活動費の引上げ
60,000→66,000円
・民間の常勤ホームヘルパーに対する退職手当制度の導入
……以上……