厚生省ホームヘルプサービス事業 要綱
(平成2年社更255号)


○身体障害者居宅生活支援事業の実施等について
            平成2年12月28日 社更第255号
            各都道府県知事・指定都市市長あて 厚生省社会局長通知

{沿革} 平成4年1月13日社更第6号、6月30日第146号、第147号、
     10月13日社援更第58号、平成5年6月4日第165号、6年6月
     20日第157号、7月28日第194号、7年5月9日第104号改正

 老人福祉法等の一部を改正する法律(平成2年法律第58号)の一部が平成3年1
月1日から施行されることに伴い、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第
18条第1項第1号の措置(以下「身体障害者ホームヘルプサービス事業」とい
う。)、同項第2号の措置(以下「身体障害者デイサービス事業」という。)及び同
項第3号の措置(以下「身体障害者短期入所事業」という。)の実施については、
平成3年1月1日から下記によることとしたので、御了知の上、貴管下市町村(特
別区を含む。以下同じ。)、福祉事務所等に周知徹底を図るとともに、その実施につ
き遺漏なきよう指導されたい。
 なお、これに伴い、昭和57年9月8日社更第 156号本職通知「身体障害者福祉法
による身体障害者家庭奉仕員派遣事業について」、昭和55年9月26日社更第 178号
本職通知「「在宅障害者デイサービス事業」の実施について」及び昭和62年7月8
日社更第 166号本職通知「在宅重度身体障害者ショートステイ(短期保護)事業の
実施について」は廃止する。

       記

第1 基本的事項
 身体障害者ホームヘルプサービス事業、身体障害者デイサービス事業及び身体障
害者短期入所事業(以下「居宅生活支援事業」という。)の実施に当たっては、次の
基本的事項に留意しつつ、その推進を図ること
  1 目的
    居宅生活支援事業は、地域における身体障害者の日常生活を支援すること
   により、身体障害者の自立と社会参加を促進する観点から実施するものであ
   ること
  2 広報等による周知徹底
    市町村は、地域住民に対し、広報等により居宅生活支援事業の趣旨、内容、
   利用手続き等について周知徹底を図り、その理解と協力を得るよう努めるこ
   と
  3 対象者の把握
    市町村は、身体障害者相談員、民生委員、社会福祉協議会、福祉事務所等
   の協力を得て、居宅生活支援事業の対象となる身体障害者の把握に努めるこ
   と
  4 適切かつ積極的な事業の実施
    市町村は、居宅生活支援事業の実施に当たっては、その対象となる身体障
   害者の障害の状況、介護の状況等当該身体障害者の身体その他の状況及びそ
   の置かれている環境に応じて、当該身体障害者本人の意向を尊重しつつ、総
   合的な観点から1の目的を達成するために最も適切な事業及び便宜を選定
   (複数の事業を組み合わせる場合を含む。)するとともに、事業の積極的か
   つ効率的な実施に努めること。
  5 関連施策との有機的連携及び総合的な事業の実施
    市町村は、居宅生活支援事業の実施に当たっては、身体障害者更生援護施
   設への入所の措置等身体障害者の福祉に関する諸事業その他関連施策との有
   機的連携の確保を図るとともに、総合的な事業の実施に努めること。
  6 関係機関との連携及び協力
    市町村は、居宅生活支援事業の実施に当たっては、身体障害者更生相談所、
   福祉事務所、身体障害者相談員、民生委員、社会福祉競技会等との連携及び
   協力の確保に努めること。

第2 身体障害者ホームヘルプサービス事業
   身体障害者ホームヘルプサービス事業の運営については、別添1「身体障害
  者ホームヘルプサービス事業運営要綱」によるものとすること。

第3 身体障害者デイサービス事業
   身体障害者デイサービス事業の運営については、別添2「身体障害者デイサ
  ービス事業運営要綱」によるものとすること。

第4 身体障害者短期入所事業
   身体障害者短期入所事業の運営については、別添3「身体障害者短期入所事
  業運営要綱」によるものとすること。


(別添1)
身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱

1 目的
  身体障害者ホームヘルプサービス事業は、身体障害者が居宅に置いて日常生活
 を営むことができるよう、身体障害者の家庭等にホームヘルパーを派遣して入浴
 等の介護、家事等の日常生活を営むのに必要な便宜を供与することにより、身体
 障害者の自立と社会参加を促進し、もって身体障害者の福祉の増進を図ることを
 目的とする。

2 実施主体
 (1) 事業の実施主体は、市町村とし、その責任の下にサービスを提供するものと
  する。この場合において、市町村は、対象者、ホームヘルパーにより提供され
  るサービスの内容及び費用負担区分の決定を除きこの事業の一部を市町村社会
  福祉協議会、身体障害者療護施設等を経営する社会福祉法人、福祉公社、在宅
  介護支援センター運営事業の委託を受けている社会福祉法人及び医療法人等、
  昭和63年9月16日老福第27号、社更第187号老人保健福祉部長、社会
  局長連名通知による「在宅介護サービスガイドライン」の内容を満たす民間事
  業者並びに別に定める要件に該当する介護福祉士に委託することができるもの
  とする。
 (2) (1)に掲げる者以外に適当と認められる者がある場合には、当職に協議の上、
  事業の一部を委託することができるものとする。

3 事業対象者
  身体障害者ホームヘルプサービス事業の対象者は、次のとおりとする。
 (1) 入浴等の介護、家事等の便宜を供与する場合の対象者は、重度の身体上の障
  害等のため日常生活を営むのに支障がある身体障害者であって、当該身体障害
  者が入浴等の介護、家事等の便宜を必要とする場合とする。
 (2) 外出時の移動の介護等の便宜を供与する場合の対象者は、重度の視覚障害者
  及び脳性まひ者等全身性障害者であって、市町村、福祉事務所等公的機関、医
  療機関に赴く等社会生活上外出が必要不可欠なとき及び社会参加促進の観点か
  ら実施主体が特に認める外出をするときにおいて、適当な付き添いを必要とす
  る場合とする。

4 便宜の内容
  身体障害者ホームヘルプサービス事業は、事業主体により対象者の家庭等に派
 遣されたホームヘルパーが、次に掲げる便宜のうち、必要と認められるものを供
 与することにより行うものとする。
 (1) 入浴、排せつ、食事等の介護
  ア 入浴の介護
  イ 排せつの介護
  ウ 食事の介護
  エ 衣類着脱の介護
  オ 身体の清拭、洗髪
  カ 通院等の介助
 (2) 調理、洗濯、掃除等の家事
  ア 調理
  イ 衣類の洗濯、補修
  ウ 住居等の掃除、整理整頓
  エ 生活必需品の買い物
  オ 関係機関との連絡
 (3) 生活等に関する相談、助言
   生活、身上、介護に関する相談、助言
 (4) 外出時における移動の介護
   外出時の移動の介護等外出時の付き添いに関すること。((1) の業務の一環
   として行われる外出時の付き添いを除く。)
 (5) 前各号に掲げる便宜に附帯する便宜
   (1)から(4)に附帯するその他必要な介護、家事、相談、助言

5 対象者の決定等
 (1) ホームヘルパーの派遣により便宜の供与を受けようとする場合は、別に定め
  る「派遣申出書」を市町村に提出するものとする。
   この場合において、申出書は、原則として当該身体障害者又はその者が属す
  る世帯の生計中心者とする。
   なお、緊急を要すると実施主体が認める場合にあっては、申出書の提出等は
  事後でも差し支えないものとする。
 (2) 市町村長は、申出があった場合は、本要綱を基にその必要性を検討し、でき
  る限り速やかに便宜の供与の要否を決定するものとする。
 (3) 市町村長は、当該身体障害者の身体その他の状況及びその置かれている環境
  を十分に勘案して、事業対象者に帯するホームヘルパー派遣回数、時間数(訪
  問から辞去までの実質サービス時間数とする。)及び供与される便宜の内容並
  びに費用負担区分を決定するものとする。
(4) 市町村長は、便宜の供与を受けようとする者の利便を図るため、身体障害者
  ホームヘルプサービス事業を実施している市町村社会福祉協議会等を経由して
  「派遣申出書」を受理することができるものとする。
 (5) 市町村長は、この事業の対象者について、定期的に便宜の供与の継続の要否
  について見直しを行うこと。

6 費用負担の決定
 (1) 派遣の申出者は、別表の基準により便宜の供与に要した費用を負担するもの
  とする。
 (2) 市町村長は、原則としてあらかじめ決定した時間数に基づき、利用者の費用
  負担額を月単位で決定するものとする。

7 ホームヘルパーの選考
 ホームヘルパーは、次の要件を備えている者のうちから選考するものとする。
 (1) 心身ともに健全であること。
 (2) 身体障害者福祉に理解と熱意を有すること。
 (3) 身体障害者の介護、家事及び相談助言を適切に実施する能力を有すること。

8 ホームヘルパーの研修
 (1) 採用時研修
   ホームヘルパーの採用時に当たっては、採用時研修を実施するものとする。
 (2) 定期研修
   ホームヘルパーに対しては、年一回以上研修を実施するものとする。

9 他事業との一体的効率的運営
  市町村は、この事業と老人ホームヘルプサービス事業、心身障害児(者)ホー
 ムヘルプサービス事業、母子家庭居宅介護等事業及び寡婦居宅介護等事業との一
 体的効率的運営を図るとともに、他の在宅福祉サービスとの十分な調整を行い、
 また他の身体障害者福祉に関する諸事業との連携を図り実施するものとする。

10 関係機関との連携等
  市町村は、常に福祉事務所、保健所、民生委員及び身体障害者相談員等の関係
 機関との連携を密にするとともに、この事業の一部を委託している市町村社会福
 祉協議会等との連携・調整を十分行い、事業を円滑に実施するものとする。

11 その他
 (1) ホームヘルパーは、その勤務中常に身分を証明する証票を携行するものとす
  る。
 (2) ホームヘルパーは、その業務を行うに当たっては、身体障害者の人格を尊重
  してこれを行うとともに、当該身体障害者の身上及び家庭に関して知り得た秘
  密を守らなければならないこととする。
 (3) ホームヘルパーは、対象世帯を訪問する都度原則として本人等の確認を受け
  るものとする。
 (4) 市町村は、この事業の実施について、地域住民に対して広報紙等を通じて周
  知を図るものとする。
 (5) 市町村は、この事業を行うため、ケース記録、便宜供与決定調書、利用者負
  担金収納簿その他必要な帳簿を整備するものとする。
 (6) 市町村は、業務の適正な実施を図るため、委託先が行う業務の内容を定期的
  に調査し、必要な措置を講じるものとする。
 (7) 事業の一部を受託して実施する身体障害者療護施設を経営する社会福祉法人
  等は、この事業に係る経理と他の事業に係る経理とを明確に区分するものとす
  る。

12 ガイドヘルパーに関する特例措置
  4の(4)の便宜については、当分の間、これを専門に行うホームヘルパー
 (以下「ガイドヘルパー」という。)を派遣することとするとともに、次の特例
 措置を設ける こととする。
 (1) ガイドヘルパーを利用した場合の費用の負担については、6の規定にかかわ
  らず、別表の「生計中心者」を「本人」と読み替えて費用を負担するものとす
  る。また、身体障害者本人の事情によらない外出と実施主体が認めた場合には、
  費用の負担を減免できるものとする。
 (2) ガイドヘルパーの選考に当たっては、7の規定にかかわらず、次の要件を備
  えている者のうちから選ぶものとする。
  ア 心身ともに健全であること。
  イ 身体障害者福祉に関し、理解と熱意を有すること。
  ウ 外出時の付き添いを適切に実施する知識と能力を有すること。
   なお、実施主体は、ガイドヘルパーとして選考した者を、重度の視覚障害者
  のガイドヘルパー及び脳性まひ者等全身性障害者のガイドヘルパーの種別毎に
  登録するものとする。
 (3) ガイドヘルパーの研修に当たっては、8の規定にかかわらず、別に定めると
  ころによって行うこととし、外出時の付き添いに関する必要な研修を受けるも
  のとする。
 (4) その他、ガイドヘルパーの派遣による便宜の供与に関しては、別に定めると
  ころに従い運営するものとする。

別表
        ホームヘルプサービス事業費用負担基準

  利用者世帯の階層区分

利用者負担額
(1時間当たり)


生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む。)     
   0円


生計中心者が前年所得税非課税世帯            
   0円


生計中心者の前年所得税課税年額が10,000円以下の世帯
 250円


生計中心者の前年所得税課税年額が10,001円以上30,000円以下の世帯
 400円


生計中心者の前年所得税課税年額が30,001円以上80,000円以下の世帯
 650円


生計中心者の前年所得税課税年額が80,001円以上140,000円以下の世帯
 850円


生計中心者の前年所得税課税年額が140,001円以上の世帯
 930円