■児童扶養手当法 (昭和三十六年十一月二十九日法律第二百三十八号) 第一章 総則 (この法律の目的) 第一条 この法律は、父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安 定と自立の促進に寄与するため、当該児童について児童扶養手当を支給し、もつ て児童の福祉の増進を図ることを目的とする。 (児童扶養手当の趣旨) 第二条 児童扶養手当は、児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として支 給されるものであつて、その支給を受けた者は、これをその趣旨に従つて用いな ければならない。 (2)児童扶養手当の支給は、婚姻を解消した父等が児童に対して履行すべき扶養 義務の程度又は内容を変更するものではない。 (用語の定義) 第三条 この法律において「児童」とは、十八歳未満の者又は二十歳未満で政令で定 める程度の障害の状態にある者をいう。 (2)この法律において「公的年金給付」とは、次の各号に掲げる給付をいう。 一 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)に基づく年金たる給付 二 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)に基づく年金たる給付(同 法附則第二十八条に規定する共済組合が支給する年金たる給付を含む。) 三 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)に基づく年金たる給付 四 恩給法(大正十二年法律第四十八号。他の法律において準用する場合を含 む。)に基づく年金たる給付 五 国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)及び国家公務員 等共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第百二十九号) に基づく年金たる給付 六 地方公務員の退職年金に関する条例に基づく年金たる給付 七 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)及び地方公務員 等共済組合法の長期給付等に関する施行法(昭和三十七年法律第百五十三 号)に基づく年金たる給付 八 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)に基づく年 金たる給付 九 農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)に基づく年金 たる給付 十 国会議員互助年金法(昭和三十三年法律第七十号)に基づく年金たる給付 十一 執行官法(昭和四十一年法律第百十一号)附則第十三条の規定に基づく年 金たる給付 十二 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五 年法律第二百五十六号)に基づいて国家公務員等共済組合連合会が支給する 年金たる給付 十三 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)に基づく 年金たる給付 十四 未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)に基づく留 守家族手当及び特別手当(同法附則第四十五項に規定する手当を含む。) 十五 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく年金たる給 付 十六 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律におい て準用する場合を含む。)に基づく年金たる補償 十七 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法 律(昭和三十二年法律第百四十三号)に基づく条例の規定に基づく年金たる 補償 十八 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)及び同法に基づ く条例の規定に基づく年金たる補償 (3)この法律にいう「婚姻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係 と同様の事情にある場合を含み、「配偶者」には、婚姻の届出をしていない が、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「父」には、母が児童を懐 胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情 にあつた者を含むものとする。 第二章 児童扶養手当の支給 (支給要件) 第四条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する児童の母がその児童を監護 するとき、又は母がないか若しくは母が監護をしない場合において、当該児童の 母以外の者がその児童を養育する(その児童と同居して、これを監護し、かつ、 その生計を維持することをいう。以下同じ。)ときは、その母又はその養育者に 対し、児童扶養手当(以下「手当」という。)を支給する。 一 父母が婚姻を解消した児童 二 父が死亡した児童 三 父が政令で定める程度の障害の状態にある児童 四 父の生死が明らかでない児童 五 その他前各号に準ずる状態にある児童で政令で定めるもの (2)前項の規定にかかわらず、手当は、児童が次の各号のいずれかに該当すると きは、当該児童については、支給しない。 一 日本国内に住所を有しないとき。 二 父又は母の死亡について支給される公的年金給付を受けることができると き。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。 三 父若しくは母の死亡について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の 規定による遺族補償その他政令で定める法令によるこれに相当する給付を受 けることができる場合、父の死亡について支給されるこれらの給付を受ける ことができる母の監護を受けている場合又は父若しくは母の死亡について支 給されるこれらの給付を受けることができる者の養育を受けている場合であ つて、当該給付の事由が発生した日から六年を経過していないとき。 四 父に支給される公的年金給付の額の加算の対象となつているとき。 五 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号に規 定する里親に委託されているとき。 六 父と生計を同じくしているとき。ただし、その者が前項第三号に規定する政 令で定める程度の障害の状態にあるときを除く。 七 母の配偶者(前項第三号に規定する政令で定める程度の障害の状態にある父 を除く。)に養育されているとき。 (3)第一項の規定にかかわらず、手当は、母に対する手当にあつては当該母が、 養育者に対する手当にあつては当該養育者が、次の各号のいずれかに該当する ときは、支給しない。 一 日本国内に住所を有しないとき。 二 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第三 十二条第一項の規定によりなお従前の例によるものとされた同法第一条によ る改正前の国民年金法に基づく老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けるこ とができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを 除く。 (4)第一項の規定にかかわらず、同項第一号に該当する児童(同時に同項第二号 から第五号までのいずれかに該当する児童を除く。)についての手当は、父母 が婚姻を解消した日の属する年の前年(当該手当に係る第六条の認定の請求が 当該婚姻を解消した日の属する年の一月一日から五月三十一日までの間に行わ れた場合にあつては、前々年。以下この項において同じ。)における当該児童 の父の所得が、その者の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する扶 養親族(当該児童を除く。)及び当該父の同法に規定する扶養親族でない児童 で当該父母が婚姻を解消した日の属する年の前年の十二月三十一日において生 計を維持したものの有無及び数に応じて、政令で定める額以上であるときは、 支給しない。ただし、父が日本国内に住所を有しないこと、父の所在が長期間 明らかでないことその他の特別の事情により母又は養育者が父に当該児童につ いての扶養義務の履行を求めることが困難であると認められるときは、この限 りでない。 (5)前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。 (手当額) 第五条 手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、一月につき、三万五 千百円とする。 (2)その監護し又は養育する前条に定める要件に該当する児童が二人以上である 母又は養育者に支給する手当の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める 額にその児童のうち一人を除いた児童につきそれぞれ二千円(そのうち一人に ついては、五千円)を加算した額とする。 (手当額の自動改定) 第五条の二 前条第一項に規定する手当の額については、総務庁において作成する年 平均の全国消費者物価指数(以下「物価指数」という。)が昭和六十三年(この 項の規定による手当の額の改定の措置が講じられたときは、直近の当該措置が講 じられた年の前年)の物価指数を超え、又は下るに至つた場合においては、その 上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年の四月以降の当該手当の額を 改定する。 (2)前項の規定による手当の額の改定の措置は、政令で定める。 (認定) 第六条 手当の支給要件に該当する者(以下「受給資格者」という。)は、手当の支 給を受けようとするときは、その受給資格及び手当の額について、都道府県知事 の認定を受けなければならない。 (2)前項の認定の請求は、手当の支給要件に該当するに至つた日から起算して五 年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるとき は、この限りでない。 (3)第一項の認定を受けた者が、手当の支給要件に該当しなくなつた後再びその 要件に該当するに至つた場合において、その該当するに至つた後の期間に係る 手当の支給を受けようとするときも、前二項と同様とする。 (支給期間及び支払期月) 第七条 手当の支給は、受給資格者が前条の規定による認定の請求をした日の属する 月の翌月から始め、手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる。 (2)受給資格者が災害その他やむを得ない理由により前条の規定による認定の請 求をすることができなかつた場合において、その理由がやんだ後十五日以内に その請求をしたときは、手当の支給は、前項の規定にかかわらず、受給資格者 がやむを得ない理由により認定の請求をすることができなくなつた日の属する 月の翌月から始める。 (3)手当は、毎年四月、八月及び十二月の三期に、それぞれの前月までの分を支 払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた手当又は支給すべき事由が消 滅した場合におけるその期の手当は、その支払期月でない月であつても、支払 うものとする。 (手当の額の改定時期) 第八条 手当の支給を受けている者につき、新たに監護し又は養育する児童があるに 至つた場合における手当の額の改定は、その者がその改定後の額につき認定の請 求をした日の属する月の翌月から行う。 (2)前条第二項の規定は、前項の改定について準用する。 (3)手当の支給を受けている者につき、その監護し又は養育する児童の数が減じ た場合における手当の額の改定は、その減じた日の属する月の翌月から行う。 (支給の制限) 第九条 手当は、受給資格者(第四条第一項第二号又は第四号に該当し、かつ、母が ない児童その他政令で定める児童の養育者を除く。以下この条において同じ。) の前年の所得が、その者の所得税法に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以 下「扶養親族等」という。)並びに当該受給資格者の扶養親族等でない児童で当 該受給資格者が前年の十二月三十一日において生計を維持したものの有無及び数 に応じて、政令で定める額以上であるときは、その年の八月から翌年の七月まで は、政令の定めるところにより、その全部又は一部を支給しない。 第九条の二 手当は、受給資格者(前条に規定する養育者に限る。以下この条におい て同じ。)の前年の所得が、その者の扶養親族等及び当該受給資格者の扶養親族 等でない児童で当該受給資格者が前年の十二月三十一日において生計を維持した ものの有無及び数に応じて、政令で定める額以上であるときは、その年の八月か ら翌年の七月までは、支給しない。 第十条 母に対する手当は、その母の配偶者の前年の所得又はその母の民法(明治二 十九年法律第八十九号)第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその母と生 計を同じくするものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じ て、政令で定める額以上であるときは、その年の八月から翌年の七月までは、支 給しない。 第十一条 養育者に対する手当は、その養育者の配偶者の前年の所得又はその養育者 の民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその養育者の生計を維持する ものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、前条に規定す る政令で定める額以上であるときは、その年の八月から翌年の七月までは、支給 しない。 第十二条 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法 に規定する控除対象配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で 定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金 額を除く。)がその価格のおおむね二分の一以上である損害を受けた者(以下 「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の七 月までの手当については、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被 災者の所得に関しては、第九条から前条までの規定を適用しない。 (2)前項の規定の適用により同項に規定する期間に係る手当が支給された場合に おいて、次の各号に該当するときは、その支給を受けた者は、政令の定めると ころにより、それぞれ当該各号に規定する手当で同項に規定する期間に係るも のに相当する金額の全部又は一部を都道府県に返還しなければならない。 一 当該被災者(第九条に規定する養育者を除く。以下この号において同じ。) の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等及び当該被災者の 扶養親族等でない児童で当該被災者がその年の十二月三十一日において生計 を維持したものの有無及び数に応じて、第九条に規定する政令で定める額以 上であること。 当該被災者に支給された手当 二 当該被災者(第九条に規定する養育者に限る。以下この号において同じ。) の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等及び当該被災者の 扶養親族等でない児童で当該被災者がその年の十二月三十一日において生計 を維持したものの有無及び数に応じて、第九条の二に規定する政令で定める 額以上であること。 当該被災者に支給された手当 三 当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等の有無 及び数に応じて、第十条に規定する政令で定める額以上であること。 当該 被災者を配偶者又は扶養義務者とする者に支給された手当 第十三条 第九条から第十一条まで及び前条第二項各号に規定する所得の範囲及びそ の額の計算方法は、政令で定める。 第十四条 手当は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又 は一部を支給しないことができる。 一 受給資格者が、正当な理由がなくて、第二十九条第一項の規定による命令に 従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかつたとき。 二 受給資格者が、正当な理由がなくて、第二十九条第二項の規定による命令に 従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだとき。 三 受給資格者が、当該児童の監護又は養育を著しく怠つているとき。 第十五条 手当の支給を受けている者が、正当な理由がなくて、第二十八条第一項の 規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、手当の支払 を一時差しとめることができる。 (未支払の手当) 第十六条 手当の受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき 手当で、まだその者に支払つていなかつたものがあるときは、その者が監護し、 又は養育していた第四条に定める要件に該当する児童にその未支払の手当を支払 うことができる。 第三章 不服申立て (異議申立て) 第十七条 都道府県知事のした手当の支給に関する処分に不服がある者は、都道府県 知事に異議申立てをすることができる。 (決定又は裁決をすべき期間) 第十八条 都道府県知事は、前条の異議申立てがあつたときは、六十日以内に、当該 異議申立てに対する決定をしなければならない。 (2)異議申立人は、前項の期間内に決定がないときは、都道府県知事が異議申立 てを棄却したものとみなすことができる。 (3)前二項の規定は、市町村長が第三十三条の規定による委任に基づいてした処 分についての審査請求に対して都道府県知事がすべき裁決について準用する。 (時効の中断) 第十九条 手当の支給に関する処分についての不服申立ては、時効の中断に関して は、裁判上の請求とみなす。 (不服申立てと訴訟との関係) 第二十条 第十七条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての異議申立 て又は審査請求に対する都道府県知事の決定又は裁決を経た後でなければ、提起 することができない。 第四章 雑則 (費用の負担) 第二十一条 手当の支給に要する費用は、その四分の三に相当する額を国が負担し、 その四分の一に相当する額を都道府県が負担する。 (事務費の交付) 第二十一条の二 国は、政令の定めるところにより、都道府県及び市町村(特別区を 含む。以下同じ。)に対し、都道府県知事及び市町村長(特別区の区長を含む。 以下同じ。)がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定によつて行う事務の処 理に必要な費用を交付する。 (時効) 第二十二条 手当の支給を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅 する。 (不正利得の徴収) 第二十三条 偽りその他不正の手段により手当の支給を受けた者があるときは、都道 府県知事は、国税徴収の例により、受給額に相当する金額の全部又は一部をその 者から徴収することができる。 (2)国民年金法第九十六条第一項から第五項まで、第九十七条及び第九十八条の 規定は、前項の規定による徴収金の徴収について準用する。 (受給権の保護) 第二十四条 手当の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えるこ とができない。 (公課の禁止) 第二十五条 租税その他の公課は、手当として支給を受けた金銭を標準として、課す ることができない。 (期間の計算) 第二十六条 この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、 民法の期間に関する規定を準用する。 (戸籍事項の無料証明) 第二十七条 市町村長(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条 の十九第一項の指定都市においては、区長とする。)は、都道府県知事又は受給 資格者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、受給資格者又はその 監護し若しくは養育する児童の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。 (届出) 第二十八条 手当の支給を受けている者は、厚生省令の定めるところにより、都道府 県知事に対し、厚生省令で定める事項を届け出、かつ、厚生省令で定める書類そ の他の物件を提出しなければならない。 (2)手当の支給を受けている者が死亡したときは、戸籍法(昭和二十二年法律第 二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、厚生省令の定めるところに より、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 (調査) 第二十九条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、受給資格者に対して、受 給資格の有無及び手当の額の決定のために必要な事項に関する書類その他の物件 を提出すべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの事項に関し受給資格者、 当該児童、第四条第一項第一号に該当する児童の父その他の関係人に質問させる ことができる。 (2)都道府県知事は、必要があると認めるときは、受給資格者に対して、第三条 第一項若しくは第四条第一項第三号に規定する政令で定める程度の障害の状態 にあることにより手当の支給が行われる児童若しくは児童の父につき、その指 定する医師の診断を受けさせるべきことを命じ、又は当該職員をしてその者の 障害の状態を診断させることができる。 (3)前二項の規定によつて質問又は診断を行なう当該職員は、その身分を示す証 明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければなら ない。 (資料の提供等) 第三十条 都道府県知事は、手当の支給に関する処分に関し必要があると認めるとき は、受給資格者、当該児童、第四条第一項第一号に該当する児童の父若しくは受 給資格者の配偶者若しくは扶養義務者の資産若しくは収入の状況又は受給資格 者、当該児童若しくは当該児童の父に対する公的年金給付の支給状況につき、郵 便局その他の官公署、公的年金給付に係る年金制度の管掌者たる組合若しくは国 家公務員等共済組合連合会に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求 め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは受給資格者の雇用主その他の関係 人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。 (手当の支払の調整) 第三十一条 手当を支給すべきでないにもかかわらず、手当の支給としての支払が行 なわれたときは、その支払われた手当は、その後に支払うべき手当の内払とみな すことができる。第十二条第二項の規定によりすでに支給を受けた手当に相当す る金額の全部又は一部を返還すべき場合におけるその返還すべき金額及び手当の 額を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属 する月の翌月以降の分として減額しない額の手当が支払われた場合における当該 手当の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。 (実施命令) 第三十二条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための 手続その他その執行について必要な細則は、省令で定める。 (事務の委任) 第三十三条 手当の支給に関する事務の一部は、政令の定めるところにより、市町村 長に行なわせることができる。 (経過措置) 第三十四条 この法律に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令 で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の 経過措置を定めることができる。 (罰則) 第三十五条 偽りその他不正の手段により手当を受けた者は、三年以下の懲役又は三 十万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条 があるときは、刑法による。 第三十六条 第二十八条第二項の規定に違反して届出をしなかつた戸籍法の規定によ る死亡の届出義務者は、十万円以下の過料に処する。