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立岩 真也 2001/12/** 『週刊読書人』 ジョン・ローマー『分配的正義の理論――経済学と倫理学の対話』(木鐸社)。分配が考察と議論の主題であることを、改めてか初めてか、思い知ることが大切だ。この本はその領域で一番よい本、ではないだろうけれど、そして数式頻出なのだが、おもしろい。筆者はアナリティカル・マルキシズムの旗手の一人。 マーサ・ヌスバウム他『国を愛するということ――愛国主義をめぐる論争』(人文書院)。なんだかまのぬけたような論考もいくつか混ざってはいる。だがそれでも、右記の本と同じく、そこから考えていくことのできる材料がいくつも入っている。 森岡正博『生命学に何ができるか――脳死・フェミニズム・優生思想』(勁草書房)。一九七〇年前後に始まるフェミニズムや障害者運動の方が「バイオエシックス」の方々より、ものごとをまともに考えていたのだと筆者は言う。そこで、それらを読みながら考えたことが記される。 総じて、そう昔のことでないことも私たちは忘れているか知らない。基本的な主題は退屈な主題だと思ってしまって、考えない。そういうことはとてももったいないことだとこれらの本に書いてある。 (たていわ・しんや氏=信州大学医療技術短期大学部助教授・社会学者) ◇Roemer, John E. ◇書評・本の紹介 by 立岩 TOP(http://www.arsvi.com/0w/ts02/2001053.htm) HOME(http://www.arsvi.com)◇ |