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■「遺伝子の技術と社会――限界が示す問いと可能性が開く問い」編集に対する著者意見
立岩です。
たいへん遅くなってもうしわけありません。
(すみません。1月27日にいただいたメイ
ルの
「ゲラにして量を確定して上で」
2月の第1週に,というところの「」内がぴん
ときてませんでした。)
どうもこの手の(直しの)仕事は,非常に精
神的な負担感がありまして,やればそう何日
もかかる仕事ではないのに,なかなか手がつ
かないのです。
私の場合,文章を書くのにずいぶん時間がか
かります。構成を何度も変えながら,多いと
20回くらい試印刷して,紙数の制約を考慮
しその範囲内で,直しながら書いていきます。
できたものは,制約を所与とした場合には,
(出来不出来は別として)それなりの必然性
をもっています。
ということもありますので,それをもう一度
直してよいというのは,ありがたいとととも
に,気が重いのです。
とくに,直していただいたのをもとに戻すよ
うにお願いいなければならない時には…
■p.1
◆
[アブストラクト]
約180字
わからないこと、変えられないことを前提と
して動いていた社会で、その前提が変更され
る。他の人が利用できない物について所有の
規則は不要だが、利用可能になる。どうする
か考えないとならなくなる。そこでそれを行
う。私たちのもっている感覚を再発見し、論
理によって言語化する作業が要請される。少
なくとも理解すべきは、不安は論理的な必然
であり、蒙昧に発するものでないことである。
◆
いただいたものでは,注1(★01)が先頭に
来ていますが,これは注として書かれたもの
ですから,当初の位置に置いてください。
■p.2
◆
「イントロで…」について
なぜのこのようなことを書くべきかについては
本文第一段落に書きました。このままといたし
ます。
◆2
「これは」は,当然直前を指します。すなわち
「社会は考えない」を,です。
変更のしようがありません。
(「このことは」としようとも考えましたが,
それでわかりやすくなる度合いは大きくないで
すし,また「このことは……当然のこと」とな
って,かたちとしてもあまりよくない。)
◆3
「多分に」は,私はそのように考えております
ので,変更いたしません。
◆4
「規範」→「社会規範」と変更いたします。
■p.3
◆構成の問題
私がお送りした原稿では
α
A
@
A
B
β
となっています。
それが,送られたきたFAXでは
(1)
(1)
その1
その2
(2)
(2)
となっています。
これでは,かえって混乱してしまいます。
さらに問題は
本文中で「A・Bいずれについても」「A
については」等が残っているのに,それに
対応するA・Bそのものが消えてしまって
いることです。これではなんのことだかま
ったくわかりません。
これについて 直していただいた線を踏襲
しますと
(1)・(2)をここでは用いることになります
が,そうすると上記からおわかりのように
どの(1)・(2)かがわからなくという問題も
生じます
さらに
私は文中での記述と項目を対応させるため
に,読者への親切のために
わざさわ 「A:」とか「B:」とかいう
体裁をとりましたが,これがなくなってい
るために,かえってわかりづらくなってし
まっている。
さらに
「ケーススタディ」の語は不適切だと考え
ます。私は問題(問い)を示したのであっ
て,それは普通に「ケーススタディ」とい
う語から受け取るイメージとは異なるもの
だと思います。
ですから,お願いですから,
見出しも含めて
「もとの通り」にしていただきたい。
@等の代わりに(1)等を使うことはあってよ
いと思いますが,もとどおりでもかまわな
いと思います。
◆
それから気になるのは
「言う」がすべて「いう」に変わっているこ
とです。私の場合「〇〇ということ」という
場合と「Aさんが□□と言う」という場合と
使い分けております。この方が読みやすい,
理解しやすいと考えます。
「と言う」を使う場合には,They sayの意味
が(変換ミスでなければ)強くこめられてい
ます(すなわち,that… ではない)
どうしてもとはもうしませんが,できれば,
元通りにしていただきたく思います。
◆5
ここは変更いたしません。
「ある事態をあるきまりによって評価しよう
とする際に,そのきまりが……かどうか,あ
らかじめ確定しているわけではない……」
という他の文脈はありえませんので。
ただ↓◆6
◆6
「こうして私たちは」についての御指摘を
この段落をよりわかりやすくする必要がある
ということと考えます。
以下のように加筆します。
「 そして第二に,もっとやっかいなのは,その
いままでのきまり自体が疑問の余地のないもので
あるのかどうか,あらかじめ確定しているわけで
はないということである。そのきまりは,じつは
従うべきではないきまりであるのかもしれないの
だ。こうして私たちは」以下同じ
■p.4
◆7◆8
ここはたしかに上手じゃない。以下のようにして
みます。(脱字すみませんでした。)
「 Aのようにある遺伝子や染色体の異常・欠損
がすでにあってしまうことを前提に対応を始める
のでなく、それをなんとかしようとし、そしてそ
れが生殖細胞に関わるものである時、行われうる
ことは、出生の前に、したがって必然的に本人で
ない者の決定によって、行われることになる。」
◆9 追加します。
「例えば、これは女性の「自己決定権」によって
正当化されうることではない。その人は、「自分
のこと」を自分で決めているのではなく、どんな
「他者」がこの世に生まれるのか、生まれないの
かを決めているからでである。(そして、私がこ
のように述べることは、「産む/産まない」につ
いて女性に決定権があると主張することと両立す
る。)([1997…」(以下同じ)
■p.9
ここのあたりが私自身がこの文章について一番
気にいらないところです。他の部分が極めて短い
のに比して長く、その言い訳が中途半端になされ
ているので…
ここでは,ひらきなおって,言い訳をもっと長
くしてみることにします。
4行目から
「…始めてもよい。これまでとりあげたテーマに
ついては私の考えを記した文章があり,「ではど
う考えのるか」についてはそれを参照していただ
けるのだが,このことについては主題的に論じ公
刊された文章がない(ただしcf.[1997:405,418-
422])。そこで,この部分だけ長くなってしまっ
て不釣り合いだが,考えてみてよい点をいくつか
挙げる。ある機会に配付した資料★05の一部を使
っている。
例えば…」
◆10
「下にそれを整理してみよう。」を加えていた
だいたところ。「つなぎ」がないという御指摘と
理解いたします。そこで
「その言いきれない部分とは何なのだろう。」
を加えます。
◆11
「上の指摘のような説明」と直していただいたと
ころ たしかに「以上」はそっけがないかもしれ
ません。ただ,「指摘のような説明」ではよくわ
かりませんし,「説明」ではないですから
「だから「神を演じる」とか「人間改造」とい
った批判はそのままでは使えない。」
とします。(「」は引用符でかまいません。)
※繰り返しになりますが,例えばこの(1)で
「言わないといけない」が「いわないといけな
い」になっていること等,やはり気になります。
「述べる」を「のべる」に,「記す」を「きす」
に一律にしてしまうことと同じだと思います。
◆12
「十分ではないと思う。」を
「批判としては十分ではないと思う。」
■p.6
◆13
たしかに意味がとりにくい。(当初ここのあたり
全体を引用とし,「」で括ったので,文章を直せな
かったという事情はありますが〜それが,先記した
この部分に対する不満を生じさせているのですが
以下のようにします。
「しかしその苦痛を与えているのが私たちの側であ
るとすれば、太っている人の側の改造によって苦痛の
解消を実現すべきではない、ということになるかもし
れない。」
◆14
「細胞や組織」としていただいたところ
いっそのこと「どんなに体のことを知っても細胞を
覗いても」にしましょう。
◆
実は全文を読んでいません。というのも,基本的に
指摘があったところ以外は,筆者が私となっている以
上,私が書いたそのままであるはずだと考えていたか
らです。
ですがどうもそうではない。基本的に,誤記,誤字
以外はもとに戻していただきたいと思います。(「私
達」を「私たち」などはかまいませんけれども。)
例えば
「一方」が「いっぽう」になっています。
「一方」は「他方」と「対」になって使われており
これが漢字であることには,「対」になっているこ
とをより明瞭に読者が理解できるという利点がありま
す。それが「他方」はそのままで「一方」が「いっぽ
う」になるというのは合点がいきません。
この頁に2箇所あります。
◆
下から9行。
「二種類ある。」を「問題は,二種類ある。」として
いただいていますが,
「移動・提供可能になったものを二種類に分けること
ができる。」としましょう。
◆この段落の最後
「遺伝子情報は基本的に後者である。★06」を
「遺伝子情報は基本的に後者である(ここでは
プライバシーに関わる問題は除外して考えてい
る)。★06」
とします。
■p.7
◆15・◆16を含めて
分量制限を気にしすぎて,舌足らずになっていま
す。以下のようにします。なお,直していただた部
分&段落区分の変更の一部はもとに戻っています。
&脱字がありました(「望めないかが問われる」が
「望めないが問われる」になっていました。)
&お言葉に甘えて,少し増やしました。
「……にもかかわらず、ある程度の権利が付与され
てよいとすれば、それは、権利の付与により発明や
発見への動機づけを与えることができ、それが有意
義だと(少なくとも許容されててよいと)考えられ
るからである。開発にかかるコストを回収させ、さ
らにある程度利益を出させる。そのために例えば特
許権を付与する。これ以外の理由はない。(所有に
関わる規則について、一般論としてだが[1997:116
ff])
もちろんそれ以前に、妥当な開発のあり方とその
速度をどう判断するかという基本的な問題があり、
それにどう答えるかによって、適切な「褒美」の水
準が変わってくるはずである。また、仮に技術の進
展が望ましいとして、こうした手段をとらないとそ
れが望めないのかが問われる。むしろ逆に知識と技
術の進展と利用が阻害される場合も考えられる。今
存在し今後拡大するのは、悪い技術の問題であるよ
りも格差の問題だろう。というのも、人々は、少な
くとも長期的には、自らにとって悪いものをなくし
ていこうとするのに対して、格差については、そこ
から利益を得る側が、それを維持し拡大しようとす
る力をかけるからである。これに知識と技術の独占
が関係している。もちろん、自由に委ねれば競争が
働き格差が縮小していくだろうというのは幻想であ
る。楽観的すぎる。
科学技術とその結果の所有・配分を巡る規則につ
いて再考する必要がある。そして、その時には、国
家が,競争する主体・単位としての位置を占めてし
まっていることをどうしても考える必要があるだろ
う。次に、税金を使って科学研究が行われていると
いう――常態化してしまっているからそんなものだ
と思っているが、少しでも考えてみればなかなかに
不思議な――事態について考えることである。そし
て、両者の関連を検証してみること。この関連・連
結が昂進と格差とを同時に生じさせているのではな
いかと考え、もっと別のあり方がないかを考えてみ
ることができるはずである。★07」
★07を新設。
「★07 「個人への再分配しかしない国家」を一方
においてみて、この国家をどう評価できるかを考え、
それなりにそれがはよいものだと言いえた時に、現在
の国家のあり方とどう評価されるか。[1999b]で
検討を始めた(cf.[1997:346-348])。現在の科学
技術全般のあり方,そしてそれと社会との関係を考
える際,こうした視点を基本に置くとよいと私は考
える。」
◆17
ここの追加分
「臓器移植や……」は省いてください。
直接に,次の段落の「こうなる」につながってい
く部分ですので。
◆18
「認められうる…」
を
「多くの場合に認められうると考えられる前提から、
論理についての規則を守りながら、何が導かれる
のか、それを…」
◆ 文献の記載について。自然科学領域では標準的
な記載方法に直していただきました。が
できれば,本文+注での記載方法との関連で次の
「ように」していただきたい。(ただ,巻・号,頁の表示
方法は自然科学界の作法の通りでかまいません。)
[1999b]が増えました。
なお[1999a][1999b]はまだ刊行されておりません
ので,頁数は未定です。
文献(いずれも筆者によるもの)
1997 『私的所有論』、勁草書房
1998 「未知による連帯の限界――遺伝子検査と保険」、
『現代思想』26-9:184-197
1999a 「死の決定について」、
大庭健・鷲田清一編『所有のエチカ』、ナカニシヤ出版
1999b 「分配する最小国家の可能性について」
『社会学評論』49-3(195)
&
本文と注の一部(★02・★06)に「文献[1997]」等
とありますが,この中の「文献」はとっていだたきたい。
p.3の★02の前のところ
「(文献は末尾に記載)」を
「(以下[1997]等と略記する文献は末尾に記載)」
としてください。
◆ あと言わずもがなですが,
最後の
390-0861 ……以降は メイルの後にくっついているも
のでして。(掲載されてもいっこうにかまいはしません
が。)
「★01」等はまったく便宜的なものですのでいかようにも
……………………
★ 以上,見直してないのですが,とにかくお送りします。
★ 直しの箇所だけちょこちょこと思っていたのですが,
こうしてやってくると,直接に手をいれて,原稿の全体を
お送りした方がよかったかとも思います。
ただ釈明・弁明などもありましたので
★ これからまだお仕事ということになるのでしょうか。
とにかく遅くなってすみません。私もちょっと疲れました
が,これから寝られるわけでして…。すみません
■校正
お世話になっております。立岩です。
以下 校正です。
何も記していない部分は,手をいれていた
だいたとおりでお願いいたします。
(明日昼間は不在です。)
◆1 p.2右
どうかなるのはごくごくわず
かであり、それは遺伝子医療と聞いて私たち
「素人」が思い浮かべることとはずいぶんと異な
ったものである。
の部分
遺伝子「治療」として可能な
ことは、少なくとも現在そして近い将来ごくわ
ずかのことでしかない。それは遺伝子医療と聞
いて私たち「素人」が思い浮かべることとはず
いぶんと異なったものである。
としてください。
「」は他と合わせて引用符ということで
★1行増えます(あと7行可)
◆2 p.2右
A:診断によってわかることができ、しかもわ
かったことを動かせないときの社会の対応
を
A:診断によってわかることができ、しかもわ
かった事態そのものを変えることができな
いまま診断の対象となる人は社会にいる。
この時の社会の対応。
とします。
★2行増えます。(あと5行可)
◆3 p.2右
Bについて
「受精直後の」を書き加えていただきましたが,
選択的妊娠中絶の場合,「受精直後」とは言え
ないので…
B:わかる時点で、まだ「人」として、すなわ
ち殺してならぬ存在として存在を始めてい
ないことを前提としてなされる対応。
とします
★1行増えます。(あと4行可)
※こうなると見出しが一番下の行に来てしまっ
て不都合かもしれません。なんとか(なんとな
く)おさまるようにしてくだされば。
私自身は体裁は気になりません。
◆4 p.3左
「遺伝子で決めて」と挿入していただいたところ
「遺伝子検査を使う方が」
としてください。
★1行増えます。(あと3行可)
◆4 p.3左
「そうなると」当初,
としていただいた部分
「そうなると,まず,」としてください。
◆4 p.3左
「ことが考えられる」
を挿入していただきましたが
これは事実起こった(起こっている)こと
ですので,挿入しないでください。
&
後との関係で
制限する動きに出る。
を
制限しようとする。
にしてください。
◆5 p.3左
「一方」,遺伝子差別である…。
としていただいたあたり
「すると、これを遺伝子差別であるとして
保険会社の動きを規制しようとする動きが
起こる。」
としてください。
★1行増えるか?
◆6 p.3左
実際に
「構図になっている」
ので
「構図が見えてくる」
に変更することはしないでください。
◆7 p.3右
よい「の」ではないか
と
よいではないか
のニュアンスは異なると思います。
「よいではないか」でいってください。
◆8 p.4左
(文献(1)p.373以降で考察した。)
は
p.3右 下から6行目
「っていることに気づく」の後に,()を
とって,少し変えていれてください。
すなわち
っていることに気づく。これについて文献(1)
p.373以降で述べた。例えば…
としてください。
◆9 p.4左
「遺伝子技術によって」
を行数に余裕があれば入れてください。
◆10 p.4左
ホームページのアドレスの掲載
よろしくお願いいたします。
(若松さんに承諾をとっての掲載
ではなかったので気になっていま
した。)
◆11 p.4右
(3)のところで
それでよいか
は
それでよい「の」か
に直していただくに及びません。
そのままでお願いいたします。
◆12 p.4右
(4)のところ
「,」を入れるとすると
「しかしこれにしても,批判として…」
つまり2箇所を1箇所にしてください
それから
「原因になるのも,またある種の…」
つまり「,」の位置を変更してください。
◆13 p.6右
2つめの段落の下から2行
一般論としてだが「(」文献(1)p.
の
(
をとってください。
◆14 p.7左
科学/技術 でよいです。
=斜線いれていただいてよいです。
◆15 p.7左
注の上から3行目
現在の国家のあり方「と」
を
現在の国家のあり方「が」
にしてください。
◆16 p.7右
本文下から4行
…「倫理」だとかいう人たち
を
…「倫理」だとか言う人たち
としてください。
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