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大阪市立大学




◆阿部さんより

 大阪市立大学の阿部昌樹です。
 来る7月5日(土)・6日(日)の両日に、大阪市立大学法学部で、「グローバル
化の時代における法律家の社会的責任」と題する国際学術シンポジウムが開催されま
す。このシンポジウムにおいては、自由貿易体制の下での国際的環境保護、移民労働
者等の経済的弱者の保護、先住民等の社会的・文化的弱者の保護、および、法学教育
の新たな可能性に関する4つのセッションを設け、それぞれに、我が国の研究者に加
えて、欧米先進国およびアジア諸国において第一線で活躍する研究者もしくは法律実
務家を招き、グローバリゼーションに関連した法的諸問題とその解決策とを多角的か
つ複眼的に検討することを予定しています。詳細は、添付したワードのファイルに記
載の通りです。
 報告および質疑応答は、同時通訳を入れて、日本語および英語で行われます。多く
の研究者および法律実務家の皆様のご参加を期待しております。 
 また、シンポジウムの前日の7月4日には、グローバリゼーションが進展する時代
背景を踏まえ、市民と法律家の関係の新しいイメージを示すことを目的として、「市
民と法律家の新たな関係」と題する市民向けの公開講演会を開催致しますので、シン
ポジウムとあわせてご参加を検討していただければ幸いです。
 参加を希望される方は、下記の「参加申込書」に必要事項を記載していただいたう
え、abe@law.osaka-cu.ac.jpに返送していただくか、プリントアウトしたものを、大
阪市立大学法学研究科国際学術シンポジウム組織委員会にファックスでお送りいただ
きますようお願いします。ファックス番号は06-6605-2920です。後日、参加証をお送
りいたします。
 国際学術シンポジウム・公開講演会とも参加費は無料ですが、国際学術シンポジウ
ムにつきましては、資料代(実費1,000円程度)を頂戴いたします。また、土曜・日
曜は会場付近の食堂等のほとんどが閉まっておりますので、弁当(1,000円)を注文
されることをお奨めします。
 なお、国際学術シンポジウム第1日の夕刻より、レセプションを行いますので、あ
わせてご参加いただければ幸いです。レセプションの参加費は2,000円です。

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参加申込書

・参加を希望するものの【 】に○をつけて下さい。
  1.公開講演会(7月4日)【  】 
  2.国際学術シンポジウム第1日(7月5日)【  】
  3.国際学術シンポジウム第2日(7月6日)【  】
  4.レセプション【  】

・弁当を希望する日の【 】に○をつけて下さい。
  7月5日【  】
  7月6日【  】
 
・ご氏名 (              )
・ご所属 (                )
・ご連絡先 (                  )
・電子メールアドレス(              )


◆大阪市立大学法学部50周年記念国際学術シンポジウム

グローバル化の時代における法律家の社会的責任
―The Social Responsibility of Legal Profession in the Age of Globalization―

主催:大阪市立大学大学院法学研究科
開催日:2003年7月5日(土)・6日(日)
開催場所:大阪市立大学学術情報総合センター

企画趣旨

 経済活動のみならず、技術開発、コミュニケーション、教育等の様々な社会活動領域において、グローバル化がこれまでになく急速に進展している。その一方でしかし、諸国間に大きな経済的格差や文化的多様性が存在することは、厳然たる事実である。
 そうしたなかにあって、グローバル化した企業は概して、諸国間に経済的格差が存在するという事実に利得のチャンスを見出すとともに、文化的多様性を障害と見なし、その平準化を要求している。
 そうした企業活動のグローバル化の進展に対する諸国の対応は、必然的に両義的なものとならざるを得ない。すなわち、一方で、グローバル経済の波に乗り、グローバル経済がもたらす果実を手にするための国内体制の整備が推し進められるとともに、他方で、グローバル経済の負の側面に対応するための諸方策や、グローバル経済に対する抵抗への対策も講じていかなければならない。それらの対応の多くは、新たな法律の制定や法制度の創設といった、「法的」な側面を有している。
 グローバル化の進展とそれに対する諸国の対応とに呼応するかたちで、NPOやNGOの活動もまた、グローバルなレベルで活性化している。それらの組織の多くは、グローバル化の進展に伴って不利な立場に追い込まれつつある人々を援助することを、その活動目的としているが、この目的を達成するために、しばしば法的な手段に訴えている。
 これらのすべてが、これまでの法理論や法実務のあり方に再検討を要求している。そして、法実務の新しいスタイルが追求され、それを支えるための新たな法理論の構築が進められている。また、法学教育ないしは法曹養成教育の場においても、グローバル化の進展に伴う法的諸問題に対応しうる人材の育成が求められている。
 本シンポジウムは、そうした状況を踏まえて、グローバル化に伴う法的問題が特徴的に現れているいくつかの領域について、諸国における法実務や法理論の新たな動向を明らかにするとともに、それらを相互に付き合わせることによって、これからの法実務、法学研究、および法学教育に求められるものを多面的に検討することを目的とするものである。
 シンポジウムは、4つのセッションによって構成されるが、それぞれのセッションの課題は以下の通りである。
 まず第1セッション「環境と貿易―地球環境保護と自由貿易体制―」においては、地球環境の保護、すなわち、地球温暖化の抑制、オゾン層の保全、絶滅の危機に瀕した種の保存などを目的として発動される各国の貿易制限措置と、自由貿易を標榜するWTO体制との矛盾抵触を契機として可視化した、環境価値と貿易価値との調整問題を、地球環境の保護のための国際的ないしは地球的な取り組みをも含めて、多面的に考察する。
 第2セッション「経済的弱者の保護」では、国境を越えた労働力の移動や難民にかかわる法的諸問題と、それに対処するための法的取り組みについて、人を送り出す側と受け容れる側との双方の視点を対照させることを通して検討する。
 第3セッション「社会的弱者としての先住民の保護」においては、経済活動のグローバル化に伴い、グローバル・スタンダードに準拠した私法秩序や個人主義的法理念の世界規模での受容が求められる一方で、それと相容れない先住民や少数民族の文化的伝統を保護することも強く求められるという両義的な状況がもたらす法的諸問題を明らかにするとともに、それに対処するための法的な取り組みについて議論する。
 以上3つのセッションにおける検討を踏まえつつ、最終セッションである第4セッション「Academic Lawyersの社会的責任」においては、法学研究および法学教育に携わる者に現在求められている役割やその果たすべき社会的責任について議論する。我が国におけるロースクールの創設が、この文脈のなかでどのような意味を有しているのかが検討されるとともに、諸国における法学教育の新たな潮流が紹介され、それらを踏まえたうえで、これからの法学研究および法学教育のあり方が検討されることになる。
 なお、シンポジウムに先立って、「市民と法律家の新たな関係」と題する一般市民を対象とした公開講演会を7月4日に開催する。公開講演会においては、@大学の法学部もしくは法学研究科が市民へ対してこれまでどのような貢献をしてきたのかを、法律相談を中心として振り返るとともに、法科大学院の創設に伴いそれがどのように変化していくかを論じる講演、A法実務家の視点から見た市民と法律家の新たな関係の発展可能性について論じる講演、B国際比較の観点から見た市民と法律家の新たな関係について論じる講演を予定している。

【7月4日】
  公開講演会「市民と法律家の新たな関係」(2:00-5:00)
   司会:高田 昌宏(日本・大阪市立大学)
   報告:松本 博之(日本・大阪市立大学)
      木村 保男(日本・弁護士)
      Malcolm Smith(オーストラリア・メルボルン大学)

【7月5日】シンポジウム第1日
  企画趣旨説明(9:30-9:50)

  セッションT:貿易と環境―地球環境保護と自由貿易体制―(10:00-12:30)
    コーディネーター:松田 竹男(日本・大阪市立大学)
    報告者:平 覚(日本・大阪市立大学)
        Harold Hohmann(ドイツ・フランクフルト大学)
        Myong-Joon Roe(韓国・韓国外国語大学)

  昼食(12:30-14:00)

  セッションU:経済的弱者の保護(14:00-17:00)
    コーディネーター:国友 明彦(日本・大阪市立大学)
    報告者:桐山 孝信(日本・大阪市立大学)
        阿部 浩己(日本・神奈川大学)
        Klaus Sieveking(ドイツ・ブレーメン大学)
Henry Rojas (フィリピン・National Institute for Policy Studies)

  レセプション(於:ウィステリア、17:30-19:30)

【7月6日】シンポジウム第2日
  セッションV:社会的弱者としての先住民の保護(10:00-12:30)
    コーディネーター:佐々木 雅寿(日本・大阪市立大学)
    報告者:常本 照樹(日本・北海道大学)
        David Schneiderman(カナダ・トロント大学)
        Hedar Laudjeng(インドネシア・弁護士)

  昼食(12:30-14:00)

  セッションW:Academic Lawyersの社会的責任(14:00-17:00)
    コーディネーター:阿部 昌樹(日本・大阪市立大学)
    報告者:高田 昭正(日本・大阪市立大学)
        Malcolm Smith(オーストラリア・メルボルン大学)
        賀 衛方(中国・北京大学)
        Jefferson R. Plantilla(フィリピン・弁護士)

  閉会挨拶(17:00-17:30)


UP:20030615
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