■全国公的介護保障要求者組合の厚生大臣に対する要望書 要望書   山下厚生大臣殿 1992年4月30日 全国公的介護保障要求者組合 委員長  新田 勲 書記長  高橋 修 連絡先 東京都田無市本町4ー16ー7第二西武マンション105 TEL0424(62)5999  貴省におかれましては,福祉行政の発展にご尽力いただきまして有難うございます。ここ数年,ゴールドプランの策定など,福祉行政の推進という点で,貴省と私たちの間に共通認識をつくりやすい条件が整いつつあると考えています。  昨年の10月に重度障害者が地域に自立生活する為の介護保障,最大24時間介護を前提にした新しい介護制度を要求しました。また,同時にヘルパーの増員・身分保障と,実生活に基づいたヘルパー制度の充実を要求しました。新しい介護制度については,内部検討するという事で交渉の時間が終わりましたが,ヘルパーの事については具体的にはまだ何も話されてはいません。  厚生省は3年前,ヘルパー制度の改正と同時にヘルパーの人数を5年後には10万人体制にするという報道をしました。厚生省もこの間,ヘルパーの人数を増やそうといろいろな施策たてて通達(社更255・260号等)を出しているもののいっこうに在宅障害者が,自立できるまで派遣されていません。  厚生省は,高齢者を老人ホームから在宅へという意向ですが,高齢化が進み一人暮らしや寝たきりの高齢者が増え続けている現在では,厚生省がヘルパーを10万人体制にするといっても,高齢者がそんな状況である限り,ヘルパーが増えても当然高齢者介護に回され,いくら増やしても焼け石に水です。そこで必然的にヘルパーは,障害者の方には回って来ません。  また,厚生省は,8年前にヘルパー制度を改正し,民間委託を導入しました。同時に,週2〜3回の派遣から週18時間を上限とする通達を出しました。  ところが8年たった現在でも週18時間の通達は守られていません。それより高齢者への派遣が多くなり,障害者への派遣回数が2回から1回に下げられています。  この現状について今までの交渉の中で幾度も提起してきましたが,一向に変わらず障害者の介護は厳しい状況に立たされる一方です。この厳しい状況はヘルパーが10万人になったとしても変わりません。  これ迄,このヘルパー問題については貴省とも話合いをしてきましたが,ヘルパーが増えたなという実感が沸きません。また,ヘルパーの介護内容では制限があるし,同性介護の問題もあって,重度障害者の24時時間介護に対応するのは到底不可能です。しかし,この厳しい現状を変えていくにはヘルパー制度の枠を拡大して対応して頂くしかありません。  現在,東京の三多摩地区では自治体のヘルパーの人材が少ないのと,重度障害者の介護はヘルパーでは対応できないという理由で,障害者の介護人を家政婦協会や市に登録してヘルパーとして認めているところが数市あります。しかし,それは公ではなく,今の段階ではその市の裁量によってそうなっているだけです。  そこで,今あるヘルパーの制度を拡大して,障害者の介護に入っている介護者をヘルパー制度の枠にいれ,公の行政機関として厚生省に登録ヘルパーを認めてもらうしかありません。登録ヘルパーとして認めることでいろんな問題(男性ヘルパーの問題と人材不足の問題等)が解決すると思います。  この登録ヘルパーは,どのようなやり方で認めていくか,今後の問題はありますが,今現在,自立している障害者は,ヘルパーは増えない,介護者もいないという厳しい状況におかれていて,早急にその状況を救済する必要があるのです。この事を踏まえた上で検討してください。最後に,24時間介護保障制度を基本に置くことは言うまでもありません。