「生活支援員」という新制度が99年10月から実施
「生活支援員」という新制度が99年10月から実施
(政策研98資料集記事より)
介護保険制度の要介護認定が始まる99年10月に合わせて、知的障害者、精神障
害者、痴呆性高齢者の権利擁護を目的とした新制度が始まる。(厚生省は約10億円
の予算要求をしている)
実施主体は全国47ヵ所の都道府県社協で実際の業務は365ヵ所市区町村社協等
に委託される見通し。「生活支援員」が行う内容としては、福祉サービス等の利用援
助や日常的な金銭管理サービスなどが考えられている。下の図1の(B)にあたる部
分がこの新制度にあたる。
法律行為 事実行為
成年後見制度
法定後見
任意後見制度
○財産に関する法律行為
○財産管理
(A) (B) (C)
○アドボカシー機能 ○ケアマネ
○法律行為 ・サービスに関する利用援助 ジメント
一定の ・サービスの実施状況の見守り ○介護等の
範囲内 ・本人利益の代弁 直接サービス
○日常的金銭管理
ここでいう日常生活支援
(社会福祉分野における権利擁護制度)
← (1案) →
← (2案) →
この制度は現在まだ検討中だが、既にいくつかの問題点が指摘されている。
1 この制度の中核に位置付けられている「自立生活支援専門員(仮称)」が「施設
か在宅かの判断」などを含めた非常に大きな権限を持つ可能性があること。
2 実施主体や委託先が社協になる可能性が高く、権利擁護とは逆に、第2の行政的
な役割を社協が果たしてしまう危険性があること。
3 「生活支援員」を利用する費用は利用者負担とされている。本来日常的な生活支
援や金銭管理などのサービスは、公的な費用でヘルパーや介助者、サポーターなどの
形で保障されるべきものである。
ヘルパー制度の対象者を、重度の知的障害者のみではなく、軽度の障害者にも拡大
することや、ガイドへルパー制度を新設すること。精神障害者のヘルパー制度を本格
実施すること。10億円の予算は当然こちらから先に使われるべきである。
REV: 20170131