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要望書:
介護保険の介護給付と生活保護の他人介護料特別基準の関係について




厚生大臣殿
社会・援護局保護課
要望書
平成10年12月14日
全国障害者介護保障協議会

介護保険の介護給付と生活保護の他人介護料特別基準の関係について

 貴職・保護課におかれましては、障害者の介護施策の推進にご尽力賜りありがとう
ございます。
 介護保険が開始になる平成12年度以降、介護保険の対象になる障害者で、現在、
生活保護の他人介護料特別基準大臣承認を利用している単身等の全身性障害者の生活
が困らないようにお願いします。
 細かいケースを2ケースに分けて説明いたします。
(介護保険のヘルパー時間は最も要介護度が高い場合で毎日1.5〜3時間と予想さ
れていますが、ここでは3時間と仮定します)

@ケース1
ヘルパー制度が毎日10時間まで受けられるX市の
全身性障害者Aさん(毎日16時間要介護)の場合


       要介護時間数=16時間

今   ヘルパー制度        生活保護の他人介護料大臣承認  不足
    10時間          4時間分    2時間

平成  介護保険の  ヘルパー制度 生活保護の他人介護料大臣承認  不足
12年 ヘルパー   7時間  4時間分    2時間
    3時間

 この「ケース1」は障害者の現状のヘルパー制度が介護保険のヘルパー水準よりも
多い自治体の場合です。上記のように、現状で毎日14時間(ヘルパー10+生活保護
他人介護4)の介護制度が受けられています。他人介護料特別基準が仮に受けられな
くなると、毎日10時間しか保障されなくなるため、
介護制度が切り下がってしまい、国会の付帯決議に違反します。

Aケース2
ヘルパー制度が毎日1時間まで受けられるY市の
全身性障害者Bさん(毎日12時間要介護)の場合


        要介護時間数=12時間

今   ヘルパー制度 生活保護の他人介護料大臣承認 介護不足
    1時間    4時間分   7時間

平成  介護保険の   生活保護の他人       介護不足
12年 ヘルパー     介護料大臣承認       5時間
    3時間     4時間分


 「ケース2」は障害者の現状のヘルパー制度が介護保険のヘルパー水準よりも少な
い自治体の場合です。上記のように、現状で毎日5時間(ヘルパー1+生活保護他人
介護4)の介護制度が受けられています。他人介護料特別基準が仮に受けられなくな
ると、毎日3時間しか保障されなくなるため、切り下がってしまいます。また、以下
の理由で他人介護料特別基準大臣承認は継続すべきです。

 障害保健福祉部では、「介護保険の介護の対象(入浴・食事・排泄・着替えなど)
よりも、障害者施策の介護の対象は広い(社会参加の支援・援助のための介護の部分
を含む)」と大まかな方針を立てています。また、障害者施策のヘルパー等介護制度
は、派遣時間数の上限の設定のある介護保険とは違い、「長時間必要な人は長時間派
遣し、逆に15分でいい人には15分」「派遣時間数の上限を設定している市町村に
は直ちに撤廃するよう指導を」(障害保健福祉部主管課長会議指示事項)という制度
です。

 生活保護の他人介護料は、従来から、各市町村でのヘルパー制度(毎年予算アップ
し伸びている)がまだまだ障害者の要介護時間に達していない場合(生活保護以外の
他法他施策の介護施策をすべて利用しても足りない場合)に受けられる制度であり、
その原則は、介護保険が始まっても変わらないはずです。
 一部の市ではヘルパー等の介護制度で毎日24時間を上限とする介護制度にまで伸
ばしてきたところもあり、その市では24時間要介護の障害者も、生活保護の他人介
護料を受けなくても済む様になってきています。全市町村でこのように、ヘルパー等
の他法他施策が充実するまでは、生活保護の他人介護料大臣承認と介護保険のヘル
パー給付は両方とも利用できるように要望します。 以下、要望します。
要望
1.介護保険が開始になる平成12年度以降、介護保険の対象になる障害者で、現
在、生活保護の他人介護料特別基準大臣承認を利用している障害者の介護制度利用時
間が引き下がらないように、他人介護料特別基準大臣承認も引き続き利用できるよう
にしてください。
2.介護保険のヘルパーを受け始めることで「利用できる介護時間」が現在よりも増
えたとしても、まだその障害者にとって「介護不足時間」が生じる場合、他人介護料
特別基準大臣承認の利用を引き続き認めて下さい。

 ※以上は、1998年12月14の交渉時に出したもう1つの要望書(介護保険との関係)
  です。なお、介護保険の給付水準が決まる来年度に保護課でも検討が始まりま
  す。


REV: 20170131
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