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札幌市の介護制度交渉の状況

在宅介護支援センターの連絡会議において市が自選ヘルパーの実施例を紹介
ほか
自立生活サポートネットワークの通信より転載させていただきました。

『介助保障ニュース』 NO.6   札幌市公的介助保障を求める会
市内で二人目の自選ヘルパーが採用されました

 昨年10月から札幌市で初めての自選ヘルパーが誕生しましたが、5月下旬より二人
目の自選ヘルパーがスタートしました。スタートしたのは白石区のH在宅介護支援セ
ンターです。
 現行のホームヘルプ事業では、全身性重度障害者の個別のケアニーズには対応でき
ません。脳性マヒで言語障害を持つ人のコミュニケーションや、全身性障害者で体位
交換や寝返りなどミリ単位の介助技術を習得するためには、少なくとも数カ月あるい
は半年以上の期間を必要とします。今のホームヘルプ事業では、各委託先によって数
カ月でヘルパーが交代するため、とうてい利用者のケアニーズを満たすサービスには
なっていないのが現状です。
 札幌市では一般の主婦等がヘルパー登録できる制度がなく、全身性障害者(利用
者)が推薦した自選ヘルパーは、各委託先との間に雇用関係を結び、ヘルパーとして
採用してもらわなければなりません。
 また、いくらホームヘルパー2級の資格をもっていても、全身性重度障害者のケア
には、個別性というものがもっとも大きく、資格をもちながらも個々の利用者の介助
に手慣れていなければ、事故にもつながる危険性をもっています。現に少なくない事
故も発生しています。
 そこで、あらかじめボランティア等で利用者の介助の経験をもち、すでに利用者個
別の介助技術を習得している介助者を、その利用者専属のヘルパーとして推薦し委託
先に採用してもらう方法が「自選ヘルパー方式」です。
 この方式については、札幌市障害福祉課でも、「委託先の在宅介護支援センター等
がそういった方式がとれるのであれば、より全身性重度障害者へのホームヘルプサー
ビスの向上につながる」という見解を示しています。
 現在も、市内で「自選ヘルパー方式」を望む全身性障害者は増えていますし、実際
に「自選ヘルパー方式」を採用する委託先も増えてくることでしょう。
 これからもひとつひとつの委託先に、私たち全身性障害者のケアのニーズを理解し
ていただき、「自選ヘルパー方式」を採用していただくよう働きかけていきたいと考
えています。
 札幌市障害福祉課への要望は、引き続き来年度にむけてのよりいっそうの介助保障
の充実を求めています。特に、今年度から厚生省の委託基準が「人件費補助方式」か
ら「事業費補助方式」に変わったことを受けて、入浴介助の時などのヘルパーの複数
派遣の取扱について要望を上げています。
 これは、例えば1時間の入浴介助の際、ヘルパーを2人派遣したとすると、今まで
は2時間の派遣時間として換算され、週24時間の派遣限度枠からその分を差し引かれ
ていましたが、「事業費補助」になると、利用者側からみた活動時間となり、2人で
入浴介助をしても活動時間は1時間で換算するというものです。以下は、厚生省の
「ホームヘルプサービス事業実務問答集事業費補助方式」からの抜粋です。

複数派遣の取扱について
 Q:数人1組で派遣を実施した場合でも、1時間であれば1単位と考えるのか。
 A:事業費補助方式においては、補助単位の判断基準はあくまでもサービス利用
者側からみた活動時間であり、何人で行ったかは関係ありません。
 なお、利用者の状況、サービスの内容等から、複数派遣する必要性があると思わ
れる場合の取扱いについては、あらかじめ都道府県と十分協議して下さい。
(以下省略)

 現在、札幌市は「事業費補助方式」に変更したにもかかわらず、この複数派遣の
取扱いについては、まだ実施をしていません。早急に高齢化対策課と障害福祉課で
協議して実施に踏み切るように求めています。
 今のところ週に一回の割合で、障害福祉課に出向いています。障害福祉課からは
「こんなにたびたびこられても、仕事の邪魔になり迷惑だ」と言われるのですが、
全身性重度障害者の介助保障は、文字通り生命がかかっている問題なので、めげず
に交渉を継続していきたいとメンバー全員で励ましあっています。


『介助保障ニュース』 NO.7  札幌市公的介助保障を求める会
市障害福祉課との98年度第1回定期交渉の報告

■来年度にむけてガイドヘルパー制度の拡充を要望しました

 今年度に入り、断続的に市役所へ出向き要望をしてきましたが、7月7日によう
やく日程の調整が行われ、今年度最初の定期交渉を行いました。障害福祉課の出席者
は、課長、係長、主査です。当会からは、高山好実、佐藤きみよ、佐藤正尋、花田貴
博、藤井雅之、岡本雅樹、安岡菊之進の7名が参加しました。
 冒頭、「求める会」の代表が藤井雅之から高山好実に変わったことを伝え、代表の
高山が挨拶をしました。
  「求める会」では、来年度の最重点要望項目として、ガイドヘルパーの改善を提
案することになり1時間余りをガイドヘルパー制度について協議しました。
 当会参加者からは、「現行の時給625 円ではヘルパーの確保ができない。もう何人
目かの自選ガイドヘルパーを登録している」「1回派遣時間が4時間では、ゆったり
とした外出なんてできない。特に雪の多い冬道では街中まで行くのに地下鉄を乗り継
いだら1時間半はかかる。目的地の滞在時間はせいぜい1時間が限度だ」「障害者の
自立と社会参加を図るならば、ハード面のバリアフリーだけでは不十分。ガイドヘル
パー制度(略してガイヘル)の拡充は必要不可欠だ」「月に10回の派遣ではとうてい
社会参加なんてできない」
「ホームヘルパーの厚生省基準単価が1400円程度、札幌市の全身性重度障害者介護料
助成制度でも960 円。それに比べてもガイヘルの時給単価は低過ぎる。同じことを
やっても制度によって時給単価が違うので、自選したガイドヘルパーからは不平等感
さえ聞こえてくる」というような問題点を挙げ、ガイドヘルパー制度の時給単価、派
遣回数、1回の派遣時間を大幅にアップするように要望をしました。
 これに対して課長は、「みなさんの要望の主旨は理解している。時給単価について
は、安いという思いをもっている。10月ころには来年度の予算編成の概算要求がかた
まっていくので、障害福祉課としては他のさまざまな制度の拡充の中で、何を最優先
にしてやっていくか検討した上で、考えていきたい」と返答しました。
 「求める会」では、10月の来年度予算概算要求にむけて、さまざまな働きかけをし
ていく予定です。今回の定期交渉では、その他いろいろと収穫もありました。

■ホームヘルパーの複数派遣が利用者からみた活動時間となりました

 今年度から厚生省の委託基準が「人件費補助方式」から「事業費補助方式」に変
わったことを受け、98年度から入浴等の複数派遣が利用者からみた活動時間となりま
した。しかし、5月の時点では、まだ札幌市では実施していませんでした。「求める
会」では今年度に入ってから何度もこのことについて要望し、障害福祉課と高齢化対
策課と協議してほしいと申しいれてきました。
 今回の交渉で、大沢係長から、すでに各区のサービス1係長会議で指示確認を終え
ており、7月1日付で実施されることになったことが明らかになりました。これはほ
んとうに大きな前進です。次のように利用時間が変わります。

 ※例えば、週3回入浴をする全身性障害者の利用者Aさんの介助時間が 1.5時間
  で、ヘルパーが2人派遣されていた場合…

 改正前の週あたりの入浴の利用時間
 1回1.5 時間×ヘルパー2人×週3回=9時間
  ⇒
 改正後の週あたりの入浴の利用時間
 1回1.5 時間×週3回=4.5 時間

となります。つまり、ヘルパーが何人派遣されても、その人数は関係なく、利用者側
からみた介助時間となるのです。 ですから、利用者Aさんの場合、週あたりの介助
時間が実質的に4.5 時間アップしたことになります。

 さっそく、みなさんのホームヘルパーが派遣されている在宅介護支援センター、
サービス協会等のコーディネーターにかけ合って見て下さい。詳しいことは当会まで
ご連絡下さい。

■近く開かれる市内の在宅介護支援センターの連絡会議において、障害福祉課の主査
が、自選ヘルパーの実施例を紹介することになりました!

 これも大きな前進です。かねてから「求める会」で、市内のホームヘルプ事業の委
託先に対して、もっと自選ヘルパーを進めるように、障害福祉課からの指導をしてほ
しいと申し入れていたのですが、これがようやく実現しました。
 現在、市内では全身性障害者2人が、自選ヘルパーを採用させていますが、これに
よりいっそうの弾みがつくことでしょう。今、3人目の自選ヘルパーの交渉をやって
いる最中です。
 3人とも当会の会員です。全身性障害者で、自選ヘルパーを各委託先に採用させた
いと思っている方は、ぜひご連絡下さい。
                  連絡先 TEL(011)852−9747
                    自立生活サポートネットワーク気付
                    札幌市公的介助保障を求める会まで

編注:お問い合わせはかならず、札幌市公的介助保障を求める会まで。札幌市へ直接
問合せは控えてください。どうしても必要がある場合は札幌市公的介助保障を求める
会にまず連絡してください。


REV: 20170131
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