HOME >

介護保険の新情報@




介護保険の新情報@

40歳から64歳までの「加齢による障害」で、介護保険の対象になる特定疾病の種
類の候補が決まりました。
 審議会の部会で候補が決まったところで、今後、厚生省から出る政令で確定します
が、候補に上がったものはほとんど対象になることが予想されます。
 下記の疾病の各患者会・家族会などが、活発に介護保険に適用するように厚生省に
働きかけた結果でもあるようです。家族が介護している障害者は、現在週2回程度し
か介護制度を受けられていないので、介護保険で毎日3時間程度(ホームヘルプ・デ
イサービス等の)介護が受けられるようになり、今よりも家族が楽になります。
 
 ところが、問題もあります。この候補の中にある障害を持つ人で、パーキンソン、
リウマチ、脊髄小脳変性症などの全身性障害者で、現在、自立生活をして毎日8〜2
4時間の介護制度を受けている人もたくさんいます。これらの長時間の介護制度を現
在受けている人々が、介護保険の対象になると、1日3時間の介護しか受けられなく
なってしまいます。(注:介護保険のヘルパー単価は1時間3000円以上。月の上
限は=30万円程度。3時間×3000円×30日=約30万円)。介護保険の対象
になると、現在の公費のヘルパー制度等は受けられなくなります。(但しガイドヘル
パーは介護保険の対象制度でないので、介護保険とは別に受けられます)
 65歳以上の全身性障害者も同じく介護保険で「制度がきり下がる」問題があり、
これらの問題を解決するために、現在当会では厚生省との話し合いを行っています。

特定疾病「候補」一覧

含まれる疾病
疾病の特徴
備考
推計要介護者等数(万人)

初老期の痴呆
アルツ八イマー病・ピツク病・脳血管性痴呆・クロイツフェルトヤコブ病等
65歳未満で発症し、痴呆を来す疾患をすべて含み、基礎疾患を問わない症候群、初
老期に発症し、痴呆を主症状とする脳の一次性変性疾患である初老期痴呆の他、脳血
管障害、プリオン病、感染性疾患、中毒性疾患、腫瘍性疾患等を含む疾病群。
「初老期痴呆」は、脳に原因不明な変性が認められる一次変性疾患でアルツ八イマー
病、ピック病等か含まれる。なお、クロイツフェルト・ヤコブ病は特定疾患治療研究
事業対象疾患。
0.6

脳血管疾患
脳出血・脳梗塞 等
脳血管の病的変化により神経症状をもたらす疾病群。脳血管の血流障害により脳実質
が壊死を来す脳梗塞、脳血管の破綻による脳出血、クモ膜下出血等があり、意識障
害、運動障害等を起こす。
6.2

筋委縮性側索硬化症(ALS)
運動を司る神経細胞が変性、消失していくために、手足の脱力に始まり、呼吸や嚥下
に必要な筋を含む全身の筋肉が委縮していく疾病。
特定疾患治療研究事業対象疾患
0.2

パーキンソン病
安静時振戦、仮面様顔貌、歩行障害、筋固縮等の運動障害を来す神経変性疾患。
特定疾患治療研究事業対象疾患
0.9

脊髄小脳変性症
運動をスムーズに行うための調整を行う小脳、及びそれに連なる神経経路の変性が、
慢性に進行性に経過するためにおこる運動矢調(協調運動障害など)を主症状とす
る、原因不明の神経変性疾患。
特定疾患治療研究事業対象疾患
0.4

シヤイ・ドレーガー症候群
起立性低血圧を中心に、排尿障害、発汗低下など自律神経症状が潜行性に進行し、小
脳症状、パーキンソン病様症状等の中枢神経症状が加わって、進行性に経過する神経
変性疾患。
特定疾患治療研究事業対象疾患
0.0

糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害
糖尿病に慢性に含併する割合の高い疾病、それぞれ、腎不全、失明、知覚障害等、重
篤な経過をたどりうる。
糖尿病のその他の含併症として重篤なものである血管障害は「閉塞性動脈硬化症」に
含まれる。
2.2

閉塞性動脈硬化症
動脈硬化症による慢性閉塞性疾患で、間欠性跛行が初発症状であることが多く、病変
が高度になると安静時痛、潰瘍及び壊疽が出現する。
0.2

慢性閉塞性肺疾患
肺気腫・慢性気嘗支炎・気管支喘患・びまん性汎細気管支炎
気道の狭窄等によって、主に呼気の排出に関して慢性に障害を来す疾病。
0.6

両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
変形性関節症とは、老化により膝関節の軟骨に退行変性が起こり、骨に変形を生じて
関節炎を釆す慢性の疾病。0脚や肥満が誘因となることが多く、中年の女性に多い。
1.0

慢性関節リウマチ
自已免疫性疾患の一つと考えられ、進行性の慢性に経過する多発性の関節炎を来す。
関節のこわばり、腫脹、痩痛等を起こす。終局的に関節拘縮、関節強直を呈して日常
生活動作が著しく障害される難治性疾病。
悪性関節リウマチは特定疾患治療研究事業対象疾患
1.1

後縦靱帯骨化症
脊椎の後縦靱帯に異常骨化により、脊髄又は神経根の圧迫障害を来す疾病で、頸椎に
多い。上肢のしびれ、痛み、知覚鈍麻等か進行する。
特定疾患治療研究事業対象疾患
0.4
脊柱管狭窄症
脊髄の通り道である脊柱管が老化等により狭窄することによって、神経が圧迫され、
腰痛、足の痛みやしびれ、歩行障害等を来す疾病。
広範脊柱管狭窄症は特定疾患治療研究事業対象疾患

0.0
骨粗霧症による骨折
骨粗鬆症とは、骨組織の組成は正常であるが、単位体積あたりの骨の量が減少した状
態を呈する症候群をいい、老化等による内分泌の不調等によるものが多い。骨折部位
は、前腕部や、大腿骨頸部、腰椎等の骨折が多く、閉経後の女性に多い。
骨粗鬆症があって外力(事故等を含む)によって骨折した場含も含む。
0.2

早老症(ウエルナー症候群)
年齢のわりに早期に老化に似た病態を呈する症候群。白内障、白髪、脱毛、糖尿病、
動脈硬化等の早老性変化が見られる。
0.0

右端欄は平成5年、8年患者調査および平成7年国民生活基礎調査等に基づき推計


REV: 20170131
障害者自立生活・介護制度相談センター 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)