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6月8日 厚生省交渉(ケアガイドライン)報告




6月8日 厚生省交渉(ケアガイドライン)報告
 
背景説明
 厚生省の身体障害者ケアガイドライン(9年度から身体障害者介護等サービス体制
整備支援試行的事業に改称)については、当会とDPIが、専門家主導のものになら
ないように昨年交渉しました。その後、DPI関係者の当事者2人(JIL常任委員
の中西氏、障害連の三澤氏)が、ケアガイドラインの最終案を作成する、厚生省の
「身体障害者介護等サービス体制整備検討会」に入りました。9年度事業では計4回
の検討会があり、この5月に最終検討会を終えました。介護制度の利用者である当事
者側の積極的なかかわりによって、身体障害のケアガイドライン最終案には自立生活
運動の当事者側の意見が数多く導入されました。ただし、事前に「サービス量に関す
る論議は(上部の部会にあたる)精神・知的・身体の3審議会の合同部会で行うので
下の分科会ではその話はしない」ということにされてしまいました。
これで、9年度委員会は解散し、今後、10年度は、6月9日より10年度の委員会
(身障部会)が始まりました。10年度はケアマネージャーの養成プログラムが中心
に検討されます(少なくとも事務局である厚生省はそう考えている)。身障部会や知
的障害・精神障害部会での検討が終わると、(上部の部会にあたる)精神・知的・身
体の3審議会の合同部会が召集され、3障害のガイドラインの最終案の調整が行われ
ます。
 10年度の上部の部会には、前年同様、介護制度を長時間使っている当事者は入れ
ないという観測でした。
 
昨年の交渉の確認
 昨年の障害福祉部企画課との交渉で、都道府県の検討会を行うにあたって、ケアマ
ネージメントの話に入る前に、先にサービス水準の調査・検討を行うように、追加の
係長事務連絡(文書)を都道府県あてに出すとの約束ができていました。(これは、
今も多く残っている、「週2回のヘルパー派遣が上限となっている地域」で、先にケ
アマネージメントが検討されたら、この低い水準に無理やり合わせたものしか出来上
がってこないからです。ケアマネージメントの検討より先に、サービス量の水準の調
査やニーズに合った総量を検討することで、この制度を利用して、地域の介護サービ
ス水準を底上げすることができます)。
 ところが、企画課はこの係長事務連絡(文書)を都道府県あてに出すとの約束を守
りませんでした。私たちは、都道府県に対する「先にサービス量の検討を」という企
画課との合意は、厚生省段階の検討会でも同じ考え方がほぼ確認されたものだと考え
ます。私たちは、企画課とは、信頼関係にもとづく協力関係での話し合いを望んでき
ましたし、協力してサービス水準を整備するためのきわめて現実的な提案も行ってき
ました。そこで、このような明白な約束違反は、言語道断だということで、今回の交
渉途中に責任者を呼んでくるように求め、新任の課長補佐を呼び出しました。
 
交渉結果
 このあと、昨年からの約束である、「サービス量の検討をケアマネージメントの検
討より先に行うよう」実質的な執行の保障を求めました。当会からの「では、約束し
ていた事前のサービス水準の検討はどこで行われるのか」との質問に、企画課の課長
補佐は、10年度事業の親部会(3障害の合同分科会)で行うと答えたため、「で
は、その検討をする委員に介護制度を毎日長時間使っている当事者委員がいないのは
なぜか」と、問い詰めていきました。たとえば、「週2回のサービスで足りています
よ」という委員がいたら、サービス量が不足しているという検討はされません。そこ
で、サービス量が「足りています」という委員は大勢いるのだから、バランスをとる
ために、「足りません」という当事者委員を親部会に2人以上、子部会に3人以上入
れるように要請しました。
 これに対し、企画課内で検討が行われた結果、親部会に1人、子部会に2人という
ことで決着しました。
(上部の部会にあたる精神・知的・身体の3審議会の合同部会に当会から人選して1
人、下の部会にあたる身障部会にも2人の当事者が入れることになりました)。最重
度の障害を持つ自立生活運動の関係者が国の審議会(上部の部会)に参加するのは戦
後初めてのことで、今後、同様の審議会にも自立生活運動の関係者が出席することに
なることが予想されます。
 
 今後の情報は、逐次紙面でお伝えします。
 協議会の交渉団体会員の方で、交渉等に詳しい情報が必要な方は、お電話でお問い
合わせください。また、交渉の詳しい資料もあります。(協議会の交渉団体会員限
定)


REV: 20170131
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