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10年度主管課長会議資料 特集




10年度主管課長会議資料 特集

厚生省の「いわゆる自薦についての指示文書」が、わかりやすく書き換えられまし
た。

 3月12日に厚生省で毎年恒例の障害保健福祉主管課長会議が開かれ、全国の都
道府県・政令指定都市・中核市の障害福祉担当課長が集まりました。会議では、課
長会議資料が配付され、それを元に厚生省の10年度の施策の方針が説明されまし
た。
 この資料の指示事項として、例年掲載されている「ホームヘルパーの(いわゆる)
自薦を認めますよ」という意味の部分は、今年度、以下のように文章が改善されま
した。

 イ 訪問介護員の確保に当たっては、(中略)障害の特性に対する理解や利用者
 との間におけるコミュニケーションを必要とすること、【同性の介護員の確保等
 の観点から、在宅の障害者等の介護経験】を有する者の活用を積極的に図る等、
 障害専任の訪問介護員の確保に努めること。    
 (【】内が今年改善された部分)
 (当会が交渉および事務折衝を行い、「同性介護員の確保」や「在宅介護経験」
 等の文章を入れることができました)。

初めて同性ヘルパーの必要性も指示

 今回はじめて同性ヘルパーの必要性が書かれました。これを使えば、ますます自
薦の交渉が簡単になります。

 従来の文章では、自治体が「障害者施設の元職員を常勤ヘルパーに確保すると言
う意味ですか?」といった誤解をするケースなどがありましたが、今年度の文章で
はかなり誤解の可能性が少なくなりました。この文章を市の課長などに見せながら、
以下のように文書の説明、説得をしてください。

 1.全身性障害者など重度の障害者には一人一人障害に特性があって、介護方法も
 千差万別であり、たとえ介護福祉士などの資格を持っていても、その障害者の長
 期の介護経験がないときちんと介護が行えるわけではない。
 2.言語障害に対するコミュニケーションの技術はその障害者の長時間の介護経験
 がないと身につかない。
B3.厚生省も上記指示文書で指示しているように、男性障害者の入浴・排泄・着替
 え・抱え介護等には男性の同性ヘルパーが不可欠で、市には本来その人材確保の
 責任がある。
C4.「以上のようなことのできる「人材」の確保は、ヘルパー制度の建前では、本
 来市の責任で行われるべきものであり、それを可能にするには、厚生省の指示文
 書にもあるように、すでに在宅の障害者が確保している介護人をヘルパーとして
 確保するしかないでしょ。」・・・・「市の委託先の登録ヘルパー等に確保する
 という方法を多くの市では行っていますよ。」

 このように、順序だてて説得していきます。
 ただし、相手が話を聞く姿勢になっているかどうかよく確認しながら話しをして
ください。聞いてもいないのに、言いっぱなしではだめで、話の間に「ここはわか
りますよね?」とか、「この点は確認できますよね」と相手の様子を探りつつ話し
をしてください。
 上記の1.〜4.の話しの途中で、相手と確認(同意)するポイントは、

 1.ヘルパー制度というのは、派遣対象障害者の介護をきちんとできる人材(ヘ
 ルパー)の確保の責任が市にある制度である。(「この原則は確認できますよね」
 と言って確認を取る)
 2.現状で市はその責任を果たせていない。(「その実態があることは認めてい
 ますよね」と確認)
 3.解決する責任がありますよね。
 4.解決可能ならば、その方法があれば、やらなきゃいけないですよね。

 なお、上記の部分だけではなく、ホームヘルプ事業要綱の本体(7ページ掲載部
分)も合わせて行政に説明しないと、〔自薦〕の説明にはなりません。6・7ペー
ジに掲載した、市町村・県説得用の資料抜粋集最新版をコピーして市町村・県の担
当者と話しをしてください。

 なお、昨年から書いてもらえた以下の文「通知等により指導」の文章を使い、県
に交渉してください。県が市町村に対し上限撤廃等の通知を出すように国から指示
されています。

 ウ 派遣決定を行う場合、【サービス量について上限を設定している市町村に対
 しては、直ちに撤廃させるよう通知等】により指導すること

 これを使い、上限撤廃と、自薦の件、の2点について、同時に通知に盛り込んで
もらい、県から市町村に通知を出してもらってください。昨年は、障害者団体の働
きかけで千葉、埼玉、大阪府で、府・県からの通知が出ました。千葉ではこれを元
に市と交渉し、2市でヘルパーの自薦が実現しました。ぜひ同じ交渉を各地で行っ
てください。

■資料 市町村・県説得用の資料抜粋 最新版
(介護者を登録するときに市町村に説明するのに必要な「厚生省の指示文書」)

◆厚生省平成6年度社会・援護局主管課長会議指示事項より

4 サービスの内容等について
 1. ヘルパーが提供するサービスの内容をめぐって、利用者から次のような
  種々の問題提起がなされている。
   ア 日常生活のニーズに対応したサービスが受けられない。(量の不足)
   イ 身体障害者の身体介護のための体力や技術に欠ける者が派遣される。
   ウ 障害の特性についての理解に欠ける者が派遣される。
   エ コミュニケーションの手段に欠けるため十分な意思の疎通ができない。
   オ 同性ヘルパーを派遣してほしい。
 2. 今後の事業運営に当たっては、こうした利用者の深刻な問題を踏まえその
  改善に努める必要があるが、その際、次のような視点が重要である。
      (中略)
   ウ 重度の身体障害者の中には、身体介護やコミュニケーションに当たっ
    て特別な配慮を必要とする者が少なくない。こうした者への派遺決定に
    当たっては、利用者の個別の事情を十分考慮し適任者の派遣を行うよう
    に努めることは当然であるが、こうした対応が可鮨となるよう実施体制
    について十分な検討が必要であること。この際、身体障害者の身体介護
    やコミュニケーションの手段について経験や能力を既に有している者を
    ヘルパーとして確保するような方策も検討に値すると考えられる。


◆平成10年度障害保健福祉主管課長会議資料より

 1.訪問介護(ホームヘルプサービス)事業について

 イ 訪問介護員の確保に当たっては、(中略)障害の特性に対する理解や利用者
 との間におけるコミュニケーションを必要とすること、同性の介護員の確保等の
 観点から、在宅の障害者等の介護経験を有する者の活用を積極的に図る等、障害
 専任の訪問介護員の確保に努めること。


■資料 市町村・県説得用の資料抜粋 最新版
(介護者を自薦登録するときに市町村に説明するのに必要な「厚生省の指示文書」)
(前ページの主管課長会議資料と、このページの要綱抜粋資料は、両方、同時に市
の課長などに見せて、解説してください。)

 厚生省更生課(現障害福祉課身障福祉係)は、「自薦」を認めるという方針を明
確にするために、前ページのような指示文書を6年度の課長会議で出してくれまし
た。ところが、この文書を見ても、
 「重度障害者の介護技術を有している人をヘルパーとして確保するのはいいが、
推薦してくれた障害者にその人を派遣しろとは書いていない」
という自治体が出てきました。
 当会が、厚生省更生課に相談すると、以下のように解説してくれました。

 「現状の派遣されているホームヘルパーでは、その重度障害者の介護技術やコミ
 ュニケーションの技術を有していないという理由で、その障害者が、自分の介護
 を行っている人をヘルパーに登録するのであれば、その介護者をその障害者にヘ
 ルパーとして派遣するのは当然です。市町村が確保しているヘルパーの中で、利
 用者の障害の状況や意向に1番適したヘルパーを派遣するというのは、当たり前
 のことです。そんな基本的なことはホームヘルプ事業要綱の中で書いています。
 居宅支援事業要綱(平成2年社更255号)の基本事項第1の4に書いてありま
 す」

と言って以下のように解説してくれています。

「居宅支援事業要綱(平成2年社更255号)の基本事項第1の4には、

 『実施に当たっては、その対象となる障害者の【障害の状況に応じて(略)本人
 の意向】を尊重しつつ、1の目的を達成するために、【最も適切な事業及び便宜
 を選定】(略)実施に努めること』

と書いてあります。自薦が最も適切ならば、そうするのは、当たり前なんです。」
(厚生省担当者談)

 なお、前ページの課長会議資料指示事項が、いわゆる「自薦」のことについて書
いているという事は、(市町村が県を通して)厚生省障害福祉課身体障害者福祉係
の係長に問い合わせれば「そうです」と答えてくれます。


REV: 20170131
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