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全国部局長会議が1月20日に行われました




全国部局長会議が1月20日に行われました

 10年度の厚生省予算(政府原案)も決まり、毎年恒例の厚生省の全国厚生関係
部局長会議が1月20日に行われました。予算や各事業の方針説明(新規事業は詳
しい説明)が行われます。都道府県・政令指定都市・中核市の厚生部門の局長・部
長が集まります。
 なお、さらに各担当課に別れて、詳しい方針説明(厚生省からの指示・伝達)が
行われる「全国主管課長会議」は3月初めに行われます。厚生省障害福祉部の主管
課長会議は3月12日に行われます。
 全国厚生関係部局長会議資料から、関係個所の抜粋を掲載します。なお、全文
(障害福祉部:予算説明付き)はインターネットのホームページで掲載しています。


全国厚生関係部局長会議資料
平成10年1月21日(水)
障害保健福祉部
1 平成10年度障害保健福祉部予算(案)等の概要
(略)
2 障害者プランの推進について

 平成7年12月政府の障害者対策推進本部(現障害者施策推進本部)は「障害者
プラン〜ノーマライゼーション7か年戦略」を決定した。障害者プランは、平成8
年度から14年度までの7か年を計画期間として関係19省庁における障害者施策
を計画的かつ強力に推進しようとするものである。
 厚生省では、平成9年度における障害者プラン関係予算として約2,246億円を、
更に平成10年度予算案においても財政状況が極めて厳しい中、約2,378億円(対前
年比105.9%)を確保して、障害者プランの着実な推進を図ることとしている。
 障害者プランを具体化していくためには、各地方公共団体において、具体的な数
値目標を設定した障害者計画の策定等により、計画的に施策を推進していくことが
必要であるが、都道府県・指定都市における数値目標を設定した障害者計画の策定
状況は未だ5割にとどまっており、また、総理府の調査によると平成9年3月末現
在における市町村での障害者計画の策定は17.9%であり、数値目標が盛り込ま
れているのは更にその18.6%にとどまっている状況にある。
 未だ数値目標を設定していない都道府県・指定都市においては、「厚生省関係障
害者プランの推進方策について」(大臣官房障害保健福祉部長通知 平成8年11月
15日障第219号)に示されている具体的な数値目標の項目について、速やかに
数値目標を設定するとともに、市町村に対しては、できるだけ数値目標を盛り込ん
だ障害者計画の策定をするよう、引き続き指導をお願いする。
 また、計画の策定にあたっては、必ず障害者の参画を得て行うとともに、地域の
特性や実状に対応した計画を策定するよう指導をお願いしたい。
 更に、障害者プランでは、保健福祉サービス体系について、市町村域・障害保健
福祉圏域・都道府県域の各圏域ごとの機能分担を明確にし、各種のサービスを面的、
計画的に整備することにより、重層的なサービス体系を構築することとしている。
このため、各都道府県・指定都市においては速やかに障害保健福祉圏域を設定する
ようお願いしているが、未だに4割弱しか設定されていない状況にあるので、障害
者プランの推進を図るためにも早急に関係機関の間で調整し、圏域を設定するよう
お願いする。

3 合同企画分科会中間報告について
(1) 経緯
・障害保健福祉施策は、平成7年12月に決定された障害者プランに基づき推進し
ているが、今後の施策の在り方について、介護保険制度との関連に留意しつつ、特
にその総合化の観点から全般的な検討を行うため、平成8年10月に身体障害者福
祉審議会、中央児童福祉審議会障害福祉部会及び公衆衛生審議会精神保健福祉部会
に企画分科会を設置し、合同で審議を行ってきた。
・小委員会の5回の審議を含め、14回にわたり審議が行われ、平成9年12月9
日に、「今後の障害保健福祉施策の在り方について」(中間報告)として中間的な
とりまとめが行われた。
(2)中間報告の主な内容
 1)障害保健福祉施策の総合化
 ・市町村における保健福祉サービス提供体制の一元化の推進。一方では、市町村
  に対する専門的支援の強化
 ・在宅サービス、施設の三障害間の相互利用の推進
 ・ 障害者種別間でのサービスの整合性の確保
 2)障害の重度・重複化等への対応
 ・夜間の介護体制等による家族の負担の軽減
 ・重度・重複の精神薄弱者のための施設形態の創設の検討
 ・ALS(筋萎縮性側索硬化症)等重度障害者への対応改善
 3)介護保険制度との関連での整理
 ・高齢者と比較して遜色のないサービスを提供するための訪問入浴等の導入の検討
 ・措置制度について利用者本位のサービス提供のための仕組みの検討
 4)障害者の権利擁護
 ・随時対応する相談事業の実施
 ・「精神薄弱」の用語の見直し
(3) 今後の進め方
・中間報告の主要論点についてさらに検討を深めることとしている。また、精神保
健福祉制度の見直しについては別途検討を行うこととしており、平成10年1月を
目途に関係団体等からの要望の取りまとめを行っているところである。障害保健福
祉施策全体について、平成10年の夏から秋頃に最終的なとりまとめを行う予定で
ある。
・なお、今後の検討に当たっては、中央社会福祉審議会における社会福祉事業の在
り方の検討とも整合性の確保を図っていくこととしている。

以下、10年度 部局長会議資料 抜粋

(3)生活等支援事業

ア 市町村障害者生活支援事業   768百万円
80か所 → 120か所
(4)市町村障害者生活支援事業
 この事業は、全ての身体障害者の需要に応えるため、在宅福祉サービス等の利用
援助、社会資源の活用や障害者自身の社会生活力を高めるための支援、当事者相談
(ピアカウンセリング)を総合的に実施することで、障害者の地域生活を支援する
ものである。「障害者プラン」において目標値の設定がなされているが、事業の着
実な推進を図るため、平成10年度予算(案)では、新たに40か所、合計120か所の
実施を予定している。

 障害者プランにおける目標は、障害保健福祉圏域で概ね2か所を整備することと
しているが、この事業の全部又は一部を身体障害者療護施設等を運営している社会
福祉法人等に委託することもできるので、同圏域内の複数市町村による共同実施等
も含めて管下市町村と調整・協議を行い、計画的に整備されたい。


(1)訪問介護(ホ−ムヘルプサ−ビス)事業費(老人保健福祉局に一括計上)
 10,075百万円
・訪問介護員(ホ−ムヘルパ−)の増員 15,500人分 → 24,100人分
(1)訪問介護員(ホームヘルパー)について

・ ホームヘルパーの増員

 本事業の実施については、高齢者を対象とした訪問介護(ホームヘルプサービス)
事業と一体的にその拡充が図られてきたところであるが、障害者プランでは障害者
専用のホームヘルパーとして45,000人(身体障害者・児、精神薄弱者・児、
難病分を含む)を平成14年度までに計画的に上乗せすることとしており、平成
10年度予算(案)では、8,600人増の24,100人分を計上したところで
ある。

 本事業が障害者の自立と社会参加を支える役割を担うためには、障害の特性や多
様な要望に的確に対応できる制度運用面のきめ細かな配慮が重要である。ついては、
実施体制の確保を図る観点から、障害主管部局として管下市町村において必要な増
員が図られるよう強力に指導するとともに、地域の障害者の要望を十分反映する等、
制度の運用に当たっても、引き続き管下市町村に対する指導を徹底願いたい。
(編注:参考)
[高齢者介護サービス基盤の整備]
● 在宅サービス     [9年度]    [10年度]     [整備目標]  
  1) 訪問介護員    151,908人 → 167,908人   (170,000人)  
  (ホームヘルパー) (+16,000人)


1 在宅福祉施策等の充実

(1)日常生活用具給付等事業(老人保健福祉局に一括計上)
(新)ア 電気式「痰」吸引器〈身体障害者・児〉
(新)イ ネブライザー(吸入器)〈身体障害児〉


○ 障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業(身体障害者)  219百万円
5 障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業について

(1)事業の趣旨

ア 地域における障害者の生活を支援し、自立と社会参加を促進するため、公的サ
ービスの量的・質的確保とともに、障害者の多様な需要に対応した総合的サービス
提供体制が必要とされていることから、在宅保健福祉サービスを中心とした介護等
サービス提供支援の事業を試行的に実施する。

イ 介護等サービス提供支援の業務を担う介護等支援専門員等の養成研修を行う。

(2)事業の概要

ア 国レベル
(ア)障害者介護等サービス体制整備検討委員会の設置
(イ)介護等支援専門員養成指導者研修の実施
・各障害分野(身体障害者、精神薄弱者、精神障害者)1県1名程度
イ 県レベル
(ア)都道府県等障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業実施委員会の設置
・試行的事業実施市町村の選定等
(イ)介護等支援専門員養成研修の実施
・各障害分野 7名程度
(ウ)試行的事業の実施
・介護等サービス提供支援を試行的に実施

(3)実施か所数

 身体障害者及び精神薄弱者に係る事業については都道府県等47カ所、精神障害
者に係る事業については5カ所での実施を予定しているので、積極的な取組みをお
願いしたい。


全国厚生関係部局長会議資料
平成10年1月21日(水)
社会・援護局

4 生活保護制度の運営について (保護課)

(1)平成10年度生活保護基準の改定

ア 平成10年度の生活扶助基準については、当該年度に予想される国民生活の動
向を勘案して、従来同様、水準均衡方式により改定することとしている。
 これにより、標準3人世帯の生活扶助基準は0.9%の引上げとなる。

標準3人世帯(33歳男・29歳女・4歳子)
      平成9年度  平成10年度
1級地−1 161,859円   163,316円
1級地−2 154,575    155,967
2級地−1 147,292    148,618
2級地−2 140,008    141,268
3級地−1 132,724    133,919
3級地−2 125,441    126,570

イ 世帯人員別の生活扶助基準については、家計の弾力性に乏しい少人数世帯の特
性や世帯人員別の消費構造の差異を勘案し、一般世帯における世帯人員別の消費支
出の実態に合わせるよう是正を図ることとしている。

ウ なお、生活扶助基準以外の他の扶助基準等については、これらの扶助の性格を
踏まえて各種実態料金の状況等を総合的に勘案し、所要の改善を図ることとしている。

(2)生活保護の動向

 最近の保護動向をみると、全体的な動向としては横ばいから増加傾向に転じ、被
保護人員は平成9年5月現在で約89万人、保護率も平成8年10月以降ほぼ7.1
0/00で推移している。
 また、被保護世帯数は平成5年度より増加傾向で推移しており、平成9年5月現
在で約62万3千世帯となっている。
 保護動向に影響を与える主な要因としては、景気の動向等の経済的要因、高齢化
の進行や核家族化等の社会的要因、他法他施策の整備状況、実施機関の適正実施の
取組等が考えられるが、景気が足踏み状態にあり、また、完全失業率も依然高い水
準で推移していることから、これらの動向を注視していく必要がある。


(3)生活保護の適正実施の推進等

ア 生活保護の適正な運営については、各都道府県、市において格段の御努力をい
ただいているところであるが、引き続き福祉事務所として組織的な対応を図るとと
もに、保護の受給要件の的確な把握、年金・社会保険等他法他施策の活用、きめ細
かな面接相談と実態に応じたフォローアップ等を図り、国民の理解と信頼を失うこ
とのないよう、制度の適正かつ円滑な実施について管下実施機関を指導されたい。


イ 医療扶助については、保護費負担金の約6割が医療扶助費であり、被保護者の
約8割が医療扶助を受給していること、また、保護開始時の約8割が傷病を原因と
していることなどからも明らかなように、本制度における医療扶助の占める割合は
大きく、その適正運営は制度全体に大きな影響を与えている。
 このため、従来からレセプト審査や指定医療機関の指導・検査に御努力いただい
ているところであるが、昨今、医療機関による不祥事が相次いで発生し、国民の不
信を招いているところであるので、今後とも一層の充実強化を図られたい。

ウ 被保護世帯のうち高齢、母子、傷病障害世帯などの要援護世帯の占める割合が
年々増加しており、これらの世帯の実情に対応したきめ細かい適切な処遇を図る観
点から、
1)世帯の生活実態の把握の徹底
2)他法他施策の活用及び関係機関との連携の充実強化
3)研修等を通じた査察指導機能及びケースワーク技術の向上
4)職員の資質の向上
等に積極的に取り組むよう管下実施機関を指導されたい。

(4)生活保護費補助金について



(5)介護扶助の創設について

 介護保険制度の創設に伴う介護扶助の創設を内容とする生活保護法の一部改正に
ついては、昨年12月17日をもって、「介護保険法施行法(平成9年法律第124
号)」として公布されたところである。
 その改正の趣旨は、介護保険制度により、保険給付の対象となる介護サービスに
係る介護需要の充足が国民に権利として保障されることとなること及び当該介護需
要は従前生活困窮者についても老人福祉の措置又は医療扶助により充足されていた
ことにかんがみ、利用者負担を自ら負担できない者についても当該介護需要が充足
されるよう、生活保護制度において、介護保険の給付の対象となる介護サービスに
係る介護需要を最低限度の生活需要と位置付け、保護の対象とするものである。
 現在、介護扶助の実施に係る具体的な事務処理の手続について検討を進めている
ところであり、本年3月を目途にその骨格をお示ししたいと考えている。



8 生活福祉資金貸付制度の運営について(地域福祉課)

(1)制度の効果的運営

 経済的自立と生活意欲の助長促進等を図ることを目的として運営されている生活
福祉資金貸付制度は、平成8年度には、約18千件、約170億円の貸付けを行う
など低所得対策等の中核的な施策として大きな役割を果たしている。
 また、阪神・淡路大震災に際して特例措置を実施する等、生活福祉資金は低所得
世帯等のために極めて大きな役割を果たしているだけでなく、その時々のニーズに
も的確、機動的に対応した措置を講じてきたところである。
 近年の貸付状況を見ると、修学資金は伸びているものの更生資金や住宅資金等は
若干減少している。また、貸付実績等については、各都道府県ごとに格差が見られ
るところである。
 本制度は、世帯の自立及び生活のための援助に役立てるための制度であるので、
その運営を担っている管下都道府県・市区町村社会福祉協議会に対し、制度の積極
的な広報、啓発等を一層徹底するとともに、民生委員をはじめ関係機関等との連絡・
調整を密にし、対象世帯の貸付需要に適切かつ円滑に対応できるよう指導の徹底を
願いたい。


(2)貸付原資の国庫補助等

 平成10年度予算(案)においては、低所得世帯等の資金需要に応ずるとともに、
中国残留邦人等の国民年金特例納付に対応するため、貸付原資の追加を予定してい
るので、各都道府県においても所要の財政措置について特段の配意を願いたい。
 また、貸付対象世帯について、従来、身体障害者世帯及び精神薄弱者世帯につい
て所得制限の撤廃を行っていたところであるが、「障害者基本法」及び「精神保健
福祉法」の成立、また、「障害者プラン」の策定を受けて、精神障害者の社会復帰
の促進及び自立、社会参加の促進等を図る観点から、平成10年度から精神障害者
世帯についても身体障害者世帯及び精神薄弱者世帯と同様に所得制限を撤廃するこ
ととしているので、対象世帯の貸付需要等に適切に対応できるよう、管下都道府県・
市区町村社会福祉協議会及び民生委員をはじめ関係機関等に対する周知及び指導の
徹底を願いたい。


REV: 20170129
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