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特別基準の決定を早めるには、電話が重要
大臣承認特別基準(新規申請)で53日で決定された事例を紹介

 この資料は、93年度の実例ですが、大臣承認介護料を申請した後に、市の保護
課・県の保護課・厚生省の保護課に順次電話かけが必要なのは今も同じです。生活
保護手帳(厚生省の生活保護の実施の方針の通知が収録されている)では、保護の
決定は長くても30日以内に決定しなくてはいけないことになっています。これを
守るように、たびたび電話をかけて言わないと、市や県の保護課担当者は、机の上
に書類を積んだまま、処理を後回しにしてしまいかねません。
 なお、継続申請でも、電話をかけないと、処理に時間をかけられてしまいます。

(93年秋の東京都東久留米市の頓所氏の作成資料)
生活保護他人介護料特別基準が取れるまでの2ケ月
 24時間介護を必要な私は、東京都東久留米市で、93年10月24日から、自
立生活を始めました。
 療護施設を出た理由は、管理されているだけで、当事者の意思など全く無い、一
般社会とは、掛け離れ、隔離された生活に我慢が出来なくなったのです。
 それで、9月31日付けで、施設の措置を解除しました。
 9月27日に、以前施設で外泊許可を取り2回宿泊体験のあった、田無市の自立
生活企画の体験室に、生活保護と介護制度を取るために引っ越し、住民表を移しま
した。
 介護制度は、その日のうちに(ヘルパー派遣、東京都介護人派遣事業)を申請し
ました。又、生活保護も申請しました。
 取り合えずは、体験室で生活しながらアパートを捜していました。介護者捜しは、
求人雑誌デイリーアンで専従介護者等を募集して面接をし、採用しました。
 10月24日に、東久留米市にアパートが決まり、引っ越しました。そこでの引
っ越し費用は、生活保護から(敷金、礼金、手数料、前家賃、家具・食器、布団、
引っ越しの時の移送費)を出してもらいました。
 又、車椅子で生活出来るように東京都基準の住宅設備改善を使い、引っ越し先の
アパートを(玄関、居室、トイレ、浴室)を、改造しましました。
 住宅設備改善では、不足分が出てしまい、社会福祉協議会の生活福祉資金を使っ
て、生保で返済することにしました(全国で使える方法)。
 日常生活で必要な(電話、ベット、ワープロ、電動リフト、電動ハブラシ)を、
日常用具で支給してもらいました。

介護料について
 田無市にいる時は、介護料として(生活保護他人介護料一般基準+ヘルパー制度
15時間+東京都介護人派遣事業=24時間)があったので、特別基準を申請しま
せんでした。しかし当時東久留米市では、特別基準が無いと24時間には足りない
ため、生活保護他人介護料特別基準を申請しました。

以下、東久留米市、東京都、厚生省職員との電話でのやりとり。
 11月5日。生活保護、他人介護料、特別基準申請書を、市役所へ提出。
  頓所  :「現在、介護者に24時間入ってもらっているから、特別基準が
        無いと、介護料が払えないんです。」
 市職員  :「申請書は受け取りました。あと診断書を提出して下さい。市
        としての、書類が揃ったら東京都に上げます。」
   (この後、診断書を医者に書いてもらい、市に出す)
市役所へ数回(3〜4)電話したり、直接行って急ぐよう申し入れる。
     (自分が困っている事を理解してもらう。)
  頓所  :「介護者に、介護料の支払を待ってもらっいるから、早く東京都
        へ上げて下さい。」
 市職員  :「書類が揃えばすぐに、都へ上げます。それまで待って下さい 」
  頓所  :「とにかく、介護者に介護料を待ってもらっているから、急いで
        下さい。」
 11月15日  ◎市職員より、東京都へ書類を上げたことを、電話で確認。
          都へ電話し、保護課へつないでもらい担当者を確認する。
  頓所  :「東久留米市の頓所ですけど、介護者に、介護料を待ってもらっ
        ているので、早く特別基準を認めて下さい。」
 都職員  :「それは、分かりましたが、書類を回してみなければ、却下にな
        か、決定するか分かりません。」
 ◎2日後東久留米市へ行く
  頓所  :「早く、厚生省に上げるように、東京都へ言って下さい。」
 市職員  :「都の方も、急ぐと言っているから、もう暫く待って下さい。」
   都へ電話する。介護者に、介護料を待ってもらっている事を強調する。
  頓所  :「まだ決定しないのですか、いつ決まるのですか。」
 都職員  :「書類を作って、回しています。」
    都へ電話する。
  頓所  :「決定しましたか、いつ決まるんですか。急いで下さい。」
 都職員  :「まだ、終わってません。」
    しつこく、急ぐことを強調する。
  頓所  :「早くして下さい。これ以上介護者に待ってもらえません、私
        の生活が掛かっているんです、とにかく急いで下さい。」
 都職員  :「こちらも、手順があります。」
   都へ電話で、確認。
  頓所  :「決まりましたか。」
 都職員  :「厚生省に上げました。」
    この間、決定が降りるまで、2〜3日おきに、電話をして決定を急がせた。
 12月6日◎東久留米職員より、都知事認可の決定報告を、電話で受ける。

★この時点で知事承認特別基準(93年度月額10万1030円=全国同じ額)が受け取れたことになる。実際に窓口で介護料一般基準との差額をもらったのは12月17日。 申請から32日間で受けられたことになる。



   厚生省へ電話し、保護課へつないでもらう。
  (厚生省の担当は、保護課の保護係長です。TEL 03-3503-1711 内線2826)
  頓所  :「東久留米市の頓所ですけど、現在介護者に、介護料を待っても
       らっているので特別基準の決定を急いで下さい。」
厚生省職員 :「それは分かりましたが、こちらも順番があります。」
  頓所  :「とにかく急いで下さい。」
   2日後厚生省へ電話。
  頓所  :「いつ頃に決定しますか。」
厚生省職員  「来週中には、決定すると思います。」
   数日後、厚生省へ電話。
  頓所  :「決定しましたか。」
厚生省職員  :「まだです。」
  頓所  :「あと、何人ですか。介護料を待ってもらっているんです。介護
      : 料を払わなければ、介護者に来てもらえません。そうなったら
      : 生活出来ません。」
厚生省職員 :「とにかくまだ決まりません。」
  頓所  :「生活保護手帳に、特別基準による費用の設定が事後処理になら
        ないよう厳に留意することと、書いてあります。もう、事後処理
        ですよ。」
厚生省職員 :「とにかく、まだです。」
   数日後、厚生省へ電話したら、当事者へは決定の報告を直接言えないと、
       言い出しました。
  頓所  :「決定しましたか。」
厚生省職員 :「決定は、厚生省から、東京都に、それから福祉事務所に言う事
        になっています。」
  頓所  :「それは、法律上で定められている事なのですか。私自身の事で
        す。私が直接聞くのは、当然の事でしょ。」
厚生省職員 :「とにかく直接は言えません。福祉事務所を通して下さい。」
   東久留米市へ行って、急ぐことを伝える。
  頓所  :「厚生省で、市から都へ上げて厚生省へ上げて下さいと言われた
        ので、とにかく急ぐように伝えてください」
 市職員  :「都知事認可分で、とりあえず介護料を払って下さい。」
  頓所  :「それでは足りません。介護料をずっと待って、もらってるので
      : す。とにかく、急ぐ事を伝えてください。」
      :「決定は、都道府県を通し、区市町村に伝え、そこでやっと当事
      : 者に伝える事に成っている。と、言うのです。」
 市職員  :「私も、都へ言っておきますが、都ももう少し待ってくれと言って
        るから、もう暫く待って下さい。」
厚生省へ電話   
  頓所  :「決定しましたか、あなたは先日、来週中と言ったはずです。」
厚生省職員 :「それは、私がそう思う。と、言っただけです。とにかく答えら
        れません。」
  頓所  :「決定が出ないのなら、生活保護を担当する貴方が介護に入って
        下さい。保護担当だったら困っている人を、放って置けないでし
        ょう。そうするのが担当として当然の事でしょう。」
  職員  :「それは、出来ません。わたしの仕事ではありません。」

★このように、決定が降りるまで、2〜3日置きに電話を入れて、決定を急がせる。  

※1月4日東久留米市役所で、1993年12月28日に「特別基準が決定」
 していた、との報告を受ける。この間、53日で、決定された事になる。


REV: 20170129
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