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介護保険法が12月国会で成立

 〜新聞に載っていない詳しい説明を大特集〜

 

 12月9日に介護保険法・介護保険施行法が国会で成立しました。右ページの新聞の記事に見られるように、もう既にいろいろな動きが急ピッチで始まっています。

 65歳以上の障害者や、65歳以上の障害者に介護派遣している自立生活センターなどは、行政の動きに後れないように今からいろいろな準備が必要です。

(また、こうした機会を捉えて、介護保険関連の市町村計画にかんでおかないと、もし、将来、介護保険が65歳未満の障害者にも拡大された場合、障害者側が主導権を取れず、大変なことになります)

 

 とりあえず、情報を入手しないことには始まりません。介護保険制度の詳細は、今後出される政令省令で決まりますが、現段階で法律で規定されていてわかっていることで、障害者に関係する主なことは、今回の特集で解説してしまいます。

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まずは大まかな説明から
 

介護保険法成立 2000年4月より実施

65才以上の障害者も対象に!

 

1. 利用対象者

 介護保険の利用対象は、次のいずれかの人になります。

(1) 要介護状態にある65才以上の人

(2) 40才以上65才未満の人で、加齢に伴う疾病により要介護状態となった人、つまり要介護状態にある65才以上の人は、選択の余地なく、介護保険の対象者となります。障害者が65才に達した場合、その日から介護保険の対象者となるわけです。

 

2. 保険者は市町村

介護保険法は国の法律であり、今後も2000年までに多くの基準は厚生省が作成していくことになります。

 しかし、法律上介護保険の保険者は市町村となっているため、保険料の設定・徴収、及びサービス水準の決定等サービス提供は、あくまでも市町村の役割となっています。したがって、市町村は国が定める基準の範囲内でサービス提供を行っていくことになります。又、その基準外において、市町村特別給付を行うことができます。

 

3. サービス内容

 介護保険で給付されるサービスの内容は、下記の通りです。

(1) 在宅サービス

  @訪問介護(ホームヘルプサービス) A訪問入浴介護 B訪問介護 C訪問リハビリテーション D居宅療養管理指導 E通所介護(デイサービス) F通所リハビリテーション(デイケア) G短期入所生活介護(ショートステイ) H短期入所療養介護 I痴呆対応型共同生活介護(痴呆性老人向けグループホーム) J特定施設入所者生活介護 K福祉用具の貸与 L介護サービス計画(ケアプランの策定) M特定福祉用具購入費 N在宅(居宅)介護住宅改修費

その他に居宅特例居宅介護サービス費がある。

(2) 施設サービス

 施設サービスでは「介護老人福祉施設」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設」の3つの種類の施設でのサービスが対象となる

 

4.要介護認定

 介護保険のサービスを受けるには、まず、市町村への申請が必要となります。その申請に基づいて市町村が設置する介護認定審査会において、6段階の介護認定が行われます。

 

5.サービス提供機関

 介護保険のサービス提供機関は、都道府県が指定を行います。

 指定の条件としては

(1)法人であること

(2)従業員の知識や技能、人員が基準を満たしていること

 今年の早い時機に成立が見込まれているNPO法(市民活動促進法)によって法人格を得た民間団体(自立生活センターなども可)も職員配置等一定の基準を満たせば、指定を受けることが可能です。

 

6.ケアプラン

 ケアプランについては、利用者本人の希望により、在宅サービスの一貫として、1割の事故負担なしで作成を依頼することができます。利用者本人がケアプランの作成を希望しなければ、ケアプランは作成されないことになります。

 

7.生活保護法との関係

 2000年に介護保険が始まると、生活保護の中に「介護扶助」という新たな項目が作られる見通しです。したがって、生活保護受給者については、介護保険の保険料、介護保険サービス利用料の1割負担部分が生活保護の中から新たに支給されることになります。

 このため、同じ生活保護の中で、介護に要する費用として支給される「他人介護加算(特別機順)」をそのままの方針で残せるかどうかが検討されています。

 

 

次に、 項目ごとの細かな説明
 

ヘルパー2010年度に56万人

 厚生省は介護保険を前提として、ヘルパー2010年度に56万人の計画を立てている。ゴールドプランで10万人、新ゴールドプラン+障害者プランで99年度に20万人の計画であったから、大幅なアップの計画。

 

介護保険事業計画

 現在の各市町村での長期計画「老人保健福祉計画」(新ゴールドプランの一環。2000年度頃まで)の続きの計画との位置づけで、「介護保険事業計画」を市町村が策定することになった。(「介護保険事業計画」の範囲は保険外サービスの計画を含まないので、「老人保健福祉計画」第2版も残るかもしれない)。

 「介護保険事業計画」は98年(10年)度上半期にも、ニーズ調査など、策定のための基礎作業が始まり、99年(11年)度の末には策定が終わる。

 (以上、平成9年6月25日全国介護保険担当課長会議資料の準備日程表(案)より)

 なお、成立前最後の国会で介護保険関連法案の修正が行われ(次ページ資料参照)、介護保険事業計画の計画策定委員会に福祉関係者も入るような指導を国が自治体に行うことになった。(参加したい方は今から市と話合いを)

 

 

平成9年6月25日全国介護保険担当課長会議資料より
 

X・介護保険関連法案の修正の概要  

 

1介護保険法案の修正

 

(1)介護保険事業計画への被保険者の意見反映

 

市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすること。

 

    被保険者の意見を反映させるために必要な措置の具体的な内容
市町村の実情に応じて、適宜、次のような措置を実施するよう指導

@学識経験者、保健・医療・福祉関係者、被保険者代表等の参加による計画策 定委員会の設置

A被保険者代表を交えた公聴会、説明会の開催等@に準ずる体制整備


 

(2)制度全般の検討期限の明示

原案にあった制度全般の検討規定に、検討の期限として、法律施行後5年を目途とすることを明示すること。

以下略

 

サービスの種類ごとに保険の支給額が決められる

 法では、ホームヘルプ、デイサービスなどの項目ごとに、それぞれの利用可能な金額が規定されると書かれている。このため、例えば最重度で29万円が利用可能だとしても、29万円全額をホームヘルプに使うことはできず、23万円程度の上限が厚生省によって一律に決められる。(注:29万円・23万円の例は、厚生省の試算であり、正式決定していない。今後政令で決まる)

第43条 居宅要介護被保険者が居宅サービス区分(居宅サービス(これに相当す

るサービスを含む。以下この条において同じ。)について、その種類ごとの相互の代替性の有無等を勘案して厚生大臣が定める二以上の種類からなる区分をいう。以下回じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の居宅サービス区分に係る居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額及び特例居宅介護サービス費の額の総額の合計額は、居宅介護サービス費区分支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の100分の90に相当する額を超えることができない。

 前項の居宅介護サービス費区分支給限度基準額は、居宅サービス区分ごとに、

同項に規定する厚生省令で定める期間における当該居宅サービス区分に係る居宅サービスの要介護状態区分に応じた標準的な利用の態様、当該居宅サービスに係る第41条第4項名号の厚生大臣が定める基準等を勘案して厚生大臣が定める額とする

 全国一律の「居宅介護サービス費区分支給限度基準額」を超えて市町村が独自に高い数字を設定したい場合は、条例で高くすることができる。

第43条

 市町村は、前項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、第1項の居

宅介護サービス費区分支給限度基準額に代えて、その額を超える額を、当該市町村における居宅介護サービス費区分支給限度基準額とすることができる

 逆に、全国一律の「居宅介護サービス費区分支給限度基準額」を下回る数字を設定することもできる。

第43条

 市町村は、居宅要介護被保険音が居宅サービスの種類(居宅サービス区分に含

まれるものであって厚生大臣が定めるものに限る。次項において同じ。)ごとに月を単位として厚生省令で定める期間において受けた一の種類の居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額及び特例居宅介護サービス費の額の総額の合計額について、居宅介護サービス費種類支給限度基準額を基礎として、厚生省令で定めるところにより算定した額の100分の90に相当する額を超えることができないこととすることができる
 

 

ホームヘルプの項目

 ホームヘルプなどの横文字は、厚生大臣が「漢字に直せ」と指示を出したため、最近の要綱やこの法律ではすべて「居宅介護サービス」などになっている。

(居宅介護サービス費の支給)

第41条
 市町村は、要介護認定を受けた被保険者(以下「要介護被保険者」という。)

のうち居宅において介護を受けるもの(以下「居宅要介護被保険者」という。)が、都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅サービス事業者」という。)から当該指定に係る居宅サービス専業を行う事業所により行われる居宅サービス(以下「指定居宅サービス」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用(中略)について、居宅介護サービス費を支給する。ただし、当該居宅要介護被保険者が、第37条第1項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の居宅サービスを受けたときは、この限りでない。

 居宅介護サービス費は、厚生省令で定めるところにより、市町村が必要と認める場

合に限り、支給するものとする。

3 指定居宅サービスを受けようとする居宅要介護被保険者は、厚生省令で定めるところにより、自已の選定する指定居宅サービス事業者について、被保険者証を提示して、当該指定居宅サービスを受けるものとする。

 介護保険では、利用者は、保険証を持って「指先居宅サービス事業者」を自由に選び、そこからホームヘルプサービスを受けることになる。

 指定サービス事業者は直接利用者からお金を受けてヘルパー派遣するのでなく、(被保険者(利用者)にヘルパーを派遣した後)、市町村からお金をもらう。


第41条

 厚生大臣は、前項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を

聴かなければならない。

 居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき

(中略)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について、居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。

 前項の規定による支払があったときは、居宅要介護被保険者に対し居宅介護サービ

ス費の支給があったものとみなす。

 指定居宅サービス事業者は、指定居宅サービスその他のサービスの提供に要した費

用につき、その支払を受ける際、当該支払をした居宅要介護被保険者に対し、厚生省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。9 市町村は、指定居宅サービス事業者から居宅介護サービス費の請求があったときは、第4項各号の厚生大臣が定める基準及び第74条第2項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準(指定居宅サービスの取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。

(このほかに、福祉機器や住宅改造も小規模なものは対象になる(44・45条)が、これらは、被保険者が現金で買い、領収書で持って、後から被保険者に保険から払われる方式)。

 

サービスモデル

 厚生省が課長会議等で示している「サービスモデル」は、建前では仮定のもの。(但し事実上は決定されているといえる)。サービス全体の上限額、サービスの種類ごとの上限額は2000年(12年)の予算が決まる99年(11年)度に予算成立を待って出る政令で決まる。(法律には厚生大臣が審議会の意見を聞いて決定とのみ書かれている)

 厚生省の推計では、2000年度に在宅サービスを必要とするのは約210万人。このうち、133万人は最も症状が軽く、食事や排せつ、着替えなどに時々手助けを必要とする人々で、モデルケースでは、週1〜2回のホームヘルパーの派遣とデイケアまたはデイサービス、週1回の訪問看護、さらに必要に応じて年に1〜2回各1週間のショートステイを受けることになる。

この場合のサービス費用が月額6万円で、利用者はその1割の6,000円を支払うことになる。

次に利用者が多いのは寝たきりで、食事、排せつ、着替えとも全面的に手助けが必要な最も重度なケースであり、32万人。子供と同居しているかどうかなどでサービス内容は変わるが、複数世代と同居しているケースでは、週7回のホームヘルパーの派遣と、3回のデイケアまたはデイサービス、2回の訪問看護に加えて月1回1週間程度のショートステイが標準的なサービスになる。このサービス費用は24万2,000円で、1割相当の2万4,000円が利用者負担になる。痴呆などの症状が重くなると、さらに週7回の深夜巡回が追加され、利用者負担も2万9,800円まで上がる。


サービスを使う210万人のうち

133万人が   要介護度1

32万人が    要介護度6
 

平成9年6月25日全国介護保険担当課長会議資料より
 

V・介護サービス費用における1ケ月当たりの単価

 

@在宅サービス

要介護度I:盧弱のケース       6万円程度

要介護度U:軽度のケース   14〜16万円程度

要介護度V:中度のケース   17〜18万円程度

要介護度W:重度のケース   21〜27万円程度

要介護度V:痴呆のケース      23万円程度

要介護度Y:最重度のケース  23〜29万円程度

サービスの具体的的例

*寝返り困難な最重度の要介護者が

 複数世代で同居している場合
○訪問介護         週14回訪問  9時間20分/週

○日帰り介護/通所リハビリ 週3回    18時間/週

○訪問看護         週 2回訪問

○短期入所生活介護     月1回入所  7日間


    

A施設サービス

特別養護老人ホーム      29万円程度

老人保健施設         32万円程度

療養型病医群等        43万円程度

(注)この他、医学的管理、リハビリが行われるとともに、福祉用具等のサービスが考えられる

 

 

 

介護費用の推計に当たっての計算基礎(厚生省)

 厚生省はホームヘルプ介護型の時間単価を3130円と試算している。介護保険での単価もほぼこの額程度に決まると予想される。(正式には、12年度の予算が成立する11年度の政令で決まる)。

1−在宅サービス

・デイサービス

・デイケア・ショートステイ

・老人訪問看護

 
 

1人1回当たり 6,062円

1人1回当たり 9,930円

1人1回当たり 6,160円

基本療養費(5,000円)十管理療養費
 

・ホームヘルプ
*一部訪問リハビリと代替

身体介護中心業務 1回1時間 3,130円

家事援助中心業務 1回1時間 1,410円

巡回介護業務 1回20分 1,570円

*早朝、夜間、休日は25%加算、深夜は50%加算
・福祉用具レンタル 1人1月当たり1万円

 介護保険の給付は項目ごとに上限が決められる(43条)。上限は11年度に出る政令で決まるが、仮に最重度の人でホームヘルプの項目は上限月23万円(この案が有力)となった場合、月に73時間しかホームヘルパーを利用できないということになる。(全体の上限が29万円とすると、残りの6万円はショートステイ等別項目を使うしかない)。65歳以上の障害者で月73時間以上介護制度を利用している人は、介護保険が始まれば、制度が切り下がることになる。

 

障害者が65歳に達してもサービス水準維持

 ところが、法律には載っていないが、付帯決議で以下のように決まったので、当然今後の政令・省令等で何らかの例外を設けることになる。

 衆議院介護保険法の付帯決議(平成9年12月2日衆議院厚生委員会)
15 難病患者を含む若年障害音に対する介護サービスについて、高齢者に対する介護保険給付と遜色のないものとなるよう、障害者プランに基づき、その拡充を図るとともに、その確実な達成のため、障害者基本法に基づく市町村障害者計画が全ての市町村で策定されるよう、地方公共団体に対して適切な指導を行うこと。また、障害者が65歳に達し、介護保険の給付対象になることがあっても、それ以前に受けていた福祉サービス水準を維持することができるよう、必要な措置を講ずること。

 65歳以上の障害者が受けていた介護制度を保険で同程度払うのは、ほとんど不可能である(すでにヘルパー24時間滞在型の利用者もおり、この水準を出すと、他の同様の障害者にも同じ水準で保障しなくてはならなくなる)ため、何らかの例外規定が設けられ、障害の施策と併給可能とする特例ができる可能性が高い。(予想)

 この場合、障害の主管課でそれなりの新制度を2000年までに創設するか、現状の障害施策のホームヘルプ制度を使えるようにするかの方策が検討にあがってくる。

(この分野に関しては当会の交渉の相手である障害部局の意向で変わるものなので、今後の交渉によって決まる。)

 

指定居宅サービス事業者

 現在65歳以上の障害者にも長時間の介護派遣をしている自立生活センター等では、「何としても介護保険の保険指定事業者になる」というところもあるのでは?

 在宅サービスの介護保険指定事業者(サービス供給者)は、おおむね以下のように分かれる。

 居宅サービス事業者・・・ホームヘルプサービスなどの在宅サービス全般を行う。

             現在のホームヘルプ事業の委託を受けている組織など

 居宅介護支援事業者・・・ケアプランの作成を行う。現在の在宅介護支援センターの様なもの。

(これ意外に、施設サービスはまた別にある)


三 申請者が、第74条第2項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な居宅サービス事業の運営をすることができないと認められるとき。 

第74条 指定居宅サービス事業者は、当該指定に係る事業所ごとに、厚生省令で定め

る基準に従い厚生省令で定める員数
の当該指定居宅サービスに従事する従業者を有しなければならない。

 前項に規定するもののほか、指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準

は、厚生大臣が定める


 厚生大臣は、第1項の厚生省令を定めようとするとき、及び前項に規定する指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

 指定の要件の詳細は厚生省令による(予算に関係ない項目なので、この省令は10年度中に出る)。介護保険法で規定されている大まかな部分では、

    1 指定は都道府県が行う

2 法人であること(NPO法でCIL等も対象になる事は可能)

3 従業員が政令で定める基準であること

4 厚生省が定める運営の基準に従うこと

 となっている。「指定居宅サービス事業者」になると、どの市町村の利用者も利用でき、ヘルパー(介護者)派遣等、現物給付を行える。

 法人というのは、有限会社や株式会社でもかまわない。NPO法がもし流れても、障害者団体が傘下に介護派遣を行う事業所を別組織で構え、簡単に作れる有限会社の組織にして指定を受ける方法もある。

 介護保険においては、サービス供給能力の飛躍的な増加が求められている。そのために民間企業、農協、生協、シルバー人材センター、あるいは法人格を持たない「住民参加型在宅福祉サービス団体」やNPO(非営利団体)、ワーカーズコレクティブ、ボランティア団体など、「民間活力」を積極的に活用する事が予想される。なお、衆議院の付帯決議(厚生省は政令・省令を出す場合、これに沿うものを出さざるをえない)では、以下のような項目も決議されている


 衆議院介護保険法の付帯決議(平成9年12月2日衆議院厚生委員会)

 在宅介護サービスについては、民間企業、農協、生協、シルバー人材センター、

ボランティア団体等多様な事業主体の活用が図られるとともに、介護サービスの質の向上につながるよう、事業者の指定基準の設定やサービス提供方法の在り方等において、配慮すること。

 ホームヘルパー、介護支援専門員等介護サービスを担う人材の安定的な確保が図

られるよう、民間事業者の参入促進、潜在的な人材の掘り起こし、適切な養成研修システムの確立及び介護報酬上の評価等の措置を講ずること。
 

高額介護サービス費こんな項目もある

 法律の中には、「高額介護サービス費」などという規定も一応あり、介護保険で想定されている29万円上限を超える抜け道も用意されてはいる。しかし、詳細は、12年度の予算が決まる11年度に、政令として出されるもので決まる。

どういうものが出るのか、まったく予想はできない。


第51条 市町村は、要介護被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサー

ビスを含む。)又は施設サービスに要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、施設介護サービス費及び特例施設介護サービス費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該要介護被保険者に対し、高額介護サービス費を支給する。

2 前項に規定するもののほか、高額介護サービス費の支給要件、支給額その他高

額介護サービス費の支給に関して必要な事項は
、居宅サービス又は施設サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める

 
 

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