この制度ができるまでの要綱作りの経過
この制度ができるまでの要綱作りの経過
95年度から96年度にかけて、新制度の要綱案を、都と交渉団体の間で話し合
い下の表の■1.ができました、次に都が市区と調整し■2.になり、最後に都は厚生
省と協議し、ホームヘルプ事業補助金が受けられるように■3.の案になりました。
(この後、98年10月実施の際には、これに若干の訂正が加えられ、実施されま
した)。
(それぞれ前案からの変更点は下線を引いています→※消えています(立岩))
(東京都)全身性障害者介護人派遣サービス運用基準
■1.障害者団体と都の調整案
1 目的
全身性障害者に対する介護人派遣サービスは、自立して生活する在宅の全身性障
害者を対象として、当該障害者が推薦する介護人を派遣し、介護サービスを提供す
ることにより、全身性障害者の地域社会での自立生活と社会参加を支援することを
目的とする。
2 用語の定義
(1) 全身性障害者
全身性障害者とは、脳性麻痺、頸椎損傷、筋疾患、その他の原因による肢体不自
由者で、四肢体幹にわたり重度の障害を有している者をいう。
ただし、高齢現象に伴う身体障害者は除くものとする。
(2) 家族
家族とは、親、子、兄弟姉妹、配偶者をいう。
3 利用対象者
(1) 介護人派遣サービス利用対象者は、身体障害者手帳を所持する在宅の全身性障
害者であって、次のアの要件に該当し、かつ、(ア)、(イ)のいずれかの要件に該当する
者とする。
ア 障害の要件
特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和39年7月2日、法律第134号)
第26条の2に規定する特別障害者手当の受給資格を有している者又はそれと同等
程度の障害を有する者
イ 家庭状況の要件
(ア) 障害者のみの世帯で構成されていること
(イ) 障害者と同居する家族が、障害、高齢、疾病、就労、就学その他の事由により
常時介護に当たれない状況にあること
(2) (1)の規定にかかわらず、
(1)のアの障害要件に該当する障害者が、その書即する世帯から独立することを目的
として活動を行う場合(居住の場確保のための活動等)は、3ヶ月間を限度とした必
要と認める期間について利用対象者とすることができる。
4 サービスの内容
介護人の行うサービスは次に掲げるもののうち、必要と認められるものとする。
(1) 介護サービス
ア 入浴の介護
イ 排せつの介護
ウ 食事の介護
エ 衣類着脱の介護
オ 身体の清拭、洗髪
カ 外出の介護
キ 就寝、離床等の介護(体位交換を含む)
ク その他必要な介護
(2) 家事サービス
ア 調理
イ 衣類の洗濯、補修
ウ 住居等の掃除、整理整頓
エ 生活必需品の買い物
(3) その他、全各号に掲げるサービスに附帯するサービス
5 派遣サービスの利用の申し出
介護派遣サービスを利用しようとする者(以下、利用申出者という。)は、介護
派遣サービス申出書(様式1)を提出するものとする。
なお、派遣サービスの利用の申し出を行える者は、原則として20歳以上とする。
6 利用対象者の認定
(1) 区市町村長は、特別障害者手当の受給資格の有無について、介護派遣サービス
申出書の内容及び特別障害者手当受給者台帳により確認のうえ、当該手当の受給資
格を有する者については、本サービスの利用対象者として認定するものとする。
(2) 区市町村長は、特別障害者手当の受給資格者以外の者について、当該手当の受
給資格と同程度の障害状況であることを確認するため、次のいずれかの方法に基づ
く確認を行い、派遣の要否の認定を行うものとする。
ア 利用申出時に特別障害者手当の認定請求中の者については、当該手当の認定請
求時に提出された「特別障害者手当認定診断書」を参照して派遣の要否を認定する
ものとする。なお、当該診断書の参照に際しては、利用申出者の同意を得るものと
する。
イ 特別障害者手当の認定を受けていない者又は特別障害者手当の認定請求の際に
提出した診断書の使用を希望しない者については、利用申出者の選択した医師によ
り作成した様式1の2による診断書の提出を求め、これを参照して派遣の要否を認
定するものとする。
(3) 区市町村において、派遣の要否の判定が困難なケースについては、関係書類を
添えて、都に個別協議するものとする。
7 サービス内容の決定
(1) 区市町村長は、利用申出者の身体的状況、生活状況等を勘案し、利用申出者の
意向に十分配慮した上で、介護人の派遣回数、派遣時間数(訪問から辞去までの実
質サービス時間とする。)等のサービスの内容及び費用負担区分を決定し、通知す
るものとする。(様式5、様式5の2)
(2) 区市町村長は、上記(1)の通知とともに、介護状況報告書(様式6)を、利用申
出者に交付するものとする。
8 推薦登録介護人の推薦及び登録
(1) 利用申出者は、推薦する介護人の同意を得て、介護人推薦書(様式2)及び介
護同意書(様式2の2)を区市町村長に提出するものとする。
ただし、利用申出者の家族は、介護人として推薦できないものとする。
(2) 区市町村長は、推薦を受けたものが介護人として適当であると認めたときは介
護人登録台帳(様式3)に登録し、登録結果を、利用申出者及び介護人に通知する
(様式4、様式4の2、様式4の3)ものとする。
(3) 介護人登録の要件は、次のとおりとする。
ア 身体障害者福祉に理解と熱意を有すること。
イ 身体障害者の介護を適切に実施する能力を有していること。
9 介護人の派遣
(1) 区市町村長は、登録された介護人を派遣サービスの利用者(以下「利用者」と
いう。)に対して派遣し、介護サービスを提供するものとする。
(2) 利用者は、特に必要がある場合においては、他の利用者が推薦した介護人の介
護を受けることができる。
なお、この場合は、あらかじめ当該介護人を推薦した利用者及び当該介護人に同
意を得るものとする。
(3) 介護人の派遣は、毎日8時間を原則とし、その範囲内において、利用者の必要
に応じ、1時間単位の派遣を行うことができるものとする。
介護人は、対象世帯を訪問するつど、介護状況報告書(様式6)に介護内容等の
確認を、利用者から受けることとする。
(4) 当該利用者が、入院治療を要するときは、利用対象者としないことができるも
のとする。
ただし、利用者の入院治療において、コミュニケーションや介護方法に起因し、
入院継続に著しい支障があるときは、当該医療機関が付添いを拒まない場合、利用
者の意向に基づいて派遣を認めるものとする。
(5) 緊急を要する等、特に必要な場合においては、派遣手続きは、事後でも差し支
えないものとする。
10 介護状況報告書の提出及び介護料の請求
(1) 利用者は、介護内容等の確認を行った介護状況報告書(様式6)を、月末に区
市町村長あて提出するものとする。
(2) 介護人は、介護等の時間数を月末において集計し、これに基づき、介護人派遣
介護料請求書(様式7)を作成して、区市町村長あて請求するものとする。
(3) 前項の規定に係わらず、月の途中において派遣の期間終了、停止、廃止が生じ
た場合は、利用者は、その時点までの介護状況報告書(様式6)の介護内容等を確
認の上、区市町村長あて提出し、介護人においては、その時点までの介護等の時間
数を集計し、介護人派遣介護料請求書(様式7)により区市町村長あて請求するも
のとする。
11 費用負担
(1) 費用負担
ア 利用者の費用負担については、要綱6の規定にかかわらず、本人の所得状況に
応じて費用を負担するものとする。
イ 費用負担額の決定方法は、本人の前年の所得により階層を認定し、該当する階
層の基準額に、月間の利用時間数を乗じるものとする。
ただし、月額の費用負担額が、本人の前年所得を12で除した額の□%を越える
場合は、その越える部分の額を免除するものとする。
(2) 費用負担の通知
区市町村長は、利用者より提出された、介護状況報告書(様式6)に基づき費用
負担額を算出し、納入の通知を行うものとする。
なお、要綱6の規定中、週2回(合計6時間)までの無料派遣については、この
運用基準に基づく派遣には適用しない。
(3) 生計中心者の所得の把握
国庫補助金精算上必要となる生計中心者(生計中心者は、利用対象世帯を事実上
主宰し、生計維持の中軸となるものをいう。)の所得については、費用負担額の決
定時において、把握するものとする。
12 費用負担収納事務
(1) 収納した費用負担金は、
区市町村の歳入として計上するものとする。
(2) 費用負担額については、
その算定の根拠を明確にしておくこととする。
13 届出
利用者は、介護人派遣サービス申出書及び診断書の記載事項等に変更等があった
ときは、介護人派遣異動届(様式8)により、区市町村長に届け出るものとする。
また、利用者が、派遣を辞退するときは、介護人派遣辞退届(様式9)により区
市町村長に届け出るものとする。
14 派遣資格の変更及び喪失等
区市町村長は、前項の届があった場合において、利用者の要件が変更したと認め
るときは、介護人派遣変更通知書(様式10)により、また、要件を備えなくなった
と認めるとき、又は、辞退があったときは、介護人派遣廃止(停止)決定通知書
(様式11)により利用者に通知するものとする。
15 損害保険への加入
区市町村長は、介護人の業務上の災害に備え、損害保険への加入を行うものとす
る。
附則
従前の脳性麻痺者等介護人派遣事業における他人介護の対象となっている者につ
いては、本制度の利用対象者として毎日8時間のサービスの必要性を認定されたも
のとみなす。
ただし、介護人の推薦及び介護同意書の提出を要するものとする。
1 目的
全身性障害者に対する介護人派遣サービスは、自立して生活する在宅の全身性障
害者を対象として、当該障害者が推薦する介護人を派遣し、介護サービスを提供す
ることにより、全身性障害者の地域社会での自立生活と社会参加を支援することを
目的とする。
2 用語の定義
(1) 全身性障害者
全身性障害者とは、脳性麻痺、頸椎損傷、筋疾患等による肢不自由者で、四肢体
幹にわたり重度の障害を有している者をいう。
ただし、加齢現象に伴う身体障害は除くものとする。
(2) 家族
家族とは、親、子、兄弟姉妹、配偶者をいう。
3 利用対象者
(1) 介護人派遣サービス利用対象者は、身体障害者手帳を所持する在宅の全身性障
害者であって、次のアの要件に該当し、かつ、イの(ア)、(イ)のいずれかの要件に該
当する者とする。
ア 障害の程度
特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和39年7月2日、法律第134号)
第26条の2に規定する特別障害者手当の受給資格の認定を受けている者
イ 家庭の状況
(ア) 障害者のみで世帯が構成されていること
(イ) 障害者と同居する家族が、高齢、児童、疾病、出産、就労、就学その他の事由
により常時介護に当たれない状況にあること
(2) (1)の規定にかかわらず、
(1)のアの障害要件に該当する障害者が、その所属する世帯から独立することを目的
として活動を行う場合(居住の場確保のための活動等)は、3ヶ月間を限度とした
必要と認める期間について利用対象者とすることができる。
4 サービスの内容
介護人の行うサービスは次に掲げるもののうち、必要と認められるものとする。
(1) 介護サービス
ア 入浴の介護
イ 排せつの介護
ウ 食事の介護
エ 衣類着脱の介護
オ 身体の清拭、洗髪
カ 外出の介護
キ 就寝、離床等の介護(体位交換を含む)
ク その他必要な介護
(2) 家事サービス
ア 調理
イ 衣類の洗濯、補修
ウ 住居等の掃除、整理整頓
エ 生活必需品の買い物
(3) その他、前各号に掲げるサービスに附帯するサービス
5 派遣サービスの利用の申し出
(1) 介護人派遣サービスを利
用しようとする者(以下、利用申出者という。)は介護人派遣サービス申出書(様
式1)を提出するものとする。
なお、派遣サービスの利用の申し出を行える者は、原則として20歳以上とする。
(2) 身体障害者療護施設等の入所者等であって、退所後在宅生活を予定し、かつ、
3の(1)の要件に該当すると見込まれる者(以下、「施設退所予定者」という。)
は、施設退所等に先立ち、利用の申し出を行なうことができるものとする。この際、
施設退所予定者は、特別障害者手当の受給資格者に該当する障害状況であることを
明らかにするため、施設退所後に認定請求する当該手当の認定診断書を事前準備し、
その複写を利用の申し出時に活用することができる。
6 利用対象者の認定
(1) 区市町村長は、特別障害者手当の受給資格の認定の有無について、介護人派遣
サービス申出書の内容及び特別障害者手当受給者台帳により確認のうえ、当該手当
の受給資格の認定を受けている者については、本サービスの利用対象者として認定
するものとする。
(2) 区市町村長は、5の(2)に規定する施設退所予定者から利用の申し出があった
場合は、その認定に際し、同条項に規定する「特別障害者手当認定診断書」を参照
して派遣の要否を認定するものとする。
なお当該診断書の参照に際しては、利用申出者の同意を得るものとする。また、
この認定に当たっては、利用申出者の障害の状況及び日常生活動作の状況を総合的
に勘案し、判断するものとする。
(3) 区市町村において、派遣の要否の判定が困難なケースについては、関係書類を
添えて、都に個別協議するものとする。
7 サービスの内容の決定
(1) 区市町村長は、利用申出者の身体的状況、生活状況等を勘案し、利用申出者の
意向に十分配慮した上で、介護人の派遣回数、派遣時間数(訪問から辞去までの実
質サービス時間とする。)等のサービスの内容及び費用負担区分を決定し、通知す
るものとする。(様式2、様式2の2)
(2) 区市町村長は、上記(1)の通知とともに、介護状況確認書(様式3)を、利用
申出者に交付するものとする。
8 推薦登録介護人の推薦及び登録
(1) 利用申出者は、推薦する介護人の同意を得て、介護人推薦書(様式4)及び介
護同意書(様式4の2)を区市町村長に提出するものとする。
ただし、利用申出者の家族は、介護人として推薦できないものとする。
(2) 区市町村長は、推薦を受けたものが介護人として適当であると認めたときは介
護人登録台帳(様式5)に登録し、登録結果を、利用申出者及び介護人に通知する
(様式6、様式6の2、様式6の3)ものとする。
(3) 介護人登録の要件は、次のとおりとする。
ア 身体障害者福祉に理解と熱意を有すること。
イ 身体障害者の介護を適切に実施する能力を有していること。
9 介護人の派遣
(1) 区市町村長は、登録された介護人を派遣サービスの利用者(以下「利用者」と
いう。)に対して派遣し、介護サービスを提供するものとする。
(2) 利用者は、特に必要がある場合においては、他の利用者が推薦した介護人の介
護を受けることができる。
なお、この場合は、あらかじめ当該介護人を推薦した利用者及び当該介護人の同
意を得るものとする。
(3) 介護人の派遣は、毎日8時間を原則とし、その範囲内において、利用者の必要
に応じ、1時間単位の派遣を行うことができるものとする。
介護人は、対象世帯を訪問するつど、介護状況確認書(様式3)に介護内容等の
確認を、利用者から受けることとする。
(4) 当該利用者が、入院治療を要するときは、利用対象者としないことができるも
のとする。
ただし、利用者の入院治療において、コミュニケーションや介護方法に起因し、
入院継続に著しい支障があるときは、当該医療機関が付添いを拒まない場合、利用
者の意向に基づいて派遣を認めるものとする。
(5) 緊急を要する等特に必要な場合においては、派遣手続きは事後でも差し支えな
いものとする。
10 介護状況報告書の提出及び介護料の請求
(1) 利用者は、介護の内容等の確認の行った介護状況報告書(様式6)を、月末に
区市町村長あて提出するものとする。
(2) 介護人は、介護等の時間数を月末において集計し、これに基づき、介護人派遣
介護料請求書(様式7)を作成して、区市町村長あて請求するものとする。
11 費用負担
(1) 費用負担
ア 利用者の費用負担については、要綱6の規定にかかわらず、本人の所得状況に
応じて費用を負担するものとする。
イ 費用負担額の決定方法は、本人の前年の所得により階層を認定し、該当する階
層の基準額に、月間の利用時間数を乗じるものとする。
ただし、月額の費用負担額が、本人の前年所得を12で除した額の□%を越える
場合は、その越える部分の額を免除するものとする。
(2) 費用負担の通知
区市町村長は、利用者より提出された、介護状況確認書(様式3)に基づき費用
負担額を算出し、納入の通知を行うものとする。
なお、要綱6の規定中、週2回(合計6時間)までの無料派遣については、この
運用基準に基づく派遣には適用しない。
(3) 生計中心者の所得の把握
国庫補助金精算上必要となる生計中心者(生計中心者は、利用対象世帯を事実上
主宰し、生計維持の中軸となるものをいう。)の所得については、費用負担額の決
定時において、把握するものとする。
12 費用負担金収納事務
(1) 収納した費用負担金は、区市町村の歳入として計上するものとする。
(2) 費用負担額については、その算定の根拠を明確にしておくこととする。
13 届出
利用者は、介護人派遣サービス申出書及び診断書の記載事項等に変更等があった
ときは、介護人派遣異動届(様式8)により、区市町村長に届け出るものとする。
また、利用者が、派遣を辞退するときは、介護人派遣辞退届(様式9)により区
市町村長に届け出るものとする。
14 派遣資格の変更及び喪失等
区市町村長は、前項の届があった場合において、利用者の要件が変更したと認め
るときは、介護人派遣変更通知書(様式10)により、また、要件を備えなくなった
と認めるとき、又は、辞退があったときは、介護人派遣廃止(停止)決定通知書
(様式11)により利用者に通知するものとする。
15 損害保険への加入
区市町村長は、介護人の業務上の災害に備え、損害保険への加入を行うものとす
る。
附則
従前の重度脳性麻痺者等介護人派遣事業における他人介護の対象となっている者
については、本制度の利用対象者として毎日8時間のサービスの必要性を認定され
たものとみなす。
ただし、介護人の推薦及び介護同意書の提出を要するものとする。
なお、利用対象者の申し出により、毎日8時間のサービスを必要としない場合は、
当該利用対象者の障害状況、生活状況を確認のうえ、必要とする時間数の介護サー
ビスを行うものとする。
■3.都と国の調整案
1 目的
(1) 全身性障害者に対する介護人派遣サービスは、自立して生活する在宅の全身性
障害者を対象として、障害者が推薦するヘルパーを派遣し、介護サービスを提供す
ることにより、全身性障害者の地域社会での自立生活と社会参加を支援することを
目的とする。
(2) この運用基準は、心身障害者(児)ホームヘルプサービス事業運営要綱に規定
するもののほか、全身性障害者に対する介護人派遣サービスの円滑な運営を図るた
めに必要な実施細目を定めるものとする。
2 用語の定義
(1) 全身性障害者
全身性障害者とは、脳性麻痺、頸椎損傷、筋疾患等による肢不自由者で、四肢体
幹にわたり重度の障害を有している者をいう。
ただし、加齢現象に伴う身体障害は除くものとする。
(2) 家族
家族とは、親、子、兄弟姉妹、配偶者をいう。
3 利用対象者
介護人派遣サービス利用対象者は、身体障害者手帳を所持する在宅の全身性障害
者であって、次の(1)の要件に該当し、かつ、(2)のア、イのいずれかの要件に該当
する者とする。
(1) 障害の程度
特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和39年7月2日、法律第134号)
第26条の2に規定する特別障害者手当の受給資格の認定を受けている者
(2) 家庭の状況
ア 障害者のみで世帯が構成されていること
イ 障害者と同居する家族が、高齢、児童、疾病、出産、就労、就学その他の事由
により常時介護に当たれない状況にあること
4 サービスの内容
介護人の行うサービスは次に掲げるもののうち、必要と認められるものとする。
(1) 介護サービス
ア 入浴の介護
イ 排せつの介護
ウ 食事の介護
エ 衣類着脱の介護
オ 身体の清拭、洗髪
カ 外出の介護
キ 就寝、離床等の介護(体位交換を含む)
ク その他必要な介護
(2) 家事サービス
ア 調理
イ 衣類の洗濯、補修
ウ 住居等の掃除、整理整頓
エ 生活必需品の買い物
(3) その他、前各号に掲げるサービスに附帯するサービス
5 派遣サービスの利用の申し出
(1) 介護人派遣サービスを利用しようとする者(以下、「利用申出者」という。)
は介護人派遣サービス申出書(様式1)を提出するものとする。
なお、派遣サービスの利用の申し出を行える者は、原則として20歳以上とする。
(2) 身体障害者療護施設等の入所者等であって、退所後在宅生活を予定し、かつ、
3の(1)の要件に該当すると見込まれる者(以下、「施設退所予定者」という。)
は、施設退所等に先立ち、利用の申し出を行なうことができるものとする。この際、
施設退所予定者は、特別障害者手当の受給資格者に該当する障害状況であることを
明らかにするため、施設退所後に認定請求する当該手当の認定診断書を事前準備し、
その複写を利用の申し出時に活用することができる。
6 利用対象者の認定
(1) 区市町村長は、特別障害者手当の受給資格の認定の有無について、介護人派遣
サービス申出書の内容及び特別障害者手当受給資格者台帳により確認のうえ、当該
手当の受給資格の認定を受けている者については、本サービスの利用対象者として
認定するものとする。
(2) 区市町村長は、5の(2)に規定する施設退所予定者から利用の申し出があった
場合は、その認定に際し、同条項に規定する「特別障害者手当認定診断書」を参照
して派遣の要否を認定するものとする。
なお当該診断書の参照に際しては、利用申出者の同意を得るものとする。また、
この認定に当たっては、利用申出者の障害の状況及び日常生活動作の状況を総合的
に勘案し、判断するものとする。
(3) 区市町村において、派遣の要否の判定が困難なケースについては、関係書類を
添えて、都に個別協議するものとする。
7 サービス内容の決定
(1) 区市町村長は、利用申出者の身体的状況、生活状況等を勘案し、利用申出者の
意向に十分配慮した上で、介護人の派遣回数、派遣時間数(訪問から辞去までの実
質サービス時間とする。)等のサービスの内容及び費用負担区分を決定し、通知す
るものとする。(様式2、様式2の2)
(2) 区市町村長は、上記(1)の通知とともに、介護状況確認書(様式3)を、利用
申出者に交付するものとする。
8 推薦登録介護人の推薦及び登録
(1) 区市町村長は、利用申出者から介護人推薦書(様式4)を、介護人から全身性
障害者介護人登録申込書(様式4の2)を徴するものとする。
ただし、利用申出者の家族は、介護人として推薦できないものとする。
(2) 区市町村長は、推薦を受けたものが介護人として適当であると認めたときは介
護人登録台帳(様式5)に登録し、登録結果を、利用申出者及び介護人に通知する
(様式6、様式6の2、様式6の3)ものとする。
(3) 介護人登録の要件は、次のとおりとする。
ア 身体障害者福祉に理解と熱意を有すること。
イ 身体障害者の介護を適切に実施する能力を有していること。
9 介護人の派遣
(1) 区市町村長は、登録された介護人のうち、サービスの利用者(以下「利用者」
という。)の個別事情を十分考慮し、適任者の派遣を行い、介護サービスを提供す
るものとする。
(2) 介護人の派遣は、毎日8時間を原則とし、その範囲内において、利用者の必要
に応じ、1時間単位の派遣を行うことができるものとする。
介護人は、対象世帯を訪問するつど、介護状況確認書(様式3)に介護内容等の
確認を、利用者から受けることとする。
(3) 緊急を要する等特に必要な場合においては、派遣手続きは事後でも差し支えな
いものとする。
10 介護状況確認書の提出及び介護料の請求
(1) 利用者は、介護内容等の確認を行った介護状況確認書(様式3)を、翌月5日
までに区市町村長あて提出するものとする。
(2) 介護人は、介護等の時間数を月末において集計し、これに基づき、介護人派遣
介護料請求書(様式7)を作成して、区市町村長あて翌月5日までに請求するもの
とする。
11 届出
利用者は、介護人派遣サービス申出書及び診断書の記載事項等に変更等があった
ときは、介護人派遣異同届(様式8)により、区市町村長に届け出るものとする。
また、利用者が、派遣を辞退するときは、介護人派遣辞退届(様式9)により区
市町村長に届け出るものとする。
12 派遣資格の変更及び喪失等
区市町村長は、前項の届があった場合において、利用者の要件が変更したと認め
るときは、介護人派遣変更通知書(様式10)により、また、要件を備えなくなった
と認めるとき、又は、辞退があったときは、介護人派遣廃止(停止)決定通知書
(様式11)により利用者に通知するものとする。
13 損害保険への加入
区市町村長は、介護人の業務上の災害に備え、損害保険への加入を行うものとす
る。
附則
従前の重度脳性麻痺者等介護人派遣事業における他人介護の対象となっている者
については、本制度の利用対象者として毎日8時間のサービスの必要性を認定され
たものとみなす。
ただし、介護人推薦書及び全身性障害者介護人登録申込書の提出を要するものと
する。
なお、利用対象者の申し出により、毎日8時間のサービスを必要としない場合は、
当該利用対象者の障害状況、生活状況を確認のうえ、必要とする時間数の介護サー
ビスを行うものとする。
(東京都)心身障害者(児)ホームヘルプサービス事業運営要綱 改正案
解説:当初の上の案が、国と都の調整により、下のようになった。
■(障害者団体と都の調整案)
9 サービスの提供方法
(2)推薦登録介護人によるサービスの提供
身体介護やコミュニケーションについて、特別な配慮を必要とする身体障害者に
対するサービスの提供にあたっては、身体障害者の推薦に基づき、区市町村長が適
当と認め、登録した者を介護人として派遣することができるものとする。
このサービスの提供については別途運用基準により定める。
→■(都と国の調整案)
9 サービスの提供方法
(2)介護人(推薦登録ヘルパー)によるサービスの提供
身体介護やコミュニケーションについて、特別な配慮を必要とする重度の身体障
害者に対するサービスの提供にあたっては、適任者の派遣を行うため、身体障害者
の推薦に基づく介護人(推薦登録ヘルパー)を確保し、派遣を行うことができる。
このサービスの提供については別途運用基準により定める。
(その後、次頁の要綱で、9年10月1日より実施)
解説:この制度は、国のホームヘルプ事業補助金を受けるため、都と厚生省の協議
の結果、1.まず東京都のホームヘルプサービス事業の要綱に上記のように「〜につ
いては別途運用基準により定める」と規定し、2.別に「全身性障害者介護派遣サー
ビス運用基準」(次ページからに掲載。要綱や要領の下に位置づけられる)を作り、
通常要綱で規定されることを、この運用基準で規定しました。このようにすること
で、厚生省からホームヘルプ補助金を受ける大義名分ができ、実際の制度運用は独
立した要綱で実施する場合と何ら変わりないという方法が取れます。
厚生省は、今後、都道府県がホームヘルプ事業の補助金を使った「全身性障害者
介護人派遣事業」を規定する場合、このように、ホームヘルプ事業の要綱の中に入
る形式で規定するように方針を立てていると思われます。
REV: 20170129