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今月は県と交渉の時期です

今年交渉するのも来年交渉するのも同じ手間。早目に交渉すればそれだけ早く制度
ができて楽になります。

 9月に市町村の内部では、来年度の予算の概算要求があります。新規の制度は、
この9月の予算要求までに、交渉を終えて、市の障害福祉課と「制度実施の合意」
ができていなくてはなりません。全身性障害者介護人派遣事業やガイドヘルパーの
制度がまだない市町村の方は、今年こそは交渉を行ってください。
 市町村と交渉する前に、県と交渉をして、「厚生省の方針と制度のしくみ」を、
県の担当者に理解させておいてください。そうすれば、市町村と交渉した時に、市
から「このような制度をやっていいか」と、県に問合せがあった時、県の担当者が
「市の判断でやっていい」と、きっちり答えてくれます。(逆に、県と話をしてお
かないと、県の担当が「そんな良く分からない制度より、従来のホームヘルプ事業
の充実を優先してください」などと答えます。これでは、市は実施に踏み切れませ
ん)。

 さらに、もっと県と突っ込んだ交渉をした場合は、県が市に「制度を実施するよ
う」指導することもできます。
 (例)兵庫県は95年度、県内の7市に対し、月120時間の全身性障害者介護
人派遣事業を始めるよう指導しました。95年、96年と県内の7市で、次々に月
120時間の制度が始まっています。(これは、県に対し当事者団体が交渉し、そ
れを受けたもの)。中には、三田市のように、全身性障害者が施設から出て一人暮
らしをする相談を市の課長にしただけで、制度開始が決まった市もあります。この
様に県の指導が強いと、一挙に全県下(一人暮らしの当事者がいる市はすべて)で
制度が実施できます。

 厚生省からのヘルパーやガイドヘルパーに対する指示文書は、県までは来ていて
も、市町村に伝わっていません。県の担当者と話をして、市町村にヘルパー派遣時
間上限撤廃やガイドヘルパー実施について、市町村を個別に指導するように(県が
個別に市町村を指導するように厚生省の指示文書で指示されています。)話をする
ことで、最低、何かはしてくれます。(それはそうで、「やりなさい」と厚生省か
ら指示されているものをやってないわけだから)。
 又、県の身障福祉主管課の担当者に、厚生省の自薦登録ヘルパーについての「積
極的に図ること」との指示文書の解説をしておくと、市に交渉して、県に問い合わ
せるようにと話すことができます。

 市町村は上部組織の県の意向に敏感に反応します。市と交渉して、市がやる気に
なっても、県がよく分かっていなかったら話が進みません。逆に、県の担当者に一
人暮らしの全身性障害者の実態をじっくり話して、生活実態を十分理解してもらえ
れば、県に問い合わせがあった場合に、スムーズに話しが進みます。県に「重度障
害者の介護政策についての必要性を認めている」という姿勢があれば(厚生省もこ
の姿勢です)、市の身障福祉主管課も、市の財務課や市長に対し予算要求しやすく
なります。ただし、身障福祉主管課が予算要求する姿勢になるまでは、じっくり一
人暮らしの全身性障害者の生活実態について話をして、理解してもらわねばなりま
せん。その上で、国の指示文や他の自治体の話をすること。
新しい厚生省の指示文書を使って、県と交渉してください

 97年度の厚生省主管課長会議では「ホームヘルプ事業の派遣時間数の上限撤廃
の通知」を県が市町村に出すよう指示が出ました。

平成9年度障害保健福祉主管課長会議資料(障害福祉課)より
@ホームヘルプサービス事業
(オ)派遣決定を行う場合、サービス量について上限を設定している市町村に対し   ては、直ちに撤廃させるよう通知等により指導する(中略)こと。
(ただし、指示が出ても、皆さんが交渉しない限り、道府県が自主的に通知を出す
可能性はありません)。厚生省は90年にホームヘルプ事業の上限を撤廃し、東京
都は93年に上限撤廃の通知を出しています。これらを参考に、県と交渉してくだ
さい。
詳しい方法・資料は、自立生活情報センター・制度係(通話料無料)
0077−2329−8610に問合せください。


REV: 20170129
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