生活保護利用者の車の保有が拡大されました
生活保護利用者の車の保有が拡大されました
一人暮らしの要介護障害者も車の保有が可能に
知的障害・精神障害にも一部拡大
すでにお知らせしている、車の保有の対象者拡大ですが、9年度の厚生省保護課
の「生活保護実施要領等」の冊子では、下の引用のように記載されました。
今までは、生計同一者に運転免許を持つものがいない場合、または、本人が運転
できない場合は、生活保護世帯は車の保有ができませんでしたが、9年度より、一
人暮らしの運転できない障害者も、車の保有ができるようになります。この改正は、
自動車税が非課税になったことに伴うものです。(ここまでに至る交渉の経過は、
バックナンバーを参照ください)。
車の利用は、「常時介護者」が障害者の保有する車の運転をして、通学、通院、
通所等のために車を使う場合に限ります。(「常時介護者」とは、週3回以上、通
勤、通学、通院、通所等のために、障害者の介護(運転)をする介護者です)。
自動車税非課税の範囲(対象者の詳しい定義や障害の等級の範囲など)は、
「平成9年3月27日障125号部長通知」
「平成9年3月27日障企126号課長通知」
に詳しく書かれています。生活保護利用者で、車の保有を予定している方には、コ
ピーをお送りします。注文は、発送係に(500円)。
注:非課税になった範囲の障害者が、すべて生活保護で保有できるわけではありま
せん。保護の場合は、通所等の必要性が認められた人に限ります
(詳しくは下の「要綱等」を)。
注2:通所は、例えば障害者団体事務所に通うのも「通所」に入ります。
今回、従来から「生計同一者運転」で税の減免対象だった知的障害、精神障害も、
単身者には介護者運転も追加されたため、生活保護でも、知的障害、精神障害の一
部に保有が認められました。(生活保護の別冊問答集の改正で、以下の項目が新設)
(問)[公共交通機関の利用が著しく困難な精神障害、精神薄弱の程度]
課第3の12にいう「精神薄弱、精神障害により公共交通機関の利用
が著しく困難であること」とは、どのようなものが対象となるのか。
(答) 主に、精神薄弱における多動、精神障害におけるてんかんが該当する
と考えられる。
平成9年度 厚生省保護課「生活保護実施要領等」より
第3 資産の活用
問
(第3の12)身体障害(児)者については通勤用の場合の他にも自動車の保有
を認めてよいか。
答
身体障害(児)者が通院、通所及び通学(以下「通院等」という。)のために
自動車を必要とする場合で、次のいずれにも該当し、かつその保有が社会的に適
当と認められるときは、次官通達第3の5にいう「社会通念上処分させることを
適当としないもの」としてその保有を認めて差しつかえない。ただし、当分の間、
あらかじめ都道府県知事の承認を得るものとする。
なお、次のいずれかの要件に該当しない場合であっても、その保有を認めるこ
とが真に必要であるとする特段の事情があるときは、その保有の容認につき事前
に本職に協議するものとする。
(1)身体障菩(児)者の通院等のために定期的に自動車が利用されることが明
らかな場合であること。
(2)当該者の身体状況(下肢、体幹の機能障害、内部障害等により歩行に若し
い障害を有すること)又は精神薄弱、精神障害により利用し得る公共交通機関が
全くないか又は公共交通機関を利用することが著しく困難であり、自動車による
以外に通院等を行うことがきわめて困難であることが明らかに認められること。
(3)自動車の処分価値が小さく又は構造上身体障害者用に改造してあるもので
あって、通院等に必要最小限のもの(排気量がおおむね2,000cc以下)で
あること。
(4)自動車の維持に要する費用が他からの援助(維持費に充てることを特定し
たものに限る」、他施策の活用等により、確実にまかなわれる見通しがあること。
(5)身体障害者自身が運転する場合又はもっばら身体障害(児)者の通院等の
ために生計同一者もしくは常時介護者が運転する場合であること。
((2)の「又は精神薄弱、精神障害により」、(5)の「もしくは常時介護者」
の部分が、改定された部分です)
★厚生省保護課「平成9年度 生活保護基準・生活保護実施要領等」の冊子
(全85P)を印刷しました。(850円)。ご注文ください。
REV: 20170129