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『全国障害者介護制度情報』2006年09月号




月 刊 全国障害者介護制度情報 ホームページ:www.kaigoseido.net

★知的障害者でも24時間介護保障実現
★重度訪問介護の中の移動加算時間以外も外出可能に
★制度の変わり目の今が交渉のチャンス!

9月号 2006.9.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
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2006年9月号 目次
3・・・・重度訪問介護の中の移動加算時間以外も外出可能に
4・・・・重度訪問介護・居宅介護の詳細について
5・・・・8月24日課長会議資料の自立支援法Q&A
9・・・・各市町村で地域生活支援事業の移動支援の制度が確定
10・・・重度訪問介護ヘルパー研修を10月1日から実施可能の自治体
12・・・知的障害者に24時間介護保障が実現
27・・・年金と特障手当だけの貯金のない自立障害者は自己負担0に
30・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内


■1年間、年会費が無料に(1級障害者限定)
 このたび、助成金を得て、4月から1年間、相談会費(年6000円)が無料にできることになりました(1級障害者限定)。月刊誌と制度係へのフリーダイヤル相談電話が無料になります。お知り合いで、特に、情報の得られにくい過疎地域で介護制度に困っている1級障害者がいましたら、ぜひこの情報をお伝えください。
 障害者自立支援法の情報など重要な情報が入ります。
 申し込みは 発送係tel/fax0120−870−222  
        電話は 9:00〜17:00(土日・祝日除く)
(FAXの場合は、「1級1年間 相談会員無料申し込み希望」と記載し、月刊誌送り先の、郵便番号・住所・電話・お名前・障害名・障害等級を記入してお送りください)



■重度訪問介護の中の移動加算時間以外も外出可能に
 重度訪問介護の利用者は、重度訪問介護の中の移動加算時間には拘束されず、重度訪問介護の支給決定時間は自由に外出できることが確定しました。
(ただし、2点の制約はあります。(1)通年かつ長期を除きます。(2)原則として1日の範囲内の外出に限ります。これらは市との交渉で例外を認めさせることは可能です。たとえば、24時間介護の必要な生活保護の最重度障害者が自立生活センターに職業研修として週5日通うことや、県外への2泊3日の福祉活動の研修会などへの移動介護の利用は従来から認めている市町村が多いです。)
 たとえば重度訪問介護で300時間(うち30時間は移動加算つき)の支給決定がある場合、50時間の外出をすることは可能です。30時間を越えて外出をする時間(20時間分)は、事業所は移動加算なしでサービス提供することになります。(ただし事業所が移動加算がつかない外出は受けてくれない可能性はあります)。
 重度訪問介護の24時間連続利用者や毎日8時間や16時間の利用者の場合、家の中にいても外に出ても、トイレや体位調整や食事介護など、受ける介護の内容は同じです。本来家の中で生活することを前提に介護プラン上介護を受けることになっている時間帯に、積極的に外に出て、社会参加することは、障害福祉制度の社会参加の推進の理念に沿っています。
 2002年度まで国内100自治体程度で実施されていた全身性障害者障害者介護人派遣事業では家の中も外も自由に使える制度であったため、生活保護利用の最重度障害者が研修会やCILなど障害者団体事務所などに数年間通い研修を受けるなどして、やがてCILなどで給与所得者になるというケースも多くあります。このような事例を各市町村に説明して、本来自宅にずっといると受けられる支給決定時間の範囲で、福祉公益活動の研修や職業訓練などの毎日の外出や1日を越える外出を認めるよう交渉することをお勧めします。



■重度訪問介護・居宅介護の詳細について

重度訪問介護と身体介護の併用(別事業所利用の場合)

 朝はA事業所で1時間身体介護を利用し、夕方はB事業所で日常生活支援(重度訪問介護)5時間利用などの障害者の場合、今までは2種類の類型の支給決定が認められていました。複数団体の交渉の結果、10月以降も、今まで同様に別事業所であれば、身体介護と重度訪問介護を利用できることになりました。(8/24課長会議Q&A)

1時間の身体介護を1日3回以上使う場合に重度訪問介護にされてしまうのか?(3時間問題)

 重度訪問介護は「1日3時間以上を原則とする」と課長会議資料に書かれていることを理由に、多くの市町村が10月からの支給決定で、いままで1回1〜2時間の短時間の身体介護を1日に数回使っていた利用者(1日合計3時間以上)に対して、単価の非常に低い(家事援助より低い)重度訪問介護の支給決定をしてきています。これは市町村による制度の悪用ですので、各障害者団体で見つけ次第交渉してください。単価が低すぎるので、ほとんど全ての事業所がサービス提供できず、利用者が事業所を選べなくなるなど、重度の障害者にとって最悪の事態になります。
 こういった市町村の制度悪用の動きには、厚労省も問題を感じ、積極的に対応しています。自治体からの厚労省への問い合わせ電話にでは、「重度訪問介護は長時間サービスむけであり、短時間のサービスを何度も行うことは理念に反する」等の指導を行っています。

そのほか、各種問題は8月24日のQ&Aで回答がありました。次ページから掲載します。



■8月24日課長会議資料の
障害者自立支援法関係Q&A(抜粋)

Q
身体介護及び家事援助の報酬を算定するにあたっては、市町村が特に認める場合には3時間(家事援助は1.5時間)を超える部分につき、30分当たり70単位を算定することとされているが、市町村はどの段階で認め、どのような事務を行うのか。
A
支給決定時において一月当たりの支給量に加え、一回当たりの最大利用可能時間数を決定の上、受給者証に記載する。

Q
居宅介護でヘルパーを2人派遣する対象となる者について、どのような方法で認めればよいか。
A
支給決定時においてヘルパーの2人派遣が必要であることについて承認した上、受給者証に記載する。

Q
一の事業者が居宅介護を行動援護又は重度訪問介護と併せて実施する場合、人員基準はどうなるのか。
A
居宅介護、行動援護、重度訪問介護を合わせて常勤換算2.5人以上とする。

Q
現在、居宅介護を1日に複数回算定する場合にあっては、算定する時間の間隔は概ね2時間以上とされ、同じ類型のサービスの間隔が2時間未満となった場合には、原則として前後を1回として算定することとされているが、10月以降も同様か。
A
貴見のとおり。ただし、別事業者の提供する居宅介護との間隔が2時間未満である場合には、これらを通算して1回と算定せず、事業者ごとにそれぞれ1回として算定する。

Q
行動援護と居宅介護の併給は認められるということでよいか。
A
貴見のとおり。

Q
行動援護についても現行の外出介護と同様、「経済活動に係る外出」や「通年かつ長期にわたる外出」は認められないと解してよいか。
A
貴見のとおり。

Q
障害児が行動援護を利用する場合、障害者と同様、てんかんの頻度について、医師の意見書をとらなければいけないのか。
A
障害児の場合は、必ずしも医師の意見書をとる必要はなく、家族等からの申し出のみでよい。

Q
重度訪問介護を1日に複数回実施した場合、どのように報酬算定するのか。
A
重度訪問介護については、複数回であっても1日分を通算して報酬算定する。
ただし、サービス提供が別事業者であればそれぞれ別々に算定する。

Q
重度訪問介護について、3時間未満の利用は可能か。
A
同一箇所に長時間滞在し、サービス提供を行う形態である重度訪問介護の支給決定は1日3時間以上を基本とするが、請求は3時間未満でも可能である。

Q
重度訪問介護の移動介護加算に関して時間数を決定する場合、重度訪問介護全体の時間数の内数となるのか。
A
全体の時間数の内数となる。
なお、1日に複数回移動した場合であっても1日分を通算して報酬算定するが、別事業者であればそれぞれ別々に算定する。

Q
重度訪問介護については、現行の日常生活支援と同様、「見守り介護」についてもサービス内容として含まれているということでよいか。
A
重度訪問介護は、支援費制度の下で別々のサービスとして提供されてきた日常生活支援と外出介護を、重度の肢体不自由者であって常時介護を要する者に対して総合的に提供するものであり、現行の日常生活支援に外出時の介護を加えたサービスとなっている。
したがって、「日常生活支援」の一部として提供されてきた「見守り介護」は「重度訪問介護」においてもサービス内容に含まれるものである。

Q
重度訪問介護における移動についても、現行の外出介護と同様、「経済活動に係る外出」や「通年かつ長期にわたる外出」は認められないと解してよいか。
A
貴見のとおり。

Q
重度訪問介護と居宅介護の併給は認められるか。
A
重度訪問介護とは、日常生活全般に常時の支援を要する重度の肢体不自由者に対して、身体介護、家事援助、見守り等の支援及び外出時における移動中の介護が比較的長時間にわたり、断続的に提供されるような支援をいう。
したがって、重度訪問介護については、従前の日常生活支援の取扱いと同様に、身体介護や家事援助等の援助が断続的に行われることを総合的に評価して設定しており、同一の事業者がこれに加えて身体介護及び家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできないものである。
ただし、当該者にサービスを提供している事業所が利用者の希望する時間帯にサービスを提供することが困難である場合であって、他の事業者が身体介護等を提供する場合にあっては、この限りでない。

Q
重度障害者等包括支援と他の障害福祉サービスとの併給は認められるか。
A
重度障害者等包括支援は、障害福祉サービスを包括的に提供するものであるので、他の障害福祉サービスとの併給はできない。

Q
重度障害者等包括支援において訪問系サービスを利用する場合、ヘルパーを2人派遣することはできるか。
A
ヘルパーの2人派遣も可能。その場合、支給決定する際には2人介護として積算して支給量を決定する。

Q
支給量の決定は一月単位となっているが、重度障害者等包括支援の支給決定プランを一週間単位で作成した場合、支給量はどのように算出すればよいのか。
A
市町村が作成する支給決定プランから一日分の平均単位を算定し、その値に当該月の暦の日数を乗じて算出する。

Q
重度訪問介護従業者養成研修の基礎研修だけを修了した者が加算対象者に対してサービス提供した場合、通常の報酬算定となるのか。
A
基礎研修だけを修了した者は加算対象者に対してサービス提供することができない。(仮にサービス提供したとしても報酬算定できない。)

Q
介護福祉士や居宅介護従業者養成研修修了者、日常生活支援従業者養成研修修了者についても重度訪問介護従業者養成研修の追加研修を受けなければ加算対象者に対してサービス提供できないのか。
A
ご質問の者については、追加研修を要しない。(追加研修の受講が必要となるのは、基礎研修のみを受講している者に限られる。)

Q
重度訪問介護事業者が提供サービスを移動中の介護のみに特化することはできるか。
A
重度訪問介護は移動中の介護も含めて総合的に提供する必要があるので、移動中の介護のみに特化してサービス提供することはできない。また、移動中の介護を行わないこともできない。

Q
重度訪問介護の移動中の介護を行う場合、ヘルパーに特別の資格要件が必要となるか。
A
通常の重度訪問介護従業者の要件で足りる。

Q
重度訪問介護において、介護保険の訪問介護員養成研修修了者は、居宅介護従業者養成研修修了者と同じ取扱いとしてよいか。
A
貴見のとおり。

Q
介護給付費の新規申請を受けたが、障害程度区分認定調査後に転出した場合どうなるのか。
A
次の手続により、障害程度区分を認定することを基本とする。
ア 転出元市町村は、支給申請を受け、認定調査済みであることを付記した障害 程度区分認定証明書を申請者に交付する。この場合、備考欄に「○月○日 認 定調査済み」と記すこととする。
イ サービス利用希望者は、転入先市町村に転入してから14日以内に、障害程 度区分認定証明書を添えて支給申請を行う。
ウ その後転出元市町村は、市町村審査会における判定まで行い、判定終了後、 あらためて、判定結果を記入した障害程度区分認定証明書を申請者に交付する。
エ 転入先市町村は、申請者から判定結果を記入した障害程度区分認定証明書の 提出を受けて、当該判定結果に基づき障害程度区分を認定する。

Q
平成18年9月中に障害程度区分の認定を終えることが困難な者について、9月中に、障害者自立支援法附則第6条の規定に基づき、「障害の種類及び程度」を勘案して、10月1日以降に効力を生じる支給決定を行うこととして差し支えないか。
また、その場合、障害者自立支援法施行規則第15条の規定の適用は受けないものと解するが如何か。
A
貴見のとおり。
ただし、本取扱いは、平成18年10月1日の制度施行までの間に、やむを得ない理由により、障害程度区分の認定が間に合わない者についてのみ認められる特例的な取扱いであるので、可及的速やかに認定審査を終え、「障害程度区分」に基づく本来の支給決定を行うよう努められたい。なお、この方法による支給決定を行うに当たっては、以下の点に留意されたい。
○ 市町村は、運用上、「障害の種類及び程度」のほか「一次判定の結果」や「現 在のサービス利用状況」等を勘案のうえ、相当する「障害程度区分」をみなし (「みなし区分」の認定)たうえで支給決定を行うこと。
○ その際、みなし区分とその後の実際の区分が必ずしも一致するものではない ことを、事前に利用者へ説明しておくこと。
○ 報酬については、みなし区分に応じた単価により支払うこととし、実際の区 分がみなし区分と異なる区分であっても、既に支払った報酬との差額の精算等 は必要ないこと。
○ 本来の障害程度区分の認定が終了し、当該区分等に基づいて行われた本来の 支給決定については、当該支給決定が行われた日の属する月の翌月から適用す ること。
○ 国庫負担基準については、みなし区分に基づく額を適用すること。



■各市町村で地域生活支援事業の移動支援の制度が確定

 移動支援事業は10月から市町村の制度になり、各市町村で単価や支給決定方法、事業所との委託契約、ヘルパー資格などがばらばらになります。
 全国的には、今までの事業所に対して今までと同じ単価で委託を行う市町村が多いようです。一方、身体介護を伴う移動介護と身体介護を伴わない移動介護の単価を統一したり、単価を下げる市町村もあります。単価が下がると最重度の利用者ほどサービス提供を受けられないことが多くなります。交渉して最重度の単価は守りましょう。
 また、ヘルパー資格ですが、市町村ごとにばらばらで、主任ヘルパーが介護技術があると認めれば無資格でもよいとする市がある一方で、2級以上に限定する市もあります。自立支援給付の外出介護(通院専用)の制度では以下のような資格制度になっています。これを参考に対象が狭い市町村は交渉することをお勧めします。障害が重度であるほど、介護人材が確保できないと、サービスが受けられなくなります。自薦ヘルパーも使いにくくなります。

介護給付の外出介護の厚生労働省通知抜粋
5 従業者の要件について
1) 介護福祉士
2) 介護職員基礎研修修了者
3) 居宅介護従業者養成研修1、2級課程修了者
4) 居宅介護従業者養成研修3級課程修了者
5) 支援費制度において身体介護、家事援助又は日常生活支援に係る業務に従事した経験を有する者
6) 平成18年9月30日において、従来の視覚障害者外出介護従業者養成研修、全身性障害者外出介護従業者養成研修、知的障害者外出介護従業者養成研修を修了した者
7) 従来の視覚障害者外出介護従業者養成研修、全身性障害者外出介護従業者養成研修、知的障害者外出介護従業者養成研修に相当する研修として都道府県知事が認める研修を修了した者



■重度訪問介護ヘルパー研修を10月1日から実施可能の自治体の情報

 日常生活支援研修が9月で廃止され、新たに10月から重度訪問介護研修が始まります。しかし、各都道府県が新しい重度訪問介護研修の指定受付を迅速に行ってくれないと、重度訪問介護のヘルパー確保ができなくなり、全身性障害者のヘルパー利用者が非常に困ります。各都道府県は、10月1日からすぐに重度訪問介護研修が研修事業者によって行えるようにすべきです。
(1〜3級ヘルパーなどを求人しても、泊り込み介護や土日・同性介護者・重介護に対応できる体力や頭の柔らかさ・長時間介護で利用者に精神負担をかけない性格などのさまざまな条件を満たす人材の確保が不可能なため、人材確保が不可能です。このため無資格求人をして採用後2日間で日常生活支援研修を行う方法でしか介護の人材の確保ができません。OJT(オンジョブトレーニング)で障害者との関係を作りながら何ヶ月もかかって技術力を挙げていく方法で人材の水準を確保しています。)
 このような中、重度訪問介護研修の迅速実施についてCIL等の障害者団体と話し合いが行われていた関東のある自治体(都道府県)では、現状の日常生活支援研修事業者が変更届だけで重度訪問介護研修事業を行えることに決まりました。事業者は10月末日までに変更届を出せば、重度訪問介護研修を実施で き、10月中に実施する場合は、変更届をさかのぼって適用させます。
 これによって、10月1日・2日開催の研修も可能になりました。
 厚生労働省の担当者に聞くと、10月1日から研修事業者が重度訪問介護研修を実施できるよう、都道府県が迅速対応することを期待しています。正式な告示が官報に載るのは9月28日ごろですが、告示案はすでに都道府県に送られています。研修事業者の指定は都道府県の事務であり、告示で示されるのは研修のカリキュラムの大まかな講義内容だけです。都道府県は講師の基準や指定申請の受付方法などを独自に決めて実施することが可能です。このため、厚生省としては、すでに各都道府県で準備がかなり進んでいると考えていたそうです。
 しかしながら、少なくない数の都道府県では、告示と解釈通知の両方が出てから検討を開始したいという状態です。
 厚労省は、重度訪問介護研修は日常生活支援研修の後継の研修であると位置づけており、研修時間数も合計20時間で同一です。すでに重度訪問介護に関する告示内容の事前情報は都道府県に示されており(官報での告示掲載は9月28日ごろの予定)、都道府県はこの告示(研修カリキュラムについてのみかかれている)だけをもって、研修要綱などを作ることが可能です。(10月以降に厚生省から出てくる研修の告示の解釈通知は、あくまで技術的助言であり、都道府県を拘束するものではありません)。
 他の道府県でも迅速対応が望まれます。

 各都道府県の障害者団体は都道府県と交渉しましょう。10月1日から実施可能になった都道府県の要綱案等がありますので、交渉に必要な場合は、介護保障協議会0037-80-4445までお問い合わせください。
(メールで要綱をお送りしますので o@スパム対策kaigoseido.net にも同時にメールをお送りください)



■東海地方のB県でも10月1日から重度訪問介護ヘルパー研修を実施可能に

 東海地方のB県でも、障害者団体の交渉により、日常生活支援研修事業所は10月1日から重度訪問介護研修を変更届で行えることになりました。
 交渉では、関東の自治体の要綱を使いました。



■知的障害者に24時間介護保障が実現

 関東のT市で、1人暮らしの重度知的障害者(自閉症)に24時間介護制度を市が認めました。今のところ6ヶ月の期間限定という建前ですが、今後の交渉で恒久化の可能性もあります。重複障害ではなく、知的障害のみの障害者で24時間の介護保障が実現したのは、全国で初になります。
 長年支援と交渉を行ってきたT市の障害者団体に経過を書いていただきました。

T市の重度知的障がい者に620時間+法外通所作業所へ14時間/週
(ただしし、あくまで緊急対応として今年3月より9月末までの支給です。)

(Kさん・男性30才・愛の手帳2度・自閉症)

今年3月下旬、自立生活をする重度知的障がい当事者のKさんに620時間/月の居宅介護の支給決定がなられました。それまで、280時間/月の居宅介護時間を派遣事業所や当会の支援によってKさんの24時間の介助を維持してきましたが、3月中旬にKさんが起こした隣人とのトラブルでKさん自身住まいを追われ、私たちが運営する自立体験室での生活を余儀なくされたことにより、市は緊急対応と言う事で3月より3ヶ月間に限り620時間の居宅介護を決定しました。3ヵ月後その状態が変わらないことから2ヶ月間延長し、7月には体験室を出て新たな住まいが見つかったと言う事で制度の変わり目である9月末までこの時間数が支給されるようになりました。
3月中旬に起こった出来事から市に対し支給変更申請を行い、3月末に決まったこの市の決定を私たちも予想していませんでしたが、長年地域で暮らす障がい当事者の24時間の介助保障を求めてきた結果としての緊急対応であると考えています。
そこで、この結果に至る長年の取り組みについて他の地域の参考になるのではないかと思い、その過程を書いてみたいと思います。

【Kさんとその背景】
Kさんは重度の知的障がいを持つ自閉症の方で、コミュニケーションに困難さを抱え、人との接触を極度に嫌い、その行動も調子を崩すとかなり激しく、本人の意図とは別に結果的に周囲へ様々な危害を与えてしまうという人です。
彼は幼い頃から「地域でともに生きる」ことを願う(「障害児の」親たちの集まり以外の)人たちの中で育ち、小中学校は地域の普通学級に通ってきました。(当然、教育委員会や学校からの追い出し工作は数えきれないほどありましたが、それはKさん並びにその家族だけでなく、地域の課題として多くの仲間とともに学校並びに教育委員会と話し合いを続け無事中学を卒業しました)
そのため知的で自閉症であっても、クラスの仲間との付き合い方を彼なりに生み出し、又周囲もそのような彼を認める関係を作ってきました。
中学卒業後の進路については、「学校!行かない!」と言う本人の想いに則し社会人として地域の中で生きる事を彼を取り巻く人たちとともに考え展開を始めました。
当時(今も)「社会人=働く」と言う選択が多いこの日本にあって、Kさんも当然「働く」事を考えているだろうと言う前提に、彼が社会人として働く事を課題としてきました。ただ、それは中卒で重度知的当事者を受け止める「働く場」はなく、私たちは他の青年とともに「働く」事をテーマとした活動を開始するということになりました。(後々この取り組みはNPO法人を立ち上げ、Kさんや他の当事者とともに現在働く場として、今の彼の自立生活を支援しています。)
中学卒業後の彼の日中は、私たちと週3日関わり、その他は彼自身が決めた場所を自由に練り歩き、社会人となった暮らしを満喫していました。彼の向かう先の中には、市役所ロビーや図書館・公民館といった公共施設も入っていました。当初彼が選んだその先では、定期的にやってくるKさんに対して市の職員は「他の利用者の迷惑になるから来ないようにして欲しい」という申し出がありました。しかし私たちは、「一市民であるKさんの何が迷惑なのか?」「Kさんが迷惑なのではなくKさんの行為が迷惑であるなら、Kさんに迷惑である事を伝えるのは管理者側の課題であり、管理者側の課題に対して私たちは協力する」と言うスタンスでKさんの存在を市にも認める働きかけを行ってきました。そして、十数年経つ今日でも公共施設は彼の居所として定着しています。(これぞまさしく本人活動ではないでしょうか!)(さらに!その申し出をしてきた職員は現在障害福祉課係長になっていて、彼がここまでの支援を得る遠因にもなっているように思います。)
彼は、普通学級で育ち卒業後も地域の中で暮らしてきたことで、地域の多くの人たちに彼の存在が認知され、個別の介助保障ではないけれど、家族だけでなく地域の様々な人たちから彼は支えられ暮らしてきました。
今から数年前、彼は自立生活をする事を欲するようになりました。コミュニケーションに困難さを抱える彼のその意思を明らかにすることは非常に困難な事でした。当然本人とのやり取りだけではその事を十分理解できず、逆に当時(今も)彼のような様々なトラブルを起こす人が地域で生きる事を良しとしない世間からは、「本人の意思ではなく、周囲の勝手な思い込み」「運動体に利用されている」などの罵声を浴びる事もしばしばありました。しかし、幼い頃から作ってきた地域の関係により、少なからずいた彼の存在を認めようとする周囲の人たちと約半年に渡り彼の意思確認に努めました。世間的には「パニックや暴力」と写る彼の行動も、私たちは彼の表現として捉え、彼が表現したい中身を知ることに努め、周囲の人たちから様々な情報を集めその理解に努めました。そして、様々な情報から「彼は自立生活をする事を望んでいる」と言う事が明らかになりました。そして、私たちは私たちの関係性の中にいるKさんだけではなく、これまでのKさんと作ってきた関係を持って彼の自立生活を支援する事となりました。(実際自立生活を始めた時からKさんは急に落ち着きを取り戻し、自分たちの判断の確かさを得ました。)
自立生活を始めた当初は、21時間/週のホームヘルブヘルパー派遣と40時間のガイヘル(T市では中軽度がガイヘルの対象となっていたので重度のKさんは、ホームヘルプで対応していました)程度の行政からの介助保障を受けていました。
その後、トラブルが発生するたびに派遣時間が増え、今年2月の段階では身体介護47時間・家事支援190.5時間外出介護(身体介護なし)48時間の計285時間/月になっていました。
そして、620時間もの時間が支給されるきっかけとなったのは、彼が暮らすアパートの隣人とのトラブルから賠償問題にまで発展し、その緊張感から彼が自らのアパートでは暮らせなくなり、私たちが運営する自立体験室に避難することで、その難局を乗り越えようとした事にあります。
2月までは1つの派遣事業所が不足する支給量を持ち出す形で彼の24時間(日中活動の場は除く残りの時間)の自立生活を支援していました。しかし、支援費以降事業所の持ち出しはきつくなり、コミュニケーションに困難さを抱えるKさんが望む支援を行うと言うよりも、とにかく24時間の支援を必死にこなすしかなかった状態でした。そのため事業所の側にも余裕がなく、その余裕のなさからKさんも又調子を崩していった中でトラブルが起きたと私たちは考えました。表面的にはKさんが起こしたトラブルでありますが、それはKさんの障がいでありその障がいを支援するため必要とする支給量を出さない行政責任でもあると市に訴えていきました。
そして、620時間の支給がなされた現在彼は、私たちの会のケアマネ的な支援(基準該当事業所を起こし居宅介護の中で行っている)を受け、居宅介護事業所2社(一つは当会が生み出し独立していった事業所、一つは知的当事者団体が作った事業所)から介助派遣を受け、中学卒業以来関わってきた「働く場」に通い支援を受けつつ自立生活を成り立たせています。(ちなみにA通所訓練作業所は、通所訓練作業所補助金を得て運営されている所ですが、実際には障害のあるなしに関わらず同一賃金で働く場を展開している所です)
生活費については、1級年金と生活保護そしてA作業所の給料で暮らしています。(今年6月までは、生活保護を受けずに生活は成り立っていましたが、3月に起こった出来事の賠償だの修理だのがかさみ、もしもの時ように貯めていた年金をすべて使い果たしました。又、多くの支援を受けるために上限いっぱいまで負担金を取られてしまうこともあり生活保護になりました。)

【T市との交渉の歴史】
ところで、いきなり620時間もの時間を支給されたT市の歴史を少し書いてみたいと思います。
私たちは20数年前より「地域でともに生きる」ことテーマとした統合保育や統合教育の運動を行ってきました。いわゆる関東の介護保障の運動でもなく、関西の場作りの運動でもなく地域の中で様々な子ども達がごくあたりまえに育ちことを願い、統合保育・養護学校義務化反対・就学時健康診断拒否・障害児の高校進学といった主に子ども達の社会である学校に目を向け、ともに育つ事を課題とする取り組みがなされてきました。子ども達が育つ事において、制度を利用すると言う発想よりも地域全体で支えあう事を求めていました。そのため、私たちが向き合う行政は、福祉部ではなく教育委員会学務課や指導室・社会教育課や公民館でした。ただ、唯一積極的に利用していた福祉制度に緊急一時保護と言うものがあり、これは親から離れ他人の中で育つ子どもたちを保障するといった視点で利用してきました。
行政の制度を利用するのではなく市民で支えることを求めていた私たちは、今から20年前に知的療育施設から出て自立生活を始めた重度知的当事者の一人暮らしも、多くのボランティアとともに彼の24時間365日を支えてきました。(当時週3時間/週のホームヘルプは利用していましたが、それで彼の生活は保障されていました)
その後十数年前に重度身体障害者の方が転入してきてことを契機にいわゆるT市に在障会が生まれ、それまでの運動とは少し違った視点から地域で暮らす障がい当事者の介護保障の取り組みが始まりました。
さらに、十年前にともに育ってきた子ども達の中で自閉症を伴う知的障がいを持つ青年の自立生活が始まりました。その辺りから取り組みの基本は「ともに生きる」ことでしたが、地域の支えあいだけでは当事者の暮らしを支援し続けることの課題が見え始め、重度身体の方の取り組みともつながる中で、自立生活をする知的当事者に対する介助保障の行政交渉の歴史が始まりました。
T市の行政交渉の特徴は、これまでのCIL等の重度身体障害者の行政交渉と同様の面を持ちつつも、知的障がい当事者に対する支援のあり方についてもそれと同様に支援の必要性があることを訴えてきました。
例えば、T市では全身性介護人派遣事業について認められている入院時の介助派遣は、知的当事者には利用できません。しかし、介護人派遣事業がヘルパー制度と統合された事を機に、知的当事者に対しても入院時に家事・身体介護を使い介助が認められるようになりました。又、移動支援が単なる外出介助や社会参加という括りではなく、知的障がい当事者にとって自立生活の一歩であると位置づけ、親以外の者との時間を共有し自らが世界を広げていく制度として行政が認知できるように交渉してきました。それらは、24時間の介助保障を求める重度身体自立生活と知的当事者の自立生活が常にセットになって交渉を積み重ねることでT市の介助保障の取り組みがなされてきました。
重度身体の介助保障では時間数や単価の保障を勝ち取る取り組みが主で、勝ち取った者はそれぞれの当事者自らが使いこなす事で自立生活は成り立っていきますが、知的当事者にとっては勝ち取った時間数や単価を使いどのように当事者を支援していくのかが常にあります。その考え方の中でT市での交渉は常に単なる時間数や単価の交渉ではなく、なぜそれが必要なのかを確認しながら進んできました。
 すなわち、ある特定の「うるさがた」の介助保障ではなく、その結果の意味づけを行政に求めその意味づけを同じく知的にもあてはめ知的当事者にとって支援の必要性を市に認めさせてきました。
又、重度身体の人たちは「施設からの自立」「親元からの自立」と言う事で、他の地域で生活していた人がT市で自立生活を始めるのに対して、知的当事者は幼い頃から地域で育ちその地域の中で自立生活を始めるという点での特徴もあり行政も他の地域から来た者の介助保障には取り組むが地元で育った人たちの介助保障を無視するということはできないという点でも大きかったと思います。
又、措置の時代の登録ヘルパー制度についても重度身体の人たちが早い時期に獲得しました。私たちはそれを知的にも同様に活用し支援にあたってきました。重度身体の人たちは人材の確保を大学等に求めてきましたが、私たちはこれまで作ってきた地域に住む様々な関係者を登録ヘルパーとして支援することが多かったため、市民との協働を具現化する者としても私たちの存在がありました。
その登録ヘルパーですが、二人目となる知的の自立生活者は、1日5〜6時間のヘルパー派遣を登録推薦ヘルパーと言う形で受けることができました。実際には何らかの形で24時間の支援を必要とする人でしたから、登録推薦ヘルパーで得た介助料をこれまでに作ってきた関係の中で具体的に支援する者と再分配する形で支援し、それはその後に続く知的当事者の自立生活にも対応していくベースを作ってきました。当時は「ともに生きる」と言う発想の中で支援してきた者がたくさんいたので、少ない金額(確か400円〜500円だったと思います)でも何ら苦もなくやれていました。
しかし、7年前3人目となる知的障がい当事者の自立生活支援では、24時間の見守りが必要な上に、地域の中で様々なトラブルを起こし続けたことと、さらに3人目ともなると「地域の支えあい」と言う事だけでは十分な人材を確保できなくなってきました。
この辺りから当会周辺でも本腰を入れて自立生活をする知的当事者に対する介助保障を行政に求めていくようになりました。それは、単に3人に対する支援と言う事だけではなく、私たちのそれまでの取り組みが地域で暮らす子どもたちを対象に活動していましたから、彼ら3人の存在は知的当事者の自立生活のさきがけとして、今後も次から次へと生まれる事を予感しての事でした。
そこで、これまで運用してきた登録ヘルパーでは、「セルフマネージメント」できない分知的当事者の自立生活の支援においては十分でありません。なぜなら登録ヘルパー料は、実際に介助に入った者で分けることになり、当事者と生活の組み立てをしたり、当事者とヘルパーの調整やその他ヘルパーでは担えない生活支援についてはすべてボランティアに頼るしかなかったからです。
例えば、触法行為や他害行為を起こす当事者の事は、単に当事者自身の責任ではありません。自立生活をする知的当事者の数は非常に少ないのですが、その支援を担うヘルパーの数も非常に少ない現実があります。重度身体の場合ILプログラム等で当事者自身がヘルパーを使いこなす練習をし、当事者自身がヘルパーを育てて今日の自立生活を成り立たせていると思います。しかし、重度知的の場合ヘルパーに見える当事者は、体が自由に動く分当事者の困難さが見えす、支援をする事でかえって当事者を追い込む事もしばしばあります。今回のKさんのケースでもまさにそうであり、支援の側の質を上げるためには、ヘルパーと当事者とのやり取りだけではなく、支援する側が取り組まなければならない課題がたくさんあります。しかし登録ヘルパー料が実際に介助に入る者に支払うだけでは、その課題を解決するだけの余裕はなく、どうしてもその分の費用が必要となりました。(当時登録ヘルパー単価1470円・事業所派遣2100円。当時の支給時間は7.5時間/日)
そこで、私たちは当時措置の時代にありましたが、自らが派遣事業所となる事を市に認めさせるために別のNPO法人を立ち上げ、市のヘルパー派遣事業に名乗りを上げました。
市は「市内の派遣事業所は充足している」と言う理由から難色を示しましたが、せめて実際登録ヘルパーで行っている分についての対応を迫り、交渉の結果私たちが事業所としてヘルパー派遣ができるようになりました。
ところが、長年知的当事者支援を行ってきた私たちの事業所が事業を受託したとたん、利用が一気に集中しさらに新たな利用が広がる中で、市は私たちが行う活動について認知せざるを得ない状況となりました(中軽度知的ガイヘル事業は、初年度予算の私たちの事業所で8割を消化すると言う事態になりました)このことは、単に制度があるだけでは知的当事者にとっては意味がなく、実際に利用する事で当事者が制度を理解すると言う点を市に訴えていく実績となりました。
それは、運動としての当会と別に立ち上げた事業所との両輪により、実際場面での支援の内容を市に伝え知的障がい当事者の支援の困難さや必要性を具体的に訴えてきました。
T市では先の在障会での介護保障の取り組みと当会が訴える地域での支えあい、そして知的当事者に対する実際のヘルパー派遣とが相まって支援費以降後、知的当事者に対する支援の必要性を市に訴えかける機会が増えてきました。
個別必要とする内容が異なる知的当事者の支援について、私たちは単に市との交渉と言う場面だけではなく、当事者に必要な支援が具体的になるたびに支給変更の申請を繰り返してきました。
例えば、今回のKさんの場合極度に人との関わりを嫌います。故にヘルパーをつけてもヘルパーを避けてしまいます。しかし、ヘルパーがいない分自分自身で何でもこなそうとするあまりかえってトラブルになったり生活に支障をきたしたりします。行政としては「本人が望んでいないヘルパーは派遣できない」と言うのですが、ヘルパーを避けること事態が彼の障がいであり、ヘルパーという存在になれること自体がヘルパー派遣の要件になる事を認めさせて来ました。又、ヘルパーがいると家に帰ってこない彼に対し、留守宅派遣を認めさせたり、結果待機状態のヘルパーも請求の対象になる事も認めさせました。
最近の交渉では、重度訪問介護に「見守り」を認める事をとり、その枠を利用ができず居宅介護の枠しか利用できない知的にとっては、居宅介護において同様の「見守り」を認めるように訴えてきました。
実は、私たち自身も又行政も、知的当事者の自立生活に際して必要な支援が何なのかを十分理解しているとはいえません。それこそ、当事者でない支援の側は常に当事者を管理する方向へと進む傾向があるからです。私たちは、どのような状態であっても支援し続けることを前提とし、知的支援の理解に不十分な行政に対し、まずは支援をし具体的になった支援の内容を、「支給決定変更申請」と言う形でしに認めさせてきました。
知的当事者の場合、支援の質やその人の環境又経験等によって、同じ障害程度であっても支援の必要性は変わるし、支援の側の質によっても大きく変わります。又、本人が望む支援を自身で語れない事においても様々な支援が必要であり、今当事者が必要とする支援とは何かを「変更申請」を出すたびに当事者の状況を伝え支援の必要性を伝え、市が納得できる範囲を増やしてきました。
さらに、私たちは市が理解したであろう範囲をオープンにする事で、「特例」と言う対応ではなく広く誰もが利用できる制度となるように勤めてきました。
そのような取り組みを重ねてきましたが、今から3年ほど前不十分な介助保障の中で、ある当事者がその行動を理由に一度保護入院をさせてしまう結果が出てしまいました。私たちこのことを悲痛な思いで受け止め、当事者の想い・支援者の努力だけでは当事者の自立生活が成り立たない事を市に訴えました。その彼は、新たな支援団体からの支援も受ける形で1ヶ月後に退院させることができました。しかし、入院中の当事者の様子を市の職員に見せ、退院後支援があれば自立生活ができると言う実態を市に見せ付けることで、その保障をする行政の責任を追及してきました。
そのような取り組み中で、知的当事者に対し280時間/月の居宅介護が保障されるようになりました。しかし、それでも十分といえない中で交渉や支給変更申請を続けてきましたが、なかなか形として明確にならない知的当事者に対する支援に行政はそれ以上の時間数を決定する事はありませんでした。
そこで、私たちは不十分な時間数に対し基準該当事業所という枠を使い支援の質を上げる取り組みを始めました。基準該当事業所は、支援費制度に移行する際都道府県の指定基準をみなさない事業所に対し市区町村の基準によって指定事業所と同様の派遣が行えるようにするための措置です。(4月以降85%に減算されていますが)T市では支援費制度に移行する際、登録ヘルパーを使う当事者が多くいたため、その派遣を認めるために基準該当事業所を市は認めました。その際、いわゆる指定事業所になるための移行措置ではなく、「当事者が望む人材確保」の観点から市が実施するものであり「可能な限りその基準を緩和する」と言う点について確認をしました。その事は今後自立生活をする当事者にとって有効な人材を集める手立てとして位置づけたわけです。
私たちは、その枠を昨年10月に使い新たな基準該当事業所をつくりました。(私たちが立ち上げたNPO法人の事業所は、利用者が増えた事によりきめ細かな対応が難しくなったため、当会と株分けしました)私たちが行う基準該当事業所の役割としては、実際の支援の現場に入りながら単にその時間の支援を行うだけでなく、そこで見える当事者の要望や支援のあり方を他の事業所に伝え、本人の求めに応じたヘルパー派遣を各事業所ができることにあります。
さらに、指定事業所は市にとって一事業所と言う距離を置かざるを得えない面を、市が指定した事業所と言う面から、その事業の中身を市が把握するためのやり取りをこちら側から求めてきました。
この基準該当事業所には、他に2名の自立生活をする知的当事者もいて、それぞれに異なる知的当事者の生活支援のあり方を3名の当事者の生活を通じて市に伝え、知的当事者に共通する支援のあり方を訴える結果となっています。

【Kさんへの決定理由をまとめてみると】
このような背景や交渉の積み重ねの中で、今回の市の決定理由について私なりにまとめて見ると以下のようになると思います。
1.KさんがT市で育ちT市で自立生活を始めた。
2.障害児の親の取り組みではなく、地域の課題として市民による取り組みがなされてきた。
3.重度身体障害者の自立生活における介助保障の交渉を単なる時間数や単価の交渉にとどめず、障害者全体にかかる介助保障の実現に向けた交渉として行ってきた。
4.個別の介助保障と当事者の暮らし全体の支援を考え、単に福祉行政のみの交渉ではなく、社会教育等他の部署とのやり取りを行ってきた。
5.特定の知的当事者の支援ではなく(行政は交渉によってすぐ特例をつくりたがるが)、交渉で勝ち取った事を他の当事者にも情報として流し、裾野を広げてきた。
6.まずは、当事者の自立生活を周囲が様々な形で支え、市民により具体的な支援を行政に認めさせてきた。
1.と2.については、重度身体の人たちが施設等別の地域で育ち自立生活を始めるのに対し、私たちの取り組みは常に地域の中で取り組んできた事にあります。
それは4.を見ると、行政の職員は定期的に人事異動をさせられますが、市民を対象とした仕事である限りどこに異動しても当然その部署部署で障がい当事者のことを意識せざるを得ない状況があります。 
例えば、たまたまでしょうが現在障がい福祉課にいる職員の半数近くが、児童館や学童クラブの職員を経験した事があり、当時「障害児を普通学級へ」と言う取り組みと同様に、学童クラブや児童館に対し障害児の受け入れを迫り、その結果として受け入れた児童が今、障がい福祉課の職員として幼い頃を知る子どもの自立生活を今度は障がい福祉課の職員として対応しているのです。
職員も人間ですから、当時障害児の受け入れについて私たちと交渉してきた人も、一旦人事異動で他の部署に行き、数年後再び障がい福祉課の窓口で当事者とであった時、当時私たちが訴えていた事柄を改めて振り返り、施設入所せずに親元を離れ自立生活をしていると言う現実を受け止めないわけには行かないのではないでしょうか?
又、逆に公民館等の社会教育関係にいた人が、公民館活動において「障がい者とともに」と語っていた人が、障がい福祉部の窓口に異動してくれば、語ってきた事の具体化がそこにあるわけで、部署が変わったからと言って自らの考え方を露骨に否定するとはできなかったりするのです。
5.については、自立生活をする人が少ない時は大盤振る舞いで支給決定する市もありますが、それは特別な事で、それ以降続く者に対しては極度に時間数を削減したりします。T市でも時間数を確保していったのは重度身体の方々ですが、その交渉の過程をともにしそこで勝ち取った事柄を広く伝える事で、介助保障のベースを底上げしてきました。
そして、重要なのは6.のまずは始めるということです。知的当事者自らが求める介助保障は本人がそのすべてを語ることができません。時には逆の要求を出したり、将来を見すえることが苦手な当事者はその場限りの支援ばかりを求めることもあります。その結果当事者自身も支援を受ける事で苦しくなったり、支援者も当事者に振り回されたりする中で、行政に訴えても行政もなかなか動こうとはしません。そこで、実際の支援を積み重ねる中で必要な支援を明らかにする必要があると思います。
又、重度身体の人たちは自らの意思を周囲に伝えることで、自立生活を本人が望んでいることは明らかになりやすいですが、知的当事者の場合いつも「本当に本人が望んでいることなのか?」と言う疑問が行政だけでなく親や周囲の人たちにいつもついてきます。
その本年は、「支援体制不十分だから自立させられない」と言うことでしょうが、これまでも「不十分でもやるしかない」と言う中で積み重ねてきた実績が、今の状況を生み出しているように思います。
そして、Kさん自身のことで言えば、様々なトラブルがあり何度となく支援の側はその限界を感じてきました。しかし、その度に支援のあり方を考えその内容を市に訴えることで、再びKさん自身の自立生活が回りだす経験を私たちも行政も数多く経験してきた結果だと思います。
3月以前、目を吊り上げながらいつ何が起こってもおかしくなかったKさんが、620時間の支援を受け半年近くたった今、以前とは考えられない平安の中で自立生活を行っています。それは、単に620時間と言う支援時間の結果だけではないのですが、その時間があることでできる様々な支援と言うものがあることを今現在市も理解しているとおもいます。
そういった中で、9月末と言う期限が迫る中、これから更なる市との交渉に向かうところです。

【620時間の今後】
620時間という支給決定に対し、私たちは今しばらくこの時間を延長する事を求めています。そもそもKさん自身は常にヘルパーが張り付いている状態を良しとしているわけではなく、しかし、空白の時間で起こる様々なトラブルゆえに自立生活が危うくなる経験もつんでいます。
今回の市の対応でKさんが落ち着いた大きな理由としては、620時間の支給決定により派遣事業所の持ち出しがほとんどなくなったことで、不足する事業所の力量を他の事業所を入れることでカバーする事ができた事です。
重度身体の人たちは過去において同様の支援不足を経験してきたと思います。それは当事者自身が納得し、その不足分を自らが背負い次の介助保障につなげてきたと思います。しかし、重度知的の場合支援の不足を本人が認識する事は難しく事業所が持ち出してでも支援し続けなければ当事者の生活は維持できません。その中で事業所は余裕をなくしヘルパーの質の低下を招き、とりあえずの支援をするしかありません。かといって力量に見合った事業所を見つけようにもそのような事業所もなく、持ち出し続けなければならないし、力量に見合った分の持ち出しをしようにも、支給量を他の事業所と分ければ持ち出しの割合が増えることからそれもできない中で悪循環を繰り返していました。当事者の調子がよい時はそれでも何とかなっていましたが、このような事態になると支援の側の課題よりも本人の状態の課題にどうしても目を奪われ、次の支援を思考できなくなってしまいます。
今回、620時間のうち一部を他の事業所に依頼したことで、それぞれの事業所が実際に派遣した費用を得られるようになりました。そうなる事で当会も事業所に対し支援の内容についての改善を求められるようになって来ました。
そういった意味ではこのまま620時間の支給を維持する事を願うのですが、Kさん自身が良しとしているわけではなく、支援の側としては非常に悩んでいます。
 行政に対しては、620時間の支給によって本人の自立生活が再び回り始めた事、現時点でKさんの介助保障を考えると他に変わる方策(制度)がない中では、この時間をとりあえず維持して欲しいということを伝えています。
重度知的当事者の自立生活は、ヘルパー派遣の時間数や単価によって保障される面も多くありますが、それだけでは十分ではなく、真に当事者の自立生活を考える時未だ見えない課題も含め、今後も様々な取り組みが必要だと思います。
 ただ、今回の市の決定において620時間という数字は、彼の自立生活の危機を救ったと言えるわけで、10月以降現段階でどうなるかは、9月最終週の交渉にかかっていると言えます。


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■国民年金障害基礎年金と特障手当だけの収入の貯金のない自立重度障害者は自己負担0に自立支援法の生保減免で新運用

 最終的に生活保護を受けたくなくても、貯金がほとんどなく、生活保護基準以下の収入の障害者は、生保減免を申請すれば自立支援法の自己負担が0円になります。このほど9月13日のQ&Aで新しい方針が示されました。
 これにより、多くの1人暮らしの最重度障害者は自己負担が0円になる可能性があります。

 生保減免は本来、(1)障害者が生活保護課で生活保護を申請し、(2)自立支援法の自己負担を免除すれば生活保護にはならない場合、(3)生活保護課が生活保護申請の却下通知を出し、障害福祉課に減免があれば保護にならない旨を伝え、それを受けて障害福祉課で減免を行うという仕組みです。
 多くの1人暮らしの障害者は、上記の(2)の時点で全額免除しようが生活保護が受けられるため、自立支援法での生保減免ではなく、生活保護になる(自己負担0になる)という取り扱いとされていました。今回、このような場合でも、生活保護を受けたくない場合は、生保減免で自己負担を0にすることができるとされました。
 
 生活保護の基準額はアパートなどに1人暮らしする特別障害者手当受給の重度障害者の場合、現状のヘルパー制度が不足で他人介護加算がつく場合は、大都市部で月26万円台、国内最低地域でも月20万円台です。この基準額より月の収入(年金・国の特別障害者手当・仕送り・勤労給与の合計)が少ない場合は、生保減免を申請すれば、自己負担が0になります。貯金は月基準額の半額までは保有が認められます。生活保護には申請時に親類等からの扶養義務調査がありますが、新たに親類等からの仕送りが可能という申し出が得られても、収入に仕送り金額を加えても、生活保護基準額に達しなければ、生保が本来開始になりますので、自己負担0円になります。
 また、持ち家に住んでいる障害者の場合でも、生活保護は受けられます。生活保護を受ける際には、大きな家に住む場合には、通常の居住で必要とされないような部屋などは間貸しに出すことが求められますが、今回の措置であれば、こういう義務もありません。
 
 9月13日のQ&Aは次ページに掲載します。


参考
生活保護基準・18年度版 (1人暮らしの場合の月額)
(この額より収入が少なかったら生保開始になる基準)
1級地の1(都会)の保護基準 計26万4500円

1類(食費)20〜40歳の額40270円
2類(光熱・衣服・雑費)43430円
障害者加算(手帳1・2級)26850円
重度障害者加算14430円
他人介護料一般基準(全国同額)69720円
住宅扶助(1.3倍額)69800円
(↑東京都の額)

2級地の1の保護基準計23万8290円
1類(食費)20〜40歳の額36650円
2類(光熱・衣服・雑費)39520円
障害者加算(手帳1・2級)24970円
重度障害者加算14430円
他人介護料一般基準(全国同額)69720円
住宅扶助(1.3倍額)53000円
(↑高松市の額)

3級地の2の保護基準 計20万3120円
1類(食費)20〜40歳の額31210円
2類(光熱・衣服・雑費)33660円
障害者加算(手帳1・2級)23100円
重度障害者加算14430円
他人介護料一般基準(全国同額)69720円
住宅扶助(1.3倍額)31000円
(↑北海道の額)

・ヘルパー制度が必要なだけ出ており他人介護料の必要ない人は69720(他人介護料一般基準)を引いた額が生保基準になります。
・同様に持ち家の場合は住宅扶助はつきません。
・特別障害者手当受給者でない場合、原則重度障害者加算はつきません。

障害者自立支援法関係Q&A  (2006年9月13日分関係箇所抜粋)

質問の内容
1 利用者負担の有無にかかわらず要保護状態である者が、敢えて生活保護の受給を希望せず、障害福祉サービスに関する減免により利用者負担額を免除されることを希望する場合、こうした取扱いが認められるか。
現段階の考え方
1 障害福祉サービスの利用を希望する者であって、生活保護の申請を行った者が、負担上限月額を0円にしてもなお要保護である場合であっても、あくまでも本人に生活保護を受給する意思がないことが確認でき、自立支援法による減免のみを受けることを希望した場合には、利用者負担を免除して差し支えない。
こうした取扱いを希望する者については、当面、生活保護への移行防止措置と同様に、生活保護の手続きを経て判定するものとする。
なお、当該取扱いは、本人に生活保護を受給する意思のないことが確認できる場合のみ例外的に認められるものであることに十分留意されたい。

質問の内容
1 通院介助(身体介護を伴う場合)の対象者であるかど うかについて、障害児についてはどのように判断すればよいか。
現段階の考え方
1 障害児に係る通院介助(身体介護を伴う場合)の対象者については、
(1) 5領域10項目の調査を行った上で、
(2) 障害者に係る通院介助(身体介護を伴う
   場合)の判断基準に準じ、
(3) 日常生活において身体介護が必要な障害児
であって、かつ、通院介助のサービス提供時において、「歩行」「移乗」「移動」「排尿」「排便」について介助が必要と想定されるかどうかによって、それぞれの実施主体が判断することとする。





■全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内
(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル 0120−66−0009
フリーダイヤル FAX 0037−80−4446

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます   対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京地区は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合で、県から証明が出た方も永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ
(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)


自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会の利用者の登録介助者向けに障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修を行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修も開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。
3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています

[図表のためホームページを参照ください。]

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。  

介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)
名前    (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク/CIL札幌)北海道
大久保健一 (CIL TIJ/名取市障害者の自立生活を考える会)宮城県
篠田 隆 (NPO自立生活支援センター新潟)新潟県
三澤 了 (DPI日本会議)東京都
尾上浩二  (DPI日本会議)東京都
中西正司  (DPIアジア評議委員/JIL/ヒューマンケア協会)東京都
八柳卓史  (全障連関東ブロック)東京都
樋口恵子  (NPOスタジオIL文京)東京都
佐々木信行 (ピープルファースト東京)東京都
加藤真規子 (NPO精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)東京都
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)東京都
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)東京都
名前  (所属団体等)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)東京都
渡辺正直  (静岡市議/静岡障害者自立生活センター)静岡県
山田昭義  (社会福祉法人AJU自立の家)愛知県
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)愛知県
森本秀治  (共同連)大阪府
村田敬吾  (NPO自立生活センターほくせつ24)大阪府
光岡芳晶  (NPOすてっぷ/CIL米子)鳥取県
栗栖豊樹  (共に学びあう教育をめざす会/CILてごーす)広島県
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会/CIL高松)香川県
中村久光  (障害者の自立支援センター/CIL松山)愛媛県
藤田恵功  (HANDS高知/土佐市重度障害者の介護保障を考える会)高知県
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)熊本県


全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念
47都道府県で介助者の自薦登録が可能に
障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう
 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。
 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。
 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。
 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。
 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。
 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。
 支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になります。
 全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになります。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。
47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行えば、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになります。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。(できれば各県に2〜3ヶ所あれば、よりいい)。
全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。(他薦ヘルパーでは時間数をのばすと、各自の障害や生活スタイルに合わず、いろんな規制で生活しにくくなるので、交渉して時間数をのばさない)
自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)
例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)
自薦登録の受付けは各団体のほか、全国共通フリーダイヤルで広域協会でも受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。
自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。
 これにより、将来は3300市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。
全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声
★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。
★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。
★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。
★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。
★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。
★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。



Howto介護保障 別冊資料   
1巻 自薦登録方式のホームヘルプサービス事業
325ページ 1冊1860円(+送料)   2000年10月発行改定第5版
第1章 全国各地の自薦登録ヘルパー
全国の一覧表・熊本市・東久留米市・保谷市・大阪府茨木市・松山市・高松市・千葉県・埼玉県・兵庫県尼崎市・札幌市・浦和市・柏市・市川市ほか
第2章 あなたの市町村で自薦登録の方式を始める方法
自薦登録ヘルパー方式のすすめ・自薦方式に変えていく方法
第3章 海外の介護制度 パーソナルヘルパー方式
デンマークオーフスの制度・スウェーデンの制度・エーバルト・クロー氏講演記録
第4章 ヘルパー制度 その他いろいろ
費用の保障で人の保障が可能・福岡県の状況・市役所のしくみ・厚労省の情報
資料1 自治体資料 東京都世田谷区の推薦登録ヘルパー料
資料2 厚労省の指示文書・要綱
6年〜13年度厚労省主管課長会議資料(上限撤廃について書かれた指示文書など)・ホームヘルプ事業運営の手引き・厚労省ホームヘルプ要綱・ヘルパー研修要綱・ホームヘルプ事業実務問答集

Howto介護保障 別冊資料 
2巻 全国各地の全身性障害者介護人派遣事業
250ページ 1冊1430円(+送料)  2001年8月発行改定第5版 
 全国の介護人派遣事業一覧表(最新版)・全国各地の全介護人派遣事業の最新情報と要綱や交渉経過など資料が満載。以下の全自治体の資料があります。
1静岡市・2東京都・3大阪市・4神奈川県・5熊本市・6兵庫県 西宮市・7宝塚市・8姫路市・9尼崎市・10神戸市・11岡山市・12宮城県と仙台市・13滋賀県・14新潟市・15広島市・16札幌市・17埼玉県・18来年度開始の4市・19フィンランドの介護制度資料・20東京都の新制度特集・21千葉県市川市・22兵庫県高砂市・23静岡県清水市・24大津市+99〜2000年度実施の市
 ほかに、介護者の雇い方・介護人派遣事業を使って介護派遣サービスを行う・介護者とのトラブル解決法・厚労省の情報 などなど情報満載  全250ページ

 申込みTEL/FAX 0120−870−222
(下記の資料集1〜6巻は介護保障協議会・介護制度相談センターの会員・定期購読者は表記の3割引サービス)
Howto介護保障 別冊資料 
3巻 全国各地のガイドヘルパー事業
129ページ 1冊750円(+送料)  2000年10月発行改定第4版 
 全身性障害者のガイドヘルパー制度は現在3300市町村の1割程度の市町村で実施されています。このうち、特に利用可能時間数の多い(月120時間以上)数市についての解説を掲載。また、これから制度を作る市町村が要綱を作る場合の参考になる要綱事例などを掲載。厚労省の指示文書も掲載。 交渉の要望書セット(ガイドヘルパー用)も掲載

Howto介護保障 別冊資料 
4巻 生活保護と住宅改造・福祉機器の制度
170ページ 1冊1000円(+送料)  2004年7月発行 
 生活保護、生活福祉資金、日常生活用具などを紹介。このうち、生活保護内の制度では、介護料大臣承認・全国の家賃補助・敷金等・住宅改造・高額福祉機器・移送費・家財道具の補助・家の修理費、の制度を詳しく紹介。各制度の厚労省通知も掲載。
 生活福祉資金を使った住宅改造や高額福祉機器の購入には、この本の該当の章を丸ごとコピーして保護課に持っていってください。

Howto介護保障 別冊資料 
5巻 障害当事者団体の財源の制度
134ページ 1冊1000円(+送料)   好評発売中 
<この5巻のみ、障害者主体の団体・障害者本人のみに限定発売とします>
 全国で使える労働省の障害者雇用促進制度助成金の詳細・ホームヘルプ事業の委託を受ける・市町村障害者生活支援事業の委託を受ける・障害低料第3種郵便の方法・資料(NPO法・介護保険の指定・重度障害者を自立させるマニュアル)など。

Howto介護保障 別冊資料
7巻 ヘルパー制度の資料集 支援費制度版&
2002年度〜2004年度の月刊全国障害者介護制度情報の記事抜粋
会員および定期購読会員 1800円   一般2500円   全356ページ
第1章 全国各地の交渉状況・第2章 支援費制度について・第3章 支援費ヘルパーの国庫補助基準の問題について・第4章 ヘルパー研修関係・第5章 介護保険制度/障害施策と介護保険の統合問題・第6章 生活保護・第7章 その他

この資料の見方 この資料は2002年度〜2004年度の月刊全国障害者介護制度情報の記事の抜粋により構成されています。制度は毎年変わるため、古い制度の解説のページもあります。各記事の先頭に記事の書かれた年月を記載していますので、ご確認ください。



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1995年8月10日第3種郵便認可(毎週1回水曜発行)     2006年9月13日発行 SSKS 通巻第3691号 1 


UP:20051013 REV: 20170129
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