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兵庫県福祉まちづくり条例




■兵庫県福祉まちづくり条例

兵庫県条例第37号
福祉まちづくり条例

目次
前文
第1章 総則(第1条−第6条)
第2章 福祉のまちづくり基本方針等(第7条−第11条)
第3章 特定施設等の整備
 第1節 特定施設等の整備(第12条−第24条)
 第2節 公共車両の整備(第25条・第26条)
 第3節 住宅の整備(第27条)
第4章 雑則(第28条−第31条)
附則

 すべての人々が、一人の人間として尊重され、等しく社会参加の機会を持つこと
により自己実現を果たせる社会の構築こそ、人類の願いであり、我々に課せされた
重大な責務である。
 いま、21世紀の超高齢社会を迎えるに当たり、こころ豊かな兵庫の実現に向け、
高齢者や障害者を含むすべての県民がいきいきと生活できる福祉のまちづくりを強
力に推進していかなければならない。
 ここに我々は、思いやりの心がふれあう福祉のまちづくりの理想を高く掲げ、県
民一人一人が手を携え、共に生きる心のきずなを確かめあいながら、その実現に向
けて全力を挙げて取り組む決意の下、この条例を制定する。
第1章 総則
(定義)

第1条 この条例において「高齢者等」とは、高齢者、心身障害者その他心身機能
 の低下した者をいう。
2 この条例において「公益的施設」とは、社会福祉施設、医療施設、官公庁施設、
 教育文化施設、購買施設、公共の交通機関の施設その他の県民の共同の福祉叉は
 利便のための施設で規則で定めるものをいう。
3 この条例において「共同住宅等の施設」とは、共同住宅、寄宿舎、事務所、及
 び工場で規則で定めるものをいう。
4 この条例において「特定施設」とは、公益的施設、公共施設及び共同住宅等の
 施設をいう。
5 この条例において「公共車両」とは、鉄道の車両及び乗合自動車で規則で定め
 るものをいう。
(県の責務)
第2条 県は、福祉のまちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び
 これを実施するとともに、市町が実施する福祉のまちづくりに関する施策を援助
 し、かつ、その総合調整を図るものとする。
(市町の責務)
第3条 市町は当該地域の状況に応じた福祉のまちづくりに関する施策を策定し、
 及びこれを実施するとともに、県が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協
 力するものとする。
(県民の責務)
第4条 県民は、福祉のまちづくりに関して理解を深め、意識の高揚を図り、自ら
 進んで生活の自立と能力の発揮に努めるとともに、県及び市町が実施する福祉の
 まちづくりに関する施策に協力しなければならない。
2 県民は、高齢者等が安全かつ快適に利用できるよう配慮して整備された施設の
 利用の妨げとなる行為をしてはならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動が地域社会と密接な関係にあることを自覚し、自
 ら所有し、叉は管理する施設について高齢者等が安全かつ快適に利用できるよう
 努めるとともに、県及び市町が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力し
 なければならない。
(福祉のまちづくりの総合的推進)
第6条 県、市町、県民及び事業者は、福祉のまちづくりに関するそれぞれの責務
 を自覚し、一体となってその推進体制を整備し、福祉のまちづくりの実現を図る
 ものとする。
2 県及び市町は、市街地開発事業その他規則で定める事業の実施の機会をとらえ
 て、福祉のまちづくりを積極的に推進するよう努めるものとする。
第2章 福祉のまちづくり基本方針等
(福祉のまちづくり基本方針)
第7条 県は、福祉のまちづくり基本方針を定めるものとする。
(福祉教育の推進)
第8条 県は、高齢者等に対する理解と思いやりのある児童を育成するための福祉
 教育を推進するものとする。
(県民の意識の高揚等)
第9条 県は、県民及び事業者に対し、福祉のまちづくりに関する意識の高揚及び
 知識の普及に努めるものとする。
2 県は、市町、県民及び事業者に対し、福祉のまちづくりに関する必要な情報の
 提供、指導叉は助言を行うものとする。
(住民の意識の高揚等)
第10条 市町は、住民及び事業者に対し、当該地域の福祉のまちづくりに関する
 意識の高揚に努めるものとする。
2 市町は、住民及び事業者に対し、当該地域の福祉のまちづくりに関する必要な
 指導叉は助言を行うものとする。
(財政措置)
第11条 県は、福祉のまちづくりを推進するため、必要な財政上の措置を講ずる
 よう努めるものとする。
第3章 特定施設等の整備
第1節 特定施設の整備
(特定施設のあり方)
第12条 特定施設は、高齢者等が安全かつ快適に利用できるよう配慮して整備さ
 れたものでなければならない。
(特定施設整備基準)
第13条 知事は、特定施設の構造及び設備の整備について必要な基準(以下「特
 定施設整備基準」という。)を定めるものとする。
2 前項の基準は、次に掲げる事項について特定施設の種類の区分に応じて規則で
 定めるものとする。
(1)車いすで通行できる傾斜路の設置
(2)車いすで通行できる幅員の確保
(3)視覚障害者誘導用ブロックの設置
(4)階段の手すりの設置
(5)車いすで利用できるエレベーター、便所及び駐車場の設置
(6)前各号に掲げるもののほか、高齢者等の利用に配慮すべき事項
(特定施設整備基準の遵守)
第14条 公的施設若しくは共同住宅等の施設の建築、大規模の修繕若しくは大規
 模の模様替叉は公的施設の新設若しくは改築等(以下「特定施設の建築等」とい
 う。)をしようとする者は、特定施設整備基準を遵守しなければならない。
(特定施設の建築等の届出)
第15条 特定施設の建築等をしようとする物は、あらかじめ、規則で定めるとこ
 ろにより、当該特定施設の建築等の内容を知事に届け出なければならない。
(指導叉は助言)
第16条 知事は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る
 特定施設が特定施設整備基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に
 対し、必要な助言叉は指導を行うことができる。
(特定施設の建築等の内容の変更)
第17条 前2条の規定は、特定施設の建築等の内容の変更(規則で定める軽微な
 変更を除く。)について準用する。
(工事の完了の届出)
第18条 第15条(第17条において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定
 による届出をした者は、当該届出に係る特定施設の建築等の工事を完了したとき
 は、速やかに、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければなら
 ない。
(特定施設に関する検査)
第19条 知事は、前条の規定による届出に係る特定施設が、特定施設整備基準に
 適合しているかどうかを検査するものとする。
2 知事は、前項の規定による検査をした場合において、当該特定施設が特定施設
 整備基準に適合していると認めたときは、当該届出をした者に対し、規則で定め
 る適合証を交付するものとする。
(勧告)
第20条 知事は、特定施設の建築等をしようとする者が第15条に違反して特定
 施設の建築等の工事に着手したとき叉は当該工事に関して不正叉は不誠実な行為
 をしたと認めるときは、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(国籍に関する特例)
第21条 国の機関叉は地方公共団体その他規則で定める法人(以下「国等」とい
 う。)が行う特定施設の建築等については、第15条の規定による届出を要しな
 い。この場合において、当該国等は、当該特定施設の建築等をしようとするとき
 は、あらかじめ、知事にその内容を通知しなければならない。
2 知事は、前項の規定による通知があった場合において、当該通知に係る特定施
 設が特定施設整備基準に適合しないと認めるときは、当該通知をした国等に対し、
 必要な要請を行うことができる。
(整備努力義務)
第22条 特定施設整備基準が設定された日前に現に存する特定施設の所有者叉は
 管理者(特定施設の建築等の工事に着手している所有者叉は管理者を含む。)は、
 当該特定施設について、特定施設整備基準に適合するよう努めなければならない。
(調査等)
第23条 特定施設整備基準が設定された日前に現に存する公益的施設及び公共施
 設の所有者叉は管理者(公益的施設の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様
 替え若しくは公共施設の新設若しくは改築等の工事に着手している所有者叉は管
 理者を含む。以下「公益的施設等の所有者等」という。)は、当該公益的施設叉
 は公共施設が特定施設整備基準に適合しているかどうかについて調査し、その整
 備状況を把握しておかねばならない。
(報告の徴収等)
第24条 知事は、必要があると認めるときは、公益的施設等の所有者等に対し、
 当該公益的施設及び公共施設の整備状況の報告叉は整備計画の提出を求めること
 ができる。
2 知事は、前項の整備状況の報告叉は整備計画の提出があったときは、公益的施
 設等の所有者に対し、特定施設整備基準に基づき、必要な指導若しくは助言叉は
 要請を行うことができる。
第2節 公共車両の整備
(整備努力義務)
第25条 公共車両の所有者叉は管理者(以下「公共車両の所有者等」という。)
 は、その所有し、叉は管理する公共車両について、高齢者等が安全かつ快適に利
 用できるようその整備に努めなければならない。
(報告の徴収等)
第26条 知事は、必要があると認めるときは、公共車両の所有者等に対し、当該
 公共車両の整備状況の報告を求めることができる。
2 知事は、前項の整備状況の報告があったときは、公共車両の所有者等に対し、
 必要な指導叉は助言を行うことができる。
第3節 住宅の整備
(整備努力義務)
第27条 県民は、その所有する住宅について、安全かつ快適に利用できるよう自
 らの心身機能の低下等に対応し、叉は備えて、その整備に努めなければならない。
2 住宅を供給する事業者は、当該住宅について、高齢者等が安全かつ快適に利用
 できるようその整備に努めなければならない。
第4章 雑則
(表彰)
第28条 知事は、福祉のまちづくりに関して著しい功績のあった者に対して、表
 彰を行うものとする。
(公表)
第29条 知事は、第20条の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わない場
 合は、規則で定めるところにより、当該勧告を受けた者の氏名、違反の事実その
 他規則で定める事項を公表することができる。
(条例の適用除外)
第30条 公益的施設、公共施設叉は共同住宅等の施設の整備に関して、第13条
 から第21条まで及び前条の規定と同等以上の内容を規定する条例を制定してい
 る規則で定める市町の区域における公益的施設、公共施設叉は共同住宅等の施設
 の整備に係るこれらの規定の適用については、規則で定める。
(補則)
第31条 この条例の施行に関して必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して1年を越えない範囲内において規則で定め
 る日から施行する。ただし、第1章及び第2章の規定は公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、現に高齢者等が安全かつ快適に利用できる特定施設の整
 備に関する条例を制定している市町の区域については、第13条から第21条ま
 で及び第29条の規定は、規定で定める日までの間は、適用しない。



REV: 20170331
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