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世田谷区の『推薦ヘルパー取扱』資料

■「障害者自立生活・介護制度相談センター」による解説・1

東京都世田谷区の運動団体から、『区直接登録ヘルパー(推薦ヘルパー)による
ホームヘルプサ一ビス事業の手引き』という、区が作った資料をいただきました。

制度自体はどこでも行われているものと同じですが、自治体が、表に見える形で、
文書にまとめたのは珍しいので掲載します。

よく、当会の制度相談に、「自薦登録ヘルパーをやっている市の要綱がほしい」
といった相談がありますが、自薦登録ヘルパーを行っている市の要綱も、やってい
ない市の要綱も、全く同じです。
普通の市では、自薦登録ヘルパーについては、運営方法などの書類を作らずに運
用します。ホームヘルプ制度は、全国ほぼどこにいっても同じ要綱があり、普通、
ヘルパーを正職員で確保するか、日給の非常勤か、時給の非常勤で確保するか、給
与として支払いするか、報酬として契約相手に支払うか(登録はほとんどこの形)、
登録の場合障害者の推薦した人を登録できるのか、…などの細かいことは要綱には
載りません。
(介護人派遣事業などは全国共通の制度ではないので、要綱などで事細かに、登録
方法から報酬支払い方法まで書類にする必要がある。これに対し、ホームヘルプサ
ービス事業は、どんな運用をしようと、厚生省が全国の自治体に対しいろいろな
「こういう形でも運用できる、こんな勤務体型でも運用できる」などと通知で保障
しているので、特に問題にならない)
普通の市では、ヘルパー関係の仕事をするのは、数人(+その上に係長・課長)
で、市役所の1カ所で固まっているため、特に取り決め書類を作る必要もないから
です。

世田谷区(東京の区は市と同じ)は人口が80万人と多く、小さな県なみの人口
です。区内を数ブロックに分け、それぞれに現場の福祉事務所を配置し、そこがヘ
ルパーの時間数の決定などを行っています。それを統括するのが、本庁の在宅福祉
の主管課となります、今回掲載する資料は、この本庁が各福祉事務所向けに作成し
たものです。交渉で、自薦の制度の必要性をよく説明しても、いまいち理解しない
市に見せるにはいい資料なのですが、気をつけてほしいのは、世田谷区はヘルパー
の派遣時間数は多くないという点です。(時間数の問い合わせは、させない方がい
い)。
世田谷の自薦ヘルパー時間数は、96年度、毎日3時間(週21時間)と、都内
で最もヘルパー時間数の少ない水準です。これには、一人暮らしの障害者の数が多
すぎるため、制度を伸ばすと、予算が足りなくなってしまうという事情があります。
(これは全国で最初に養護学校ができた土地で、当時日本中の障害者をもつ家族が
引っ越して来た区であるという理由がある。このように、障害者が集中し過ぎて、
予算の問題で制度が伸びない地域は都内に他にも2〜3適所あります)。

■解説2 世田谷区の資料の用語の解説と見所

 次頁から、まず、通知の先頭1ぺ一ジ分につづいて、『区直接登録ヘルパー(推
薦ヘルパー)取扱』が3ぺ一ジ分あります。『取扱』というのは、『要綱』の子分
みたいなものです。(自治体によって、要綱の下に、「要領」や「細則」や「規則」
や「運用基準」や「取扱」など、いろいろ名前を考えて作ります。(既に「要領」
を他の取り決めで使っていたら、「細則」にするとか)、自薦登録ヘルパー方式の
場合、ホームヘルプ制度の中の一方式なので、ホームヘルプ要綱の下に、要綱とは
別の名前の文書(ここでは「取扱」)をもうける必要があります。)5ぺ一ジ目か
らは、『区直接登録ヘルパー(推薦ヘルパー)取扱の解釈運用について』という文
書が載っています。これの先頭ぺ一ジには、厚生省の6年度主管課長会議資料の自
薦登録ヘルパーについての厚生省の認識について、的確な解説が書いてあります。

◆なお、この制度はヘルパー制度ですので、知的障害者や障害児・高齢者も利用で
きます(これはどこの市区の自薦登録ヘルパーも基本的に同じ)。

■区直接登録ヘルパー(推せんヘルパー)によるホームヘルプサービスの実施について

 世障副発第  号
平成8年2月  日

各福祉事務所長 様
障害福祉推進室長 八木 敦
高齢対策部長   太田 邦生


区直接登録ヘルパー(推せんヘルパー)によるホームヘルプサービスの実施について


 近年、急速な高齢化、障害の重度化または家族介護力の低下などが進み、家族の
リフレッシュ等を含めた在宅福祉サービスの拡充が求められており、こうした利用
者のニーズに対応できる適切かつ柔軟なサービス提供が必要となっている。
 特に、日々の生活の自立等を支える介護サービスについては、高齢者、障害者及
び障害の程度・内容によって区別することなく、必要な人に必要なときにサービス
が提供できるような態勢を、自治体として責任を持って計画的に整備していく必要
がある。
 本区においては、これまでホームヘルプサービス事業について、ホームヘルパー
の並行派遣の実施、対象者・派遣回数の拡大や派遣基準の緩和など拡充を図ってき
た。今後、上記の在宅サービスの需要などの課題に応えるため、ホームヘルプサー
ビス供給体制の確立を図り、1日24時間をカバーする仕組みも含め、量及び質の
両面からサービス提供の一層の充実を図っていく。さらに、自立への支援、社会参
加の促進を図るため家族以外の人(以下「他人」という。)の介護を受けている高
齢者及び障害者(家族介護のもとにある者を含む。)への派遣の充実の一つとして
「推せんヘルパー」の導入を図るものである。
 今回、導入する推せんヘルパーは、当面、世田谷区ホームヘルプ事業運営要綱
(以下「要綱」という。)第4条の「登録ヘルパー」として位置づけ、ホームヘル
プサービス事業の一環として、平成8年3月1日より実施していくこととする。
 このため、推せんヘルパーによるホームヘルプサービス事業の運営については、
「要綱」によることとなるが、他人の介護を受ける世帯を対象に、それら世帯から
の推せんを受けた介護者の派遣により行う本方式について、別紙のように取扱を定
め、制度の円滑な運営を図るものとする。
 なお、この取扱に定めるもの以外の項目については、要綱が適用されることとな
るので、念のため申し添える。


■世田谷区直接登録ヘルパー(推せんヘルパー)取扱

1 ヘルパーの資格について

 要綱第27条によるが、下記の派遣対象世帯から推せんを受けた者で、高齢者や
障害者の福祉に関し理解と熱意を有し、かつ現にこれら世帯の介護に従事し、今後
もその介護が適切に行える者であれば、推せんヘルパーとなる資格を有するもので
あること。


2 派遣対象について

(1)要綱第3条「派遣対象世帯」に該当し、かつ推せんヘルパーを派遣する世帯
は、高齢者又は障害者のいる世帯で、日常生活上介護が特に必要な世帯であり、介
護家族のリフレッシュ等を含め本人又は家族が家事、介護等を行うことが困難な状
況にあり、かつ現に他人の介護(月30時間を超える場合とする。)を受けている
世帯に派遣するものであること。
(2)前項の文中、「現に他人による介護を受けている」とは、ホームヘルパー派
遣申請の時点で親族(2親等以内の血族及び同居の3親族の親族とする。)以外の
人(公的ヘルパー(区の常勤ヘルパー及び登録ヘルパー)、財団法人世田谷ふれあ
い公社のふれあい協力員及び福祉活動団体の派遣する介助者を除く。)による介護
を現に受けていることをいう。
(3)高齢者又は障害者が家族と同居している世帯で、家族により介護を受けてい
るが、(やむを得ず、)現に他人の介護を受けている場合には、派遣対象とするこ
とができる。
(4)推せんヘルパーの派遣にあたっては、他の介護施策によりサービスを受けて
いるもの以外の他人による介護に関わる部分について派遣対象とすることができる。


3 サービス内容について

 要綱第5条第4号「ホームヘルパーの行うサービス内容」に定めるもののほか、
社会生活上必要な外出介助を内容とするサービスも含まれるものであること。これ
により、推せんヘルパーに限っては、生活面全般にわたる援助をおこなうものとす
る。


4 派遣回数・時間数について

(1)要綱第4条「ホームヘルパーの区分」による他のヘルパー派遣を含め、派遣
時間は1回3時間を単位とし、派遣決定で区長が必要と認めた回数とするものであ
ること。
 また、派遣の時間帯及び曜日は派遣申請に基づき決定するものであること。
(2)同一世帯に介護を要する者が2人以上いる場合には、サービス提供上回数増
が必要なときは、区長は必要に応じて派遣回数の増を図ることができるものである
こと。


5 派遣状況等の確認について

 要綱第15条「実態調査」に準じ、派遣世帯に対するサービス内容の確認及びサ
ービス調整を行うため、必要に応じて実情の把握を行うものであること。


6 費用負担について

 要綱第21条「費用負担」に基づき所得に応じて費用を徴収する。


7 ヘルパー登録について

(1)推せんヘルパーへの登録を希望する者(以下、「登録希望者」という。)は、
世田谷区直接登録ヘルパー登録申出書(直第1号様式)に、派遣対象となる世帯か
らの世田谷区直接登録ヘルパー推せん書(直第2号様式)を添えて、区長に申し出
るものであること。
(2)区長は、前項の書類による審査及び登録希望者の本人確認のうえ、登録の可
否を決定するものであること。区長は、その際以下の事項に留意して登録の手続き
を行うものであること。
 ア 「今後も介護を適切に行える」ことについては、派遣対象世帯からの推せん
書の内容、介護実績等を勘案して決定する。
 イ 介護実績については、40時間程度(研修時間を含む。)の介護経験を基本
とする。介護実績の把握方法は、その実績等を証する書類の提出や派遣対象者への
確認等により行うものとする。
(3)区長は、推せんヘルパーの登録決定にあたり登録希望者から世田谷区直接登
録ヘルパー派遣同意書(直第3号様式)徴収するものとする。
(4)区長は、登録した推せんヘルパーを世田谷区直接登録ヘルパー登録者名簿
(直第4号様式)に記載し、常にその状況を把握しておくものとする。


8 報酬等について

(1)推せんヘルパーは、派遣世帯においてサービスを提供を把握したときは、交
付されている介護券(直第5号様式)を、サービス提供に応じて受け取るものであ
ること。
(2)推せんヘルパーは、サービス提供と引き換えに受けた介護券と世田谷区区直
接登録ヘルパー活動状況報告書(直第6号様式)及び世田谷区区直接登録ヘルパー
報酬請求書(直第7号様式)を、サービス提供した月の翌月以降5日以内に区長に
提出し、報酬を請求するものであること。
(3)区長は、推せんヘルパーからの報酬の請求があった場合は、その請求があっ
た月の末日までにその報酬を支払うものとする。
(4)推せんヘルパーへの1回当たりの報酬は、要綱第24条の協定により定めら
れる介護券単価(3時間券。但し、手数料を除く。)と同額とし、早朝、夜間等の
派遣を理由とする加算は行わないものであること。


9 研修について

(1)推せんヘルパーに対しては、次の研修を実施するものであること。その内容
については、別途定めるものであること。
 ア 登録時研修
 イ 定期研修
(2)推せんヘルパーが厚生省の「ホームヘルプ養成研修事業実施要綱」等に基づ
く3級以上の講習の受講を希望する場合には、研修派遣の優遇に配慮するものとする。


10 その他

(1)推せんヘルパーと他の常勤及び登録ヘルパーの並行派遣を行って差し支えな
いが、派遣決定にあたっては申請者の意向を十分尊重するものであること。
(2)推せんヘルパーの派遣決定を決定したときは、申請者から推せんを受けた登
録者を速やかに派遣するものとする。
 なお、推せんヘルパーの派遣調整については、原則として申請者自らが行うもの
であること。


附則

1 この取扱は、平成8年3月1日から施行する。
2 派遣回数等
 平成7年度においては、他の公的ヘルパーの派遣を含め、1日1回、1週5回
(15時間程度)までとする。


■区直接登録ヘルパー(推せんヘルパー)取扱の解釈運用等について

1 制度全般について

質問1 本制度開始の経過及び趣旨はどういうものか。
回答@ 推せんヘルパーについては、厚生省が平成6年3月に行った「社会福祉関
係主管課長会議」でその考え方が示された。厚生省説明では、障害者のホームヘル
プサービスが障害者の自立と社会参加を支えるためには、障害の特性と多様なニー
ズに対応した制度運用面における配慮が極めて重要である。サービス提供において
は、個別のニーズに着目して決定し、早朝夜間、休日等における対応を積極的に取
り組むべきであるが、現状では、利用者から日常生活上のニーズに対応したサービ
スが受けられないことや、障害者の特性や介護技術に欠けるヘルパーなどの問題が
提起されている。実施主体である区市町村においては、ヘルパーの様々な形態を併
用し、障害者のニーズに最大限に対応できる実施体制を構築すべきである。その際、
能力を既に有している者をヘルパーとして確保する方策も検討すべきである、とし
ている。
 このように、推せんヘルパーは、本区においても現行のホームヘルプサービスで
はサービス内容、派遣時間帯などで利用しづらい面の改善策として、障害者から要
望がかねてよりなされてきたものである。このことは、本区の重度脳性麻痺者のホ
ームヘルプサービスの利用実態からも伺えることである。
 このため、障害者が現に他人による介護を受けている場合に、その介護者が介護
を適切に行える場合に、障害者の推せんによりホームヘルパーを派遣するものとし
たものである。なお、推せんヘルパーについては、障害者の特性及び多様なニーズ
に対応したサービス提供も念頭において、その制度化を図るものである。

質問2 本制度は、派遣対象に該当すれば、障害者・高齢者もともに適用できる制
 度と考えてよいか。
回答@ 在宅サービスの提供は、介護施策に限らず、高齢者、障害者などの要援護
者に共通した制度として整備していく必要がある。したがって、推せんヘルパーに
おいても高齢者もその対象として考えている。
 制度適用にあたっては、従来のホームヘルプサービス(常勤ヘルパー、紹介所登
録ヘルパー等)で十分対応可能なものについてはこれを優先させ、推せんヘルパー
はむしろ例外的に本人が推せんする介護者を登録ヘルパーとして認め、その介護者
を派遣するものである。
 高齢者の適用でも、例えば私費で家政婦を雇っている人などについては、公的ヘ
ルパーが派遣限度回数(区長が必要と認めた日数)以内であり、紹介所ヘルパーで
対応できる場合は、その派遣を先行させる考え方である。
 したがって、高齢者については、現在介護している介護者でなければ対応できな
いようなケースにのみ、その介護者を区に登録し派遣するものである。
 制度の対象枠としては、高齢者についても上記のような限定的なとらえ方ながら、
対象に含めて考えていくが、制度開始段階では障害者への適用を優先させ、高齢者
については、今後、対象者等の把握を行い、本年4月以降の適用開始としたいと考
えている。

質問3 本制度もホームヘルプ制度の一部分であるが、特別の取り扱いとなること
はないか。ホームヘルプ運営要綱と本取扱の関連はどうか。
回答@ 本制度の背景として、他人の介護のみにより自立生活している重度の障害
者が、駅頭や大学キャンパス等でビラ撒き等により、学生・主婦・勤労者を介護ボ
ランティアとして確保し、24時間介護体制をつくっている現状がある。また、高
齢者においても長年の地域生活から培ってきたコミュニティの中における人々の支
え合いの中で家事・介護力を得て、生活を送っている実態を見据えたものである。
これに類似して、家族介護のもとにある障害者の自立援助をも対象としたものであ
る。
 取扱に定める内容は、こうした背景、介護者の特性または実態に着目したもので
あり、それ以外の部分は原則として要綱による運営であり、特別な取扱はしないも
のである。

質問4 本制度の当面の適用範囲(対象者)を、どう捉えているか。
回答@ 当面、障害者の場合に次の人が対象となるものと考えている。
 ア 全身性障害者(重度脳性麻痺者等介護人派遣事業利用者で他人介護に認定
されている者)
 イ 重度の障害者などで重度脳性麻痺者等介護人派遣事業の利用者でないもの
で、月30時間を超える他人介護を入れている者
 ウ その他、家庭内で生活の自立をめざし他人による介護を月30時間以上入
れている者
 なお、ウについては、徐々に申請がなされるものと考えている。
 高齢者世帯では近隣の人に頼み、例えば薄謝、無料もしくは盆暮れ等の贈り物な
どを謝礼代わりにして、月30時間を超えて介護を受けている場合などが対象とな
ると考えている。
 当面の対象は、障害者が40名程度と想定している。高齢者については福祉事務
所から状況を聞きながら、早急に把握していく予定である。


2 ヘルパーの資格について【取扱−1関連】

質問5 この制度のヘルパーとなりうる資格を要綱との関連で、どう捉えているか。
回答@ 資格については、原則として要綱第27条の登録ヘルパーの資格要件に基
づくが、本制度におけるヘルパーの資格要件は、派遣対象者についての40時間程
度の介護実績があり、かつその世帯からの推せんがあり、さらに派遣対象者の介護
等が今後も適切に行えるか否かとしている。
 このほか、要綱では「心身とも健全であること」とするが、例えば介護者に身体
などのハンデがある場合であっても、福祉に関する理解やその対象者への介護に対
する実績、それに基づき培ったノウハウや熱意等も十分に備えた介護者もいること
から、一律にその理由をもって資格要件等に該当しないと判断すべきでないと考え
ている。
 介護者としては、単に介護技術という技術的な面のみならず、介護者と利用者と
の信頼関係やコミュニケーションの手段についての経験など安心感や精神的な面も
重要な要素になり、こうした点も配慮したものである。


3 派遣対象について【取扱−2関連】

質問6 「日常生活上介護が特に必要な世帯」とは、これまでのホームヘルプ対象
 世帯とどのように違うのか。また、その確認方法を示されたい。
回答@ 対象の範囲については、現行ホームヘルプ事業の対象者の枠内で考えてい
る。
A推せんヘルパーについては、現に他人の介護が入っている世帯への派遣であり、
主として日常生活を営むうえで困難度が高く、特に日常生活上の諸動作(食事、排
せつ、移動、着脱衣その他の身辺処理の動作)の介護が必要な世帯であり、現行要
綱上の常勤ヘルパーの派遣要件に該当する程度の世帯であると考えている。
 こうした意味で、「介護が特に必要」なものと捉えており、その確認は現行ホー
ムヘルプ事業と同様に行うものである。

質問7 「現に他人介護(月30時間を超える場合とする。)を受けている」こと
は、最も重要な要件であるが、どのような方法で確認するのか。
回答 派遣対象者の申請及びにこれまでの介護スケジュール表等による実績を審査
するとともに、対象者の生活状況等を把握して確認する。また、他人による介護が
月30時間(申請前月までの実績とする。)あることは、推せんヘルパー派遣申請
の必要条件である。

質問8 「月30時間を超える場合」とする根拠及び考え方は何か。
回答@ 推せんヘルパーの派遣は、常態として障害者が他人による介護を受けてい
る場合を前提としており、その介護費用が十分に捻出できていない現状を鑑みたも
のである。
A月30時間については、家族による介護のもとにある障害者の生活自立において、
次のようないずれかの他人介護を受けている実績があることを考慮したものである。
 ア 入浴介助 1回3時間(1.5時間×2人)で月10回 30時間
イ 送迎 1回2時間で週3〜4回 30時間程度
 ウ 病院送迎 1回4時間(運転者及び介助者が各2時間)週1〜2日
 30時間程度

質問9 「申請の時点で親族(2親等以内の血族及び同居の3親等の親族とする。)
以外の人(公的ヘルパー、ふれあい協力員及び福祉活動団体の派遣する介助者を除
く。)による介護を現に受けていること」について
@他人の範囲をどう考えているか。
A同居とは、どの範囲までを指すのか。下記の場合につき、判断基準を示されたい。
 ア 2世代住宅は同居となるのか。
 イ 同−敷地内別棟が同居となるのか。
 ウ 同−家屋内で別生活の主張があった場合、どこで判断するのか。
回答@ 「他人の範囲」等は、重度脳性麻痺者等介護人派遣事業や緊急介護人の例
による。また、私費で家政婦紹介所を経由し、もしくは直接の雇用契約により常時
家政婦を雇用しているような場合は、従来の公的ヘルパーの派遣の利用勧奨は考え
られるものの、雇用契約に基づく家政婦等はいわば営利活動であり、「他人」との
認定は考えていない。
 別居であれば他人に認定される「3親等の親族」については、二世帯住宅に同居
している場合などは、その家族が障害者の日常生活を援助する意味で同居している
ものと推定されるので、「家族」と認定する。ただし、このような場合でも、それ
以外の他人を介護者として有しているケースは、その部分について推せんヘルパー
の派遣対象となりうるものである。
 その他の場合も、上記の趣旨を勘案し、判断するものである。

質問10 福祉活動団体とは、具体的にどのような団体をさすのか。
回答 以下の有償介助、家事援助団体等を考えている。これらは何らかの公的補助
を受けた活動団体である。
 障害者本人が運営に参加している非営利団体(HANDS世田谷、ジャパンヒュ
ーマンハーバー等)
 地域福祉の視点で、区民の自主的な支え合い活動の中から組織化された非営利団
体(助け合いワーカーズゆりの木、ふきのとう等)

質問11 福祉活動団体の派遣する介護者かどうかの判断を具体的に示してほしい。
回答 福祉活動団体から派遣の介護者か否かは、推せんヘルパー登録希望者にヒア
リングで確認する。

質問12 「家族による介護を受けているが、やむをえず、現に他人による介護が
行われている場合には、派遣対象とすることができる。」の解釈について、具体的
に。
回答@ ここにいう「家族による介護を受けている」とは、一次的に家族による介
護が可能な状況にあることをいう。しかし、家庭内を含めて生活の自立をめざすな
どで現在他人の介護者が介護を実施している場合には、その限りで家族が介護がで
きない場合と判断することができる。したがって、要綱第3条第2項(2)にいう
「・・・、事故等」に「介護が十分に行えない状況にある」ことにあたると考えて
いる。
 なお、推せんヘルパーは、現行要綱に基づくものであり、家族の介護力の有無は
一次的に派遣要否の要件となると考えている。
 しかし、対象者の重介護や自立、社会参加の支援の面で他人の介護者を現に入れ
ている場合には、@のとおり本制度の利用対象となりうるものと考えている。

質問13 「他の介護施策によりサービスをうけているもの以外」について
@「他の介護施策」とは、具体的に何をさすのか。
A介護人が、本制度によるものなのか、「他の介護施策」によるものなのかは、ど
のようにして判別するのか。
回答@ この項の意味合いは、推せんヘルパーによる介護等がホームヘルプサービ
スによるものであり、緊急介護人派遣、重度脳性麻痺者介護人派遣、都の重度手当
及び老人福祉手当とは別の制度であるという趣旨である。このため、これらの制度
と併用して、利用ができることを明確にしたものである。
 どの介護施策を利用するかは、対象者の選択によるものである。例えば、他の介
護施策をすべて利用し、ホームヘルプサービスの利用がされていない場合には、こ
の取扱に該当するものであれば、本制度の対象となりうるものである。したがって、
他の介護施策の利用状況及びホームヘルプサービスの申請内容等により判別してい
くものである。

質問14 施設入所中の者で、自立生活をめざして土、日曜に自宅に戻ってくる場
合や一時帰省している場合に、その介護者を登録し、介護者を派遣することができ
るか。
回答@ 措置施設や利用施設に入所、あるいは生活している障害者が自宅等に土、
日曜を利用し、又は一時帰省等をして、その際に介護者を確保し、徐々に自立生活
のための訓練等をしている実態があるということは、認識している。
 しかし、措置施設の入所者で、土、日曜、一時帰省などで自宅等に帰ってくる場
合の介護の問題は、施設への措置費などの関連もあり、必要性があっても直ちにホ
ームヘルプ事業の利用対象となるとは考えていない。
 なお、施設入所者へのサービスとして、こうしたケースの介護、日常生活用具の
給付又は区内施設の入所者への移動サービス(タクシー券等)など、新たな問題提
起のあるものも少なくない。これについては、今後の検討に委ねることとしたいと
考えている。


4 サービス内容について【取扱−3関連】

質問15 推せんヘルパーによるサービス提供では、社会参加におけるサービス提
供をどう考えているか。
回答@ 推せんヘルパーによるサービスの提供の内容は、広く社会参加活動を目的
とする外出への介助を含めた日常生活面全般にわたるものである。これにより利用
者の在宅生活及び自立への支援を行うものであり、サービスの内容はかなり広範な
ものと考えている。
 具体的には、要綱第28条「登録ヘルパーの責務」のヘルパー側に関わる抽象的
に表現する制約事項については、本取扱で明記していない。したがって、これにつ
いては、限定的に解釈し、ケースバイケースで判断していくことが必要である。そ
の際には、利用者の在宅生活及び自立への支援の観点からの判断が求められるもの
である。
 例えば、就労の場や学業の場への移動時介助に対するサービス提供についても、
就労の場内部や学業の場内部での介助はともかく、上記の観点から慎重に判断すべ
きで、一律にサービスの提供内容から除外されるものではないものである。
 こうした取扱は、障害者の種々の生活側面において、既に適切に介護者として活
動するものをヘルパーとして派遣するという、本制度の特性から出たものである。

質問16 「推せんヘルパーに限っては、生活面全般にわたる援助を行う」とある
が、現行の要綱による判定基準との関係は(判定基準を見直すのか)。
回答@ 現行要綱別表2判定基準(派遣決定基準)では、I欄の「・・・するなど
重度の状況にあり、生活全般に介助・家事援助が必要な世帯」また、K欄の「・・
・難病者等で日常生活全般にわたり援助が必要な世帯」などとされており、基準の
見直しが必要であるとは考えていない。
 なお、推せんヘルパーに限り、サービス内容を生活全般にわたる援助としたのは、
本取扱の特性に応じた対応である。

質問17 「推せんヘルパーに限っては、生活面全般にわたる援助を行う」につい

@この定義によれば、同じ世帯の状況であっても、従来の公的ヘルパー派遣の場合
と推せんヘルパー派遣の場合では、決定するサービス内容が違うことになる。
Aまた、同じ状況の世帯から「社会生活上必要な外出介助」の希望がでたときは、
従来の公的ヘルパーの場合は、その内容によって派遣の可否を福祉事務所が判断し、
推せんヘルパーの場合は、福祉事務所の判断の余地なく、希望どおりに派遣するこ
ととなる。同じ状況の世帯が、かならず推せんヘルパーを利用できるとは限らない
のに、このような差をつける根拠は何か。
Bこれにより当然、派遣回数の決定も異なり、事実上推せんヘルパー派遣回数はい
つも最高回数派遣となる。
C上記により推せんヘルパーのサービス内容及び派遣回数については、福祉事務所
の判断の余地はなく、要望があった場合には最高回数の派遣で決定せざるを得ない。
そのような解釈でよいのか。
回答@ 制度実施の背景として、質問2の回答に述べたように状況があり、現に他
人の介護が入っている部分について、ヘルパー派遣として認めるものである。
Aこの場合、介助者確保について自助努力が大きいこと、相互の信頼関係に基づい
た利用者本人の推せんによるヘルパーであること、介護が生活全般にわたり、かつ
時間帯も問わないのが現状であることから、登録ヘルパーのいわば特例として設け
るものである。
 派遣回数については、現行の派遣基準により福祉事務所が決定するものである。

質問18 重度脳性マヒ者等介護人派遣事業における介護人による介護内容と推せ
んヘルパーによるサービス内容の違いは。
回答@ 重度脳性マヒ者等介護人派遣事業は、介護人を派遣し、対象者の生活圏の
拡大を図るための援助を行うことを目的としている。介護人の介護内容は特定され
ておらず、対象者の生活圏の拡大につながるものであるかぎり制約はないものであ
る。
 これに対し、推せんヘルパーの派遣は、ホームヘルプ事業という別制度によるも
のであり、サービス内容は生活面全般にわたる内容となるものの重度脳性マヒ者等
介護人派遣事業と異なり一定の制約が伴うものである。質問15の回答のとおり登
録ヘルパーに一定の責務を課しており、その解釈については限定的に捉えていくも
のの、医学的知識や医学的技術を要する看護・介助で医師の指導が得られないもの
については、ホームヘルプ事業の範囲外と考えられる。こうした点などを含め、両
事業は性格を異にするものである。
 なお、重度脳性マヒ者等介護人派遣事業については、近い将来、国の認定により
ホームヘルプサービスの一環として位置づけが変更されることが見込まれており、
こうした動向に応じてホームヘルプサービスのあり様も再検討が必要であると考え
ている。
 また、入院中の取扱等について、重度脳性マヒ者等介護人派遣事業の特例扱いと
の整合性が求められることも予測されるものである。


5 派遣回数・時間数について【取扱−4関連】

質問19 1日1回の捉え方について、明確に示してほしい。
回答@ 推せんヘルパーは、ホームヘルプサービスのひとつであり、他のヘルパー
(常勤ヘルパー、紹介所ヘルパー)と同様に、1日1回3時間を単位に、派遣決定
により区長が必要と認めた回数を派遣するものである。制度発足時は、週5回を限
度とする。
 その中で、24時間あるいは1日をどう捉えるかについては、暦日を持って捉え
るものとする。例えば、午後9時〜翌日午前3時は、2日で3時間を2回として把
握するものである。

質問20 「派遣の時間帯及び曜日は派遣申請に基づき決定する」の意味あいは何
か。
回答  推せんヘルパーの派遣時間帯及び曜日(土・日・祝日を含めて)は問わず、
派遣申請の際の対象者のニーズにより決定するという趣旨である。

質問21 「介護を要するものが2人以上いる場合には、必要に応じて回数の増を
図る」について
@「介護を要するものが2人以上」とは、2人それぞれに30時間以上の他人介護
を受けていることか。また、一人の介護者が2人の介護を行っている場合は、該当
するのか。
 「必要に応じて」の具体的な判断を例示されたい。
回答@ 現行ホームヘルプ事業の中での運用を取扱に明記したものである。
 一般に同一世帯に介護を要する者が複数いて、そのうち月30時間以上の他人の
介護が入っている者がいる場合には、推せんヘルパーの派遣回数も含め、週5回以
上に派遣増を行うという趣旨である。
 必要度の認定は、現状の運用が前提となるが、それぞれの要援護者のニードの違
いなどにより福祉事務所が具体的に判断することとなる。例えば、世帯の家事は週
2回で足りるが、一人の要援護者に身体介護(外出介助なども含む)などが週5回
必要となる場合には、2回増の週7回となることなどである。

質問22 従来のホームヘルプサービスでは、定期的な派遣を原則としていた。推
せんヘルパーの場合は、曜日や時間が不定期な場合にも認めるのか。緊急介護人の
ように、総派遣時間の範囲で不定期に使用したいとする要望が考えられるので、見
解を示されたい。
回答@ ホームヘルプサービスは、通常定期的な派遣であるが、高齢者の現行の区
直ヘルパーの緊急派遣のようにスポット的な対応もありうるものと考えている。
A今後めざすべき「必要なときに必要なサービス」という面では、当然不定期なも
のも想定される。現に生活実態に即してこうした派遣をしてほしいとの要望もある。
しかし、当面の派遣については定期的な派遣として実施していきたい。このため、
派遣申請の際に申出があり、派遣決定された曜日、時間帯に、1日1回3時間を限
度として定期的に派遣するものである。
 なお、不定期派遣(介護券は1時間毎の累積使用と考え)の要望も現実に出てい
るので、今後その対応について検討していきたい。


6 推せんヘルパーの登録について【取扱−7関連】

質問23 ヘルパーへの登録希望者の本人確認については、どう確認するのか。ま
た、登録要件である介護実績40時間の確認はどういう方法で行うのか。
回答@ 本庁等への来所等により、推せんヘルパー登録希望者の本人確認を行って
いく。したがって、推せんヘルパーへの登録の申出は、希望者本人により登録ヘル
パー申出書と派遣対象世帯からの推薦書を所管課に持参して行うものとする。
 登録要件としての「介護実績」は、派遣対象者への介護経験等を活用し、介護サ
ービスの質の向上を図る面があることから、派遣対象者本人への介護実績が通算
40時間を超えていることが必要であり、その確認は登録希望者本人の申告及び来
庁時でのヒアリング等により確認する。
 なお、40時間の介護実績については、ホームヘルパー養成研修3級程度の時間
数も考慮したものである。

質問24 登録後、ヘルパーの住所等が変更になった場合は、どう対応するのか。
回答 ヘルパーへの登録後、登録申出書の記載内容(住所、連絡先等)や報酬の受
領に必要な金融機関の変更等が生じた場合は、登録申出時と同様、所要の手続きを
行うものとする。


7 推せんヘルパーの報酬等について【取扱−8関連】

質問25 本制度の報酬は、雑所得や給与所得として取り扱うか。
回答 本制度によりヘルパーに支払われる報酬は、重度脳性マヒ者等介護人派遣事
業で介護人に支払われる手当と同様に、雑所得扱いとなるものである。このため、
報酬の支払時には源泉徴収はしない。
 なお、本制度の活動に伴う報酬につき、推せんヘルパー各人あてに毎年1〜2月、
決定の支払額調書を送付するものとする。


8 研修について【取扱−9関連】

質問26 推せんヘルパーの研修は、今後どうしていくのか。
回答@  ホームヘルプ事業運営要綱に基づくヘルパーである以上、事業の実施主
体として採用時研修及び定期研修を実施し、推せんヘルパーの出席を呼びかけてい
く(事実上強制できるものではない)。
 特に、採用時研修については、新規ヘルパーとして登録した都度、研修を実施す
ることは現実的でないため、以後行われる定期研修を受けることでそれに代えたい。
 研修の実施内容については、概ね緊急介護人の登録介護人研修と同様に考えてお
り、早急に詰めていきたい。実施にあたっては、区内の福祉活動団体のノーハウな
どの活用も考えていきたい。


9 その他【取扱−10関連】

質問27 「申請者の意向」「派遣調整は申請者自ら」等申請者の判断で運用でき
るように読み取れるが、あくまでも福祉事務所の判断で行われることが必要である
と考えるがどうか。例えば、並行派遣の常勤ヘルパーの日程まで調整が及ぶことな
ど。
回答@   当初、推せんヘルパーについては実情把握の点から常勤ヘルパーとの
並行派遣を前提に考えていた。しかし、利用者の選択も認めてほしいとの要望が高
いため、常勤ヘルパーか推せんヘルパーかの選択については利用者の意向を尊重し、
「申請者の意向」とするものである。
 この場合、利用者の意向として推せんヘルパーのみでも可とするものであり、常
勤ヘルパー派遣ですべてを行うということを認めたものではない。常勤ヘルパーの
週あたりの派遣回数(区長が必要と認めた回数以内で)は常勤ヘルパーの派遣計画
の中で、区が決定すべきものである。なお、紹介所ヘルパーと推せんヘルパーとの
併用もありうるものである。
 「派遣調整」については、推せんヘルパーを利用している世帯において、何らか
の事情によりその推せんヘルパーが介護に来れない状況となったときは、他の登録
された推せんヘルパーへの派遣調整について申請者の判断で行うことを明らかにし
たものである。その点で、区の業務軽減を図るものである。

(おわり)


障害者の介助(介護)に関わる地方自治体の制度  ◇介助(介護) 

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