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新田 勲

にった・いさお
1940/09/26〜2013/01/02


・19400926〜20130102 東京都北区
府中療育センター闘争を経て「自立」
全国公的介護保障要求者組合
・* 19400926生 〔聞〕『創る会ニュース』1:10-11,2:2-3,3:3-6,5:2-4,6:14-15,3:3-6,7:8『それでも地域に…』:14-1・ニュース』1:10-11,2:2-3,3:3-6,5:2-4,6:14-15,3:3-6,7:8『それでも地域に…』:14-16『全障連』13:14 (1980東京青い芝の「年金一本化7万円要求」の批判)『福祉労働』17:17-25「重度障害者の自立と介護保障」在宅障害者の保障を考える会85

◆深田 耕一郎 20131013 『福祉と贈与――全身性障害者・新田勲と介護者たち』,生活書院,674p. ※ d00sm. ds.

◆新田 勲 20120815 『愛雪――ある全身性重度障害者のいのちの物語』,第三書館,上:448p. ISBN-10: 480741206X ISBN-13: 978-4807412068 1800+ [amazon][kinokuniya] ※ 下:352p. ISBN-10: 4807412078 ISBN-13: 978-4807412075 1200+ [amazon][kinokuniya] ※ d00p.d00h.i051970.

◆新田 勲 編 20091110 『足文字は叫ぶ!――全身性障害のいのちの保障を』,現代書館,270p. ISBN-10: 476843486X ISBN-13: 978-4768434864 2200+ [amazon][kinokuniya] ※

◆新田 勲 20080315 『足文字は叫ぶ!』,全国公的介護保障要求者組合,434p.


◆新田 勲 19821225 「専従介護者にたくす介護保障」
 『季刊福祉労働』17:017-025
 →『生の技法』初版(1990)文献表
◆新田 勲 198704 「共同専従への移行についての提言(その2)」
 『創る会ニュース』007:06
◆新田 勲 19890625 「介護保障運動の取り組みの歴史とその展望」
 『あくしょん』11:26-31
◆新田 勲 19910725 「アドルフ・ラツカ氏の講演を聞いて――スウェーデンの自立生活協同組合とは?」
 『要求者組合通信』018:02-04
……
◆新田 勲 20010501 「障害者に生まれて幸福だったと自分を偽るな。本音で生きろ!」
 全国自立生活センター協議会 編[2001]
*全国自立生活センター協議会 編 20010501 『自立生活運動と障害文化――当事者からの福祉論』,発行:全国自立生活センター協議会,:発売:現代書館,480p.
 ……

 *立岩他聞き取り:1987.5.26
 *立岩2007/10/08(祝)14:00〜対談→新田編[2009]に収録

◆2013/01/04 http://blogs.dion.ne.jp/karintoupossible/archives/11043768.html

■言及

◆立岩 真也 2017/08/05 「重訪、なにそれ」,重度訪問介護従業者養成研修,於:立命館大学衣笠キャンパス

立岩真也『不如意の身体――病障害とある社会』表紙 立岩真也『病者障害者の戦後――生政治史点描』表紙 立岩真也『不如意の身体――病障害とある社会』表紙 立岩真也『病者障害者の戦後――生政治史点描』表紙

◆立岩真也 2018/11/30 『不如意の身体――病障害とある社会』,青土社,481p. ISBN-10: 4791771192 ISBN-13: 978-4791771196 [honto][amazon][kinokuniya] ※

 「★21 肯定的なものとして、『「障害は私の個性」――共に生き、共に学ぶ』『癒しのセクシー・トリップ――わたしは車イスの私が好き!』『いのちに贈る超自立論――すべてのからだは百点満点』(安積[1990b][1993][2010])。『エンジョイ自立生活――障害を最高の恵みとして』(樋口恵子[1998])。それに対して例えば「障害者に生まれて幸福だったと自分を偽るな。本音で生きろ!」(新田勲[2001])。」

◆立岩 真也 2018/12/15 『病者障害者の戦後――生政治史点描』,青土社,512p. ISBN-10: 4791771206 ISBN-13: 978-4791771202 [honto][amazon][kinokuniya] ※

 「きっと院長たちに自ら実験する時間的他の余裕はなかったと思う。また、さきに見たように、役に立たない人間に金を「かけるべき」だと(かけるための根拠他を追究するべきだと)白木は言っているのでもあった。ただ、そこに住んでいて抗議した人(絹子たち)、それを支援した人(俊明たち)はいま引用したように思った、そしてそれから五〇年を経た今も思っているのが事実だ。白木には忌まわしい学園闘争の記憶があり、このセンター闘争に幾つかの党派が関わったことも一方の事実ではあり、面したくない気持ちはわからないでもない。ただ、構想され建設された施設の中でのことは、ないかのごとくにされ、別の立派な実践や構想が語られたのである。
 もう一つ、私がもっと大切だと考えるのは、その医師・医学者や看護師たちが関係して作って護ってきたものと、ここで遮断され、いないことになっている人たちが作ってきたものの間に断絶と対立があることだ。まず断絶について。三井や三井の兄で同じセンターを出所した新田勲(一九四〇〜二〇一三)★32は、その後の約四〇年を介助(介護)の制度を作りそれを地域に実現することに専心した。そして、そんなことがあったから、新田が住んで役所と交渉を続け相対的に制度が進んでいた東京都練馬区で、日本ALS協会の会長なども務めた橋本操が単身独居(に近い)生活をすることができたことは『ALS』にも記した。しかし、そうした制度のことは、その人たちが編集・監修して出版された「在宅ケア」について出されるたくさんの本に出てこない。あるのは、新宿区保険障害福祉部資料(一九八五)を引き写した「重度脳性麻痺者介護人派遣 給付内容:本人の指定する介護人の介護を受けるための介護券を月十一枚公布します。対象:二〇歳以上の脳性麻痺者で身体障害者手帳一級の方」(伊藤[1988:226])といった記載だけだ★33。△257
 そして対立について。[…]」

 「★31 「俊明:東大の夜間シンポジウムという所に、「府中療育センターの告発」っていうのが三井絹子の日記を含めて、出たのが初めてです。そういうようなことで、電動の仮名タイプが命を救ってきたというのはあるかと思います。」(三井[2018])府中療育センターでの闘争に東京大学での争いが関係しているのかどうか現時点で確認できていないが、すくなくとも闘争のことが東京大学で報告されたことはあったということだ。俊明は次のようにも言う。
 「私がこの人に面会しに行きます。そうすると、日頃面会する人がいないもんですから、私と絹〔三井絹子〕の間に障害持った人がたくさん並ぶんです。私も話したい、私も話したいみたいなことになっていって、その人たちを中心にして、府中療育センターの移転阻止闘争有志グループっていうのを作ったりなんかしたんです。そういうものに参加した障害を持った人たち、見せしめだと思いますが、御蔵島という伊豆七島の一つの島に返されて、一年くらい帰ってこなかったかね? この人もそうですけれど、親が見るのが大変な状態にもかかわらず、また親というか親族の所に返されるんですよね。結局、日野療護園でその人は亡くなっていきましたけれど。卑劣なやり方をすごくやっていましたよね。それで、「共に寄りそって五〇年」〔センターのHPにそう記されている〕なんていうと、いま持っているマイクを投げつけたいくらいの気持ちがあるんだよね。ちゃんとね、そういう過去の歴史もきちっと反省して書いた上で言うんだったら話は別なんだけど、まるでなんにも無かったがごとくに、よい施設ですみたいな感じで表現されても、そんなことはしませんけど、火をつけて燃やしたいくらいですね。そのくらいの怒りは感じるところはありますよ。[…]なんて言うんだろう、小さな怒りでも、やっぱり諦めないでぶつけて行くことがけっこう必要なんではないかって思う部分がありますね。」(三井[2018])
 編書に新田編[2009]。私との対談(新田勲・立岩真也[2009])も収録されている。著書に『愛雪』(新田[2012])。新田に就いて調べた博士論文がもとになった本に深田耕一郎[2013]。
★32 編書に新田編[2009]。私との対談(新田勲・立岩真也[2009])も収録されている。著書に『愛雪』(新田[2012])。新田に就いて調べた博士論文がもとになった本に深田耕一郎[2013]。△277 」

◆立岩 真也 2021/03/10 『介助の仕事――街で暮らす/を支える』,ちくま新書,筑摩書房,238p. ISBN-10 : 4480073833 ISBN-13 : 978-4480073839 820+ [amazon][kinokuniya]

 「もう1人が三井さんの兄貴で新田勲さん。にやけた顔にみえる、そしてなかなかもてた脳性まひの男性で、この人も2013年に、この年はいろんな人が亡くなった年なんだけれども★26、亡くなりました。彼も本を出しています★27。僕は、大学院生の時にインタビューをしたり、ずっと後、こういう稼業をするようになってから、お呼びがかかって、対談をさせてもらったりしました。『足文字は叫ぶ』(2009、現代書館)という本に入っています。彼はしゃべれない。座って、足を動かして床に字を書くというのに近いかな。僕はわからないんだけれども、慣れている介助者は読めるんです。ひらがなに近いものか、それをちゃちゃちゃと書く。それで話す。静かな所作ですよ。だから、「足文字叫ばないだろう」って、この本のタイトルがなんかおかしかったです。その新田さんは練馬区在住、1970年代からの「公的介護保障要求」の運動を引っ張った人でした。」

◆立岩 真也 2020/03/11 『介助の仕事――街で暮らす/を支える 補注・文献』Kyoto Books

第5章★26 「生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築」の頁には「故人の一覧」もある。それを見ると2013年の物故者で私たちのサイトにいくらかの情報がある13人があげられている。その中にはさきにあげた横田弘(第5章「始まり1・「母よ!殺すな」)、第1章(38頁、註07)で紹介した杉江眞人がいる。
第5章★27 自伝に『愛雪――ある全身性重度障害者のいのちの物語』(新田[2012])。対談(新田・立岩[2009])は『足文字は叫ぶ!』(新田編[2009])に収録されている。じつは私たちは1980年代後半にも三井や新田にインタビューしているのだが、その記録が残っていない。それがいかにも残念で、今ごろになってアーカイブなどど言っているのでもある。
 立教大学の大学院生をしながら長く新田の介助者をして、その新田たちの世界を描いた博士論文を書いて、それが本になったのが深田耕一郎の『福祉と贈与――全身性障害者・新田勲と介護者たち』(深田[2013])。


UP:20080126 REV:20080618, 20091107, 20161210, 20181201, 2021037
新田 勲  ◇府中療育センター闘争  ◇全国公的介護保障要求者組合  ◇病者障害者運動史研究  ◇障害者(の運動/史)のための資料・人  ◇WHO  ◇生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築 
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