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『バイオ時代に共生を問う――反優生の論理』

古川 清治・山田 真・福本 英子 編 19880210 柘植書房,210p.


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古川 清治山田 真福本 英子 編 19880210 『バイオ時代に共生を問う――反優生の論理』,柘植書房,210p. ISBN-10: 4806801844 ISBN-13: 978-4806801849 17000 [amazon] ※/杉並498 b

福本 英子 19880210 「「商品化」される生命」
 古川他編[1988:007-043]
上埜 さと子・青海 恵子 19880210 「女の「自己決定権」と生命」
 古川他編[1988:045-075]
池亀 卯女 19880210 「管理される育児――母子保健体制の下で」
 古川他編[1988:077-110]
山田 真 19880210 「障害児保育」のひろがりを妨げるものはなにか」
 古川他編[1988:111-136]
山田 真 19880210 「われらの内なる優生思想を問う」
 古川他編[1988:137-165]
古川 清治 19880210 「<共生>と<人権>をめぐって――管理と操作の時代に」
 古川他編[1988:167-207]

■引用

山田 真 19880210 「われらの内なる優生思想を問う」
 古川他編[1988:137-165]
 「自分の体内に宿した胎児の染色体に異常があると告げられた親は、そうした世の中の固定観念の中で将来を思いえがくのだ。そこでは「障害児と共に歩む不幸な人生、周囲から迷惑がられ邪魔にされながら生きてゆく人生」といった悲しい未来像しか見えてこないだろう。そして目の前にいる医者は、たとえはっきり口に出しては言わなくとも、やはり同様の考え方を持ち、「このような不幸な子どもは生れてくるべきではない」と無言のうちに語りかけている。そのような状況にあって多くの親は結局胎児の生を絶つことを選ぶだろう。それはとりもなおさず「障害を持った胎児は殺せ」という、社会の要請にこたえていることになるのだが。
 親たちがそのような選択をする時、優生思想は貫徹されるのであり、胎児診断に当った医師たちも「社会にとってお荷物になる人間」が一人増えることを阻止できたという点において国手≠ニしての任務を全うしたことになるのだ。」(山田[1988:161-162])

■言及

◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表


UP: REV:20071222(ファイル分離),20080829
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